つたないことば
pastwill


2004年01月19日(月)  

どうして私はここへ来てしまったのか
話すことなど何もないのに

冷たい石の墓標は何も語らない
この下に眠るのは只の骸

今まで確かにそこに存在していたのだ
私にはそれが当たり前で
当たり前すぎて見落していたのだ

風が冷たすぎる
突き刺さるように吹きつけて

この頬を伝う冷たいものは
鮮血なのかもしれない

でなければ

お前の泪雨だ


2004年01月18日(日)  

私の先を歩く貴方の歩調がとても軽やかで
私を遠くへ連れて行ってくれるのかと思っていた
貴方はとても優しいから
大きなトランクを引いて
私をどこかに

私の手を包んだその掌はとても大きくて
私のすべてを隠してくれるのかと思っていた
貴方はとても優しいから
見えないよう覆い隠して
私のからだを

私を見つめるその瞳がとても鋭利だから
私をいつか貫いてくれるのかと思っていた
貴方はとても優しいから
何もかも見透かして
私のすべてを


2004年01月15日(木)  

泣くことを忘れてしまった私の目はもう貴方を映してはいない
それでも気がつけば何もない宙に差し伸べている腕を
私は未練がましいとは思わない
これが貴方と私の形のすべてだったのだから
私はいつもそうだった
貴方の傍にずっと居たつもりだった
貴方の全てを理解しているつもりだった
貴方の信頼を得ているつもりだった
全て私の思い込みだった
いつも貴方は私の目の前を歩き
手の届きそうで届かないところに立っていた
私の手は伸ばしても伸ばしても空回りして
気がつけば心の中で泣いていた

おやすみなさい
私が愛した貴方



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