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しもさんの「新聞・書籍掲載文」
しもさん
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2006年05月05日(金)
大記録の陰に名なき人あり (47歳)

静岡新聞 朝刊(ひろば)

「史上初2打席連続満塁ホームランはチームの記録」。
そんな視点で、ジャイアンツ・二岡選手の大記録をテレビ前で見ていた。
この記録「決して1人では達成できない記録」であるからだ。
マスコミはこぞって、二岡選手をクローズアップし特集するが、
私はそう思わない。
確かに、こんな緊張する場面で打った彼は素晴らしいけれど、
その前に3つの塁を埋めた選手たちがいなければ、
この記録は達成できなかった。
それも2回続けて満塁のチャンスを彼に与えたのだから、すごい。
だからこそ私は「チーム一丸となって達成したの記録」と言い切りたい。
いつだったか「法隆寺は誰が建立したのか?」の問いに
「聖徳太子と宮大工」と答えて笑われたことがあるが、
まさしく同じ視点で、この大記録を眺めていた。
日本プロ野球史には、二岡選手の名前が刻まれるけれど、
その記録にかかわった選手たちは、自分の記録として大切にしてほしいし、
東京ドームで大きな声で応援していた人たちがいたからこそ、
この記録が生まれたともいえる。
歴史に名を残すのは、いつも1人だけれど、
本当は多くの人たちがかかわっていることを忘れてはいけない。