「なあなあ紅葉〜、面白いもの見つけたんだけどさー。コレ、編んでみるつもりない?」 壬生紅葉と緋勇龍麻は学校帰り、連れだって手芸ショップへと来ていた。 壬生のひそかなアルバイトの一つに手芸があり、その材料調達のために寄ったわけだが。 このような種類の店が初めての龍麻は、「へー」とか「わー」とか、少年にしては愛くるしいと言っていい容貌に相応しい、かわいらしい歓声を上げていたのだが。 好奇心をまんまんと湛えたその眼が、とある手芸セットに留まる。 それは材料と作り方が書かれたメモがセットになっている代物で、手芸初心者にはうってつけのものでは、あった。 が・・・その名称を見た壬生の顔が、ぴくく、と引き攣る。 「龍麻・・・何を期待しているかは知らないけれどね。これはあくまでもその編み方の出身地の名前であって、彼とは何の関係もないんだよ?」 「えー、そうなの? 『ボクが来たからもうアンシンねー』とか、『HAHAHA、タノシーねっ』とか、声が聞こえるんじゃないの?」 「聞こえたらさぞや、高値で売れるだろうけどね・・・」 「ちぇーっ、残念。あいつのそりゃあもお! あつっくるしい声が聞こえるんだったら、この冬は寒さとは無縁だと思ったのにー」 龍麻が手にしている手芸キットには、こう書かれていたのだった。 『手作りマフラー アラン編み』 ≪おしまい♪≫ *************** *実話です(汗)。本気でアラン編みと言うものは存在しまして、何でもネットで調べた情報によると、「アラン諸島の伝統的な模様」を編みこむ手法の事らしいです。 これをショッピングセンターの手芸センターで見たちゃんちゃん☆ は、 「HAHAHA、タノシーねっ!」 ・・・と言うアラン蔵人の高笑いが、真っ先に目に浮かびましたとさ(爆笑)。おかげで笑いを噛み殺すのに一苦労。周囲の人にはさぞや、不審人物として見えただろうなあ・・・・。 「茂保衛門様〜」書きたいのですが、いろいろとたてこんでまして。そのうちこのレンタル日記が更新されるのがイヤだったんで、こーゆーしょうもない話をUPした次第です。「空更新」て方法もなくはないんですが、さすがになけなしのプライドが許さん・・・・(汗)。
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