日々是迷々之記
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2週間のカナダ、アメリカ旅行から戻ってきて、壊れたものがいくつかある。
まず、歯が折れた。これは6年ほど前に折れた前歯を差し歯代が惜しくてのりで貼付けてそのままにしていたものが、折れたものだ。6年前は、ポメロというはっさくとグレープフルーツのあいのこのようなミカンを食べていて折れたのだが、今回は、ポテトスキンという、じゃがいもの皮にチーズやベーコンを乗せたものをオーブンで焼いた料理を食べていてボキッといった。ここで、マッシュポテトにしておけば折れていなかったと思うのだが、後の祭りである。
これは今日、歯医者さんに行って仮の歯を入れてもらった。本物の差し歯は盆明けくらいから入れてもらうつもりだ。
もう一つ壊れたものは、ズボンである。カーゴパンツがひざのところでジッパーで別れて短パンになるパンツを愛用していたのだが、そのパンツの股間のジッパーの引き上げる部分(名称不明)が「すぽん!」と上にひっこぬけてしまったのだ。こうなるとどーにもこうにもジッパーは閉まらない。
結局、カナダのアウトドアショップで、同じようなカーゴパンツを購入し、事なきを得た。
この二つに共通する原因は、「安物買い」にあると思われる。前述の歯は、ちゃんとした歯なら11万円と言われたところを、1万円弱でセメントで貼付けてもらったのであった。当時収入が少なかった私には選択の余地はなかった。この歯は1年か2年くらいしか持たないと言われながらも6年持った。わざわざアメリカで折れるところが泣かせてくれる。英語と言うのは正しく発音しようとするとどうしても口を動かさずにはいられないのがトホホであった。
もうひとつのカーゴパンツも地元のおっさんの店で1280円で購入した激安物である。端を処理しているテープがほつれてきたりしていたが、適当にはさみで切って、だましだまし着用していた。それがわざわざカナダでジッパーがすっぽぬけたのだ。旅行中なので換えズボンのようなものは持っていない。キャンプ中だったのでショップに行くこともできす、24時間くらいは長めのシャツを上に着てごまかした。そのとき既に歯も折れていたので、かなり全体に情けない格好だったと思う。
まぁ、それでも旅は進んで行き、ジッパーが壊れていても、いいパンツを買う機会だし、歯が折れていても、笑いのネタくらいにはなった。
いろいろ悩んでもしょうがないし…、と今以上に「場当たり主義」が身に付いてしまった旅であった。「almost perfect」(だいたい完璧)と言ってしまって、カナダ人の友人に笑われてしまったのはちょっとアレかもしれないが。
時差ぼけもあるのでぼちぼち寝よう。明日からは対馬に行くのだ。
2002年07月07日(日) |
腕相撲はあなどれない |
今日は、此花区の腕相撲大会にだんなさんが参戦した。 優勝賞金2万円!ということだったので優勝したらビヤガーデンでも行こうということでかなり期待しての参戦だった。
成人男子の部は参加者約40名ほど。だんなさんの対戦相手は170センチ90キロとのこと。すごい!だんなさんより10センチ小さくて10キロ重い!申し込み時の申告した体重でわけられてしまったようだった。ということは、60キロとかで申告しておいて、当日突っ込まれたら、「申し込んでから太りました。」って言うと得なのかもしれない。(「んな、姑息な…。」とだんなさんに突っ込まれたが。)
対戦が始まって、順当に腕の太い人が勝ってゆく。そして、だんなさん対170センチ90キロの番となった。
ぎょ!その170センチ90キロ氏はちょっと日本橋系。秋葉系というべきか…。色がまっしろで眼鏡が頬に食い込んで、髪の毛が顔面にへばりついていた。
レディー、ゴー!洋品屋のおっちゃんのかけ声ともに対戦が始まった。カーン!2秒で決まりました。だんなさんの負け。参加賞の商品券を持ってステージから降りてきた。
見ていても明らかだったのだが、最初っから地獄のように力を入れて握ってこられ、審判のおっちゃんが手を離す瞬間にはすでに45度くらいかたむいていたようだ。
まあ、商店街の大会なのでこんなもんでしょう。しかし、ステージ上のうつだん氏は「対戦したくなさ度」では群を抜いていた。「ソフトボールとか、スポーツで鍛えたおっちゃん」、「威勢のいい茶髪の若者」に別れる中でどっちでもないのも目立っていた原因かもしれない。
来年、どうやって勝つかを話し合ったところ、 ー 鍛える ー ミナミででっかい外国人の人を日給1万円でスカウトしてくる ー 3日くらいお風呂に入らないで相手を嫌な気分にさせる それくらいしか、思い付かなかった。
が、参加賞の商品券を持ってその商店街のスーパーに行ったところ、その努力の必要もなくなった。商店街の商品券のくせに使えないのである。店によるとかどうとか。しかも使用期限は7月31日。ということは優勝賞金の2万円も商品券で、使いようがないじゃん!となりかねません。
今日のまとめ *だんなさんがやったこと 「オタ系のにいちゃんの手を握って、使えない商品券をもらった。」 *わたしのやったこと 「姑息なことをいろいろと考えた。」
二日後に旅行が控えているのに時間の無駄としか思えない一日だった。
みなさんも商店街の腕相撲には気をつけましょう。
引き続き会社ねたである。よく考えると会社ねたで書くことができるのはあと2日。今のうちに書くだけ書いておこうではないか。
昼休みになり、女子は財布を手に持って買い物に行ったり、お弁当を電子レンジでぬくめたりしはじめる。私は後者で、財布を持って今こそ出んとしている某18歳に何気なく声をかけた。「今日はコンビ二行くの?」するとその答えにびっくりしてしまった。
「そうなんですよ。ラーメンが食べたいから、お母さんがお弁当を作ってくれてたけど気付かないふりをして置いてきちゃいました〜。」
(°Д°)ハァ?あんたそれでも人ですか?
私は無言で彼女を送りだした。何も言うまい。テーブルでお弁当を食べながら、26歳の社員の女性と話していた。「うち、お弁当忘れたら、晩ごはんの時だされましたよ。」「普通、そんなもんじゃないのかなぁ。」やはり他の人もおかしいと感じていたようだ。
がさごそと袋の音をさせながら彼女が戻ってきた。袋の中身はとろろそば、韓国海苔のおにぎり、ハーシーのココアドリンクの紙パックだった。26歳の彼女が、「あれ?ラーメンやったんとちゃうのん?」と聞いた。すると、
「外に出たらあんまりにもムシムシするんで、とろろそばにしちゃいました。」
おいおい、家に置き去りにされたお弁当の立場は一体…。
その後、彼女はとろろそばとおにぎりを食べながら、ココアを飲むというアメリカ人すら思い付かない組み合わせで食事をしていた。「わたし、韓国海苔のおにぎりのほうが好きなんです。普通の海苔って味がしないじゃないですか。」という謎の発言を残しながら。味ないか?板海苔。わたしはあれをあぶってそのまま食べるのが好きだが。
食べ終わると、彼女の傍らに手付かずのタマゴが一つあった。とろろそばに添付されていた温泉タマゴである。「タマゴいらないから安くして欲しいですよね。」と彼女は食べ終わったプラスチック容器とともにタマゴをコンビニ袋に入れて捨ててしまった。
わたしはそのタマゴ、要らんのやったらくれー!と言いそうになった。その日のお弁当がかなり質素だったのもあるが、何よりも、「タマゴを捨てる。」という行為が犯罪だと思ったからだ。
こうやってちっともリラックスのできない昼休みを過ごし、軽くいらついたまま昼の仕事に突入した。あと二日、あと二日、である。
あと三日出勤したら私は晴れて解放される。そう思わないと鬱になってしまう一日だった。
私の仕事は24歳の新入社員の子に引き継ぐことになり、毎日一件ずつ仕事を教えている。といっても実務よりはパソコン操作がほとんどなのでたまにどうやって教えていいか頭をかかえている。彼女は人格は悪くないのだ。ただ、覚えが悪いのと基礎的なことを何も知らないのでたまに言葉を失ってしまう。なんでもかんでも上書きするし。
今日は彼女だけでなく18歳の新入社員の子にもものを教えることになった。理屈はともかくとしてとりあえず入力だけ教えてあげてとのことを課長から言われた。「入力だけ」ならローマ字が分かればできるやろと思ったがそんなことは口に出さずにエクセルで作ったフォームを彼女に渡した。
小一時間後、できましたというのでプリントアウトしてもってきてもらった。そこで、何気なく、「どっか、難しいところあった?」と聞いた。するとびっくりするような答えが返ってきた。
「適当にやったから、わかりません。」だそうな。
適当ってなんやねん!と激昂するべきか一瞬悩んだ。しかし、彼女の表情からするにふざけているわけではなさそうだ。わたしは頭痛がするのを感じながらも、赤ペンでぎっしり添削をして返してあげた。真っ赤に手を入れられた文書を見て、「え〜、こんなに間違ってたんですか〜?」などというので、こう言ってあげた。「最初のうちはこんなもんだから、気にしなくていいよ。」
私はこんなふうに彼女をネタにしてはいるが、会社ではあくまでもお金のぶんだけは働いている。それが当たり前だからだ。しかし、彼女にとっては「就職できてラッキー」くらいの感覚なのだろう。
ぶっちゃけて言うと、彼女の生態には謎が多い。前にも書いたが、お茶を飲まないと言う割には、コンビニで毎日ウーロン茶を買ってきたり、麦茶のようなコーヒーを入れてみたり、はたまた、おべんとうにふりかけをドサドサにかけてみたり。
顔は釈由美子を頼りなくしたような感じで可愛いほうだと思う。今風のほっそりして、服もオシャレだ。財布もグッチだし。
が、しかし、ノバに前金で70万も突っ込んでるわりには、海外からの電話を取次ぐこともできないし、挙げ句の果てに「適当にやったからわかりません。」一体何を考えているのか謎である。
しかし、あと2日である。一週間後にはカリフォルニアの空の下。謎の18歳とはさらばなのだ。
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