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しもさんの「新聞・書籍掲載文」
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1996年07月27日(土)
何かに頑張れ アリが教える(38歳)

静岡新聞 朝刊(読者のページ)

四年に一度の寝不足、分かっているけれど、
ついつい深夜までテレビにかじりついてしまう意志の弱さに苦笑してしまう。
開会式の入場行進から、「頑張れ!」と声援を送った私にとって、
ムハマド・アリの聖歌点火シーンは逆に「頑張れよ」と励まされた気がした。
日々、たいした努力もせず、テレビの前に寝そべり、
ビールでも飲みながら観戦することはだれてもできる。
頑張ることを忘れかけた私に、
彼は「とにかく頑張ってみろ。結果は後から付いてくる」、
そう言っているような気がした。
若いころ「オリンピックは参加することに意義がある」という言葉が
理解できなかった。
競技なんだから勝たなければ意味はない、とばかり
勝負にこだわった見方をしていた。
最近やっと、その意味が分かってきた。
「オリンピックは頑張った人の祭典」「努力した人へのご褒美」という視点で見ると、
とても楽しいことも分かった。
病気と闘っているアリを見て、
もう一度、何かに頑張ってみよう、という気になった開会式であった。