午前中は養生のために昼近くまで寝て、そのまま主人は家の中でぐだぐだと過ごしたかったようだが、どうしても買わなければならない物がある。 なので渋る主人を説き伏せ、一緒に出掛けた。 目的の物は主人の仕事着。紳士もののスーツである。 3箇月前に仕事中の主人と合流して昼食を一緒にした時、彼のスーツを陽光の下で見て、私は愕然とした。 肘やお尻の辺りの生地がすっかり擦れて、テカテカに光っているではないか。 これはかなり恥ずかしい。すぐにコートを被せてやりたくなったぐらい。 彼のスーツ姿は毎朝毎晩見ているが、室内灯の光ではちっとも気付かなかった。恐るべし太陽。 それからというもの、買い換えようよとずっと言っていたのだが、なかなか休みが取れなかったのと、本人が今季はこのままでいいと言うので放っておいたのだ。 それが先日、職場の若い子から「春さんのスーツ、テカテカ〜」と言われて、流石に買い換えようと思ったらしい。 良かったね、指摘してくれる人がいて。大人な同僚だったら気を遣って、なかなかそんな事言ってくれないよ。
テカテカに着古したスーツを引き取って貰い、2着目1,000円だというので2着買った。 それでもかなりの出費になったが、仕方が無い。普段着やジャージで仕事に行く訳には行かないのだから。 会計を待っている間、2人で他愛の無い話をしていたら、何故か近くにいた若い女性店員が声を立てて笑った。話が聞こえていたらしい。 私達、何か面白い事でも言ったかしら……思い当たる節が無いのだが。 そう言えば、去年関西で小規模オフ会した時も、ネトゲ仲間に笑われたな。なんでも、夫婦漫才みたいだとか。 挙句に、 「春さん夫婦って、本当に関西の人じゃないの? 本当は大阪人じゃないの?」 とまで言われる始末……ええー? 大阪嫌いな主人は、内心複雑だったらしい。でもきっと、話が楽しいと褒められたんだと思うよ!
日曜日、連休の中日だというのに、主人は夕方まで仕事。 仕事で一区切り付いたから、夕食は外で食べて、そのまま夜桜を見に行こうという事になった。
寿司屋では、隣の客が煩かった。話の内容から察するに、建築関係らしい。 震災復興需要で儲かっているのは結構だが、もう少し声を落として貰いたいものだ。店の雰囲気自体が悪くなる。 店を出た後、主人の運転で夜桜の名所へ向かう。私は行った事が無いのだ。 確かここを曲がって行くとショートカットだった筈、と大通りを外れ、車は街灯の少ない暗い道へ入って行った。 田圃の中のうねうねとした道を抜けて、大き目の道と交わる所で左折し、またうねうねと走った先で再び左折……あれ? 2回続けて左折したなあ、でも道自体が曲がりくねっているからこれでいいのか?と思いつつ、余計な口は出さずにいたら、 「道、間違えたかも」 と主人。やはりな。 後で確認したところ、案の定、右折すべきところで左折していたようで、目的地から逆方向に走っていた。 主人はスマホのGPSナビを使い、指示に従って走っていたが、熊でも出そうなとんでもない山道を経由して漸く目的地に着いたのは、21時過ぎの事であった。 ナビは便利だが、こういう時1番頼りになるのは、普通の道路地図だと思う。 道を間違えたと最初に気付いた時に車を停め、自分で地図を確認していれば、元来た道を戻るのが1番手っ取り早かった事に気付いた筈である。 1時間も夜道をドライブして、かなりの遠回りになった。
もう時間も遅かったので、夜桜を車内から眺めて、コンビニに寄って帰途に着いた。 主人はお腹と頭が痛いと言う。道に迷って緊張したのと、仕事の疲れによるものだろう。 ハンドルを握っているのは主人なので私は遭えて何も言わなかったのだが、体調を崩して苦しむのは本人ではあるものの、面倒を見たり予定が狂ったりで、とばっちりを食うのはこっちである。 ドライブは楽しかったけれど、それを考えると、やはり口出しすべきだったかなあと思った。 まあ明日は休みだし、ゆっくり養生して貰おう。
春の大型連休開始。 しかし我が家は大型連休どころか、カレンダー通り以下である。 主人は土日と仕事があるのだ。
お巡りさんがやって来た。 事情聴取でも聞き込みでもなく、震災後に戸別訪問をしているとの事。震災からもう1年以上経っているけれど。 居住者の氏名と生年月日と電話番号と勤務先を教えて欲しいと言われて、躊躇した。だって個人情報じゃん。何かの場合に備えて、と警察は言うけれど、そんなの私が教えなくても、警察なんだから調べればわかるでしょ。 そもそもこの地区の警察には良い印象が無い。良くないどころか、免許証の住所変更で訪れた時から最悪であった。 冬季の石焼芋の夜間営業の件でも、丁寧な対応をしてくれた県警とは違い、車のナンバーがわかったら注意してやっても良いけど〜みたいな対応で、温度差が酷かった。 警察に対して何か言いたい事は?苦情でもいいですよ、と言われたので、まずはそれらについての文句を言っておいた。 訪問して来たお巡りさんはどうやら本物で、こちらの話にもちゃんと耳を傾けてくれたので、信用して少しだけ我が家の情報を渡しておいた。 しかし後になってよく考えてみると、任意なのだから断ってもいい筈。 どうせ我が家は数年で転勤する身だし、馬鹿正直に答える必要も無かったかなあと。 少しでも嫌に感じたら、保留すれば良かったのだ。と少し反省。
京都府亀岡市の未成年による無免許&居眠り暴走事故で、死亡者の携帯電話に加害者の親から電話がかかってくるという怪奇現象が! 何で番号知っているの……?と思ったら、被害児童達の学校関係者と警察が、被害者達の個人情報を加害者側に漏らしていたそうで。 学校にしろ警察にしろ普段から個人情報の管理には厳しい筈なのだが、そこに勤務する人間しかも複数人がそれぞれに情報を外部に渡してしまうなんて、その認識の甘さには驚きを通り越して呆れてしまった。 特に、電話番号を渡したという教頭、こいつには減俸ぐらいしないと。 幾ら元教え子にだって、普通はそんな情報渡さないぞ。 警察の方は、口頭で被害者氏名を教えただけと言うが、それが本当だとしても、警察と加害者家族との間に一体どういう繋がりがあるのだろう、と変に勘繰りたくもなるというものだ。 加害者側にそんな情報を易々と渡してしまえるだけの何かが、例えば力関係とか知り合いだったとか、そういうのを邪推してしまう。 そして仮令部下が勝手にやった事でも、「現場は一生懸命やっているんです」なんて弁解染みた台詞は、謝罪の場では口が裂けても言ってはならない。 幾ら土下座しようが、本心では自分が悪かったなんて思っていないというのが、あの一言で明らかになった。 情報を漏らした本人を連れて来て頭を下げさせた上でその一言なら、まだ理解出来る。 でもね、仕事なのだから全力で解決に当たるのは当然なんだけれど。 というか犯人は現行犯で捕まっているのだから、解決もクソも無いのだけれど。 遺族は怒って当然だと思うよ。
加害者の親として被害者達に謝りたいという思いは当然であると、被害死亡者の携帯に電話をかけた父親を擁護する人々もいる。 しかしそれは、早く謝って早く自分がすっきりしたいというエゴである。まず優先されるのは、加害者ではなく被害者の気持ちであるべきだ。 本当に謝罪したいのなら、ちゃんと弁護士を入れるべきだと思う。 というか、今までちゃんと自分の子供を教育しなかったからこんな事になったのでは……?
2012年04月26日(木) |
映画「パラダイス・キス」 |
2011年、日本。 原作は矢沢あいの漫画。 作者の知識不足で細かい設定が破綻する事があるのが残念だが、矢沢作品は好き。絵が可愛いし、話もぐいぐい引き込まれてしまう。 「パラキス」は未読だが、いずれ読みたい。
JKにしてはお肌の劣化が激しいが(中の人は喫煙者らしいし)、主演の北川景子が高校生役で頑張っている。 顔も綺麗だしスタイルも良いのだが、モデルとしては一寸いかがなものかと。 幾ら素人設定とは言え、花道上のウォーキングも下手だった。モデルがあんなに上半身揺らして歩いちゃ駄目だろうよ。 これ、彼女をスカウトする必要あった? チーム内の紅一点・実和子にモデルやらせれば良くね? 実和子の方が身長高いし、顔も可愛いし。 多分原作では、実和子はチビ設定なのだろう。名前からして「ご近所物語」の実果子(チビ)の妹っぽいし。 つまり、はっきり言ってこの映画は、配役の段階で大失敗している。 売れっ子の北川景子と向井理を揃えときゃヒットするだろ〜という安易なところが出発点になってしまっているのが、非常に残念である。 主題歌も良いし、映像も小道具も素敵なのに、芸能事務所の思惑が絡んだ時点で台無しという、よくあるパターンである。 あーあ、折角のファッション映画なのに、愛の無い作り手のせいで全く。 イザベラは見た目は良いものの台詞回しが棒だし、向井も相変わらずの棒だし、本当にもう! 初めに役者ありき、の日本映画はもう沢山である。 という訳で、映画で満足出来なかったため、益々原作を読みたくなった。
見終わった後、風呂に入ろうと思ってズボンを脱いでチュニックだけになったら、膝上ワンピース姿になった。 そのまま居間に戻って訊く。 「どう? 可愛い?」 主人はこちらを一瞥して曰く、 「制服姿で頑張って女子高生やってた北川景子みたい。シオンも頑張ってるなって感じ」 「ウフーフ、北川景子みたいって言われた〜♪」 私が上機嫌で風呂に行こうとすると、 「違う! 都合のいい所だけ抜き出して、文章の趣旨を変えないように」 と釘を刺されてしまった。
京都府亀岡市の未成年による無免許&居眠り暴走事故で、怪我人を受け入れた但馬救命救急センターのブログで、読売・毎日・朝日の大手新聞社が公然と批判された。 事もあろうに、記者達が霊安室の前で写真機を構え、犠牲者遺族を勝手に撮影していたというのだ。 この話はネットですぐに広がり、名指しされた新聞各社は反論、ブログから新聞社の具体名は消されたが、記事自体は残っている。 という事は、事実として勝手な写真撮影はあったという事だろう。
昨年私が人伝に聞いた腐った大手新聞記者の話、これは確かな筋から仕入れた話である。 というか、被災地の学校関係者の間では有名らしい。当事者なら記者の名前と顔も把握している筈。 残念ながら私は社名は失念してしまったが、但馬救命救急センターでやらかしたと言われる全国大手のいずれかであるのは確かだ。 従って、今回の霊安室前撮影会の話を聞いて、さもありなんと思った。 ブン屋だもの、それぐらい彼等にとっては屁でもない。 本当に良心なんてあったら、そんな魂が腐るような仕事など、続けていられないだろう。
霊安室前で待ち構えて遺族を撮影なんて鬼畜の所業は普通はしないが、患者でも家族でもないのに写真機を持って院内をうろうろする困った奴は、一般人にもいる。 個人医院なら兎も角、総合病院になると、大勢の人が出入りするし、一々チェックも無い。 しかし、関係者以外の許可無き立ち入りは、普通に禁止されているのだ。 何を勘違いしたか、とある教師が写真機を持って生徒を連れて、院内をうろうろしていた。 患者からの通報で駆け付けた職員が尋問すると、病院の窓から見える学校の写真を卒業アルバム用に撮ろうとしていたと……馬鹿なの? 院内は関係者以外立ち入り禁止です、写真を撮りたかったらちゃんと許可を取ってからにして下さいと言って、生徒と共に追い出したそうだが、その教師、大学出たての若い教師なら兎も角、そこそこのベテランに見えたという。 うん、それは院長通して学校長に正式に抗議を入れていいレベルだと思うよ!
2012年04月24日(火) |
日本ガードレール協会の陰謀 |
また京都府で大型自動車事故。 今度の犯人は無免許の未成年であるため、報道では加害者の身元は一切明らかにされていない。 そしてTV番組の矛先は、何故かガードレールに。
えーと、それっておかしくないか?
ガードレールがあれば、被害者達は死なずに済んだって言う人がいるが、本当かね。 多少の緩衝材にはなるかも知れないが、あれは柔らかいので、猛スピードで突っ込んで来る車から歩行者を守ってくれる物ではない。 無免許の人間は運転出来ないように、免許証を差し込まないとエンジンがかからないようにするべきだという意見まで出て来る始末。 ……馬鹿じゃないの? ガードレールを設置しなかった行政のせいだとか、エンジンのかかる仕組みを改善しなかった自動車会社のせいだとか、頓珍漢にも程がある。 この件に限らないが、事故というのはシステムのせいではなく、それを運用する人間の問題なのだ。 免許証が無ければ運転出来ないように車を変えたとしても、煙草のタスポと同じで、誰かの免許証を勝手に差し込めば無免許運転は可能になる。 それに、免許証を差し込まないとエンジンがかからない車なんて、緊急時に動かなければ、ただの邪魔な鉄の塊に過ぎない。
TVで余りにも、事故はガードレールが無かったせい!と言うと、もしかするとTV局は、ガードレール協会から金でも貰ってるんじゃ?と勘繰りたくなるというものだ。そんな協会、存在するのか知らないけれど。 癲癇患者の運転が可能になったのも、癲癇協会が法改正のために、国会議員にばら撒いたんじゃ……。 でも人間ってお金で動くものだから、あり得ない話じゃないよなーと思うのである。
うちの主人は立ち仕事が多い。 脚が痛いだのだるいだのと言って、布団の中で横になっても、蝿のように足を摺り合わせる。 最近は仕事が立て込んでいるようで、かなり苦しそうだ。 冬の間は寒かったので、布団から出て足を摩ってやる気になれなかったが、今はすっかり暖かいので布団から起き上がり、よしよし可哀相にと足のマッサージを始めた。 しかし私も眠くなったので、気持ち良さそうに目を瞑っている主人に訊いてみた。 「ねえ、私ももう眠ってもいい?」 主人は首を横に振った。 「寝ちゃ駄目なの? もう暫く続ける?」 と訊いたら、今度はうんと頷いた。 仕方無いなあ、と暫く摩り続けたが、私も限界が来た。 「もう終わっていい?」 主人が頷いたので、私も漸く横になった。
翌朝、主人にその話をしたところ、全く記憶に無いと言う。 止めちゃ駄目と首を横に振った事はおろか、私が足のマッサージをした事すら覚えていないそうである。 でも、主人が気持ち良さそうにしていたからいいや(笑)。
コンサートに行って来た。 と言ってもプロではない。アマチュアもアマチュア、地区の子供達による合同演奏会である。 うちには子供がいないのだが、まあ付き合いってやつで。
保護者やその家族で、意外と盛況であった。 しかし、大人の癖してマナーが悪過ぎる。 鑑賞する態度がなっていない。 これだから田舎は……! 客席で隣に座ったジジイは、演歌メドレーでノリノリであった。 しかし次の曲でいきなり、持参したおにぎりに齧り付くジジイ。 ねーわ。 幾ら何でもねーわ。コンサート・ホールは飲食禁止だっつの。 すぐさま教育的指導をしたかったが、幾つかの空席を挟んでの隣だったため、注意するにも演奏の邪魔になりかねないので、諦めた。 大人がこんなんだから、当然子供達のマナーも悪い。 出番が終わって客席に入って来た集団の子供達が、演奏中にも拘らず移動する。 そしてお喋り。 幾ら小声でも聞こえるっつーの。 ったく、担当教員はマナーの指導ぐらいしとけよ、と立腹した。 こんな民度では家庭での指導には期待出来ないのだから、せめて教育機関でやって欲しいと切に願う。
取り敢えず、場を弁えないジジババには、早くお迎えが来ればいいのに。
先週に引き続き、NHK-BSで「フローズン・プラネット」を見る。 前回はバウンドするウミガラスが印象に残ったが、今週のメインは南極の皇帝ペンギンの子育て。 1個の卵を産んだ雌はそれをオスに託し、自分は餌を狩りに長期出張に出る。 その間、雄は肩を寄せ合うように、じっと集団で寒さに耐えて過ごすのだ。 自分の足の上に卵を載せ、足とお腹の間で卵を温めながら。 そして雛が孵り、雌が沢山の魚を蓄えて戻ると、雛は母親の嘴の中に自分の嘴を突っ込んで餌を貰う。 今度は選手交代。空腹過ぎる雄が自分と雛の餌を獲りに行く訳だが、そのためには雛を雌に預けなければならない。 雛の受け渡しは、雌が雄に正面から接近して雛を雌の足の上に載せなければならないのだが、中には何故かビビッて後退する雄も。 雌近付く、雄後退する、これでは永遠に受け渡しが出来ないではないか。 雛が母親の懐に自分の足で歩いて行く訳には行かないのか?と思ったら、まだ毛の生え揃っていない雛は、外気に触れると凍死してしまうのだそうで。 受け渡しに失敗した夫婦の雛は、凍り付いて氷の上に転がって、短い生涯を終えていた。 そして子を喪った夫婦は、他所の子供を狙う。 受け渡しに微妙に失敗して、親鳥の懐から出てしまった雛。 他所のおじさんおばさん、そして本当の親までもが、1羽の雛を追い掛け回す。 大人達に揉みくちゃにされる雛。皆必死なので、どれが本物の親だかわからない。もうカオス。 そして長時間氷の上にいたせいで凍死して転がる雛には、もう誰も見向きもしないのだった……誰も得しない結末。
それを大笑いしながら見ていたら、 「シオン、何でこの場面で笑えるんだ……」 と主人がドン引きしていた。 ええー? 私だけ??
先日、業者が来て、流しの下を見てくれた。 元々はきちんと設置されていたものが、温められた配水管が上にせり出したせいで、蓋がずれて匂いが出てしまったらしい。 プロの業者が、配水管の位置を正しく戻したら、蓋はちゃんと嵌まった。 でもまた暖かくなったら、同じ事になるそうで……ええー? その時はまた呼んでくれという話であった。 蓋は閉まったが、完全に密閉された訳ではないので、養生テープで隙間を塞いでおいた。
そして数日。 部屋の中の匂いは消えた。 流しの下を開けても、以前のような刺激臭はしない。これで流しの下にも食品を置ける! 地味に私を悩ませていた、喉のイガイガ感と痛みは、完治はしないものの、少しずつ良くなっていると思いたい。 街中がドブ臭いのだから仕方が無いのかと諦めていたが、あれは無駄な我慢であったと今更ながら思う。 我慢なんて、するもんじゃないね!(違)
2012年04月19日(木) |
映画「おっぱいバレー」 |
綾瀬はるか主演、2009年、日本。 1970年代後半の中学校を舞台にした、弱小男子バレー部顧問の若い女性教師(でもバレーは素人)と、エッチな妄想に取り付かれた部員達との、心温まる青春物語である……と言ってしまっていいのだろうか。 無気力な部員達に、勢いで「貴方達が頑張ってくれるなら、先生は何でもする!」と言ってしまい(バカ〜)、部員達に「じゃあ先生のおっぱいを見せて下さい!」とせがまれて困惑する教師。 そっそんなのは駄目!と言ったところで前言撤回させて貰えず、試合に勝ったら見せるという事になってしまう。 おっぱいのためなら俄然張り切って別人のように練習に打ち込む部員達。 教師はそれを見て、頑張って欲しいと思いながらも勝たれては困る……とジレンマに陥るのであった。
余りの馬鹿馬鹿しさに、のっけから大笑い。 綾瀬はるか演じる教師の天然っぷりが素晴らしい。こういうほわ〜んとした役がいいよなあ、彼女は。 しかし私と来たら男子部員達にすっかり感情移入してしまい、綾瀬はるかのおっぱいを一緒になって拝ませて貰うのが楽しみになる始末。残念ながらサービスカットは無かったが。(当たり前だ) それでも素晴らしく楽しかった。この馬鹿馬鹿しい楽しさは「魔法にかけられて」と同類か。こういう映画は大好き! 大道具小道具そして懐かしの挿入歌までも、手抜き感が無くて好印象である。 今はインターネットでエロ動画も見放題だから、こんなファンタジーな中学生はいないんだろうなあ、と私が呟いたら、 幾らこの時代でも、こんな純粋な中学生はいなかったぞ……とは主人の言。そう言えば、この人は同年代なのか。 彼は、こんな可愛い中学生ではなかったようである。まあ想像付くけれど。
そうそう、仲村トオルも良かった。 この人、いつもお堅い怒っている役しか見た事が無く、私は彼の怒る演技が好きではないのだが、この映画で素晴らしい台詞を言ってくれた。 イメージからしてこの人は絶対に口にしないであろう台詞を、しかも親指立てて。そのギャップに爆笑。 「ナイス、おっぱい!」
石原都知事が、東京都として尖閣諸島購入を検討しているという話。 税金も、オリンピック招致にかけるなら無駄金と思うが、こういう遣われ方なら賛成である。 序でに竹島も買っちゃえよ。 先の都知事選で、また石原かよもうウンザリと思ったが、少なくとも他の候補者だったら、こうは行かなかっただろう。 都民の選択は正しかったのかなあ。 答えが出るのはもう暫く先か。
NHKラジオ語学講座は、1週間遅れでネットでも聞けるようになっている。 ロシア語だけは何故か対象外だったが、今年度から漸く利用できるようになっていたので、テキストを買うべく本屋に向かった。 序でに、最近ネットで話題になっていた本も買った。
田房永子著「母がしんどい」
漫画形式なのであっという間に読める。 しかし読んで幸せな気分になる本では無い。寧ろずっしり。 精神的虐待物語である。 虐待ものといえば「Itと呼ばれた子」や「毒になる親」(こちらは未読)が有名だが、多分それらよりはずっととっつき易いと思う。漫画だし。 ただ、作者の体験を描いているだけなので、具体的アドバイスを求めるなら、別の本をお勧めする。
「おや、シオンがこういう本を買うなんて珍しいね」 と主人が見付けて手に取ったものの、途中で断念していた。 自分も親からこんな事された!似たような事があった!という共感が無いなんて、主人は幸せな子供だったのだろうと思ったら、子供時代の記憶が余り無いのだという。 虐待などの辛い目に遭うと子供は自分を守るために記憶を消してしまうというが、彼の場合は虚弱で常に具合が悪くてどこかが痛いという子供時代だったらしいので、そちらが辛かったのではないかと思われる。
子供というのは、知恵も経験もスキルも無くて無力だけれど、記憶は残る。 大人になってから、あああれはこういう事だったのだなあと、親の心を分析出来るようになるけれど、やはり理不尽な思いと恨みは残る。 アダルト・チルドレンとして返り咲いた東ちづるのように今更親を糾弾するつもりも無いけれど、許すつもりも無い。 とは言え、絶対に許さないという訳ではなく、過ぎた事は仕方ないという感じか。 だってもう今更どうしようも無いし。完璧な親なんてそうそういないし、底辺DQN家庭に生まれなかっただけラッキーだったと思う。
読んでみて思ったのだが、私、この母親に似ている……。 子供がいたら同じ事をしていた気がするので、子供がいなくて良かったと思った。
薬用養命酒のCMを見て、主人がぼそりと語り出した。 「昔、あれを飲んだら健康になれるんだと思って、買った事があったなあ。普通にお酒だったから、一口飲んだだけで、健康になるどころか却って具合悪くなったけれど」 それを聞いて、笑い転げる私。 「アルコール耐性の無い人が飲んじゃ駄目じゃん! 養命『酒』だよ、お酒だよ、飲む前に気付けよ!」 あー、お腹痛い。
交換したタイヤを車から降ろして、タイヤ置き場に積んで欲しいと主人に頼んでいたのに、 「腰が痛い……」 だとよ。 私、「この週末にお願い」って言ったよね。 昨日も言ったよね。 そしたら貴方は「今日は気分が乗らないから、明日やる」って言ってグダグダしていたよね。 おめーの気分なんかどうでもいいから、時間が空いた今やれ! って言えば良かったなあ……と後悔。 いつもこのパターンだ。 無理強いすると主人の機嫌が悪くなるからと思って、柄にも無く遠慮したのが間違いだった。 そろそろ学習しようぜ自分!
これ以上車に積んだままだと、タイヤが温まって車内がゴム臭くなるので、自分で何とかした。 タイヤを積み終えて家の中に入ると、主人がしょぼんとしていた。 「ごめんねシオン……」 その様子が可愛かったので、怒りがどこかに吹き飛んでしまいそうになったが、気を取り直して 「だから昨日やれと言ったよね。気分が乗るとか乗らないとかそういうのどうでも良いからさ、今度からは出来る時にやってね?」 と注意しておいた。 肝心な時に役立たずじゃあ困るのよ。
主人がお風呂に行った後、他に見たい番組が無かったので、NHK-BSで「フローズン・プラネット」を見るともなく見ていたのだが、案外面白いじゃないの、この番組。 子供の頃から大自然や動物ものには殆ど興味が無かった私だが、これはなかなか良い。 私と違って両親と妹はこういうの好きだろうと思ったので、週末3人で過ごしているであろう実家に、電話を入れてみた。 予想通り妹が出たので訊いてみると、違う番組を見ていたらしい。 お父さんってば何も言わなかった!毎日TV欄をチェックしている筈なのに!と電話の向こうで妹がプリプリしながらチャンネルを替えると、丁度、ウミガラスの巣立ちの場面であった。 150mの断崖絶壁にある巣から、海に向かって滑空する鳥。 ところが海まで届かず、手前の岩場で着地に失敗する鳥。 いきなり登場して、慣性の法則によってゴロンゴロンと岩場をバウンドする鳥を咥える狐……。 「待ちぼうけ」かよ! 電話を挟んで、妹と2人で大笑いしてしまった。
大自然って厳しい。弱肉強食の世界だ。 現在の人間社会だけが「弱者」に対して過保護だよなあ。 とても不自然でおかしいと思う。
「世間は狭い」とよく言うが、田舎の狭さは都会の比ではない。 習い事で、同じ教室の人から声をかけられた。 「春さんて、もしかして……」 ああまたか、と思った。 どこに行っても、珍しい苗字のせいで、主人の仕事関係の人には、すぐにばれてしまうのだ。 ええ、ええ、そうですよ。 春の家内でございます……。
誰某さんが習い事で同じ教室でしたよ、と主人に報告すると、あーあの人ね、と理解していた。 「ね、離婚しようか」 と私が切り出すと、主人は驚いていた。 「どうして?」 「だって、どこに行っても、すぐに私があなたの妻だとばれてしまうでしょ。春さんの奥さんて、あんな人なんだ……って貴方は言われるのよ、嫌じゃない?」 と私が正直に言ったのに、主人には良くわからないらしい。 「別に良いけど?」 そうですか……。 故意に貴方の顔に泥を塗るつもりは更々無いけれど、他人の目を気にして生活するって、とても難儀だと思うの。 私は誰に対しても愛想の無い影の薄い人間として生きていたいのに、それは無理な話なのかしらね。
何年も前に入居していた新築物件は、主人に健康被害を齎した。 今更因果関係の証明は出来ないし、当時でも立証は難しかっただろうが、主人の花粉症を誘発したのはそれに違いないと、彼は殆ど確信しているようだ。 鈍い私もある日突然化学的な匂いに気付き、部屋の使い勝手が悪かった事もあり、そこは僅か3箇月で退去したのだった。
賃貸物件を転々としているが、羹に懲りて膾を吹く状態で、それ以来新築物件は避けている。 尤も田舎なので、新築物件自体が少ないのだけれど。 現在の住居は、今月で3年目に突入した。 新築ではないが比較的築浅で、部屋数は少ないものの、綺麗で収納がたっぷりあるのが有難い。 しかし、窓を開けると下水の匂いが酷い。 あまりに酷いので役所にもメールしたが、改善する気は無いらしい。 無駄にオールカラーの広報誌を発行する金といつ来るかわからない防災工事に注ぎ込む余裕があったら、こっちに回して欲しいんだが。 この匂いと来たら、こんなクソな町なんて洪水で流されろと割と本気で思ってしまうほど、私を人でなしにするには充分な酷さなのである。 暖かくなるにつれて街中は酷い匂いで溢れ返るので、どんなに天気が良くても暑くても、窓は余り開けられないのだ。
昨夏は特に匂いが酷く、窓を閉め切って家の中に引き籠もっていても、ずーっと嫌な刺激臭が漂っていた。 寝室とトイレと風呂場は何とも無いが、台所と繋がっている居間が酷い。 これは台所の排水口から匂って来るのか? 排水口を洗って、市販の薬剤を中に投入して、一旦は収まったように見えたものの、暫くするとまたぶり返した。 涼しくなったら収まるだろうと思っていたのに、冬になっても変わらない。 窓枠の修理に来た設備業者に訴えてみたものの、どこの家でも多少は匂うものだと言われ、プロがそう言うのだしそういうものなのかと一度は納得しようとしたが、もう我慢の限界である。 思えばずっと喉の奥がちくちくするような、嫌な感じが続いているのだ。 これはもう一度大家に訴えなければと思っていたら、調味料を探して流しの下の扉を開けた主人が悲鳴を上げて曰く、 「何だこの匂い! 目に沁みたぞ」 と。 意を決して懐中電灯を片手に、這い蹲って流しの下を覗き込んでみたら、やはり。 刺激臭は排水口ではなく、排水管が続いている穴から出ていた。 蓋のような物が一応付いているのだが、素人目にも明らかにサイズが合わず、きっちり閉まってくれない。 応急処置として厚紙で即席の蓋を付けてみたが、相手は気体なので、ガムテープか何かでぐるぐるに封じないと駄目だろう。 取り敢えずこれで我慢して、明日1番に大家に怒鳴り込み訴えに行かなければ。
主人のお使いで、先日忘れた書類を私が届ける事に。 車でぶいーんと遠出するのだが、タイヤ交換がまだ出来ていない。 出掛ける前にガソリンスタンドに寄って交換して貰うように主人に言われたのだが、タイヤを積む段階で諦めた。 今度はホイール付きのタイヤである。 交換は簡単になるが、ホイールの分だけ重くなる。 箸より重い物を持った事の無いお嬢様育ちの私には、到底無理。 頑張って1個積んだところで限界を感じたので、そのまま冬タイヤで出掛けた。 というか、先週末にもこのタイヤで遠出したんだから、その前に主人がやれば良かったのでは? そう言えば、この人はそういう人だった。 一緒になって随分経つのだから、期待するのは止めて、私が先回りして指示するべきであった。 残念ながら、そういう点では当てにならない人であると、私も学習しなきゃ。
書類を届けて、買い物をして、またぶいーんと車を飛ばして帰って来た。 やはり都会(当社比)は散財の街である。 今度も色々と買い込んでしまった。 だって春だからね。限定の桜餅とかケーキとか。 主人に土産を渡しながら、週末のタイヤ積み込みを約束させた。
2012年04月10日(火) |
よっちゃんに会いたい |
「カーネーション」が終わって10日が経過。 こんなに朝ドラに嵌まったのは、「ふたりっ子」以来か。 いやあ本当に楽しかった。 出演者、配役、演出、そして何より丁寧な脚本。どれも素晴らしかった。 つまらなかったのは主題歌だけ。流石に慣れたけれど。
「カーネーション」の後に始まった「梅ちゃん先生」は、タイトルからしてまるで観る気がしないので、再び朝ドラ離れを起こすところだったが、BSで直前に「ゲゲゲの女房」の再放送をしているのに気が付いた。 評判が良かった番組なので、今度はこれを観る事にする。 本放送時にちらっと観た時に、次女役の子供が、こんな子供なら欲しいと思うほどに大変可愛かったのが印象に残っている。 ただ、ちらっと観ただけの私にも、主演女優が大根である事はわかってしまった。 それは、見合い相手の事を考えていて、片腕が無いのか……とミシンを止めるシーン。何なのあれは。演出家は何故駄目出ししない? あまりに酷くて、月影先生に杖で打擲されるレベル。 というか、月影先生役をやった野際陽子と丁度競演しているんだし、ビシバシしごいて貰えよ。 それに、家事全般ちゃんと出来る主婦役だというのに、この人は普段から料理もろくすっぽやっていない様子なのがばればれ。 料理が嫌いな私ですら見ていて解るのだから、世の中の家事の出来る主婦達は、更に「あーあ」と思うんじゃなかろうか。 台詞を覚えるだけが役者じゃないのよね。 という訳で主演女優には苛々しそうだが、次女役のよっちゃんを楽しみに、観てみる事にした。 よっちゃんの登場はまだ先だけれどね。
ニュースの延長で見たクローズアップ現代、本日のお題は「ライフログ」なるものであった。 登場した一般人は、日常生活の中で目に留まった物を写真に撮ったり、自分の行動を記録したり、それをグラフ化したりと、実にまめである。 やっている本人達はとても楽しそうだが、大変そうだな……。 訊いたところで、どうせ「全然大変じゃない。楽しいよ」という回答が帰って来るのだろうけれど。 「なんかさー、物凄く面倒臭そうだよね。いやー凄いわ」 と私が感心半分呆れ半分で言うと、主人が 「シオンは、これ見ただけで面倒臭くなっただろ」 と実に的確な指摘をしてくれた。 「やる前からやる気無くしてるよね」 その通りです!
基本的に面倒臭がりな私には、絶対無理だわー。 ウェブ日記やブログですら続かないというのに(笑)。
主人の仕事が休みだったので、2人で遠出した。 所用もあったのだ。しかし主人が肝心の書類を忘れたため、本日は入金のみ。書類は後日、私が届ける事にする。 立ち寄った事務所のすぐ傍には、マンションのモデル・ルームがあった。 この後は義妹の住居に寄る予定だが、まだまだ時間があるので、ふらりと入ってみる事にした。 一応予約が要るようだが、無くても入れて貰える事は知っているので、エヘヘヘ済みませんねえという風を装って、一通り見せて貰った。 私よりも、付き添いの主人の方が、頻りと「いいなあいいなあ」を連発していた。特に書斎に惹かれたらしい。 前から自分の部屋が欲しいと言っていたものね。賃貸物件は部屋数が少ないから、結婚してから1度もその夢は実現した事が無いのだけれど。 でも、私が貴方の部屋に入り浸っちゃうから、書斎があってもあんまり変わらないと思うよ?と私が言うと、彼はがっくりと項垂れていた。 それにしても、新しい建物は綺麗だし、今時のマンションは部屋も広く取ってくれるからいいよねえ。 こんなおうちに住みたいわあ〜という憧ればかり大きくなるが、実際はねえ。 立地もいいし、お金も何とかなるけれど(田舎だから安い)、買ったところでいつ住めるのやら。 転勤族だからね……。 宝籤当ててさっさと退職したらと主人に勧めるも、仕事はそれなりに楽しいらしいので、定年まで勤めたいと言う。 世の中には、食べるために好きでも楽しくもない仕事をしている人もいるのだから、うちの主人は恵まれているのだろう。 そう言えば、主人の親もそうだった。 「多分あの人達、好きな事をやっているだけで、仕事をしているという感覚が無いんじゃないのか?」と主人が言うほど、70を過ぎた今でも楽しそうに仕事をしている。 それで儲かっていれば本当に凄いが、残念な事にトントンらしいんだな、これが。 主人と同じで、お金に興味の無い人達だからな……。
パンフレットだけ貰って、モデル・ルームを後にした。 家を買うのはまだまだ先である。 それまでに宝籤が当たって、いい物件が出て来ますように!
先日、主人と某オケの地方公演を聴きに行った。
随分オーソドックスな指揮だなと思ったら、「この人じゃあ客は集まらんだろ」という感じの指揮者なのだそうで。 生前のカラヤンも棒の振り方はオーソドックスだったし……と希望を持っていたのに、それを聞いて一寸がっかりした。 ううむ、残念ながら、一流の指揮者はこんな田舎くんだりに振りに来てはくれないか。
プログラムは、地方初心者向けの、誰でも知っている名曲を集めていたが、これがまた眠りを誘う曲ばかり。 とは言え、90分ぶっ続けマーラーに比べたら、どうって事無いのだが。 どんな演奏会でも1回は眠ってしまう私でも、今回は何故か大丈夫だった。 ベートーベンの「田園」はとても心地よい曲だ。高校の音楽の授業で習ったけれど、私も含めて殆どの生徒が爆睡していたっけ。 2楽章なんて起きていろという方が無理だよなあと思いつつ、客席の聴衆の多くが舟を漕いでいるのを横目に聴いていたが、ステージ上を見ると、なんと 2楽章では出番の無いトランペットとトロンボーン奏者までが気持ち良さそうに目を閉じているではないか。 第2トランペット奏者だけが時々、心配そうにちらちらと隣に目をやっていたが、後の3人は絶対寝ていたと思う。 3楽章ではちゃんと起きて吹いていたけれど、舞台上でも寝ちゃうものなのかと面白かった。
オケは悪くないんだけれど、指揮者がなあ……と残念そうな主人に、じゃあ今度は東京に聴きに行こうよ!と言っておいた。 お金が貯まって休みが取れたらだけどね。
今週の初め、何の気なしにBSにチャンネルを合わせてみたら、「東京ラブストーリー」の第1回を放送していた。 丁度、有森成美が江口洋介に 「○×君(名前忘れた)にアタシは相応しくない!」 とか何とか言って走り去るシーンをやっていた。 織田裕二演じるカンチは、こんな台詞を聞いていながらも、この女とくっついて嬉しいのかね……。 私ってば思わずTVの前で、うわああこの女うぜええええ〜と口走ってしまった。 「アタシはナントカ君に相応しくないって何なの? どんだけ自己評価低いの、この女。馬鹿じゃないの?」 たかがTVドラマ相手に、私の毒は更に続く。 「あり得ないよね。私だったら絶対言わない台詞だわ。だって私に相応しい男なんて滅多にいないもん」 と言ったところで、主人が目を剥いて振り返った。 「何よその目は。今、シオンは自己評価高過ぎ!って思ったでしょアナタ」 「う、うん。凄いねシオン。シオンも読心術が遣えるようになったか」 「大丈夫、怒らないから。貴方はね、そんな私に選ばれたんだから、もっと誇りを持っていいのよ。さあ胸を張って!」 折角私が元気付けたのに、何故か複雑な表情の主人であった。
先月、頭痛が酷くて病院に行った時、MRIの予約を入れた。 その後も頭痛が続いていたが、今月に入ってからは起きていない。 それでも予約は入れてしまったので、約束通り行って来た。
以前「アンビリバボー」で、ヒューマン・エラーを取り上げていた。 慣れによる人為的ミスで、技師が操作を間違えて、患者に通常の何十倍もの放射線を浴びせて死なせてしまったという話を思い出した。 私もそんな目に遭わないとは限らない。 その番組を見て以来、歯医者や病院でレントゲン写真を撮られる度、その恐怖に襲われるのだ。 そのせいもあって、初めて入ったMRIの中は、怖かった。 頭の上で、ずっと大きな音が鳴っているのだ。 ガガガガガガ、ぐおんぐおんぐおん 永い検査が終わって、少しは休めましたか?と技師から訊かれた。 あの状況で眠れる人なんているのか。
診察室に入ると、撮ったばかりのMRI画像と一緒に、先月撮った頭蓋骨のレントゲン写真が並んでいた。 綺麗な頭蓋骨だ。初めて見たが、我ながら、見蕩れるほどいい形だと思った。 そしてMRI画像の方には、にょろにょろと血管が映っていた。 説明をしながら、医者が言った。 「これはね、放射線を使うレントゲン写真と違って、身体に悪影響が出ないんだよ。電磁波だから何度でも出来るんだよ〜」 えっ。 思わず、声を上げそうになった。 電磁波……そういやそう聞いた事があるような。 じゃあ、私が味わったあの恐怖の時間は一体何だったの。 どうせなら、検査の前に教えて欲しかった……。
結論として、頭蓋骨にも脳味噌にも血管にも、異常は見当たらなかった。 「あと80年は生きられるよって先生に言われたよ!」 と嬉々として主人に報告したら、即座に突っ込まれた。 「いやいや80年はおかしいだろ。どれだけ生きるつもりだよ」 「あれ? じゃあ『80歳まで』だったかな……」 「シオン今いくつだよ。0歳じゃないだろ。ホントに無かったのか、異常」 無いって言われたんだけれどねえ。おかしいねえ。 それと、血管は左右対称じゃなくて右の方が大分細かったけれど、特に何も言われなかったから、80まで生きるぞ!
実は今回の旅行、出立前はなかなかテンションが上がらなかった。 荷造りするのも出掛けるのも面倒臭くて、近隣の高級温泉旅館にすれば良かったなあと、ずっとグズグズしていた。 勿論、折角主人が休みを取って予約してくれた旅行なので、彼にはそんな事は言わなかったが。 でも、出掛けてみれば楽しかった。帰って来てからガイドブックを見て、嗚呼あそこもここも行けば良かったと思うぐらい。 普通に考えれば、ガイドブックは出かける前にテンションを高めるために見るべきものだろうが、開く気力すら湧かなかったのだ。
帰って来てから、旅行中に主人の希望で撮り溜めた、NHKの「BS洋楽グラフィティー80's」を鑑賞している。 ロックで育っただけあって、イントロを聴いただけで、誰々の何て曲だと言い当てる。 そればかりか、一緒に口ずさんだりしているし。 「流石にもう歳だなあ、高音が出ないや。昔は歌えたのに」 と、ぼやく主人。 「いや、充分凄いよ。よくご存知ねえ。流石、元ロック少年」 私がそう絶賛すると、主人が謙遜して言った。 「いやいや、シオンの方が凄いよ。『クリミナル・マインド』とか観ていても、名前を聞いただけで、いつどこで何人殺したシリアル・キラーだってわかるじゃん。僕なんて全然知らないもん、殺人鬼の名前なんて。凄いよシオン。流石、元連続殺人犯!」
殺った事なんて無いよ!!
2012年04月03日(火) |
スイート10記念行事 |
旅行から帰宅。 今は自宅で強風のニュースを見ながら、我々はラッキーだったなあと思う。 1日ずれていたら、帰って来られなかったかも知れない。
南国は、思ったほど暑くなかった。 寧ろ寒くて、いつもの頭痛を惹き起こすほど。早目に薬を飲んだから吐かずに済んだが。 でも雰囲気は、北国と全く違った。街路樹からして違う。 吃驚したのは、お墓が大きくて開放的な事。 形状と大きさだけの問題ではないと思うが、我々が知るお墓の、ひゅうどろ的な雰囲気が無いのだ。 陽光の下、お墓の前でお弁当を広げている家族もいた。 随分オープンだな!と思ったが、ああやって子供達がじいちゃんばあちゃんから先祖の話を聞くのは、いい事だなあ。
そして建物が素敵。 車で海岸線を走っていたら、中でも一際目を引く素敵な建物が! 何ていうホテルかしらと思ってよく見たら、建物にはこう書かれていた。
KOUFUKU NO KAGAKU
……。 主人が運転しながら、「シオン、入信する?」 しないよ! でも、宇都宮の本部より、ずっと素敵な建物だった。
あちこち見て回って、沢山お土産を買って、楽しかったー! 向こうで買った物が自宅に届いたのだが、開けて吃驚。 私、こんなに買ったっけ……大小合わせてお酒が7本(汗)。 うち1本は人へのお土産だが、買い過ぎたかしら……今は次回のカードの請求が怖い状態である。 あっ勿論、主人の物も買ったよ!
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