天上天下唯我独尊

2012年10月31日(水) 他人の肖像

角田美代子として紹介されていた和服姿の女性が、実は全くの別人だったという話。
一部のメディアが角田美代子の写真として出したものが、ろくすっぽ裏も取らずに、我も我もと他社でも発表していたという。
吃驚するほど杜撰である。何故確認を怠ったし。
写真を使われた人にしたら、迷惑どころの話ではない。
大津市いじめ事件で主犯少年の母親として写真が出回ってしまった赤の他人女性が、ネットの情報を鵜呑みにして自分の写真をブログに載せたとしてデヴィ・スカルノを訴えているが、プロのマスコミがやっちまったのだから、それより遥かに酷い話である。
デヴィ夫人は1千万円を要求されたが、それでいったらこの和服女性は1億行くんじゃあるまいか。アメリカだったらもっと高額の賠償金になるだろう。腕っこきの弁護士が営業に来るレベル。
そこで、賠償金をどこから取れるか、責任の所在を考えてみた。

1.写真の提供者
 写真の人物が角田美代子だと思っていた→黒
 写真の人物が別人だと知っていた → 白

2.マスコミ
 確認作業を怠って全国に流したのだから、どっちにしろ黒

3.写真の人物
 基本的に被害者なので、白
 但し黒の提供者とグルだった場合、金目当てとして黒

こんな感じか?
これで1億貰えるなら、わざと自分の写真を角田の写真として流す不届き者もいるのでは、と考えてしまった。というかやってしまいそうな自分が怖い。
私の関心は、写真提供者は「勘違い」だったのかどうかという事にある。
もしわざとだったら、と思うと恐ろしい。

さて、他人のミスには過剰に厳しいマスコミ各社だが、ほんの一言お詫びのコメントを出しただけで、後は全くのスルーであった。
公務員や政府やNHK相手ならとことん叩いて自己検証を求めるくせに、自分の事は棚に上げるのがマスコミ。
和服の女性の写真は既にネット上で広まってしまっている。これをどうするのか。
マスコミの責任は大きい。誠心誠意、頭を下げて慰謝料を支払うしか無いだろう。
それだけではなく、自分のところで検証特集を組んだらもっといいと思うよ。



2012年10月30日(火) 逆布教〜素人音楽家の罪〜

友人は、付き合いで毎年、好きでもないピアノの演奏会に出掛けるという。
余り義理堅いとは言えない彼女にも、無碍に出来ない義理があるらしい。義理とは面倒なのものである。
職業ピアニストの演奏会ではなく、素人の道楽発表会らしいのだが、何故かお金を取るらしい。
彼女の元に送られて来るのは招待券なのだが、一応大人として、一般券の価格に相当する花束と差し入れを持って行くという。大人とは面倒なものである。
好きでもない音楽を聴くだけでも苦行なのに、貴重な時間を割く上に、懐まで打撃を受けるって、どんな罰ゲーム。
そんな彼女がある日、TVかラジオで、ショパンの曲を耳にした。
何これ綺麗、と思って、ホロヴィッツのCDを買ってみた。
彼女はホロヴィッツの弾くショパンを聴いて、衝撃を受けたという。
ショパンの曲ってこんなに美しかったんだ。じゃあ今まで聞かされていた、あの不穏な心持ちになる音楽は何だったのか、と。

「そりゃショパンじゃないよ! 不穏になるのは現代音楽だけだ!」
と私が憤慨したのは言うまでもない。

素人が自分で音楽を楽しむのは良いが、下手糞が自分の音楽を他人様に押し付けるのは、このように要らぬ誤解を生むので、絶対に止めて頂きたい。お金を取るなんてもってのほかである。
本物の音楽は、うっとりするほど美しくて、心が洗われるものなのだ。



2012年10月29日(月) 1日人間ドック

受付案内は前年度の内に貰っていたのだが、受付日というのがそれから数箇月後の、極々限られた日程であったので、思い出したのは締め切りを何週間も過ぎてからであった。
去年も一昨年もこんな感じで受けられなかったので、今年こそはと思っていたのに。
駄目で元々、寧ろ保健課の段取りが悪い!とクレーム入れるぐらいの勢いで市役所に電話したら、ドックを行う機関に直接言ってみて下さいと言われ、そちらに電話してみたら、1箇月以上待ったものの受け付けて貰えてほっとした。

そんな訳で、いつもより早起きして、隣の隣の隣町の施設に行って来た。
朝の運転は怖いね。車は少ないが、霧らしきものが出ているため、靄靄と霞んでいて先を見通せないのだ。
初めて行く場所だったが道に迷う事も無く、受け付け開始時間前に到着したのだが、既に先客が何人もおり、待合室で寛いでいた。
すぐに受付して貰えたので、着替えて検査開始まで暫く待ったが、健康ランドにいるのかと錯覚するほど快適であった。今時の検査専用施設って凄いのね。
TVのチャンネル権を独占出来ないのが残念だったが(それでも誰も見ていなさそうと判断して勝手にチャンネルをかえる私)、椅子はゆったりと深く座れて背凭れも倒れるし、快適過ぎて鼾をかいて寝る人もいるほど。
しかし飽くまでメインは検査。開始時刻になり、体重測定から回された。
身長を測って貰って吃驚。今時は柱に寄りかからないで、機械でピピピと測るのね!
何と1cm以上身長が伸びていた。というよりは、測り方が違うから数値が違うだけなのか。
殆どの検査は何て事無かったが、唯一にして最高に苦しかったのが胃の検査であった。
発泡剤を飲み下すタイミングを逸して、口の中で泡が広がってしまって焦る私。
慌てて泡ごと飲み込むも、その後のバリウムらしき液体が美味しくなくて、検査技師に励まされながら頑張って飲み干した。
しかも自力でゴロンゴロンと体の向きを変えなければならないので、苦しいったらありゃしない。患者に優しくないにも程がある。
これ、下手したら途中で吐いちゃう人もいるのでは……と思ったら、トイレで吐いている人がいた。老人には辛いよなあ。

まあ、私も吐いたんだけれどね。帰宅してから、いつもの頭痛で。
出された昼食はとっても美味しかったのに。とても悔しい。
でも今回は吐いて寝たら治ったから、まだマシだったのか。
そういや早起きしたから寝不足だったのかも。睡眠って大事だね!
血液検査は異常無しだったが、画像診断の結果は後日郵送されるとの事。
異常ありませんように。長生き出来ますように。ナムナム



2012年10月28日(日) 鍋ループの季節

永遠に続くのかと思われた夏が終わって、我が家の晩御飯が冷やし中華から鍋に移行した訳だが、
いやあ、本当に鍋っていいものですね!
私と同じく料理嫌いの幼馴染も、楽だからとよく鍋をチョイスするらしいが、決まって子供に「え〜、またなべなの〜?」と言われるという。レパートリー無いのかよ。
鍋は鍋でも色々あるだろう、モツ鍋とか鶏鍋とか。
昨日は白菜×豚肉だったから、今日は久し振りにモツ鍋行こうか!と張り切ってスーパーに出掛けた。
普段は別の店を利用するが、モツ鍋なら絶対これ!というのを置いている店があるのだ。
引越し以来簡単に手に入らなくなって、嗚呼……と絶望しかけていたところに、近くの店で見付けた時の感動と言ったら。
だから今日はその店に行ったのに、幾ら棚を探しても無いではないか。
もしかして、時期的にまだ?入荷待ち?
店員さんに訊いてみようかと思ったが、何度も書いたがこの土地の人間は不親切でね。
期待するだけ無駄なので、メニューを変更しようと、これまた別の店に行った。

無い。
第2候補の鍋の具も無いんですけどー!
多分、その時の私は、とても兇悪な顔付きをしていたと思う。
第1候補だったモツ鍋の素はあったが、これは美味しくないやつだ。しかも何故か辛口しか置いていないし!
ったくこんなのばっかり仕入れやがって馬鹿舌が。
仕方が無いので、多少手のかかる第3候補・鶏鍋の具材を買って帰った。どうしても鍋以外に変更する気は無い私。鍋は簡単だからいいのに、つくねを捏ねなきゃならないなんてブツブツ。
主人に絶望メールを入れたら、何故か絵文字付き駄洒落メールが帰って来た。
何なの。何でこんなに可愛いの、この人。



2012年10月27日(土) 「TOUCH」「ジョジョ」

どきどきキャンプの物真似で御馴染み、ドラマ「24」のジャック・バウアーで御馴染みの、キーファー・サザーランド主演のアメリカドラマ。
わうわうが面白いと言うんなら面白いのかなーと取り敢えず録り溜めていたのをやっと観たけれど、
嗚呼これは私にはイマイチな予感。
寧ろこれは「ヒーローズ」に嵌まった主人が好きなのではないかと思ったら、やはり「なかなか面白いんじゃないの」と。
うん、じゃあこれも貴方が観たらいいアルヨ。
「殺人ものじゃないから、シオンにはつまらないんだろ」
と主人は酷い事を言うが、何かね、こういうまどろっこしい話は好きじゃないのよ。
そもそも予定論とか嫌いだし。
唯一私が食い付いたのは、勿論、富籤の件であった。
私にもロト6の当たり数字を事前に教えてくれよ!!(また外れたし)

アニメ「ジョジョの奇妙な冒険」も、いつの間にか始まっていたので、第3回を慌てて録画した。
テレビ東京の映らない地域なので、BSの放送は有難いのだが、この時間帯は「タモリ倶楽部」と被るのだよ。
タモ倶楽は私の知る限り再放送していないし、削るならジョジョかーと予約解除したつもりが解除し切れていなかったようで、ちゃんと録れていた。
ジョジョは実は、ちゃんと読んだ事が無い。スタンドが出て来てどうこうという話だったと思うが、1巻だけ読んでみたところ、最初はかなり違う話だったらしい。
しかも絵が違う。1巻を読んだのも昔の事なので、アニメを観て、あれ、最初はこんな絵だったっけ……と違和感を覚えた。
一緒に観た主人曰く、
「煩いよ。説明が矢鱈長い!」
だそうで。
うん、そういう漫画だから。原作も。
折角なので4回目以降も観たいんだがなあ、タモ倶楽優先だな、こりゃ。



2012年10月26日(金) NHK-BSドキュメンタリー「SUMO 海を渡る」

映画「20世紀少年」を観終わって、さて風呂に入らなきゃなーと思いながらチャンネルを変えていたら、NHK−BS1で、「SUMO 海を渡る〜激闘!ヨーロッパ相撲選手権〜」というドキュメンタリーをやっていた。
何でも、レスリングの盛んな東欧では練習にスモウを取り入れており、これがまた人気なんだとか。
先日、NHKラジオ第2のロシア語講座で、「日本で最も人気のあるスポーツは何だと思いますか?」と訊かれたロシア人アシスタントが、「相撲です」
と即答していて、何故相撲……と思ったが、こういう背景があったからかと合点がいった。向こうで人気だったんだな。
しかし何せ指導者が素人なので、練習にしろ試合にしろ、突っ込みどころ満載。
向こうでは、兎に角指導者が足りなくて、人気に追い付いていない状況が見て取れた。
引退力士は売れないちゃんこ屋なんてやっていないで、いっそ向こうで指導したらいいのに。
力士獲得にも繋がるんだから、相撲協会は東欧で狩るだけじゃなくて、育てる方にも目を向けろよ。それに日本を売り込む良いチャンスになるんだから、政府も後押ししろよ。
私は相撲には詳しくないが、一緒に見ていた主人は小学校時代の体育で相撲が必修だったという。
曰く、向こうの人は踏み出す脚に体重を乗せるナンバ歩きが出来ないから四股がおかしな事になるとか、摺り足は身体を上下させずに水平に保ったまま移動するという事がわからぬままに真似しようとするからツーステップになってしまっているとか、突っ込みながらも色々と解説してくれた。
いやあ、先週の「韓国プロ野球が熱い!」の巻はさっぱり見る気にならなかったが、こんな面白い番組も作っているのね。
流石NHK、やれば出来る子!

なのに総合的につまらない番組ばかりが増えているように思えるのは何故なのだろう。
目玉として押し上げている番組が、挙ってつまんないんだよな。韓国ドラマとかアメリカ大リーグとか、本当にどうでもいいのばっかり。
それよりこういう良質な番組を前面に押し出せよ!



2012年10月25日(木) 爺の示威の辞意

東京都の石原知事が電撃辞任。
石原ももう80歳。体力の限界かと思いきや、国政に参戦するためらしい。
都知事になる前に国会議員やってたじゃん、その時だって途中で辞めたじゃん、自分の思い通りに事が運ばないからって、途中で仕事をほっぽり出すってどうなの。
自分の後任は猪瀬副知事だと言っていたけれど、松沢成文の立場はどうなるの。
前神奈川県知事の松沢さんは、前回の都知事選で石原の後継者として立候補する筈だったのが、震災があったからやっぱ降りるのやーめた、もっかい出るわと石原が言ったために、出馬を断念した経緯がある。
詳しい事情や石原との関係ややり取りは知らないけれど、松沢さんに対して非常に失礼だと思う。

とは言え、記者会見の模様は面白かった。
いいよなー年寄りは怖い物無しで。何言っても許されるなんて羨ましいわ。結局この世は生き残った者の勝ちだものな。
民主党の前原がクソミソに言われていて笑った。しかも呼び捨て。
この会見を受けての前原さんのコメントを是非聞きたいわー。
政局の話じゃなくて、外務大臣時代にこういう事があったらしいが本当なのか、それに関して石原さんが貴方の事をこう言っていたけれどどう思うか、って。記者には良い仕事をして欲しいが、期待は出来ないか。

石原新党に期待するかどうかだが、半々というところか。
共産主義は嫌いだとはっきり言えるところは好きだし、領土問題に関して話し合いなど無駄、戦争も辞さないという姿勢は支持する。実際交戦するかどうかは別として、一歩も譲らない態度は必要だと思う。
その他の点については私の考えとは相容れないが。
維新の会をはじめとする他党との連携について問われた石原は、これから話し合って摺り合わせると答えていたが、
この人、自分が相手に合わせるつもりは毛頭無いよね(笑)。
絶対、相手に譲歩させる事しか考えていないと思う。



2012年10月24日(水) ねじれの謝罪

買おうか迷っていたが、やっぱり買う決意を固めて本屋に行った時には、既に「週刊朝日」は店頭から姿を消していた。
死んだ父親や祖父の話が書いてあったらしいが、そんなの鳩山も安倍も小泉も同じどころか、本まで出版されている。勿論悪い事まで含めて、だ。
なのに何故、橋下だけがあんなに怒ったのか。
公人ならどんなプライバシーも暴かれて構わないとは思わないが、生い立ちや血筋をはっきりさせる事は、ある程度必要な気がする。
特に政治家の場合、それが有権者にとっての判断材料になるからだ。
プラスに働こうがマイナスに働こうが、それを決めるのは有権者であり、被選挙人が人権の旗の下に報道規制を求める事こそ、危険な事だと思うのだ。

橋下が朝日新聞の記者に切れるのはお門違いだし、あの会見は見ていて非常に不快であった。
新聞記者に限らず、物書きには、文章を組み立てて推敲する事には優れていても、丁々発止のやり取りは苦手という人が多いような気がする。
法廷において口八丁手八丁で依頼人を無罪にするためなら何でもやります!みたいな、特に悪徳に近い企業の担当だったような弁護士には、口先では到底敵わない。
何故! 何故そこで言い返さない! 突っ込まない! と、居並ぶ記者連中に対しても苛々が募る会見であった。
その後も、責任者は直接謝罪に来いだの、朝日は謝罪の仕方も知らないだのと怪気炎を上げる橋下市長であったが、急激にトーン・ダウン。
何でも、件の記事が載った雑誌を母親に送り付けて、直接話を聞きたいだなんて週刊朝日は鬼畜!と詰っていたけれど、あれは僕の勘違いで、週刊誌は妹が買って来た物でした、と事実誤認を認めて謝罪したのだそうで。
ツイッター上でな。

記者に訊かれても「ツイッターにある通りです」で押し通す橋下市長を見て、子供の頃に算数か数学の授業で習った、直線と直線の関係における「ねじれの位置」というのを思い出した。
平行でもないし、永遠に交わらない、次元の違う世界で謝罪するって、人としてどうなの。
本人にとっては、全て自分の発信したものであるから、どこで謝ろうが関係無いと言うのだろうが、相手が全てをチェックしているとは限らないし、違う土俵で背景の事情説明も無しに謝られても、知らない人には何のこっちゃである。
謝罪はちゃんと本人に面と向かってするのが礼儀だし、問題が起こったのと同じ土俵でするのが筋ってもんだろうよ。



2012年10月23日(火) 腐っても鯛

NHK-BSで録画していた「プレミアムシアター」で、ダニエル・バレンボイムのピアノを観た。というか聴いた。
私にとってバレンボイムはピアニストという位置付けだが、主人の中では指揮者という認識らしい。
もう20年以上前にバレンボイムが来日した時、演奏中に客席で赤ん坊が泣き出した。
今はどこのホールでも未就学児入場禁止の措置を取っていると思うが、規制が無く客の良識に任されていた時代があったのである。
予期せぬ騒音に一瞬動揺が見えたものの、何事も無かったかのように彼は演奏を続けた。
その後のインタビューで、
「だって、18歳未満は立ち入り禁止、なんて訳には行かないでしょう」
と笑いを取っていた、という新聞記事を読んだ事がある。
確かバレンボイムだった筈。中学生以下は前列禁止にしている某国産大御所ピアニストとはえらい違いだと思った覚えがある。
今なら勿論、赤ん坊連れて来るような馬鹿親は死ね!の勢いだけれどな。周りの客に損害を与えたんだから、せめて賠償金ぐらい払えよと。

現在のバレンボイムは、もうすっかりおじいちゃんになっていて、時々音がこけつまろびつし、指が縺れる事も多くてハラハラしたが、音楽的には心に響くものがあった。やはり偉大な演奏家なのだなあ。
テクニック的には不安があるという点では同じとしても、これまた某国産大御所ピアニストとはえらい違いである。
経験を重ねて音楽性が深まるってこういう事なのかも知れない。
惜しむらくは、年齢と共に身体が衰えてしまう事。
その曲線が交差する時が、演奏家としてのピークなのだろうか。
そんな事を考えて聴いていたが、やはり音楽的には凄いと感じた。
感じただけだけれど。だって私は音楽は好きだけれどよく知らない素人なのだから。
主人の感想を聞こうと思ったのに、ピアノに余り興味の無い彼はさっさと風呂に行ってしまった。
やっぱり本物はいいなあ。
そう言えば、来月ツィマーマンが来日するんだよな。オール・ドビュッシーの予定がショパンとブラームスに変更になったと聞いた。
今年はこっちの田舎までは来てくれないので、都会に出向くしかないのか。でもそんな余裕無いし。くう〜

目当てはダニエル・バレンボイムのピアノ演奏会だったのだが、番組自体が2本立てだったので、前半の二期会オペラも一緒に録れていた。
折角だから「田舎の騎士道」でも観てみるか、しかし間奏曲は美しくて有名だけれど、ストーリーはクソなんだっけ……と最初から再生して、思わず笑ってしまった。
オペラ歌手にとって体は楽器、響きを良くするために横に広い人が多いと聞く。
渡辺直美と芋洗坂係長で想像して欲しい。その2人がドロドロの昼ドラばりのストーリーを演じるのだ。本気でやっているプロの歌手に対して失礼なのは百も承知だが、一旦そう思うと、顔芸をする渡辺直美にしか見えない。てかもういっそ渡辺直美でいいよ。
風呂上がりの主人がそんな私を見て、また人でなし扱いしてくれた。
「随分楽しそうだけれどシオン、ここ、笑う場面じゃないから」
知ってる。私もそうじゃないかとは思ったんだ。
一緒に観ながら、あれ?あの人見た事ある、と主人が呟いた。
「凄いわね貴方、オペラには興味無いのに歌手の顔は覚えているなんて」
「うん、こっちの関取は見覚えがある。でもあっちの大関は知らないなあ」
酷い、酷過ぎる!と主人を非難しつつ笑い過ぎて呼吸困難に陥る私に、立ち上がりざま、
「さて寝るかな。どすこい
と追い討ちをかけるのも忘れない主人であった。
私よりよっぽど主人の方が人でなしだと思うの。人当たりがいいから皆騙されているだけで。



2012年10月22日(月) アマゾンのおすすめ

帰宅するなり、主人が開口一番こう言った。
「シオン、勘弁してくれよ。アマゾンのあのおすすめは一体何なんだ!」
「アマゾン? 注文していた本なら今日届いたよ。ジャーン☆」



「うふふー、尼崎のニュースを聞いているうちに読みたくなっちゃって。こっちのコリン・ウィルソン版は読んだ事無かったんだ。買ってもいいよって言ってくれて、有難うね♪ 序でに『黒い看護婦』も買えば良かったなあと今後悔しているところなんだけれど」
と私の感謝もそこそこに主人が遮って曰く、
「今日職場でアマゾンのサイトを開いたら、いきなり殺人関連の本ばっかりずらりと並んでて吃驚したよ! 人に見られないように慌てて手で隠しちゃったよ、もう!」
「えー、エロサイト扱いなんて酷い。学術的な本なんだから、隠す事無いのに。慌てて隠すなんてかっこ悪い〜」
と私は大笑いしたが、主人にとっては笑い事ではなかったらしい。

後でアマゾンのサイトをあらためて見たが、確かに凄いかも……。
「このショッピングカートにある商品を買った人は、こんな商品も買っています」や「チェックした商品の履歴」を見たら、見事に新潮45シリーズが並んでいた。
まあこれ等は大体既に私の蔵書になっている訳だが、次はやっぱり「黒い看護婦」、それから「凶悪」も読みたいなあ……と普通に商品チェックしている私を見て、更にドン引きする主人であった。



2012年10月21日(日) タタコン欲しい

土曜の夜に見た番組で、有名バンドのドラマー達とジャニーズのナントカ君が「太鼓の達人」で勝負をするという企画をやっていた。
ジャニタレはどうでもいいが、私は「太鼓の達人」を見たくて、主人はプロのドラマーを見たくて、普段は見ない番組を見てしまった。
どーせジャニーズの提燈番組、ナントカ君が優勝するんだろ?と思ったらその通りだった訳だが、なかなか凄かった。
流石に本番前に練習しているのだろうが、並みの集中力ではない。
外野のジャニタレが煩かったけれどな。その道何十年の一流のプロに対して「上手い上手い」ってどうなの。失礼にも程があるだろ。

嗚呼思い出した。「関ジャニの仕分け」とか何とかいう番組であった。
じゃああの子達は患者にエイトとかいうグループなのか。
太鼓の次は、プロを夢見る歌手の卵(小中学生)とプロの歌手を対決させるというコーナーだったが、これも面白かった。
カラオケの機械に採点させて、高得点を出せるのはどっちかという企画で、今の機械の採点基準の細かさに驚いた。
そして倖田來未の妹ミソノが歌手だった事にも驚いた。てっきりタレントかと。
彼女の歌を聴くのは初めてだったが、お姉ちゃんによく似た声で、やはり上手かった。いいなあ。
機械の評価では中学生に負けてしまっていたが、中学生の歌は所詮人真似でしかなかった。音程が一寸残念ではあったけれど、心に響くのは絶対ミソノの方なのに。もっと本気で練習したらいいのに。
機械の進歩は凄いが、心に関してはまだまだだな、と思った次第であった。
そう言えば昔、ピアニストの演奏と機械の演奏、どう違うのかみたいな論争があったというのを思い出した。
やっぱり違うんだろうな。

最後のコーナーはダンス。
TVの前で私も一緒に挑戦しようとしたら、主人に止められた。
シオンは頭から落っこちてうわあんって泣くから止めておこうね、だって。むう。



2012年10月20日(土) 金のかかる男

多少復調した主人を、大型電気店へ連行した。
奴は頭痛肩凝り腰痛持ち。あれがあればなあ……と失ったマッサージベッドをいつまでも嘆くのを聞くのが、私もいい加減嫌になったのだ。
これまで何度か行くも、お試しマッサージ椅子でゴリゴリしては、調子良くなったから買わなくてイイとか抜かしていたが、いつまでもそんなせこい真似はしていられない。
今日こそ本当に買う!という決意で臨んだのだが、前に「これイイかも」と言っていた機種は製造・販売共に終了しており、代わりに新機種が売られていた。
しかも、性能が上がったのか、価格も前より上がっている……ぐぬぬ。
取り敢えず、主人を椅子に座らせて、試用させてみた。
そしたら、身長が合わなくて凝りのつぼまであと3cm足りないと言うではないか。これだから規格外は!
世の中の人って、何で皆そんなに背が低いの?だと。
……違うよ、それはアンタの座高が高過ぎるからだよ、いっそケツの肉でも削ったら?

結局お気に召さなかったようで、清水の舞台から飛び降りるという私の決意は空振りに終わった。
でもなー、また具合が悪くなったらあそこに行かなきゃならないのか。売り子さんに悪いよなあと思いつつ、マッサージ椅子ではなく以前使っていたようなベッドタイプが無いかとネットで探してみた。
医療用のを見付けたが、さんびゃくまんてアンタ。
確かにプロ用で丈夫そうだが、治療院を開く訳じゃないんだから。矢鱈嵩張るし転勤族には無理!
そんな立派なのじゃなくて、もっとこうシンプルなのがあっていい筈なんだがな……と更に探していたら、あった!あったよ!!
早速主人に見せたら、マッサージ椅子より前と同じこっちの方がいいと言う。値段も椅子の半分だしね!
という訳で既に買う気満々だが、椅子より安いと言っても、高い買い物である事には変わりない。
やはり試したいよねーという事で、ショールームに行ける日程を、現在考えている。
田舎からだと遠いんだよ……!



2012年10月19日(金) 医者って、医者って……!

最近主人の調子が悪い。
これというのも皆あのジジイのせいである。
ジジイというのは、主人の現在のかかりつけの医者である。
一昨年引っ越して来て、1番近くて空いていて便利な医院がここだったので通っているのだが、このジジイのせいで何度うちの主人が死にそうになった事か。
永年飲んで安定している薬があるというのに、何故か薬を替えたがるのだ。
仕事で多忙の主人に代わり、私が薬を貰いに行った時も、「お薬減らしたいんですがねえ」とジジイに言われたので、
「いやもうホントに勘弁して下さい。うちの主人にはあの薬が合っているんです。前に薬を減らされた時にも具合悪くなって大変だったんですよ。だから、替えないで下さい
と念を押したのに、懲りずに替えやがったのだ。
というのも他の症状が辛くなって来たので主人が相談したら、
「私も飲んでいる、いいお薬がありますよ。但し、今までのお薬とは一緒に飲めないので、ぶつかるのを削りますね」
と替えられたのだそうだ。
それで新しく出た症状は良くなったものの、ずっと薬で治まっていた方の症状が悪くなったという事である。

午後になって、主人からの具合が悪いから迎えに来てとの要請で出動した。
いつもの医院前で主人を下ろして、先に自宅で待っていると、すぐに主人が帰って来た。
「おかえりなさい。随分早かったのね。今日も空いてた?」
「ううん、先生いなかったから、薬だけ貰って来た」
との返事。
「ハァ? 何それ!? じゃあ薬は元に戻っていないって事じゃん。先生いないってどうして」
「歯医者に行ったんだって。時間がかかるから、今日はもう診察無いかもって」
「歯医者だあ!? 何で自分の仕事時間中に行くんだよ。おかしいだろ」
「まあ、じいさんだし、急に入れ歯でも壊れたんじゃないの。いいよもう、明日も休みだって言われたから、週明けにでも行くよ……」
と言い残して、主人はふらふらしながら寝室に消えて行った。
何それー!

一応、こういうのって法律的には問題無いらしい。
患者としては納得行かないけどな。
いいよなー、医者の免許は一生モノで!



2012年10月18日(木) 田舎って、田舎って……!

先日、田舎の高級店(都会の百貨店の出張所みたいなやつ)を覗いてみたら、椅子用の高級座布団が目に入った。
現在の我が家の椅子は、数年前に私が座面を張り替えたのだが、中に入れるクッションの選択に失敗したようで、座り心地が良くない。
これがあれば楽になるのではないか、と試しに1枚買ってみた。

ああなんでもっと早く気付いてこういうのを買わなかったのだろう。
なかなか塩梅が良いので、もう1枚買い足そうと、同じ店に行ってみた。
ところが店内のディスプレイは変わっており、座布団コーナーが見当たらなかったので、店員を捕まえて訊いてみたら、もう販売期間が終わったから撤去したとの事。
ええー!?
座布団に限定季節なんてあるかよ!と思ったが、何せここは田舎。
倉庫にあるか調べてもくれない。「もう無いんですよー」で終了。
僅か数日の差で、買えなくなる事もあるのか……と臍を噛んだのだった。

手ぶらで帰るのは悔しいので、高級な飴を買ってみた。
数種類あったので本当はコンプリートしたかったのだが、全種買ったら余裕で2千円に迫る。
こういう時は自分に言い聞かせて1つだけ買う事にしているので、迷った末に黒飴を選んだ。
高級な期待に胸を膨らませ、黒飴をひとつ口に入れると、肉桂(にっき)の香りが広がったではないか。
袋の裏をよく読むと、ちゃんと原材料の中に「桂皮」と書いてあった。確認を怠った自分を恨んだ。
肉桂好きじゃないのに。折角の高級黒飴が台無しである。
帰宅した主人が早速見付けて、1個チョーダイ♪と口の中に放り込むと、
「美味しい……!」
と目を輝かせていたので、全部あげる、職場に持っていっておやつにしていいよ、と言ったら、えっいいの!?と遠慮しながらも大層喜んでいた。
そう言えば、こいつはシナモン大好きだったな。
味の好みの違う人間が家族にいると、便利な事もあるのだった。



2012年10月17日(水) 災厄を招じ入れる者

尼崎を中心とした連続殺人事件は、イギリスの「恐怖の館」を髣髴とさせる。
しかし変態的快楽殺人ではなく、金目当てという点では、「黒い家」に近いだろうか。
北九州監禁殺人事件には一歩及ばないにしても、新事実が出れば出るほどに、どんよりする話である。
「いつものシオンなら生き生きとするようなニュースなのに(←この言いようもあんまりだと思う!)どうしたの」
と主人が訝るほど、今回私の食い付きは悪い。
TVの情報では省略し過ぎて相関図が全く解らないと言う事もあるが、それだけではない。

こういうコントロール系の犯罪は嫌いだ。聞いていて苛々するから。
誰一人として反抗したり逃げたりしないってどうなの。
泣きながら親を打ったり、子供に打たれたりするよりは、ずっとマシだと思うんだけれど。
これが逆に「親に子供を殴らせる」だったら、被害者も大人しく従ってはいなかっただろう。
親は子供を守るためなら何だってするからな。下手をすればこちらが危ない。
子供に親を打たせれば、親は自分さえ我慢すれば良いのだと耐え、子供にも相手に従うようにと言うだろう。
それに、血の繋がった人間というのは似たような気質である事が多いから、こいつなら操れると思ったら、血族繋がりで食い物にするというのは理に適っているのか。
そこまで考えていたかどうかは知らないが、なかなか凄いやり方だと思う。

しかし怖いね、こういう人間と関わるのは。
関わった者を足がかりに、一族全員を侵食するのだから。
ここまでじわじわに惨くはなくても、若い女性がストーカー気質の男と付き合ったがために故郷まで追いかけられて親兄弟を殺されたという事件もあったな。
このような悲劇を避けるためには、あまりよく知らない相手には個人情報をベラベラ喋らない、こいつおかしいと思ったら避ける、我慢しないで逃げるということも大切だと思った。賃貸万歳!(また宗旨替え)
幼稚園や小学校で教える「皆仲良く」なんてのは、キ印がいる社会においては所詮無理な話なのだ。



2012年10月16日(火) ひとでなシオン

フランスに快勝した後で、日本サッカーはブラジルに4対0で完敗したとのニュースを聞いた、主人の反応。
「今度は肩から先の無い川島の写真が『フクシマの影響か』との見出し付きで出回るぞ」
どうせならそれもやって欲しいけれど、また馬鹿共が大騒ぎするんだろうな。
うんざりだぜ。

PCで遊んでいたら、後ろでTVを見ていた主人がぼそっと呟いた。
「この人も、福島原発の放射能の影響か……凄いな」
何?と思って振り向くと、画面には、禿げ散らかしたアナウンサーが……。
思わず大笑いしながら主人を非難するという、矛盾した行動を取ってしまった。
「酷い! 酷いよ貴方! 人の頭髪を放射能の影響て」
「は? そんな事言ってないよ。僕が言ったのは『この人も凄いな』だけで、原発だの放射能だのは、一言も言っていない」
「え?」
TVの画面をよく見ると、字幕の見出しには「福島原発事故による放射能の影響」とあった。
「『福島原発』とか『放射能』とか言ったのは、このアナウンサーだよ。酷いよシオン、濡れ衣だ!」
どうやら、PCで遊んでいた私の耳には、主人の声とアナウンサーの声がごっちゃになって届いていた様子。
「濡れ衣ばかりか、シオンこの人に対して酷い事言ったよね。禿げは放射能の影響って。酷いなあ〜」
何故か私が人でなしの位置に立たされてしまうといういつものパターンであった。
私に形勢逆転の日は来るのか!



2012年10月15日(月) また姉の心配

F2の番組で、サッカー日本代表川島選手に腕を4本生やした合成写真を使い、福島の放射能の影響だと言ったとかいう話が問題になっているらしい。

馬鹿じゃねえの?
フランスなんてまだ生温いだろ。ブラック・ジョークの本場イギリスだったら、もっと面白いネタを披露してくれただろうに。
というか、こんなのいちいち取り上げて報道する事かよ。
他にもっと報道すべき事がある筈だろうよ、どんだけ暇なんだよコイツ等。
コメンテーター達も揃いも揃って、酷いだの福島の人を傷付けているだの、非難の声ばかりで、誰一人として「それぐらいいいじゃん」と言わないのが気持ち悪い。
本当に、最近の報道番組って気持ち悪いわあ。
あれだ、太平洋戦争前後と同じなんだ。
マスコミによる国民の洗脳。また戦争でもする気かよ。
こんなコラ写真でいちいち抗議とか苦情とか、アホらしいにも程がある、と思っていたら、妹から電話があったので、序でにこの話題もふってみた。
「えーあんなの、日本に負けたフランスの腹いせでしょ? 負け犬の遠吠えなんだから放っておけばいいのに」
「へーそうなんだ。サッカーなんて全く興味が無いから、試合やってた事も日本が勝った事も知らなかったよ。寧ろ、川島のスーパーセーブ凄い! 腕が4本あるみたいだ!って褒められてるんだと思うんだけれど」
と話していたら、妹がこう言った。
「お姉ちゃんやお母さんと話していると安心するー。何かね、○○君(新郎)と話していると、お前は全く、って否定されるんだよね」
「解るー! よく解るよそれ! いつも全否定されるんだよね。で、実家の家族と話して自分のアイデンティティーを取り戻すの」
そう言って、ハッとした。
うちの主人と○○君は、全くの赤の他人だ。
その赤の他人達から否定されるって事は、うちの実家は世間から相当ずれているという認識で宜しいか。
まあそれで間違い無いのだろうし、私は別にいいのだけれど、
妹達のこれからが心配……!



2012年10月14日(日) いい歳してすみません

実を言うと、というかもう言ったと思うが、リラックマ大好きなのー!
見ていると、ほわ〜んと幸せな気分になるのだ。「癒される」ってやつか。
その点でうちの主人に通じるものがあるが、違うのは、リラックマはムカつく事を言わないので全く腹が立たないというところ。

コンビニに寄ると、来年のリラックマ手帳があった。
か、可愛い……!
思わず通路にしゃがみ込み、にまにまと眺める私。客観的に、「ママー、あの人……」「シッ、見ちゃいけません!」と言われそうなレベル。
分厚い手帳はそれだけ沢山のリラックマが描かれているからとても魅力的だが、実際そんなに書き込むほどの予定は無いので、来年は薄い手帳にしようと思いつつ、まだ買わない。
今日は他の用事で来たのだ。
キャンペーンのポイントが貯まったので、景品に交換して貰うべく、店内を巡回てからレジに向かおうとしたその時。
また可愛いのが目に入った。
うわあ、どうしよう……ううううう
と逡巡して、仕事中の主人にメールをした。

「リラックマグ発見。でも、貴方が駄目って言ったら我慢します」

暫く待っても返事が無かったので、諦めようかなーと思ったが、さんざんうろついた挙句に景品交換だけして去るのも格好悪いと思い直し、それを持ってレジに行ったのだった。
因みにこの時点で、手帳の事はもう失念している。



んふー、可愛い〜♪
帰宅して、景品のマグカップ2個とミニ深鉢を並べて、幸せな気分に浸っていると、やっと主人から返信があった。

「マグはいくつあってもOK」

優しいなあ!
マグじゃなくて違う器だったけれどね。



2012年10月13日(土) 大河ドラマ「平清盛」の時代考証について

という題名を付けておきながら、今年の大河も全く観ておりません!
だって日曜夜は、リフォーム番組の方が突っ込み所満載で面白いから。
土曜の昼は大抵TVを消しているので再放送すら観ないのだが、今日は偶々、ちらっとだけ観た。
今年ももう10月、終盤に入っているので、話の流れは全く解らない。
しかも私は高校で世界史を選択。(当時は必修じゃなかった)
日本史は、定期考査で百点満点中50点以上を取った験しが無かった世界史に輪をかけて、これまたさっぱりである。
そんな平安初心者の私が初めて観た「平清盛」。
一応評判は聞いていたのだ。
始まった直後にどこぞの市長が画面が暗いといちゃもん付けただの、でもそれは市長が馬鹿で無知なだけで実はしっかり時代考証された骨太大河だとか、ホモな話も伏せずにちゃんと公表しているとかいう評判を。
確かに、男性陣もちゃんと平安貴族らしい服装とメイクだし、成海璃子ちゃんもそれらしいメイクにされているのに、
何故尼の格好の深キョンがばっちり現代風メイクなのよと。
コラー深キョン! お前も女優ならすっぴんで勝負せいやー! とTVの前で突っ込んでしまった。
それより更に違和感があったのは、成海璃子ちゃんが横たわる寝具だったのだけれどな。
ふかふかの布団なんて、当時あったのか?
真っ白のジャカード織りサテンのシーツなんて、当時あったのか?
幾ら何でもあり得ないだろ、当時そんな習慣も技術も材料も!
どこがしっかりした時代考証だよ!
これじゃあ、いい加減な韓国時代劇と大差無いじゃねーか!

という訳で、再び観る気を失くした私であった。
こまけえ事だって気になるんだよ!



2012年10月12日(金) 病院にお願い

昨夜は主人が留守だったので、1人で過ごして1人で寝た。
23時には寝ようと思っていたがそこは私、結局0時を大幅に過ぎてからの就寝になってしまった。
どうせ朝はゆっくり出来るんだし、と朝寝する気満々で眠りに落ちたのだが、ふと何かの気配で目が覚めた。
部屋のドアが開いて、誰かが入って来る……主人だー!
1泊の検査入院から、早朝に退院して帰って来たのだった。
眠くて目は開かないが、2度寝のために布団に潜り込んで来た主人に、お帰りお帰りとふにゃふにゃ言いながら抱き付いていたら、嬉し過ぎて興奮したらしく、完全に目が冴えてしまった。
そんな私にはお構い無しに完全に寝に入る主人を残して、私は1人早起きしたのだった。
とは言え主人を起こさないように、掃除も洗濯も出来ずに大人しく過ごすしか無かった訳だが。

主人の検査入院は、睡眠時無呼吸症候群疑いのためであった。
いつもは23時過ぎの就寝なのに、19時には病院入りして、すぐに色々な管を付けられたらしい。
さて、眠くなるまで本でも読もうと思ったら、30分ほど後に隣室に入院して来た人が、いきなりの大鼾。
あんなにすぐに眠れるなんて凄いと変なところで感心しながらも、余りの煩さに眠れなくなってしまった主人。
22時頃になって様子を見に来た看護婦が「眠れませんか?」とくれた睡眠導入剤を飲んで、やって眠れたと思ったら、今度は
「はい、検査終わりましたよー」
と朝の4時に起こされたらしい。
しかも、管で機械に繋がれているためトイレに行けないので、これに用を足して下さいねーと看護婦が置いて行った尿瓶が、遠くて届かない……!
うんしょ、うんしょ、とじりじり移動して事無きを得たらしいが、それは苦情入れていいだろうと私が思うぐらいの酷い話であった。
これで検査費用が約1万5千円だよ?
ホテルじゃないからサービスとか期待しないにしても、この扱いはどうなの。
大体4時に叩き起こすってどうなの。事前の検査では無呼吸が最も酷かった時間帯は5時台だったというのに。
本当にこれでちゃんとしたデータが取れてんの? ねえ。
と可愛い亭主に酷い扱いをされた怒りの収まらない妻であった。



2012年10月11日(木) みさごが翔んだ日

沖縄に配備された新型輸送機オスプレイが、初の飛行訓練を行ったとニュースで見た。
安全性に問題があるという話をあれだけ聞かされていたら、そりゃあ周辺住民は気が気じゃないのだろうけれど、凧揚げで妨害する市民団体とかもう馬鹿じゃないのかと思う。
テレビでも、幼児を抱いた30歳代の母親が、
「マンションの近くであんな危険なものを飛ばすなんて!」
と憤慨していたが、いや、基地はあんたが生まれる前からあっただろうが、と。
そんなに危険だと思うなら、大事な子供のために引っ越せよ、と突っ込みを入れてしまった。
これじゃあ子供を盾に反対しているとしか思えない。

沖縄に行った事がある。
基地の周辺は、普通に街だった。
ごちゃごちゃと建物がせせこましく街を形成している一方、フェンスの向こうは対照的で、如何にもアメリカ的にふんだんに土地を使って、間隔を空けて殆ど平屋の家が丘の上に並んでいた。
テレビの報道では街の中に基地が割り込んで来た印象があって勘違いしがちだが、米軍基地が出来てから柵の外に街が発展したというのが、本当のところらしい。
沖縄はとっても良い所でまた行きたい!と思ったけれど、同時に、ここは米軍に去られたら、観光だけで今のようにやっては行けないだろうなとも思った。
基地に反対している人達は、一体何に怒っているのだろう。
米軍が優遇され過ぎている事なのか、自分達は貧しいのに米軍人が金持ちだからなのか、米軍人が犯罪を起こしても日本できっちり裁けないからなのか。
あ、でも最後の点については改善されたんだっけ?
兎に角、今のままでは、何のための反対なのかがよく見えて来ないなあと思う次第である。



2012年10月10日(水) 偉大なる乞食

午後のワイドショーに、ノーベル賞受賞が決定した京大の山中教授が登場していた。
資金集めのためとは言え、忙しい合間を縫って、マラソンしたり、こんな低俗な番組に出たりしなきゃならないなんて、大変だわあ。
寄付金集めというのはつまり乞食行為の延長な訳で、これだけの立場にある人がそんな事をしなければならないなんて、何だか気の毒になった。

研究の内容には余り賛成出来ないけれど、発展的なものには税金を投入してもいいと思う。
だってそこからは、またお金が生まれるのだから。
一方的に浪費し続けるだけの、ただ生かすための医療や生活保護なんか削って、こっちに回せばいいのに。
この国の税金の遣い方には、私はどうも賛成出来ないのだ。

要は、
うちから税金取るんなら、無駄遣いすんな!
という話なのだけれどね。



2012年10月09日(火) 立ち入り危険区域

今年こそ!と数年前から待ち望まれていた京大の山中伸弥教授が、とうとう2012年ノーベル医学・生理学賞を受賞する事になった。
なんか凄いらしいね!おめでとう!という感じで、確かに凄い事なのだが、研究の内容を知るにつれ、何だかなあという思いが滲み出て来るのだ。

受賞理由となったiPS細胞というのは、「人工多能性幹細胞」の略称だそうで、つまりは体の全る部位になり得る細胞を、山中教授の研究グループが「作り出した」のだという。
世間は日本人の受賞で浮かれているが、考えてみればこれって恐ろしい事じゃないの?
そりゃあ研究者は、病人を救うつもりでやっているのだろうけれど、マッド・サイエンティストはそうじゃない訳で。
研究が進めば色々な事が出来ちゃう訳で、人間が神の領域に踏み込む危険な行為である。
勿論ローマ教皇は反対の立場なんだよな?と思ったら、意外な事に、概ね好意的なのだそうで。
胚性幹細胞(ES細胞)とは違い、受精卵を壊さないからOKなのだとか。えー……?
バチカンのバカチン! もう焼き払われちゃえよ! と世界の切支丹を敵に回す私であった。

私は神なんて信じていないしどうでもいいのだけれどね、倫理的に駄目だろうという気が、強くするのだ。
こういうのは碌な事にならないと思う〜と言う私に、
「シオンは常に悪用の可能性を考えるなあ。凄いよ」
と主人。
いや、私が悪用する訳じゃないんだけれど。

 ♪心を忘れた 科学には
  幸せ求める 夢が無い
 (by阿久悠「ミクロイドS」)

そういう科学者って、いると思うよ。



2012年10月08日(月) 水よりも濃い

そう言えば、海外にいる同い年の従姉はどうしているのだろう。
何となく、国名+旧姓+名前で検索してみたら、動画が出て来た。
どうやら、仕事用のプロモーション・ビデオみたいなものらしい。
ずっとおじさん似だと思っていたのに、眼鏡をかけた従姉は、写真で見た若い頃の私の母によく似ていた。
おじさん達は御存知なのかしら。
取り敢えず、メール・アドレスのわかる親戚には、動画URLを添えて、先日のお礼と共に送っておいた。

主人にも見せてみた。
彼女の弟妹とは面識があるが、彼とこの従姉とはまだ会った事が無い。
動画を見た感想は、
「おじさんにも似ているけれど、やっぱり夏家(母方)の血だね。こないだ会った末っ子は、僕は、真ん中の妹さんとよく似ているなと思ったよ」
だそうで。
「へー、そうなんだ! 真ん中は色々とうちの妹と似ているから(見た目だけじゃなく面白発言も)明らかに夏家寄りだと思ったけれど、下の子と似ているとは思わなかったなあ。だって、色が違うから。真ん中が色黒、末っ子は生っちろいでしょ」
「酷い! 酷いぞシオン」
え、客観的事実を口にしただけなのに酷いのか。



2012年10月07日(日) 姉の心配

結婚式の写真を現像して初めて、我々夫婦2人のツーショットが無い事に気付いた。
どうせ私では碌なショットが撮れないから、写真機は主人に任せっ切りで、私は只管食べていたので(腹が減って仕様が無かったのだ。乾杯の音頭は無駄に長いし!)、誰かに頼んで撮って貰う事すら考え付かなかった。
そして今になって後悔。来年の年賀状に使いたかったのに……。
そうそう、我が家では毎年年賀状は2人の写真入りにしているのだが、そうすると年配の親戚に顔を覚えられて可愛がって貰えると言う利点が発覚した。
子供が生まれた途端に家族写真付き年賀状にするのが嫌だったので、結婚した翌年からそうして子供が出来ないままに続けていたが、このままずっと続けようと思う。

ツーショット写真は無いものの、主人の写真の腕はなかなかだと思う。(比較対象が私なので圧倒的に彼が有利な訳だが)
私が可愛く撮れているわあ〜♪
中には、大口開け過ぎて二重顎になっている大笑い写真もあるけれど。
気の利く主人は、新郎新婦の写真もちゃんと撮ってくれていた。
しかし気になったのは、どれも新郎にピントが合っていない事。
何せ主人は霊能者、これは良くない前触れでは……!
不安に思って主人に見解を訊いてみたところ、
「多分、新郎が目にも留まらぬ速さでプルプルしてたんだよ!」
と、いつものお巫山け回答。
違う! そうじゃなくて、真面目に訊いているの!と再度問い質したら、
「ただ単に、新郎が新婦より一歩下がっているだけだと思うよ」
えー、何か遠慮しちゃっているの?
大丈夫かなあ、うまくやって行ってくれるといいんだけれどなあ。



2012年10月06日(土) 飼い馴らされた日本人

日本人は礼儀正しく、震災時の大混乱でも暴動など起こさずに列を作って順番に並ぶ。
というのが日本の良いところで、311の後でも世界で賞賛されたらしい。
ひねた見方をすればそれは飼い馴らされていると言うことで、政治に文句があっても暴動を起こさない、精々デモ行進するだけ、しかも報道されるかどうかはマスコミの胸三寸。
おかしいと思っても胸の中に仕舞っていて、口に出したとしても行動には移さない。
誰かがやってくれると思っている。
主体性が無い、そんな人が多いと思う。
政治的な話でなく、日常生活の中でもそう感じる。
誰かが列に割り込んでもヒソヒソするだけ、黙って耐えるのが美徳だと思われている節がある。
しなくてもいい我慢ってのはあると思うんだけれど。
勝手にこんな事やっちゃ駄目かなーと、遠慮するんだろうな。

暫く前の話。
暴風雨の翌日の新幹線ホームは、全ての窓が締め切られていた。
当然、風が入らないので蒸し暑い。
窓開けちゃいけないの?と一瞬思った。
でもそんな注意書きは無いし、嵌め殺しでもない。
開けていいんだよね?とほんの少しだけびくびくしながら、幾つか窓を開けた。当然自分の近くだけ。
気持ちのいい風が流れ込んで、汗が引いた。
周囲の人もホッとしたような顔をしているけれど、何で開けなかったの?
ヘンなのーと思った。

日本人て、横並びが好きなんだよな。
皆一緒がいい。他人と違うのは良くない。そんな感じ。
馬鹿みたいだ。
子供の頃は、家庭でも学校でもそんな価値観の中で育てられたから、窮屈で仕方なかった。
今は幸せ。



2012年10月05日(金) 薄毛一族の呪い

1年ぐらい前だったか、震災辺りから抜け毛の量が増えて半年、これはヤバいのではないかと思い、石鹸シャンプーに切り替えた。
慣れるまでに暫くかかったが、抜け毛は激減したものの、ちゃんと洗い落としている筈なのに髪の毛はキシキシ、毛量は増えたものの髪の毛はゴワゴワ、挙句に雲脂まで出る始末。
流石に雲脂は駄目だろう、という事で、私の石鹸シャンプー生活は半年で幕を閉じた。

しかし、前のシャンプーに戻したら、抜け毛の量も戻ってしまった。元の木阿弥である。
そこで、カリスマ美容師にお薦めのシャンプーを訊いて、プロ仕様のシャンプーとコンディショナー、おまけに育毛剤まで買ってしまった。
かなりの出費になったが、背に腹は替えられない。
よし、これで頭を洗えば私もフサフサ!とまでは行かなくても、少しは抜け毛を防げるのではないだろうか。
そんな期待を抱いて早速新しいのを開封したくなったが、そこは悲しき貧乏性。
やはり、今あるのを使い切ってからじゃないとな……と、まだ新しいのに手を付けられないのであった。
抜け毛を嘆く私に主人が、毛先の細い洗髪用ヘアブラシで毛髪が復活したよと体験談を語ってくれたので、私も頑張って使ってみる事にした。
面倒なケアは嫌いだが、背に腹は以下同文。
使い始めてまだ1週間だが、頭頂部がふんわりして来た気がする。
何せ薄毛の家系、すぐに頭の天辺がぺったんこになるのだ。
スーパーで買ったこんな安いブラシで復活するのなら、あんな高いシャンプー買わなくても良かったんじゃ……という気持ちも頭を擡げたが、いやいや折角買ったのだから、更なる効果を信じて使おうと思う。

ところで、先日の親戚の集まりで、親の兄弟姉妹であるおじおば達が、高齢にも拘らず豊かな黒髪を保っていたという事が判明した。
てっきり皆染めているのだと思っていたら、自然のまんまだって!凄いよ!
長兄であるおじなんて、とっくに80歳を超えているのに黒々としてたよ!
おばも75歳だと言うのに、白髪なんて殆ど無かったし。うちの主人の方が白髪多いよ。
驚異の一族だ。
しかし、残念ながら私は頭髪に関しては、多分反対側の家系に似たのだよな。
遺伝って、自分で選べないのが切ないよね。



2012年10月04日(木) 震災の後遺症

部屋の模様替えをした。
北側の寝室である。
それよりメインの生活空間である居間を何とかしろよ!と思わないでもないが、まずは出来るところからやってみよう。
寝室はそれなりに広い筈なのに、ちっとも広く見えないので、ベッドを端に移動したかったのだ。
そのためには、箪笥を動かさなければならない。
抽斗を全部出して、枠を持ち上げようとしたが、重くて無理。
下に布を敷いて、床に傷を付けないようにずるずる動かした。
東側の壁につけて、抽斗を戻して、今まであった所の床を拭こうとしたら、ギャー!
床が変色しとる……白かった壁紙も黴とるではないか。
震災後、玄関の隙間風が酷くなったから、そのすぐ隣にあるこの場所も結露してこうなっちゃったんだろうな。
次の引越しまでこのまま幾つもの冬を越していたら、もっと酷い事になっていたかも知れない。
そう思うと、動かしてみて良かった。
壁の黒黴をきっちり拭いて、床はどうしようもないので放置する事にする。
部屋のドアも歪んでいるし、次に設備会社の人に来て貰う事があったら、序でに見て貰おうっと。

帰宅した主人は、私が1人で箪笥を動かした事に驚いていたが、電子ピアノに比べたらこんなの屁でもない。
ベッドは1人では枠が歪んで無理なので、主人に手伝って貰って移動。
本当は、北側の壁にくっ付けたかったのだが、床のしみを見て、やはりここには物を置かない方が良いだろうという結論に達したのだった。
さて、これで部屋にスペースが出来たので、いつでもマッサージ椅子を買えるぞ。
後はお金か……祝儀が痛かったな(苦笑)。



2012年10月03日(水) 祝☆開通

肩の荷が下りたのか、帰宅してから、2週間ほど悩まされ続けた便秘が見事に解消した。
もしかして、大腸系の病気なんじゃないかとずっと不安で堪らなかったが、単なるストレスだったらしい。
やはり妹の結婚が精神的負担になっていたのか。
いや、結婚式が、と言ったほうがいいな。
忘れ物しないようにしなきゃとか、招待客に失礼の無いようにしなきゃとか、色々と負担がかかっていたのだろう。

妹の選んだ相手は、正直顔はイマイチ。
昔っから思っていたが、やはりこいつとは男の趣味が合わない……。
歳が離れているせいか、朝ドラ「カーネーション」みたいな姉妹間ライバル意識なんて無かったし、昼ドラに見るような姉妹で1人の男を取り合うなんて、想像も付かない世界である。
だが私は逆に、妹が面食いではない事に安心した。
きっと顔じゃなくて性格が良い青年なのだろうと。
顔で選ぶ方が、断然危険だよ。

とは言え、私は面食いなんだけれどね☆
妻の贔屓目だが、主人は某人気俳優に似ていると思う。
但し、「痩せれば」だけれどな……!
少しは痩せたんだけれどね、自分の結婚式の時が体重のピークだったから、その時振りに会った親戚達からは、
「シオンちゃんに虐待でもされているんじゃないの」
と酷い言われようであった。
虐待……に近い事はしているかなあ。(しているのかよ)



2012年10月02日(火) 美人姉妹

実家にて。
妹の顔をまじまじと見て、つい
「お前って、本当に面白い顔してるよなあ!」
と言いそうになったが、ぐっと堪えた。
しかし私の視線に気付いた妹に
「何?」
と言われたので、慌てて、
「いや、本当にドビーに似ているなあと思って」
と必死で誤魔化したのに、憤慨する妹。
「酷い! お姉ちゃんってば自分が美人だからって(註:そんな事実は無い)、何その上から目線。
どうせ私なんて、お姉ちゃんと一緒だと『美人姉妹』って言われるのに、単体だとちっともそんな風に褒められないんだよ!」
そして、職場にいる私の同級生Y君に、
「ドビーさんのお姉さんって、美人ですよねえ。いやー本当にお綺麗で」(註:重ねて言うが、そんな事実は無い)
と散々姉を褒められた後に、
「でもドビーさんとお姉さんって、似てませんよねえ」
と言われた!という話を、プリプリ怒りながらするのであった。
それはY君が空気読めなさ過ぎだわ……地元に残って公務員とか銀行員やってる奴って、こんなんばっかりだよ(苦笑)。

「まあまあ。いいじゃん、アンタは赤ん坊の頃、散々可愛いって褒められたんだから。きっとあれが一生分だったんだよ(←何気に酷い事を言う鬼姉)。目がくりくりしてて、ホントに可愛かったもんねえ。
ところでお茶が無くなったから、新しいの淹れてよ。お前も怒り過ぎて喉が渇いたろ」
と空の湯飲み茶碗を差し出すと、また妹がプリプリして言った。
「お姉ちゃん、私の事、何だと思ってるの」
「えっ。そりゃ、屋敷しもべ妖精」
決まってるじゃ〜ん☆



2012年10月01日(月) 猛獣遣い

そうそう、自分で着付けが出来る人は、仮令レンタル着物でも、自分の小道具は持参した方が良いと思った。
というのも、レンタルの伊達締めが普段使っている奴の2倍ぐらいの長さで、死ぬほどぐるぐる巻きにされたのだ。
襦袢と着物でだから、凄い量になる。ぐるぐるぐるぐる。
そしてレンタル襦袢が何故か夏用の薄物だった。
これなら私も持ってるのに……!
留袖の襦袢は薄桃色じゃなくて白じゃないといけないから、レンタルにしたのに。夏物なら最初からそう言ってくれよ!
しかも裄は兎も角、丈がまるで足りなかった。もう!
一応着付けも頼んでしまったので、全部任せようかとも思ったが、腰紐をお腹に締められそうになったので、流石にそれだけは自分で結んだ。
お腹を締め付けちゃったら何も食えなくなるじゃん。
「腰紐」というぐらいだから、腹じゃなくて腰骨のすぐ上に巻くものなんだよ、あれは。
しかも帯締めを左右反対に結ばれてしまったので、自分でこっそり直した。

披露宴が終わり、レンタル留袖を脱ぎ捨てた後は、親戚との2次会へ。
私の親は兄弟が多いが、有難い事に配偶者も含めて皆仲が良く、毎年集まって宴会を開いているほどである。
私とは血の繋がらないおばも、私のおじである夫を亡くしてからも、変わらずに交流してくれている。

主人を連れて行ったのだが、自慢の主人はここでも大人気。
彼の評価は鰻上り、ストップ高かというぐらいに株が上がった。
というのも、
「シオンちゃんみたいな難しい子を、操られているように見せかけて上手に操縦している」
と、おじ達に高く評価されたらしい。
らしい、というのは私が他の席に出張していて不在の所で言われたんだとか。
悔しいけれど全くその通りなので、ただ唇を噛み締める私であった。

おば達の人気も凄かった。
披露宴で最初にテーブル席に着く時に、私の椅子を引いてくれたというのが、おじおば世代には衝撃だったらしい。そらそうよね。
でも主人曰く、本来あれは会場スタッフがやるべきものなのに、誰も付かなかったから自分がやっただけだよ、と。
流石、学生時代に宴会場のバイトをやっていただけの事はある。人生に無駄な経験なんてのは無いのだなあ、と感心した。
酒は飲めないが、コミュ力は高い主人であった。

別れ際に、何故かおばの1人が
「シオンちゃんの旦那さんに握手して貰おうっと♪」
と手を差し伸べたら、他のおば達が、私も私も!と。
元々主人は、不思議に子供と動物とオバサンに好かれるタイプではあるが、ここまでもてるとは。
「凄い人気ね。ヨン様?」
と耳打ちする私に、
「いやあ、中高年のアイドル・きみまろだと思われてるんじゃないか」
と言いつつも破顔する主人であった。

主人の方は親戚付き合いが余り無く、面倒臭がりの嫁としては有難かったりするのだが、主人は嫌な顔ひとつせず付き合ってくれ、
「一度に親戚が増えて可愛がって貰って、大家族に引き取られた孤児みたいな気分」
と喜んでくれた。
本当に、有難い事だなあ。


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