天上天下唯我独尊

2016年08月31日(水) また入院

朝の4時、甥っ子の泣き声で目が覚めた。
甥っ子は私の両親と一緒に寝るのだが、寝室の戸を開けてふにゃあと泣くので、私の部屋まで聞こえてしまう。
さっさと寝かし付けて私もせめてあと1時間は眠りたいので、出来る範囲で要求に従う事にする。
「お茶飲む?」「うん」
甥っ子を抱えて階段を下り、台所の椅子に座らせる。
「コップはこれでいい?」「うん」
冷蔵庫からお茶を出そうとすると「ううん」。
お茶じゃなくてジュースを飲みたいらしい。さっきはお茶って言っただろうが!
「じゃあ少しだけだよ。いい?」「うん」
コップに林檎ジュースを水で割って入れ、甥っ子に差し出すと「これ、これ」と、湯呑みを指差した。さっきはこのコップがいいって言っただろうが!
中身を指定の湯呑みに移して差し出すと、今度は飲んだ。一気飲み。もっと味わってゆっくり飲もうよ……誰も取らないからさあ。
「もう終わりでいいね?」「ううん」。まだ飲むんかい!さっき少しだけだぞって言っただろうが!
ほんの少しだけ継ぎ足してやると、「これ」と言って、今度は模様のついた別のコップを指差した。どの入れ物で飲もうと味は変わんねえよ!
「駄目、これがいいってさっき言ったんだから、これで飲みな」と言ったら、ふにゃあと泣き真似をした。騒がれると面倒なので、仕方なく言う事を聞いてやると、大人しく飲んだ。
「よし、じゃあじいちゃんとこに戻る?」「うん」
「自分で階段のぼれる?」「ううん」「抱っこするの?」「うん」
重い甥っ子を2階まで連れて行って、やっと布団の上に転がしたと思ったら、またムクリと起き上って「ちゃーちゃ」と言う。今飲んだばっかりだろうが!!
面倒だが泣かれると更に面倒なので、また抱きかかえて階段を下りる。膝が限界……。
そしてまた飲むの飲まないのを繰り返し、最終的に甥っ子が寝付いた時には、5時になっていた。
ここで二度寝したらきっと起きられないと思ったので、顔を洗って荷造りをする事に。
昨日干した服は生乾きだったが、袖に手を通した。もう着たまま乾かせばいいや。
母に頼んで駅まで送って貰い、切符を買って帰途についた。

家に着くと、まず窓を開けて掃除機をかけた。
台所も結構臭うので、洗い物と生ごみの始末をしてから、主人の入院準備に取り掛かった。前回の入院から8箇月、必要な物は大体覚えていたので、それらを纏めて鞄に詰めて、車を運転して病院に向かう。
平日なので駐車スペースがなかなか見つからずに難儀する。誘導員はいるが全く誘導してねえ!役立たずが!
だだっ広い駐車場の隅っこに車を停めて、最長距離から正面玄関を経由して漸く受付に辿り着くと、訪問者は名前を書けと言う。クッソ面倒くせえ!
この時点で既に苛々が最高潮に達している私。名前を殴り書きして叩き付けるようにペンを置き、教えられた病室を訪ねると、主人が病衣を着てベッドの上に座っていた。
「あれ、もう来てくれたんだ。早かったねえ」
「朝一番の便に乗って来たの。連絡しようにも出来なかったから」
と微笑みを浮かべながら、自宅の枕元に置き去りにされていた、主人の携帯電話を手渡した。
「財布は持って来たんだけどね、携帯の事は忘れちゃってて。なんかもうそれどころじゃなくってさ……」
と、昨日の経緯を話してくれた。
熱があったので午前中に病院に行き、午後からは自宅で寝ていたが、震えが来て、これはおかしいと感じて救急車を呼んだという。
自分でその判断が出来て良かったよ。私が帰宅した時にはもう……じゃなくて本当に良かった。
あまり食欲が無いと言うので、主人が半分残した昼食は私が貰った。ラッキー。

病院を出て途中で主人の職場に寄り、上司に入院の書類に記入して貰った。近くに親類がいないので、前回も上司に保証人になって貰ったのだった。
帰宅してからは、掃除の続きと洗濯。
他に片付けなど色々やっていると暗くなって来たので、書類を持って病院に行った。狙い通り夕食の時間に。
しかし今度は私の口には入らず。あまり美味しくないと言いながら、主人が全部食べた。それだけ元気になったという事だろう。
でももう少し入院してて欲しいな。退院するとすぐに仕事仕事で忙しくなっちゃうから、暫くゆっくり休んで欲しいのだ。
それにしても、主人の髪の毛がベタベタ。明日は風呂かシャワーを使えるように頼んでおくようにと言い残して、病院を後にした。



2016年08月30日(火) 台風10号

朝から暴風雨だった。そして湿気も酷かった。まさに台風の時の天気である。
エアコンをつけて室内干しにしたが、洗濯物が明日までに乾くかどうか。前日におもらしで着替えをしたので、甥っ子のズボンの替えがもう無いのだ。
保育園では食事の際に子供本人にスプーンを握らせているようだが(だから毎日服に御飯粒やら食べ物の汚れが付着しているのか!)、当然家ではそんな事はしない。育児書に何と書いてあろうと、しない。
余計な仕事が増えるなんて、真っ平御免である。零したら誰が片付けると思っているんだ!

いつも保育園では、正午前に昼食が終わって、その後すぐにお昼寝タイムらしい。
なので正午を過ぎると眠くなる甥っ子。お昼ご飯の前にウトウトし始めたので、慌てて母に素麺を茹でて貰い、甥っ子の口に突っ込んだ。
少し食べたところで寝てしまったので、そのままお昼寝させる。
お昼寝の後は、甥っ子とお出かけ。
本当は妹と甥っ子が行く筈だったのだが、台風のせいで妹が来られず、私が代理で行く事になったのだ。
外出先で携帯電話が鳴ったので、見ると主人からであった。しかし今は一寸電話に出られないので保留に。
用事が終わってから見てみると、午前中にメールも来ていた。具合が悪いから仕事を休んで病院に行くと言う。という事は、さっきの電話は家で寝ているという事だったのか。
帰りのタクシーを待つ間、折り返しの電話をかけてみたが、出ない。携帯電話を居間に置いて、寝室で寝ているのかな。そう思った。
まあ用があったらまた電話して来るだろ。そう思って、帰宅して甥っ子と遊んでいると、夕方、携帯電話が鳴った。
しかし主人からではなかった。なんと相手は救急隊。
主人が、自宅から救急車で運ばれたという。
自分で救急車を呼んだものの、自力で歩ける状態ではなく、隊員に運んで貰ったとか。
隊員さん達も気の毒に、重かっただろうなあ……と思っていると、今から病院に来て下さいと言う。
「いや、無理です」
と即答する私。だって、台風で電車も高速道路も使えないし。
だったら親戚とか、身内の方は?と訊かれたが、それも近場にはいないから無理だって。
明日でもいいですよね?と言うと、隊員の口調が段々非難めいたものになって来たが、こういう土着の人達には、転勤族の苦労なんてわかんねえんだろうなあと思った。
「まあ、行くにしても今日は無理ですね。交通手段が無いのでは、どうにもなりませんから」
と答える私は、彼には冷酷な妻に思えただろう。
というか、行ってどうすんだ? 着替えなどの入院準備と入院手続き位だろう、死にかけているなら兎も角……ひょっとして死にかけているのか?
流石の私も一寸心配になり、主人の携帯に電話してみたが、出ない。
搬送先の病院に電話してみたが、患者の様態については教えられないという。まあそりゃそうだろうな。
取り敢えず、生きているのかいないのか、生きているなら死にそうなのかどうかだけでも教えてくれと言ったら、本人に伝えておきますという事だった。
危篤だったら「本人に伝える」は無い筈。命に別状は無いようだと判って、ひとまずホッとした。
「そういう訳で、私は明日帰るから。お母さんが来るまでいい子にしてるんだよ」
と甥っ子に言うと、置いて行かれるという事がわかったようで、夜になって寝るまで私にくっついて離れようとしなかった。
失敗したなあ。明朝は甥っ子が目を覚ます前に家を出ようと思った。



2016年08月29日(月) そろそろ2歳

1箇月ぶりの子守。
妹と甥っ子が実家に行くと言うので、その手伝いのつもりで前日に乗り込んだのだが、最寄駅に着くと既に強風が吹き荒れており、これ明日の移動は無理なんじゃないの……という予感で一杯。そう言えば、夏休み丸々実家で過ごす予定だった幼馴染も、台風の予報を受けて、一日繰り上げて東京の自宅に戻ると言っていた。察するに、今回の台風は相当ヤバいらしい。
無人の妹宅に着くとすぐに仕事中の妹に連絡して、今から保育園に甥っ子を迎えに行ってそのまま実家に連れて行くから、お前は台風が通過した明後日に来いと言ったら、台風が来る事を知らなかったらしい……ニュースも見ていないとか。それって社会人としてどうなの。
取り敢えず妹の合意は取れたので、甥っ子の荷物を纏めて私のスーツケースに突っ込み、タクシーを呼んで、保育園に寄って甥っ子を拾い、駅に向かった。

道中甥っ子は眠らなかったけれど、泣いたり騒いだりする事も無く、比較的お利口さんにしていた。というか、最初はなかなか私と目を合わせようとしなかった。忘れた訳ではなさそうだが、久し振りの対面で警戒していたのか。
ただ、紙おむつの飽和おしっこ量を超えてしまったようで、ズボンまで濡らしてしまったため、車輛の隅っこでこっそり紙おむつとズボンを替えた。だからケチらずに良いのを穿かせろって言ってるのに。
実家の最寄駅からはタクシーで。実家の玄関前に到着すると、父の車を見付けた甥っ子が突然、「じーちゃ!」と叫んだ。そうだねじいちゃんの車だねえ、と言うと、じーちゃ!じーちゃ!と大興奮の甥っ子。運転手さんも思わず笑っていた。

今回の甥っ子
・直射日光が当たると「まぶしー」と言う
・1箇月前までは「マンマン」だったのが、ちゃんと「アンパンマン」と言えるようになってた。「バイキンマン」も
・歌のリクエストが増えた。「ちょうちょ」と「かえる(のうた)」の他に、新しく「とんぼ」も。
「♪おーおーおーおーおおーおおおおーおー(レーソーレードーシラーラシラソーミー)」と歌ってやったら、違う!と怒られた。長渕じゃないんなら、ちゃんと「とんぼのめがね」と言ってくれないと
・立ったまま同じ位置でグルグル回る事が出来る
・絆創膏は相変わらず嫌い。そればかりか、虫刺されの薬も嫌がって泣くように。前回までは平気だったのに……。
 寝ている時に塗ろうとしても、眠い目を抉じ開けて「イヤ、イヤ」と逃げる。以前、薬を塗った後で絆創膏を貼ったのが失敗だったかー
・甥っ子がトイレの前で「トイレ、トイレ」と言っていたが、確認するとおしめの中にはうんこが入っていたので、「はいはい、うんこだったのね、おしめ交換しようね〜」と交換した直後、私が先に個室に入ってしまったため、甥っ子は間に合わずにドアの外で放尿していた。「トイレ」って申告はおしっこの事だったのね……。
 泣く甥っ子には悪い事をしたが、私が間に合わずに漏らすのもどうかと思うので、これはもう仕方無いとしか言いようが無いだろう
・数を数える。わかっているのかは不明だが、先月まで全て「いーち、いーち、いーち」だった事を思えば、だいぶ進歩している
・重い。抱っこしての階段の上り下りはもう限界である。膝が辛い
・私が化粧をしていると、「ん、ん」と言って、自分にもパタパタしろとねだる。パフで顔を撫でてやると満足する。
 マスカラを付けていると、「め、め」と言って、自分にも付けろと言う。「じゃあお目目瞑ってごらん」と言って、マスカラを塗る真似をすると満足するが、お前マスカラなんて必要ないぐらいに睫毛が長くて目がパッチリしてるだろうが! なんか悔しい

実家には数日滞在するつもりだったが、翌日大変な連絡が入る。


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