子犬日記
むかしのこと|ちょっと前|ちょっと先
最後のテストの日。ひとつ受かってるとこんなに気楽なものかと思う。合格した学校の二回目のテスト、最終的に志願者が850人を超えていた。定員は50名である。実際はもうすこしたくさん取るだろうけれど、その門の狭さには恐れ入る。子供はへってるのに。公立中ってそんなに魅力がないんだろうか。
朝早いので坂道などはまだ凍り付いているだろうと思って狛太郎には長靴を履かせ、スニーカーを荷物としてもっていった。天気はいいのだが気温が低くて、自分もブーツをはいていって正解。 終わったあとに繁華街に出て食事。狛太郎もほっとした様子だった。テスト問題はわりと普通のものだったという。にこにこして話すので、悔いは残らなかったようだ。思えば、最短コースというか、必要最小限のところしか受けずに済んだ受験だった。ぜんぶで四回。まあいいか。しかし狛太郎から聞いたところによると、塾の友達が今日のテストに来ていたらしい。その子の本命校は一日にテストがあったはずだから、二日には発表になる。でも今日のテストにまだ来ているということは…もしかして。うぬぅ(汗)優秀な坊やなのになあ。彼が受かってますように。 試験は水物とはいうけれど、あらためてどんな薄氷を踏んだのかと思うと怖くなる。
家に帰ってから塾のテキスト類を整理。積み上げれば狛太郎の身長の二倍くらいはあるだろう。これをぜんぶ捨てられると思うと心底すっきりだ(涙)
夜は数学のさわりと英語を勉強。一日のうち、30分しか自宅で勉強しないなんて、この何年かで初めてのことだ。やっと受験が終わったのだと実感。くたびれた。 明日は今日の結果を見にいかなければならない。めんどうだけれど、これでほんとに最後の作業だ。
怖れていた雪に。狛太郎はひとつ合格したおかげで今日予定していたテストを受ける必要がなくなり、自宅待機。本当なら負け試合を見せて気合いを入れるために、昨日の結果を見に連れていく予定だったが、この悪天候で最後に風邪をひかせてもアレなので一人で出発。 いやもうすべりまくり。道も試験も。彼の話から予想していたのでまったくびっくりはしないけど、いやなもんだ。明日も試験あるし、最後までがんばってもらおう。 合格手続きに行く前に、働いていた頃に通ったスープ屋に寄って腹ごしらえ。まだ九時半過ぎだし、朝食にパンもすこしかじってきたのだが、こう寒くて、足元があやうくて、不合格で、お腹がすいてるとみじめになりそうなので、ひとつの思考停止策である(笑) メニューは鶏と玉葱のスープを選んだ。朝のセットは安いなあ。いつも13時過ぎに来てたから知らなかった。うう、どんぶり一杯白胡麻ごはん食べたら満腹過ぎて動けない。不覚。昼は抜きだな。服がもうすこし乾いたら行こう。からだが重すぎて雪ですべったら立てなかったりして。
とか打ってたらメールが。隣人が車を出してくれるらしい。ううん? メールと電話のやり取りののち、スタッドレスタイヤの車で某駅に迎えに来てもらって、びゅうんと次の学校へ。もともと近所だからはやいはやい。 手続きをして、近くのレストランに寄って同行者三名と早めの昼ごはん。ごはんやパンは食べずに(食べられません)、サラダとサーモンのグリルをちょろりとつまんでおしまい。 みんなとても喜んでくれて、嬉しくなった。 あとは明日のテストだけ。でも想像を絶する難問奇問を出す学校だからなあ。ぜひ行かせたいからとかそういうのでなく、彼のがんばりが最終的にどこまで届いていたのかが知りたいけれど、現実は甘くないのも知っている。ううーん。まあいいや。もう寝よう。明日も早い。
五時に目覚ましかけたけれど起きられなくて、五時半に起床。六時半に出発。 どの電車にも受験生+付き添いがいておかしい。父親の付き添いも目立つのは土曜だからか。 今日の学校は難関校だ。家族全員でがんばってきました的な雰囲気で一個連隊が付き添いをしている受験生を多く目にした。大学受験なら基本的にひとりでがんばらなくてはしかたないが、中学受験は家族すべてを巻き込む一大事業だ。いろいろな意味で負担が大きい。なんでこんなことになってるんだろう。まったく。この数年、塾の吹く笛に合わせて踊ってはきたが、決して納得して踊っているわけではないので、この状況には苛立ちを感じる。 きのう受けたテストを気にしながら狛太郎は会場へ。こちらはホールで待機していたものの、パイプ椅子のすわり心地はすこぶる悪いし、構内ではケータイが圏外になってしまう。九時すこし前にグラウンドに出て、昨日の試験結果をケータイから確認した。おお、合格。目の迷いだったらまずいと思って何回か見直したが、番号が確かに載っている。まわりを見るとお仲間がたくさんいて、みなケータイを覗いてからにこにことどこかに電話をかけていた。 そのまま最寄り駅まで歩いて、近場の繁華街でぐるぐる歩いて二時間半を消化。テストが終わる時間に学校に戻って、狛太郎をピックアップ。どうだった!と駆け寄ってくる彼に、ケータイの合格速報画面を見せてやると、心底安心したようだった。
まったりと電車とバスを乗り継いで、合格した学校へ。掲示板を確認してから、受付で合格証を受け取った。駅に戻って昼ごはんを食べるころにはすでに三時を回っていた。やれやれ。これで狛太郎にとって、明日は自宅待機の日になった。
朝七時半に出発。到着は八時過ぎ。やっぱり近い。 校門のところに塾の先生方が並んでいたので握手してもらっていた。 きのう電話をくれた先生もいて、狛太郎はすこし照れ気味。
こちらは飲まず食わすで本を読みながら、控え室になっている大ホールで四時間待機して、昼過ぎに出てきた彼を拾って最寄り駅で昼ごはんにした。 午後の学校はもう受けなくていい、帰りたいと本人が強く云うので、そのまま本屋によって、スタバでお茶してから帰宅。
帰宅してから、また塾の先生から電話をもらった。午後の学校を受けたかどうか気にしていた様子。朝は緊張していたようだったので、握手できてよかったといっていた。 狛太郎は、もらってかえってきた試験問題を見直したがったが、塾からの注意にしたがって、それはやらないようにと伝えた。(まちがいばかり探して、自信をなくしてしまうから)
明日は五時起き…。
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