天上天下唯我独尊

2011年06月30日(木) 何故か私のせい

健康のために就寝前にコップ1杯の水を飲む事が一般的に推奨されているようなので、私もちゃんと飲んでいる。
しかし、そうすると困った事に、必ず夜中の1番眠たい時にトイレに行きたくなるのだ。
同時に喉も渇いているので、トイレだけでなく台所にも寄る事になる。
眠いのに。
何故就寝前に飲んだ水は、全て夜中に排出されてしまうのだろう。
膀胱に行かずに体内に留まって、喉が渇かないように一晩中ぐるぐる回っていてくれれば、夜中に起きずに済むのに。

夜中にトイレに起きるという老化現象は、私だけではなく主人も同じようだ。
しかし主人曰く、
「僕はトイレに立ってもシオンを起こさないように静かに寝床に戻るけれど、シオンは必ず僕の事を起こすよね」
と不満げである。
「だって私は貴方を跨がないと行き来出来ないもん。じゃあ私が入り口側で寝ましょうか」
「シオンは目覚まし止めちゃうから駄目。シオンは跨いで起こすんじゃなくて、『えへへへだいしゅき〜♪』と抱き付いて起こすでしょ」
あれ、そうだっけ?
眠たいからよく覚えていないけれど、寝顔が可愛くてそんな事言ったかも知れない。

クレームが出たので、昨夜は気を付けて静かに布団に戻った。
しかしそこには、2人で共有しているタオルケットを抱き枕代わりに丸めて独り占めにする主人の姿が……!
しかも敷布団の対角線上に寝てるし! 私にはどちらかの三角形の中にちんまり納まって寝れってか!
「ハイどいてどいて」
結局起こされる主人であった。



2011年06月29日(水) 当籤金で避暑に行くんだ

暑い。
アトピー持ちには辛い季節だ。
今年は節電の夏と言われているが、私にはそんなの関係無い。
世間には節電しろと言われるだろうが、エアコンだけは譲れない。
その代わりに、TVとPCを消せばいいでしょ。

しかし最近は、エアコンの風が辛い。
歳のせいなのか。もうババアなのか。
時間帯と風向きによっては、ドブ臭さも気にならないので、居間の窓と玄関を開けて、家の中に風を通している。
自然の風は心地いい。
虫さえ入って来なければね。
玄関用網戸の購入を一寸考えてしまった。
でも窓から砂埃も入って来るんだよなあ。
もっと地面から離れた上階に住みたい。
気圧の変化に敏感な主人さえいなければなあ。……と言うと語弊があり過ぎるな。
主人がもっと気圧の変化に鈍感ならいいのに、と書けば良かったのだ。訂正!

掃除と洗濯をしたら、汗だくになったので、朝からシャワーを浴びた。
陽は当たらないし、風は通るしで、午前中は廊下が1番涼しい。
雑巾をかけたばかりの廊下に、ごろんと横になった。廊下に対しては縦だけれど。
夜はずっと寝苦しくて、暑くて何度も目が覚めていたので、ごろんとなったまま眠ってしまったようだ。
目が覚めると、背中が痛かった。そりゃそうだ、硬い床に寝ていたのだから。
そして首も。
枕もせずに寝たので、無理な姿勢で首に負担がかかっていたらしい。
車の運転は危険と判断して、徒歩でスーパーに出掛けた。

帰宅したら汗びっしょり。
いっそ1日中水風呂に浸かっていようかしら……とぼやいたら、主人にそうしなよと言われた。
お許しが出たところで、それはあんまり現実的じゃないと思うんだけれどな。



2011年06月28日(火) 消費税率引き上げを許してはならない

ETC休日千円キャンペーンは終わったものの、週末の東北自動車道は混み混みだったらしい。
降り口で30分も待たされたと、帰省先から戻った主人の知り合いは愚痴っていたそうである。

ほれ見ろ。
だーから過剰な被災者サービスは止めろって言ったのに。
TVではすっかり、消費税増税やむなしという雰囲気になっているが、騙されてはならない。
TVは決して国民の総意の代弁者ではない。
寧ろスポンサーである大企業や、もしかすると政治家の代弁者だと考えて間違いないだろう。
震災を理由にした増税を許してはならない。
何度もここで述べた通り、その前にやるべき事があるだろう。
国会議員数とその給与の削減、子供手当の廃止、福祉にかかる費用も減らしたらいいよ。

世の中、本当に無駄が多い。
えっこれ本当に必要?と思う物事が多過ぎる。
こんなに膨れ上がる前に、何とかしたかったなあ。



2011年06月27日(月) 雨のお散歩

今年の4月から、ロト6の抽選は週に2回になった。
今回はキャリーオーバー、大金が転がり込むチャンスである。
昨日はうんこの夢を見た。
更にチャンスである。

昨日は買い物に行かなかったので、今日こそ行くぞと意気込んでいたのに、
「あ、今日車使うからね」
と主人。
仕事でどうしても必要なんだと。
そう言えばカレンダーにもそう書いてあったのに、忘れていた。
かくなる上は、歩くしかない。
しかし外は朝からしとしとと雨が降り続いている。
土砂降りよりはマシか、と傘を差して出かけた。

とぼとぼ歩いて、いつもは車で行くスーパーまで出掛けた。
駐車場の一角が、今現在家から1番近い宝籤売り場なのだ。
少し前までは徒歩圏内にあったのに、そこは1度も利用する事が無いままに閉じられてしまった。
何てタイミングが悪い。
しかも雨だし。
バスで行こうかと、バス停で暫く待ってみたが、なかなか来ないので歩き出した。
次のバス停で乗れるかと思ったら、バスは私を追い越して行った。
何てタイミングが悪い。

帰宅した主人に、バスに乗れなかった話をすると、
「シオンはいつもそうだねえ」
と言われた。
「何でかしらね。バスとは相性が悪いのかしら」
「シオンは全てのものと相性悪いよね!」
余計ムカついた。

苦労して買った宝籤は、掠ってさえいなかった。
おかしいなあ!



2011年06月26日(日) 赤いコートの女

「100万円。これでいいでしょ」
「おう、確認させて貰うぞ」
男は銀行名の入った分厚い封筒を引っ手繰るように奪い取り、中から札束を取り出すと、今度は空の封筒を足許に打ち捨てて、枚数を数え始めた。
男が紙幣に夢中になっている間に、私はコートも脱がずにトイレに行き、中から鍵を掛けた。
ボロ家にお似合いのボロいトイレは鍵までボロくて、今時ねじ込み式の鍵は、鍵穴が広がってまるで用を成さない。
それでも形ばかりの施錠をせずにはいられなかった。
トイレなんて家族しか使わないのだから、今までその鍵の存在など少しも気にも掛けなかったのに、新しい物に付け替えなかった事を酷く悔やんだ。
男の気配は追って来ない。まだ札束に夢中なのか。
震える手で携帯電話のボタンを押すと、相手はすぐに出た。
「もしもし」

父とあの男がいつどこで出会ってどういう付き合いだったのか、私はまるで知らない。
父と私が暮らすこの家に、父の死ぬ少し前から出入りするようになり、父が死んでからは我が物顔で振舞うようになった。
「父さんが死んで、保険金やら遺産やらが手に入ったんだろ。俺だって何くれと面倒を見てやったんだ、取り敢えず100万ぐらい貰う権利はあるだろ」
そう言って、図々しくも金銭を要求したのだ。
少なくとも私は、父に言われて食事の支度程度の面倒は見てやったものの、見て貰った覚えは無い。
仮令父が世話になった事があったとしても、恩があるのは父であって私ではない。
闘病生活の永かった父には遺産など無かったし、雀の涙ばかりの保険金は葬式で殆ど消えている。
こいつに金をやる義理も、やる金も無い。
どういう出自の男か知れないが、断れば何をするか判らない。
それにこの手の要求は、エスカレートするものと相場が決まっている。
私は警察に相談した。

待機していた警察官が家の中に踏み込み、男を拘束して連行してくれたのを見届けて、やっと安堵の溜め息が出た。
保湿を謳った口紅を塗っていたが、緊張のせいで唇はすっかりからからに乾いていた。
「有難うございました。でもあの男、出て来たらきっと……」
「そうだな、逆恨みするだろうな」
顔馴染みの刑事が眉根を寄せた。
子供の頃から私を知っていて、今回も親身に話を聞いてくれた人だ。
男の私が女装をしていても、決して差別的な素振りは見せないでいてくれた。
だから私も安心して相談出来たのだ。
「やはりそう思いますか。私もお礼参りが怖くて。多分、ここを離れる事になると思います」
「その方がいいだろう。体に気を付けてな」
刑事は私の肩を軽く叩くと、同僚と一緒に出て行った。
私は頭を下げて、もう一度礼を言い、後姿を見送った。

その後裁判が行われ、多分私は証人として出廷したのだろうが、あまり良く覚えていない。
判決の時でさえ、傍聴には行かなかった。
あの男の視界に入りたくなかったのだ。
なるべく早く、あの男の記憶から消えてしまいたかったのである。
「大変だったわねえ。これからどうするの」
女装仲間が集まって、送別会を開いてくれた。
「SEは辞めて、他の仕事を探すわ。あの家を売って、遠くに行こうかな。東京とか大阪とか」
アルコールが入ったせいもあり、ついそんな事を口走ってしまった。
あの男は、自分を嵌めた私を許さないだろう。
逆恨み気質は死んでも治らないのだから、あの男には死んで欲しいところだが、残念な事に日本の法律では恐喝ぐらいでは死刑にならない。
それなら私が逃げるまでだ。
木を隠すなら森に、砂粒を隠すなら砂漠か海岸に、自分が隠れるなら都会の雑踏だ。
そう考えていたのが、つい口から出てしまった。
少しでも手がかりを残さないためには言ってはいけなかったのに。しまったと思ったが遅かった。
「大阪の方がいいかな、人情の街だし」
慌てて思ってもいない事を付け足した。
女装した男達が、大阪かあいいわねえとキャッキャキャッキャ言い出したので、少しホッとした。
何のスイッチが入ったのか、1人だけが、
「ええっ、そんな知らない土地に行くより、ここでスナックでも開業したらいいのに。家を売ったお金でお店やりましょうよう」
と言い出した。
何故他人の家を売った他人の金で店を「やりましょう」という話になるのか、全く理解に苦しむが、取り敢えず苦笑してやり過ごした。
1人でヒートアップするそいつに、年長者が窘めていたが。

証拠品として押収されていた100万円が返って来たので、それで永代供養を頼んだ。もうここには戻らない。
誰にも行き先を告げずに、私は町を出た。
不動産屋に渡りを付け、書類関係は郵送で、ボロ家付きの土地が売れたら銀行口座に振り込んでくれるようにしておいた。
契約が完了して片が付いたら、口座は閉じてしまおう。
私は東京にやって来て、2度と御免と言っていたSEの仕事に再就職した。
そして女装を止めた。
自分1人の愉しみとしても封印し、ウィッグも化粧品も捨てた。
これまでの自分とは違う自分になって、復讐者の目を欺くためだ。
それでも、お気に入りの赤いコートだけは捨てられなかった。

四六時中を生まれ持った性の男として過ごし、その生活に慣れようと努力していたある日、クローゼットの整理をしていたらコートが出て来た。
安物の合皮がテラテラと光って、私を誘う。
一度誘惑に負けると、後は坂を転げ落ちるようだった。
百均でウィッグと化粧道具を買い揃え、安くて可愛い服を買い、久し振りに変身した。
赤いコートを羽織ると、完璧だった。
東京に来てからずっとスーツ姿で、目立たないようにと地味に過ごして来たストレスを、一気に発散するように、私は夜の町に躍り出た。
足許から放つヒールの音が、何と心地良い事か。
見て。私を見て。注目して。
いい女でしょ、綺麗でしょ。
とてもいい気分で闊歩していると、声を掛けられた。
ナンパされるなんて、私もまだまだ捨てたもんじゃないわね。
いい気分でホテルに入った。
ハンドバッグと一緒に、弾みを付けてベッドに腰掛けると、男が卑猥な事を言って来た。
夜の街の雑踏では気が付かなかったが、この顔、この声。
間違い無くあの男である。
冷水を浴びせられた気分になったが、相手はまだ私に気付いていないようすだ。
顔を覗き込もうと屈んで来たので、咄嗟に髪で隠すように顔を背けた。
「そういうのは好きじゃないの」
男はまた下卑た事を言い、何やら1人で笑いながらバスルームに消えて行った。
ハンドバッグを握り締め、シャワーの音を確認すると、私は速やかに部屋を立ち去った。
帰り道とは反対方向の駅に寄り、トイレのゴミ箱の底に、赤いコートを丸めて突っ込んだ。
次のごみの日には、買ったばかりの服も化粧品も全て捨てた。

そして私は完全に女の格好とは縁を切った。



2011年06月25日(土) メンタラー

来月はコブラがある(@わうわう)なので、映画やドラマを録り溜めていないでさっさと観て片っ端から消去しなきゃならないのだが、ついレンタルDVDから観てしまう今日この頃。
まだ第1シーズンだけれど、「メンタリスト」がまずまず面白い。
主人公は、連続殺人犯に妻子を殺された元霊能力者。
実は霊能力と言っても、それは小田霧響子と同じく鋭い観察眼と推理力のなせる業で、その力によって金儲けをしていたのだ。
警察に出入りはしているが警察官ではなくコンサルタントであり、名探偵モンクと同じ立場と思えば良い訳か。
警察の捜査に協力しながら、妻子を殺した犯人の手掛かりを捜しているらしい。
主人公を演じる役者さんは、ウィキペディアによれば「アメリカの中村雅俊」という事だが……ちっとも似てないよ!
垂れ目でセクシーという事らしいが、そんな風に言われたって、ちっとも嬉しくないだろ。中村雅俊など足許にも及ばない。
正直、中村雅俊のどこがあんなワーキャー言われる(言われた、過去形か)のか、私にはサッパリだ。
中村雅俊はちっとも好みじゃないけれど、この俳優さんは素敵だと思う。うむ。
他にも、民主党の岡田幹事長や、モンティ・パイソンでお馴染みのジョン・クリーズ或いはくりーむしちゅーの有田(に似た人達)が出て来る。

で、我が家にもメンタリストがいる訳だが。
今日も私が言おうとしたつまらない下ネタギャグを言う前から遮り、
「それは言っちゃ駄目だ」
と。
何故。何故解った。
どうしていつも私の頭の中を勝手に覗くのだ。
問い詰めると否定して曰く、
「覗いてなんかいないよ。丸見えなの。シオンはね、考えている事がおでこに電光掲示板みたいにタッタカターって走るんだよ。だから見えちゃうの」
と。
なんかムカつくー!
そんな能力があるんなら、こんな田舎で燻っていないで、霊能者デビューしちゃえばいいのに。
その方が稼げるんじゃないかと思うのだが、そもそもお金に興味の無い人だからな……。



2011年06月24日(金) 帯に短し襷に長し

まだまだ転勤族なので、マイホームはまだまだ先の話なのだけれど、そろそろ考える気になって来たらしいうちの主人。
彼の両親はまだまだ現役で働いているのだが、そろそろ引退させたい模様である。
本人達が仕事を生き甲斐にして元気で働いているのだから、無理に辞めさせなくてもいいじゃーんと私は思うのだけれど。
主人が子供として親の事を心配するのは解るが、下手に生き甲斐を取り上げて一気に呆けられる方が寧ろ心配。誰が面倒看るんだよ(笑)。
しかし今すぐではなくても、いずれ考えなければならない事で、今から準備するに越した事は無い。
で、場所を考える。
市町村単位ではあそこがいいよね、という考えは一致しているのだが、そこから先に進まない。
主人の希望は落ち着いた昔ながらの住宅街で、地価が高い。
そしてなかなか土地が売りに出ない。
古い町というのはそんなものだ。新規参入は難しい。
で、主人は一軒家がいいらしい。
一軒家か……アレが出なきゃそれでもいいんだけれどさ。
そう、毎年この時期に気が狂うんじゃないかというほどに悩まされていたアレ。
去年からマンション住まいになって解放されたアレ。

ヤスデである。

今のマンションにも暑いのドブ臭いの電波入んないのと不平はあるけれど、虫が少ないというその一点に置いては、素晴らしいと思う。
暑くてもドブ臭くても電波入んなくても酔っ払いが煩くても、腹は立っても気が狂うほどじゃないもん。
そら少しは玄関から羽虫なんかは入って来るけれど、お茶の残りを飲み干したら湯飲みの中に何かが入っていて、ぺっと出してみたら蜘蛛の屍骸でしたなんて事も、今のところは無いし。(蜘蛛さんはムニっとしていた。麦茶の中の麦みたいな感じ。噛まなくて良かったよう!)
そういう訳で、虫に関しては圧倒的にマンションの勝利。
今のマンションは低層階だから羽虫はいるけれど、高い所なら来ないはず。
田舎者なので最高5階までしか住んだ事無いけれど、5階は網戸無しでも虫が入って来なかった覚えがある。
だから私としては高い所が希望なのだが、これまた主人がデリケートで。

高い所は気圧が変わるから嫌なんですってよ……。

去年実家の両親と妹とで温泉旅行した時に、泊まった所がホテルの十数階で、リフトに載った時に思わず、
「あの人だったらきっと、『ああ〜気圧が〜』とか言うわね」
と嫌味を言ってしまったほどである。
(それで笑いを取る私も、爆笑する両親と妹もどうかと思うけれど。逆に、うちの主人やその両親達は、そういう事は絶対しないだろうな……人でなしは血筋なのね)
本当に噛み合わない夫婦だなと思う。
ま、今すぐ決めなきゃならない訳じゃないし、明日の事は明日が思い煩うであろう。



2011年06月23日(木) おかしいだろ

この前の日曜日で、週末のETC搭載車高速道路料金1,000円サービスが終了した。
結局ETCを買わなかった我が家は勝利した事になるのだろうか。
昨年から高速道路を利用する事が多くなったので購入も考えたのだが、使うのは殆ど平日なので、必要無いと判断したのだ。
こんなに早く終了するとは思わなかったので、やはり買わなくて良かった。
そしてこれで、高速バスがスムーズに運行すると喜んだのだが、何と言う事でしょう。

被災者は無料になるんだってさ。

ハァ? 何それ。
被災と高速道路、関係無くね?
被災者へのサービスなら、別のところですべきだろ。
そもそも被災者なんてお金無いんだし、高速で遠出して何すんのさ。
仕事で使うんなら、それは別のところで補助してやりゃいいじゃん。
誰? こんな馬鹿な事考えた奴。
本当に馬鹿だと思うよ。
しかも自治体によっては、停電しただけでも被災者認定するって、おかしいだろ。
私だって被災したのは事実だけれど、それは過去の話だ。
基準にすべきは当時ではなく、「現在」じゃないのか。
TVのニュースでインタビューに答えていた該当者は、「これで仙台の友達のところに行って来ますぅ」と笑顔で答えていたらしい。それってただのレジャー……既に災害とは無関係だし。
やっぱりおかしいと思うの。
受益者負担の原則は貫くべきで、被災者を助けるのなら別の方法を考えるのが正しい。
こんなおかしい制度、考えた奴は死ね。マジでそう思う。

東京の石原都知事が、性懲りも無く、東京にオリンピックを招致するんだと。
またこの話が出るのは、再出馬の時点で予測はしていたけれどな。
馬鹿じゃねえの、このジジイも、こいつを再選させた都民も。
しかも震災の復興と関連付けて、日本の復興を世界にアピールするとか言ってやんの。
東京は被災していないだろ。震災関係無いだろ。
震災を五輪招致に利用するとか、どんだけ腐ってんだこいつ。
今度は何十億円ドブに捨てるつもりなんだ?
そんな金があったら、もっと他の事に有意義に遣えるだろうに。
時偶まともな事も言うけれど、そうじゃない事の方が圧倒的に多いかな、このジジイは。
しかも最高にムカつく。
もういい歳だし、お迎えマダー?



2011年06月22日(水) 記憶の貯金

「世界仰天ニュース」で、障害のある配偶者を持つ女性の話をやっていた。
ご主人は元から障害者だったのではなく、蜘蛛膜下出血の後遺症で高次脳機能障害になってしまったのだ。
脳の障害で忘れんぼさんになったご主人は、勝手に高価な物を衝動買いしてしまったり、困った行動を取るようになる。
……というか、この場合の買い物は取り消せると思うんだけれど。
さっさと禁治産認定して貰おうよ〜とTVの前で突っ込みを入れる私。
そんなご主人に疲れて、奥さんは自殺を考えるようになる。
……奥さんが自殺したら、子供にご主人を丸投げする訳?
それは子供が可哀相だし、無責任だろう。どうせなら道連れにするか、ご主人だけ三途の川を亘って貰う事を考えた方がいいのでは。
そして頼まれてもいないのに、夫を事故に見せかけて殺す方法を考え始める私。
そんな私を置いてけぼりにして、奥さんは実母にお別れの電話をかける。
「もう疲れちゃった。死にたい」
と弱音を吐く奥さんに、実母は、
「勿体無いねえ。死んじゃうなんて、勿体無いよ。方法はある」
と言う。
実母の渾身のアドバイスとは!

・喫茶店にでも行って、のんびりと珈琲を飲む。

ええ〜……そっち?
それは気分転換にはなるけれど、根本的解決には全くなっていないような。
もっとこう、具体的なアドバイスをしてくれるのかと期待していたのに。
まあ、でも鬱々として死んじゃいそうな人には、そういう気分転換が必要なのかしら。
そして当然の事だけれど、殺人教唆的な内容なら、TVで放送したりしないんだろうなあ。
どこまでも黒い想像しか出来ない私であった。

この前の日曜日には、同じように脳の病気で記憶や感情に障害が出たご主人と向き合う奥さんの話もやっていたし、本当に大変だろうに、世話をし続けるのは偉いなあと思った。
発症或いは発病前は、優しくてとても良い夫だったと言う。
優しかった記憶の貯金で、奥さん達は看病し続けるのだろうか。
うちの主人も大概優しいが、彼が病気で性格が変わったら、私は面倒を見続ける事が出来るだろうか。
……正直、自信無いな。
逆に彼は私の面倒を見てくれるんだろうけれど。だって今でさえ面倒見てくれているから。
こうして考えてみて、改めて、自分は人でなしだと思った。



2011年06月21日(火) (発達+ストレス)障害?

余震がひっきりなしに起こっていた震災直後は、震度4ぐらいなら慣れっこになっていて、
「またか〜」
と余裕をぶっこいていられたのだが、先月辺りからは揺れも回数も減って、余震も大分落ち着いて来たように思う。
だからなのか、最近は逆に、震度2でもビクビクだ。
暑さで疲れてそのまま床に寝転がってウトウトしていたら、突然揺れた。
横になっていると特に、大した事無い揺れでも大きく感じてしまう。
ガバと起き上がって携帯電話を握り締めた。頭の中では震災時と同様に、逃げる算段をしていたのだが。
昼間は家に私1人だから、貴重品(あんまり無いけれど)は私が守らなきゃいけないのだ。

夜中の地震も怖い。
隣で寝ている主人に、いちいちしがみ付いてしまう。
暑いので、揺れが消えると用済みとばかりにすぐ離れるのだけれど。
夕べはとても眠かったのに、揺れを感じて目が覚めた。
ああまた地震だと思ったら、胸が苦しくなった。
酷い不整脈だ。心臓が止まるのか。
いや、私はまだ死ねない。片付けなければならない物が、押入れの中に山と積まれて私を待っている。
頑張れ私の心臓。
眠い中、必死でエールを送っていたら、やっと楽になった。
……この言い方だと語弊があるな。脈が通常運行になったという意味である。
そのまま再び眠りに落ちた。

翌日主人に報告すると、PTSDじゃないのかと言われた。
「震災直後より今の方が、地震を怖がるようになったよね。この前もギャーって騒いでいたじゃない」
この前というのは、突然縦揺れした時の話だ。
地鳴りの聞こえる地震ならまだいいが、予告無しに突然揺れると吃驚する。
先日は、台所に立っていたら急な縦揺れが来たので、思わず叫んでしまったのだ。
PTSDは津波のように、直後ではなく時間をおいてやって来るとは言うが、そんなに私は地震に怯えているのだろうか。
今怖いのは、地震より放射線だ。
フクシマが無事なら、ここで震度5が来ようが、何て事は無い。(震度6以上だと電気が止まるので勘弁して欲しいが)
それに、目が覚めたのは揺れのせいだったのか、それとも不整脈が先だったのか、実のところ、よく覚えていないのだ。
調べてみたら、その日の夜中の地震は何度かあったものの、震度1だったので、不整脈説が有力になった。それはそれで怖い。
「もしかしたら、不整脈で目が覚めるほど心臓の方が悪いのかも知れないから、いっぺん病院で診て貰っといで」
と主人には言われたが、不整脈って何科……?
暑さですっかり忘れていたが、健康診断に行って来ようと思った。



2011年06月20日(月) 心の持ちよう

4月の大地震で焼き物を落とした足も、
起きる時に足の爪で抉ってしまった踝も、
ドアの角に思い切りぶつけて内出血した踝も、
一昨日昏倒して床に叩き付けられたのも、

全部、体の右側だった。

一体何の呪いなのか。
何がどうしたと言うのか。
悪いものでも憑いているのか。
他称霊能者であるところの主人に訊いてみた。
「御祓いして貰った方がいいの?」
返って来た答えは、
「シオンの心のあり方の問題だよ。もっと穏やかに、全てに感謝して生きて御覧」
であった。何ソレ。
いつも宗教は嫌いだとか神はいても人間の事なんてどうでもいいと思っているとか言う癖に、何故宗教臭い事を言うのか。

私はそういうの嫌いなんだよう。
だからと言って、痛い思いもしたくないんだよな。
でもさ、嫌な目に遭いたくないがために宗教染みた思想に走るのって、カミサマに失礼だと思うの。
まあ、いるとしたらだけれどさ。



2011年06月19日(日) 撫肩の対極

震災とその後の余震で停電した時は、まだ寒かった。
あの時は、鉄筋の建物ってなんて暖かいんだと有難かったが、今は既に暑い。
まだ6月なのに。
真夏日はこれからだと言うのに。
主人に言わせると「世界で3番目に暑がり」であるところの私。
(歳を取って少しは常人に近付いて来たものの1番目は父、2番目は妹)
余りの暑さに、外で着るにはかなりの勇気が要るけれど、家の中では袖無しを着て過ごしている。

主人と買い物に、商業施設に出掛けた。
可愛い服があったので、
「これなんかどう? 駄目?」
と主人に訊いてみると、ノースリーブだからシオンには一寸モゴモゴ……と言葉を濁した。
「ええとそれは、私の二の腕の問題? 景観的な」
と問い詰めると、そういう問題じゃないと首を振る。
じゃあどういう問題なのさと尚も問い詰めると、とうとう白状した。


「シオンには似合わないんだよ。肩が張っているから、ノースリーブを着ると、オカマみたいに見えるんだ」


オカマ……。
ガ━━( ゚Д゚;)━━━ン!!!!!
ガ━━( ゚Д゚;)━━━ン!!!!!
ガ━━( ゚Д゚;)━━━ン!!!!!


主人も私がショックを受けると思って、今まで「似合わない」としか言わなかったのだろうが、骨格の問題だったのか。
体型なら兎も角、骨格なら仕方無い。努力でどうにかなるもんじゃなし。
諦めはついたが、確かに結構ショックだったかも……。



2011年06月18日(土) 映画「告白」

2010年日本。
昨年、アカデミー外国語映画賞ノミネートなるか!?と騒がれたのは記憶に新しい。
原作は読んでいたので、こういうのは受けないだろうなあと思っていたら、案の定ノミネートされなかった。

「嫌われ松子の一生」でも感じたことだったけれど、私この監督、余り好きじゃない。
テリー・ギリアムの手法を真似ようとして失敗している感じがする。(主人はギリアムの真似事にすらなっていないと言い張るが)
歌や踊りも要らない。この人の手法の一つと言われるけれど、こういう演出はどうにも好きになれないのだ。
なので私としては、普通の手法の映画で観たかった気がする。

主人は原作未読ではあるが(そして多分今後も読まないだろう)宣伝のお蔭で女性教師の復讐物語という予備知識はあったようで、夕食時にこれを観るのを頑なに拒否していた。
曰く、食事は楽しくなきゃ駄目、殺したり殺されたり復讐したりと言う内容のものは、食事時に相応しくないそうで。
そんな事言ったら、私が録り貯めたものの殆どはメシ時に観られなくなってしまうんですが……。
暗にシオンが1人でいる時に観るようにと言われていたのだが、主人のいる休日の夕方からこれを観ていたら、丁度夕食の時間に差し掛かってしまった。
観察していると主人もPCをやりながらちらちらと映画を観ていたようだし、特に文句も言われなかったため、食事時にも続けて上映してみた。
あれだけ嫌だと言っていた割には面白かったらしく、最後まで文句は出なかった。
そして事もあろうに、
「エンディングが生温い」
とまで言い放ったのである。吃驚だ。
「最後の一言は蛇足だ。それに少年Aのような手合いは、決して反省しない。更生なんて望めないのだから、罰として徹底的にやっても良かったと思うよ」
ですってよ。
吃驚したが私も同感であったので、若干興奮気味に
「嬉しいわ。珍しく意見が一致したわね」
と右手を差し出すと、彼は
「ええ〜……シオンと同じなのかあ」
と泣きそうな顔をして握手に応じていた。
ラストは原作の方が良かった。
ネットでは後味が悪いと言う感想が多く見られたが、そういう人は多分、子供の純粋で天使な部分を信じたいのだろう。
でも同時に、子供には悪魔的で残酷な面もあるのだ。
見たくないのは理解出来るが、それに目を瞑っていると、少年Bの母親のようになってしまう危険性が大いにあると私は思う。

でも芦田愛菜ちゃんは可愛かったよ!



2011年06月17日(金) 昏倒しました

いやー、吃驚した。


また夜中に目が覚めた。
暑くて窓を開けたら、丁度近所の飲み屋の閉店時間だったようで、従業員達が解散するところだった。
しかし、わざわざ通りで大声で「おやすみー」「おやすみなさーい」と声を張り上げる必要はあるのだろうか。夜中の2時に。
町内会を通じて文句を言えば良いのだろうか。
後から来た余所者が四の五の言うのはどうかと思うが、町内会費だけ徴収され続けるのも癪なので、少し考えてみるか。
どうせ主人に相談したところで、揉め事を極端に嫌う人だから当てにならないし。
それにしても煩い。
酔っ払い達も、震災前はもっと大人しかったような気がする。
ストレスがーとか言うが、酒に頼ってしまう時点で終わってんだよ馬鹿が。

そんな訳で眠るタイミングを逸してしまい、お弁当は要らないと言われていたので、今朝は「行って来るよー」という主人の声で起こされるまでずっと眠っていた。
ヨロヨロと玄関まで見送りに出て、いってらっしゃいと言って、ドアが閉まるのを見た事までは覚えている。
しかしその後の記憶が無い。
衝撃を感じて目を開けると、目の前に壁があった。
しかしそれは壁ではなく、土間の塩化ビニールのタイルだった。
何故か私は、狭い土間に這い蹲るように突っ伏していたのだ。
真っ先に思ったのは、先日土間を綺麗に片付けて置いて良かったという事であった。
右側頭部が痛い。
そちらを下にして倒れていたが、状況からして床ではなく、倒れる時に玄関ドアの内側にぶつけたと思われる。
主人が出掛けたらすぐに二度寝しようと思っていたのが、気の早い事にベッドに戻る間も無く、その場で立ったまま眠り込んでしまったようである。
のろのろと体を起こしていると、ドアが外側から開いた。
出掛けた筈の主人が覗き込んでいる。
「何か凄い音がしたけれど、どうした?」
「んぁ……眠って倒れたっぽい」
フラフラしながらも私が自力で起き上がっている間に、主人はアラアラとか言いながら、私と一緒に倒れていた傘立てを起こし、
「大丈夫か? じゃあ行って来るからね」
と今度こそ出掛けて行った。
何だか吃驚して目が覚めてしまったので、そのまま掃除と洗濯を始めて、再び眠くなって二度寝に戻った時には、10時を回っていた。

後から主人に聞くと、玄関を出てすぐにゴイ〜ンと凄い音がしたそうな。
いつもなら私がすぐにギャーだの痛いだのと騒ぐ声がするのに、やけに静かなので慌ててドアを開けたら、土間に私が転がっていた。
声を掛けるとふにゃあとか何とか寝惚け声で言いながらもそもそと起き上がったし、外傷も無く意識もしっかりしているようなので、緊急性は無いと判断し、そのまま出勤したと言う。
主人は布団の中から見送られるのを嫌がっている節があり、私もいつの間にか主人がいなくなっていると寂しいので、私が眠っていても出掛ける時には声を掛けてねと言っていたのだが、この事故のせいで今後お弁当の無い日は、こっそり出掛けるようになっちゃうんだろうなあ。

↓犠牲者達



倒れる時に巻き込んだらしい。
主人の傘は職場に置き忘れて難を逃れたが、私の首がこうならなくて良かった(汗)。



2011年06月16日(木) ドリームジャンボ、当たりました〜♪

いつもジャンボの当選確認は売り場窓口で調べて貰うのだが、もし高額当籤していたら?とふと思った。
他のお客にそれを見られ、後をつけられて奪われたり、最悪殺されたりしたら……と思うと怖くなった。
うちの主人みたいにお金に興味の無い人は少ないだろうし、そもそもそんな人は宝籤なんて買わない。
買うのはお金が大好きな人で、そういう人は得てして他人の幸福を羨むものである。
そして他人を妬むのだ。何故あの牡丹餅は自分の口に入らなかったのかと。
必ずそうなるとは言わないが、その確率はかなり高い。
少なくとも、1等前後賞に当たる確率よりはずっと高いと思うのだ。
危険は少ないに越した事は無いので、万が一を考え、自分で番号を確認してみた。

当たった……!

いつもの末等ではない。
4等1万円。過去最高記録(タイ)である。
残念ながら高額当籤には到らなかったが、これは運が向いて来たかー!?
という訳で、一寸嬉しい。

さーて、1万円何に遣おうかなー♪とわくわくしたのも束の間、コンタクトレンズを買ったら簡単に吹っ飛んでしまった。
ちっとも値引きしてくれないのか、あの医者は。
今度は処方箋だけ書いてって頼もうかな。露骨に嫌な顔されるだろうけれど(笑)。



2011年06月15日(水) 吾れ日に三度殺される

お掃除はするけれど、お片付けは苦手。
こないだも、帰宅した主人に
「また震度6の地震でもあった?」
と言われたし。
だってADHD(ry

しかし、そんな事も言っていられない。
業者が来るので、今日の14時までに片付けるように言われていたのだ。
朝から有給を取っていた主人にも手伝って貰い、何とか片付いた。
正午までは私1人で頑張ってみたが、これは間に合わないと判断したようで、昼食後は手を貸してくれたのだ。
(勿論昼食は主人が作ってくれた)
と言うか、散らかしているのは私1人じゃないんだけれどね……ブツブツ。
一つ一つ考えながら仕舞っているので、私としては決してのんびり片付けていた訳ではないのだが、沸点の高い主人も流石に苛々したらしい。
「普通の人なら、1日に3回はシオンの事を殺したくなるだろうなあ」
と溜め息を吐くので、
「じゃあ貴方は? 何回ぐらい殺したくなる?」
と訊いてみた。
そしたら
「いつもは全然そんな事思わないよ。でも流石に今日は5回ぐらい、一寸だけ思ったかな★」
5回て(笑)。
幾ら何でも、殺されるほどの悪い事はしていないと思うんだけれどなあ。



2011年06月14日(火) 映画「エビータ」「Dr.パルナサスの鏡」

「エビータ」
マドンナ主演、1996年のアメリカ映画。
全編ミュージカルなのだが、肝心の音楽がイマイチ。
元々舞台用ミュージカルだったのが、20年後にやっと映画化に漕ぎ付けたそうで、そのせいか音楽が垢抜けない、どうにも古臭い感じがするのだ。
唯一印象に残るメロディは、「私はあなたの役に立つ女」とかいう歌だけだった。
残りの歌は、どうにも微妙でつまらなかった。
映画としても、とても良い作品とは思わない。
馬鹿な貧乏人は本当に馬鹿だなーとしか。
利口な金持ちがいたとしても、その利口さは自分の私腹を肥やすためにしか使わないものだろうし。
ただ、国の頂点に立ったのは羨ましい。私も立ってみたい。
あの頃なら、文句を言う議会や面倒な法律も無いだろうし、好きなように世の中を動かすのは簡単だったろうに、その機会を与えられながら生かせなかったのは勿体無い。
カリスマ性と国民の支持はあっても、結局その能力には欠けていたのか。

「Dr.パルナサスの鏡」
グラドゥス・アド・パルナッスム博士じゃなくて、永遠の命を持つパルナサス博士の不思議な鏡の国のお話。
2009年イギリス&カナダの映画で、撮影中に主演俳優が薬物併用摂取で死亡。何とも迷惑な話である。
んで急遽、鏡の中では別の姿になるという設定にして、俳優仲間3人が代役を演じ、出演料を主演俳優の遺児に寄付したというオマケ付き。
そんな話はどうでもいい。
肝心の映画は、最後が解り辛かったものの、テリー・ギリアムらしさ爆発でいい感じだ。
ギリアム作品は、モンティ・パイソン大好きな主人に付き合って幾つか観たが、私にはこれが1番楽しかった。
何と言っても映像が豪華。「アリス・イン・ワンダーランド」も美しかったが、あれよりも綺麗だと思った。
特にCGが凄い。
テリー・ギリアムと言えば「空飛ぶモンティ・パイソン」のアニメ担当であるが、あの当時はカクカクのアニメでしか出来なかった事を、今の映像技術を存分に駆使してCGで表現したのだろう。
如何にもモンティ・パイソンっぽくて、主人と2人で大笑いした。
いやー、こういうの大好き。
残念なのは、ヒロイン役。
微妙に潰れた神田うのという感じで、美女と言う設定にしては無理があるだろ。
最近、美女設定なのに女優が美女には程遠いのは、日本だけではなくて世界的傾向だったのか。
(日本映画だと「白夜行」とか。雪穂は超絶美人設定なのだから、堀北真希じゃ役者不足にも程があるので観る気がしない)
もっと美しい女優さんを使って欲しかったよねと、主人と意見の一致を見た。

そう言えば数日前に、再び主人に付き合って「モンティ・パイソン」第1シリーズ最終話を見たのだが、「歴史上の人物による物真似ショー」の洗礼ヨハネが最高だった。
私は大受けしたのだが、主人は私がまた生首というシチュエーションだけで笑っていると勘違いしたらしい。違うよ!
聖書は読まなくてもいいけれど、音楽好きならサロメの話ぐらいは知っておいても損は無いと思うのだ。



2011年06月13日(月) 力こそ正義

夜中に目が覚める。
それは暑さのせいだったり余震だったりするが、一旦覚めてしまうと、なかなか寝付けない。
頭痛は不規則な睡眠のせいかと思っていたが、一時的に血圧が高くなっているせいもあるかも知れない。
数年前まで90/60だった私も、年齢を重ねて、最高血圧が100を超えるようになって来たが、ほんの一時的にしても138て。起き抜けなのに。
頭に血が上ると、碌な事が無い。
懸案事項が一つ片付いて、私の血圧も平常運転に戻るといいのだけれど。

さて、細切れに観ていた映画をやっと観終わった。
1961年のアメリカ映画「ニュールンベルグ裁判」である。
白黒で、3時間もあるのだ。途中で何度消そうと思った事か。
それでも最後まで頑張ったのは、人類として一応観ておいた方が良いのではないかと思ったからだが、ウィキペディア情報で充分だった。
映画の最後の方で少しだけ触れられていたが、同じような裁判がフランスでもあったらしく、そちらでは無罪判決が出たそうだ。
緊急避難とか考えたら、フランスの判決の方が妥当なんじゃないのかと思う。
東京裁判にしても、結局、戦勝国の押し付けなんだろうな。
勝てば官軍、か。

文句タラタラだが、最後まで観てしまった理由の一つは、主題歌(?)。
ドイツ語の男声合唱なのだが、ヘンデルの「涙の流れるままに」に何となく似ているのだ。
(因みに「涙の流れるままに」は、昼ドラ「牡丹と薔薇」の主題歌「涙のアリア」の原曲である。私もボタバラでこの曲を知ったクチだ)
「涙のアリア」を行進曲風にして、ふんふんと鼻息荒く男声合唱にした感じの歌が、この映画の中で使われていたので、何となく気になって観てしまった。
長い映画の真ん中あたりでフル・コーラスを聴く事が出来たが、多分ヘンデルは全然関係無い、他人の空似的な曲だったようである。



2011年06月12日(日) 佐渡裕指揮ベルリン・フィル

指揮者の佐渡裕がベルリン・フィルを振った話。
NHK−BSで夜中の放送だったので、録画して見た。
というか、我が家的にはサイモン・ラトル指揮の「交響的舞曲」がメインだったのだが。
(ベルリン・フィルの演奏会を、佐渡さん→ラトルで放送していたのだが、何故か1つの番組として扱われていたので、一緒に録画されていたのだった)

佐渡さんが指揮した曲は、武満徹「フロム・ミー・フローズ・ホワット・ユー・コール・タイム」と、ショスタコーヴィチ「交響曲第5番ニ短調作品47」。
武満は昨年、別の曲を生で聴いたが、私にとって現代曲は苦行だとつくづく思った。
主人は楽しんで聴いていたけれど。この人の嗜好は全く不思議だ。
仕方が無いので、私は観て楽しむしかなかった。
打楽器のソリスト達が色違いのジャケットを着ていたけれど、あれはドレスコードが指定されているらしい。
5人で5色だったがオリンピック・カラーではなかったので、どうやら五行思想から来ていると思われる。
日本人が振るから、是非日本人作曲家の作品を!という事だったのだろうが、正直私には何が楽しいのか判らなかった。
あれって、奏者もやってて楽しいんだろうか。
聴衆も、お金払ってコレか……とがっかりしないのだろうか。
TVに映り込んでいた客席のおっちゃんも、大欠伸してつまんなそうだったし。(そのおっちゃんは拍手すらしなかった。やはりつまらなかったのだろうな)
続くショスタコ5番は、何度か聴いて幾らか耳に馴染んでいた事もあり、現代曲苦手な私でも大丈夫だったけれど、武満は私のレベルでは理解出来ない。
元は邦楽畑だったのに、独学で作曲家になったという凄い人ではあるのだけれど。

さて佐渡さん。
個人的には、ジャンプする指揮者は駄目。顔芸する指揮者も好かない。
ジャンプと言えば山本直純。「のだめ」でアリキリの人が真似ていたけれど、リアルで、しかも大柄な人が跳んだらいけないと思う。
汗がダラダラし過ぎて、見栄えも宜しくないし。体質だから、言っても仕方無い事だけれど。
タオルかハンカチで拭いたらいいのに、と私が言うと、
「それが許されるのはネルロ・サンティだけだ」
と主人。確かに見たけれどね、以前のN響アワーで。
しかも棒を止めて、徐にハンカチ出して顔を拭っていた。
演奏は止まらなかったけれど、あれにはN響メンバーも弾きながら苦笑いしていたな。
サンティぐらいの大御所になったら何でも許されるのだろうが、中堅の客演指揮者には無理か。
肝心の演奏が良かったのかどうか、私には判らない。あの曲目で判れと言う方が無理だし(笑)。
名門オケだから、どんな指揮者でもそれなりの演奏をするのだろうし、メンバーがこの人とまたやりたいと思うかどうかで決まるのだから。
佐渡さん指揮の演奏会が終わって、何やら会場は盛り上がっていたけれど、そういう訳で、2度と呼ばれない客演指揮者もいる。
彼が再びベルリン・フィルを振る事はあるのだろうか。

武満とショスタコを経て、音楽がラフマニノフの交響的舞曲になった時、とてもホッとした。
やっぱり音楽は、美しくなくちゃ。
うちの主人に言わせると、武満作品はあれはあれで美しいらしいのだが。
ラフマニノフの次はマーラーの「巨人」だったが、勿論聴かずに消した(苦笑)。
マーラーはもう懲り懲りだよ……。



2011年06月11日(土) 音痴レコード大賞

欲しい物リスト追加。
・室内用物干し竿(壊れて歪んでいる)
・食卓セット(脚がガタガタする)

「タモリ倶楽部」で、ヘタ歌コンテストなるものをやっていた。
その名の通り、下手な歌のレコードを鑑賞して優勝者を決めようという企画だったのだが、よくこんな物をレコーディングしたなという作品ばかりだった。
そしてまた、こんな物が現存している事にも驚いた。世の中には物好きがいるものである。
破壊的で印象に残ったのは、大金持ちが金に飽かして録らせた、夜の女王のアリア。
モーツァルトの「魔笛」は知らなくとも、この「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」は、聞いた事がある人は多いのではないだろうか。
プロでも難しいこの歌を、ただでさえど素人、しかも音痴が歌ったらこうなるのか……という歌であった。
ピアノ伴奏には、オーディションで彼女の歌を聞いても決して笑わなかった人を選んだらしい。
私はその伴奏者に感動した。素晴らしい。プロ中のプロだ。
しかし大金持ちだったら、オケぐらい雇えたのでは……オケにはオケの矜持があるのか。幾ら金を積まれても、フジコとはやりたくない、みたいな。
ヘタ歌とは銘打っていたが、中には器楽だけの演奏もあり、歌より聞いていて更に不穏な気分にさせられた。

ところで「ヘタ歌」とは耳慣れない言葉である。
一般的には「音痴」だろうが、敢えて言い換えたのはいつものTV局的事情でもあるのかと邪推した。
一応今のところは放送禁止用語ではないらしいが、音痴団体や音痴協会からのクレームに怯えているのか。
何せ、小学生の列に突っ込んだクレーン車の事故でも、運転手の病名を明言しなかった局があるぐらいである。
報道の自由を叫びつつも、どんだけ圧力に弱いんだか。



2011年06月10日(金) メンタリスト

既に2箇月が経過したが、新年度になって、NHK-BSのチャンネルが3つから2つに減ってしまった。
後から出来たBSハイビジョンを無くして元のBS1とBS2だけになるのかと思っていたら、BS2とBSハイビジョンが統合されてBSプレミアムになりましたって。
重複する番組も多かったし、チャンネルは3つも要らないとは思っていたが、それに合わせてクラシック番組まで減らしてしまったのが許せない。
家事が一段落付く午前10時に、のんびりとお茶を啜りながらクラシック倶楽部の再放送を見るのが、私の日課だったのに。
午前6時の放送なんて誰が見るんだよ。アホか。
それよりBS1の大リーグ放送無くせよ、ここはアメリカなのかよ。
「冬のソナタ」とか「チャングムの誓い」までは面白かったけれど、冗長過ぎる韓国ドラマもお腹いっぱい。
それより、アメリカドラマのシリーズ物で中断しているのがあるだろう。
「FBI〜失踪者を追え!」はどうしたんだ。
アメリカ本国ではもう第7シーズンまで放送しているというのに、何故かNHKは第3シーズンで止まってしまっている。
日本の他の放送局では、第5まで放送しているらしいが、有料なので私は観ていない。
先日ネットの無料視聴出来るサイトを見付けて、第4までは観る事が出来たけれど、NHKは韓国ドラマなんぞに手を出している暇と金があるなら、続きを放送してくれよ!
私は大リーグや韓国ドラマなんかのために受信料払ってるんじゃないんだぞ。

とは言え、今まで観た中で最高のドラマはやはり「クリミナル・マインド」(以下CM)だけれどね。
しかし最近、それに並ぶ人気のドラマがあると知り、ポストで返却するタイプのレンタルDVDを借りてみた。
主人の名義なので、主人に借りてと頼んだのだが、
「メンタラー」「メンヘラー」「メンヘリスト」……惜しいけれどかなり違う。
正解は、「メンタリスト」。
中身は正直、CMには及ばない。
CMは事件に絡めて犯罪心理学の講義もしてくれるのだけれど、メンタリストはそういう説明が無くて物足りないのだ。
但し、主人公は魅力的だ。
CMがチーム内を個性的で魅力的な役者で固めているのに対し、メンタリストは脇がいまひとつで、主人公だけで持っている感じがする。
取り敢えず、続きも借りてみようと思う。今後に期待。



2011年06月09日(木) 節電出来ない夏

今年は節電の夏!という事で、節電グッズがTVで紹介されていた。
夏といえばエアコン。
エアコンを極力使わずに済むように、家の中の風通しを良くする玄関用網戸が登場していた。
確かに、玄関と対面する窓の両方を開けておくと、風が吹き抜けて気持ち良い。
しかし、番組では言及していなかったが、問題がある。
田舎の一軒家ならそれでいいだろうが、少し都会になると、防犯面が手薄になるのでは。
網戸のロックをかけていたとしても、他人様の財産に手を付けるのなんて何とも思わないのが泥棒だ、簡単に壊して侵入するだろう。
ナイフでも切れない破れない頑丈な網戸なら兎も角、安物だと危険じゃなかろうかと、心配になった。
暑い日中は商業施設などに出掛けて、家のエアコンを使わないようにしようという案も出ていたが、それもまた空き巣の心配がある。
今年の夏は、泥棒にとって稼ぎ時になるのではないだろうか。

さて、我が家でも窓を開けて外の風を入れたいところだが、残念ながらこれが出来ない。
涼しい外の風と一緒に、漏れなくくっさいドブの匂いも入って来るからである。
この時期になると、駅の周辺はどこもこの匂いで充満するので、観光客も寄り付かない。
行政にはなんとかして欲しいと切に願っているのである。
お蔭で夜の、何と寝苦しい事か。
エアコンのタイマーが切れると、暑くて仕方無い。
2時間毎に目を覚ますという細切れの睡眠もまた、頭痛の原因になっているのかも知れない。
ドブの匂いが無ければ、もう少し快適に過ごせるのに……。



2011年06月08日(水) 首の痛い話

頭痛3日目の朝。
ノーシン飲んだのにまだ痛いなあ、という事で、少し横になった。
起きたら、頭痛は引いていたが、今度は代わりに


首が……!


寝違えたようで、首から肩にかけて物凄い痛みが。
肩を触ると、微かに痺れているのが判る。
皮膚の表面に感覚が無い感じ。
どんだけ血行不良なんだ。
そして足も浮腫む。
今までこんな事無かったのに!
主人にマッサージして貰ったら、痛いの痛くないのって。
曰く、
「リンパの流れも悪くなっているんだねえ」
と。
最近TVで、リンパマッサージなるものを受ける芸人の図を見たが、確かに大袈裟ではなく、ギャーとなる痛さである。
「一体どうして? 何でこんなにあちこち痺れているの?」
と半べそで主人に泣き付くと、こう言われた。
「そういうお年頃なんだろうねえ。きっと脳が萎縮しているんだよ」
萎縮て。アルツですか。
確かにそっちの心当たりもあるけれどさあ。

病院行こうかな、と思った。
頭痛なら脳神経外科でいいのだろうが、痺れって何科だ?



2011年06月07日(火) 頭の痛い話

今月に入ったばかりの1日は肌寒かったのに、後は暑くなってしまった。
暦の上でも夏だし、仕方無い事ではあるけれど、私にとっては辛い日々の始まりである。
いきなり体調を崩して、頭痛が続いている。
いつもの頭痛だ。
首か肩か。或いは両方が原因か。
ただでさえ暑いのに、つぼ膏を貼っているので、余計暑い。
吐き気には至らないが、頭が痛くてやる気が出ない。

その上、リアルでも頭の痛い出来事が。
いやホント、マジで勘弁してって感じ。
インターネットは、誰でも自由に見る事が出来る。
それは良い事ではあるが、同時に怖い事でもある。
それを理解していない人間(主にゆとり)が炎上事件を起こす。
未成年の飲酒・喫煙告白の他にも、ケンタッキーでゴキブリを揚げたとか、浮浪者に卵を投げたとか、レイプ容認発言をしたとか、他人の車をバキバキに破損したとか、普通にドン引きする内容を自分のブログや動画サイトで得意げに披露してしまうのが痛い。
普通ならアイタタタで済みそうなものだが、彼等は漏れなくミクシィやらツイッターやらを同じHNでやっており、その中に自分に関する情報を本名に至るまで晒してしまっているものだから、芋蔓式にネット上に個人情報が流れてしまうのだ。
内定が決まっているのにそれをフイにするアホ大学生が多いが、最近では就職したばかりの会社をツイッターでの客に対する暴言が原因で退職に追い込まれた新卒社会人もいた。
社会人にもなって何やってんだか……。

ネットは便利だが、こういう事が起こりうるのが恐ろしい。
自分の情報を晒して炎上なら自業自得だが、他人の情報を晒すのは流石にアカンやろ。
法律的に問題の無い範囲だとしても、モラルとマナーの問題かと。
私は基本的に自分の文章が好きなのだが、気に入っていたものも含めて、纏めて削除した。
病歴とか見るのにも便利だったのだが、何せ頭痛が酷いのでバックアップの余裕も無かった。
まあいいや。ずっと保管している病院の領収書から追えるだろう。
私は被害者だと思っていたのに、何故か私が怒られた。主人から。
という訳で、今日から私の座右の銘は

人を見たら泥棒と思え!


になりましたとさ。メデタクナイメデタクナイ



2011年06月06日(月) 寄付の強制

国会で、公務員の給与を1割削減して、被災地の復興支援に当てるという議論がされていた。
国家による、寄付の無理強いか。
寄付金を持って来なかった生徒の氏名を貼り出したという、秋田の中学校の話を思い出した。

うちの主人は、財源が足りないんならそれも仕方無いんじゃないのなどと言うが、私は反対である。
マスコミに乗せられて、給与の話になるとすぐに公務員叩きを始める人が多いが、震災に乗じて給与を削減するのは間違っていると思う。
特に、警察官と自衛官の給与は絶対に減らしてはいけない。彼等が最前線で1番頑張っているのだ。
それに、デフレの時に公務員の給与カットなんて、やってはいけない。
そんな事をしたら、ここぞとばかりに民間企業も便乗する。公務員叩きをしている側だって、公務員ざまあなどと言っていられなくなる。
民間企業は社員の給与を削減したって、寄付になど回さない。当然、会社の儲けとして扱う。
消費税アップと、結果的に変わらないのだ。

大体、いきなり公務員の給与からって、それは順番が違うだろう。
まず、国会議員の数と給与を減らせ。話はそれからだ。
以前書いた事と重複するが、
・議員定数と給与の削減
・子供手当て廃止
・ETC割引も廃止(これは決定か)、高速無料化取り止め
・思いやり予算削減
・海外援助削減(普通に日本の方が大事)
などなど。
細かく見れば、削れる所はもっとある。
地方行政だって、無駄が多いと感じるもの。
大まかに大金を渡して、後はご自由にという予算配分の仕組みに問題があるんじゃないかとすら思えてしまう。
国の口出しを地方はとても嫌うし、現場にしか解らない事情もあるしそれは理解出来るけれど、この方法は、お金を遣う側が賢くないと機能しない。
子供手当てと同じなのだ。配りゃ良いってものではない。
民主党のアナウンサーだかタレント上がりのナントカいうおばさん議員が、子供手当ては絶対に必要!とか何とか叫んでいたが、この人頭悪いんじゃないかと本気で心配した。
教育にお金をかけるってのは、そういう事じゃないんだってば。

電気回線と同じで、お金の流れも、間に余計な抵抗が無い方がいい。
震災の義捐金がなかなか被災者の手許に届かないのも、そのせいだと思うのだ。



2011年06月05日(日) 美しい日本語

お出掛けのために、クローゼットを開けて、夏物のワンピースを取り出した。
スタンダードな形で、生地の質もそこそこ良いので、独身時代から気に入って永く着ている物である。
以前、これを着ていた時に、知り合いから
「あら、素敵な服ね」
と褒められた事がある。
「ああこれ、もう10年以上前から着ているんですよアハハ」
と答えたのだが、それを聞いて彼女はこう言った。

「良いお買い物をしましたね」

私はてっきり、物持ちが良いと言われると思っていたので、新鮮な衝撃を受けた。
物持ちが良いというのは、物を大切にするのと同時に、いつまでも捨てられない貧乏性という意味合いがちらりと入る気がする。
彼女はその言葉を遣わなかったのだ。
「良いお買い物」。その美しい響きに、私は感動した。



2011年06月04日(土) ドキュメンタリードラマ「1991 雲仙・普賢岳」

NHKのドキュメンタリードラマ「1991 雲仙・普賢岳 〜避難勧告を継続せよ〜」を見た。
当時の映像と、再現ドラマを組み合わせて、それっぽく作られてあったので、そんなに違和感無く見られた。
20年前の日本って、あんな感じだったか。なんかもう、すっかりババアの心境である。
あの頃は、いつでもどこでも煙草が吸えた、喫煙者天国だったんだな。
今は流石に、避難所の中で煙草に火を点ける人はいなかった。
いい時代になったものだ。

しかし、変わらないものもあった。
それは、文句たらたらの避難民。
一体いつになったら家に帰れるんだ!と担当者に詰め寄る姿は、まるでフクシマ人のよう。
フラストレーションが溜まるのは仕方無いし、苛々するのは理解出来るけれど、避難解除の時期なんて木っ端役人に解る訳無いのに。
帰りたければ帰れば〜但し自己責任でね!と言わない担当者って、なんて我慢強いんだと感心した。
行政トップの市長の重圧も、相当だったと思う。
解除しなかったらしなかったで文句を言われるし、面倒臭いなもう!と解除して人死にが出たら、早々に解除した市長のせいだと言われるのだ。
この場合は火山学者の助言を聞きながら、結果的には良い判断が出来たけれど、判断を下す側の責任は重い。
危険区域に勝手に入って死んだマスコミ関係者は自業自得のように思えるが、自分の意思なら兎も角、安全圏内にいる本部の上司に命令されて被害にあったとしたら、気の毒な気もする。
もっと気の毒なのは、巻き添えを食らったタクシーの運転手さん達だけれど。

全部見終わっての感想は、
迷ったら逃げろ。これに尽きる。
津波も同じだ。
誰も逃げないからと言って、惑わされてはいけない。
人生は、チキン・レースじゃないのだ。
被害が少なくて、真っ先に逃げた奴として後で一寸恥ずかしい思いをする方が、万が一被害が大きくて巻き込まれて死んじゃうより、ずっといい。

という訳で、私もさっさと逃げたい。
宝籤が当たればなあ……(結局そこかよ)



2011年06月03日(金) 日本の歌謡シーンの不作を嘆く

チャンネルを変えたら丁度やっていたので、珍しくミュージック・ステーションを見た。
全く知らない歌手やバンドが多くて、全くの浦島太郎状態の我々夫婦。
見た事も聞いた事も無いがプロとして音楽で食っている訳だから、かなり上手なのかと思いきや、これがまた。
「酷いな……」
「うわ、外したよ」
実に酷かった。
ナントカいう女の子バンドのドラムはそこそこ上手かったが、この子は叩けるだけに、こんな緩いバンドでやってられるか!と内心燻っているんじゃないかなー、もっとガンガン叩きたいんじゃないかなー、と心配してしまった。
実力派はライブで忙しくて、音楽番組に出て来るのはアイドルか下手糞ばかりなのだろうか。
数年振りと言う新曲を引っ提げて登場した観月ありさも酷かった。
スタイルは相変わらず素晴らしいが、肝心の歌唱力が酷い。これは他のプロの歌手に失礼なレベルだ。
ドリカム提供の曲にしてはドリカムらしさを感じないのは、誰でも歌えるぐらいにレベルを引き下げたからだろう。
吉田美和用なら、もっと難易度が高くて、到底観月ありさの手には負えない筈。
音楽業界にも色々と事情はあるのだろうが、こんな内容の無いものばかり出していては、売り上げは下がる一方だろうに。
我々が見た中で、最もまともだったのは、韓国から来た少女時代か。
歌と踊りと日本語のレッスンをみっちり受けてからデビューしているらしいが、あの努力は日本人アーティスト(笑)と芸能事務所も見習うべきだろう。
本当に印象に残らない、つまらない歌ばかりだった。

「ゼブラクイーンの方がずーっと上手いよ。あの子、女優じゃなくてロックやったらいいのに」
と先日「ゼブラーマン −ゼブラシティの逆襲」を観た主人は言う。
劇中、ゼブラクイーンが歌とダンスを披露するのだが、それが素晴らしかったようだ。
クイーン役の仲里依紗(なか・りいさ)は映画の発表記者会見で、歌キライと言ってしまっていたが、それは練習が余りに過酷だったためらしい。
「でもあれっきりでやめてしまうなんて勿体無い。女優なんかよりロックやった方がずっといいよ、絶対才能あるのに」
と頻りに勿体無がるロック中年であった。



2011年06月02日(木) 日本人の読解力の低下を嘆く

内閣不信任案否決。
こんだけ国会を混乱させて、結局否決って。
谷垣こそ責任取れよ。
この時期に不信任案を出すなんて、こいつ等は本当に自分の事しか考えていないんだな。
自民党は、菅さんを下ろしてどうしたいの?
他なら誰でもいいの?
それもおかしいだろう。
早いとこ解散総選挙に持ち込んで、、自分たちの有利に事を進めたいだけなのが丸見えだ。
フクシマがこんな事になっているのは自民党のせいだというのに。
全く何やっているんだか。
丁度あの時は国会をやっていたのだから、国会議事堂が津波で流されれば、纏めて一掃出来たのに。

言っておくが、私は民主党支持者ではない。
無能な菅さんについては、震災直後にはこいつ死ねば良いのにと思ったぐらいである。
しかし今は彼の首を切れば状況が良くなるとは、到底思えないのだ。
馬鹿とは言え森ほどではないし、今のところは周囲が上手にこいつをサポートして、何とか乗り切る方がましだろう。
それを不信任案提出に踏み切る自民党とか、それに乗ろうとする鳩山や小沢は、本当に意味がわからない。
不信任案の採決前に密談したのに話が違う、菅さんは嘘吐きだなどと鳩山はほざいているようだが、嘘吐きはお前だろう。
総理を辞任した後に、国会議員辞めるとか言ってなかったっけ?
んで翻したんだよね。
普天間問題にしても、こいつにどれだけ掻き回されたか。
全く国益とは程遠い議員である。
鳩山こそ今すぐ辞めろと言いたい。

重ねて言うが、私は菅さん支持派ではない。
ただひとつ評価出来るのは、浜岡原発を止めさせた事だ。
勿論、止めただけでは解決にはならず、これから廃炉にするのにかなりの時間がかかる訳だが、仮令思い付きだとしても最初の一歩を踏み出しただけは評価出来よう。
とは言え、総理の職に余り長く留まられたら困るけれど、今は辞め時ではない。
本人も言っていたように、原発問題や被災地復興の目鼻をつけてからでなければ、余りに無責任だと思うのだ。
サミットの直後だという事もある。
今はまだ留まった方が良かろう。

不思議なのはマスコミ。
菅さんの演説だか宣言だかを、「菅総理が辞意を表明」と報道しているが、辞意なんてちっとも表明してないよ……?
寧ろあれは「俺は辞めないぜ」宣言だろう。
どこをどう取れば、辞意だと思えるのか。
日本人の読解力も随分低下したな……と主人は嘆いていたが、寧ろあれはマスコミがまた民意をミスリードしたがっていると、私は見たぞ。



2011年06月01日(水) 映画「アリス・イン・ワンダーランド」

2010年のアメリカ映画。
ジョニー・デップが出るという事もあって、昨年は日本でも散々宣伝していた。
題名の通り、ルイス・キャロル原作の「不思議の国のアリス」を基にした、ファンタジー映画だ。
ディズニー映画版は見た事無いけれど、子供の頃は繰り返し絵本で読んだものだ。
トランプの兵隊がバケツをぶら提げて、ペンキでバラの花を赤く塗る場面とか、断片的にだけれど、挿絵も覚えている。
誰でも知っていると思っていた「不思議の国のアリス」だが、なんと

うちの主人ときたら、知らないと言う。

えっ。
本当に?
本当に。
題名は聞いた事があるけれど、話の内容までは知らないという。
何で知らないの?
読んだ事無いし、興味も無いから。
子供の頃、絵本とか読んで貰わなかったの?
あんまり無いかな。字が読めるようになってからも、作り話より事典なんかを見るのが好きだった。と彼は言った。
有名児童書や世界名作シリーズは、誰でも子供の頃に通る道だと思っていたので、主人の話は私にとってかなり驚きだった。
「森は生きている」も知らないのかと驚いた事があったが、「不思議の国のアリス」を知らない人間が現代日本にいるとは。
しかも私のすぐ傍に。
確かに知らないからと言って、人生において困る訳ではないけれど、映画を観る前にある程度知っていた方が良いかと思って、さらりと粗筋は教えておいた。

さて映画本編。
まあ、豪華なファンタジー。
最後にどんでん返し来るかー?と身構えたが、全然。
そのまま、赤の女王が悪者で、白の女王の治世になっておしまいであった。
白の女王はアン・ハサウェイ。相変わらず美人だ。
赤の女王は大竹しのぶかと思ったが、違う人だった。日本人じゃなかった。
デブの双子は見た事ある顔だな、誰だっけ……と一時停止ボタンを押して、考え込んでしまった。
そうしたら、主人が叫んだ。
「あれだ、『村でただ1人のホモ』!」
おお、そうか!
よく気付いたなあ。
正確には村でただ1人のゲイだけれど、要するに「リトル・ブリテン」に出ていた、イギリスのコメディアンである。
(「リトル・ブリテン」はイギリスのコント番組。面白かった。ああいうの大好き! ブラック過ぎて日本では多分ウケが悪いだろうけれど)
アリスが現実世界に戻ったその後は、とって付けたようでイマイチだった。
不思議の国メインだから仕方無いのか。
あれだけ大々的に宣伝した割には、中身が薄い気がした。
映像は豪華で美しいのだけれど。


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