子犬日記
むかしのこと|ちょっと前|ちょっと先
2004年11月25日(木) |
トリビアヲタクの血統。 |
狛太郎が山手線ゲームをしようという。ネタは鳥、って何で朝から…(眠)。しかし「僕は絶滅鳥シリーズでいくよ!」と喜んでいるので無下に断れなかった。ゆうべは果物と野菜だったのだ。途中までは。 犬「山で食べるならアケビだね」 狛「じゃあヒヨドリジョウゴ」 犬「……。ウド」 狛「トリカブト」 犬「ハシリドコロ…ってなんで毒草ですか(汗)」 知りとりよりも制約がなくて、ぽんぽんつづくからおもしろいんだろうが、互いに頭のなかに積み上げた図鑑(彼のはぴかぴかの新品、犬のは虫食いと落丁だらけでボロい)をめくっているのだから、決着なんかつかないのだ。(疲)
むかし、動植物のたぐいを鳥でも花でも各々二十種類挙げられるようになったら人生がヨタカに、まちがえた、豊かになると聞いた。狛太郎も、大きくなったらそんなふうになったらいいなあと漠然と思っていたが、犬は育て方を完全に誤った。いや、遺伝なのか、あのトリビア体質は。
トキはコウノトリの仲間でクイナはツルの仲間。彼から聞いたら書かないとすぐ忘れる。忘れてまた訊くと「ママは記憶力がないからねぇ」と馬鹿にされるのが悔しい。来年は鷹柱でも見に行くか…。
2004年11月16日(火) |
作文「どうしてもほしいものがありますか?」 |
ぼくが今一番ほしいのは、原付機です。小型のスクーターに乗って、どこかへ旅に出たいです。自分だけの力で知らない所を見てまわれたら、楽しいでしょう。 でも、ぼくは小学生だからまだ運転免許が取れません。原付機はあきらめて、自分の足で歩いて歩いて歩きまくって、宇宙の果てまで行ってみようと思います。そこで必要になるのは、丈夫なくつです。かっこうよくなくてもいいから軽くて、はいているのをわすれてしまいそうなくつがほしい。本当にそんなくつがあるのかなあ。ないのなら、自分で作ってみたいです。そして旅に出ます。
先生からの評: 丈夫なくつを手に入れて、旅に出たいと思う狛太郎君の気持ちはわかります。狛太郎君は旅をするのがすきなのですね。いつか、丈夫なくつをはいて旅に出ることができたらいいですね。
親の覚書: この作文を書く数日前のことだ。 「ママ、あれなんて読むの。あの標識」 「げんつきき」 「なにそれ」 「スクーターのこと。バイクよりちいさいから免許も簡単」 「ふーん」 で、こうなった。 彼も、いまどきのコドモらしく、ゲームやほしいものはお年玉や誕生プレゼントなどで労なく手に入れているので「どうしてもほしいのに手に入らないもの」なんて思いつかないだろうな、と思ったら、そうきたか(笑) 口に出してスクーターがほしいなんてひとことも云ったことがなかったからびっくりした。よく聞くと、スクーターそのものに執着があるのではなく、あれならクルマよりも簡単に免許が取れて、自分ひとりで身軽に動けるだろうな、という想像らしい。ひとりで旅(冒険)したい、というのは、このときに読んでいた『シンドバッドの冒険』の影響。スクーター=船か。 しかしいくら冒険したいからといって「飛ぶ島を落とすいきおい」とか書くな子犬。「飛ぶ島なんてラピュタみたいだねはっはっは」じゃない(怒)
2004年11月10日(水) |
プルートゥ、その後。 |
狛太郎は、本を読みおわってからも何度も読み返す。 とくに漫画の場合はそれが顕著だ。 今回の『プルートゥ』も、二日三日のあいだ幾度も反芻していた。 ころあいを見計らって、感想は? というと、 彼は、ため息をついてからつぶやいた。 「ひどい話だね。でもすごくおもしろい。どうなるのかわくわくする」 そういって、最終ページを示した。 ひどいって何が? と犬が尋ねると、 「ロボットが何人も死んじゃって、かわいそう」だという。
あの漫画で描かれているのは、事故による機械の「機能停止」ではなく、 豊かな個性を襲う暴力的な「死」だ。 シリアスな死を含む物語を読むのは初めての彼には、 そこが強く感じられたのだろう。 レクター博士のように幽閉された殺人ロボット、ブラウに刺さった槍が 誰にも抜けない理由は、よくわからなかったようだ。 根源的に理解できないものに対する人間の恐れと忌避感情は、 まだ理解できないのだろうか。 ロボットが結婚するのも不思議だったらしい。 実は犬も、この漫画の読み始めは、その設定になじめなかった。 むかし、テレビでアトムを見ていた頃には、 ロボットにも家族がいてもふしぎはないと、 違和感なくアトムの世界観を受け入れていたはずなのに。 翻訳SFの使役―召使ロボットを知っている今では、 便利な機械としての側面ばかりが意識にこびりついて、 人間の真似をしている様子が不自然に思えてしかたがない。 まあ、ゆっくり読んでいるうちにそのあたりのわだかまりはほぐれてきて、 昔の感覚を噛むように味わう余裕も出てきたのだが。
狛太郎はアトムの洗礼を受ける前に、 ハリウッド映画のロボットに親しんできた。 『ターミネーター』の殺人アンドロイドも、『アイ、ロボット』のサニーも、 それなりに人間臭くはあるが、結婚とははるかに隔たったところにいる。 単性増殖を繰り返すアメーバに似た『マトリックス』のエージェントたちも、 彼にしてみればロボットのようなものなのだろう。 彼が観た中で唯一、家族の中のロボットを描いていた映画は『A.I.』だが、 小さい子供には生涯トラウマになりそうな場面の連続で(汗) アレックスがかわいそうだと半べそをかく彼を つよく抱いて慰めなくてはならなかった。
長くなったが、2巻を待とう。 読ませて反応を見るのが楽しみだな。ははは(殴)
2004年11月07日(日) |
PLUTO 1巻 (小学館) |
『PLUTO』001 (小学館) 浦沢直樹+手塚治虫で『鉄腕アトム』の有名エピソードを 語りなおすヲトナ向け漫画である。 隣家からなりゆきで借りてきた『ゴルゴ13』(……)の腰帯カバーに 宣伝が載っていたのを見つけて、 「これボクも読んでみたいんだよね」 (ゴルゴではなくプルートゥのことだ) といいだしたので、ちと考えた。 原作はまあ、あのアトムだし、小学三年生ならちょうど ストライクゾーンなのだろうが、劇画だし… ジャン■系少年漫画以外の漫画表現作法にもまだなじみがないので、 うまく読めるのかどうか、と迷いつつ本棚から出して広げてみたら、 漢字にぜんぜんルビふってないよコレ(爆)
とにかく貸してみた。 ときどきこちらに質問しながら、面白い面白いと読んでいるが、 わかってるのかどうかはとても疑問。 漢字は類推しながら読んでいるのだろう。むかし犬もよくやった。
犬の家ではヲトナ向け漫画と子供向け漫画は峻別しているので、 自分用に買ってきた漫画は内容はどうあれ子犬には読ませない。 自分用を譲ったのは、この作品が初めてということになる。
彼は、たぶん五歳くらいから『ONE PIECE』を読んでいるが、 最近になってやっと物語の面白さを理解しはじめた模様。 先日出た35巻も夢中になって読んでいた。 ナミとサンジが仲間になったころ以来のごたごたである。 O田氏は、風雲急を告げる展開がうまいな。
2004年11月03日(水) |
海底2万マイル (講談社・青い鳥文庫) |
デスペローは面白かったらしい。 いきなり初日に無言で100ページ読んで、 その後もかなりのハイスピード。 さいごは、外に持っていっておしまいまで読むという。 トガリィのときもそんなふうに夢中になっていたから、 ネズミ文学が好きなのか(違)
で、博物館帰りの電車の中で読み終わってしまったので、 駅で降りて、そのまま本屋に連れていった。
『海底2万マイル』講談社青い鳥文庫 ジュール=ベルヌ/原作 加藤 まさし/訳 高田 勲/絵
本人を連れて行ったわりには、親の趣味丸出しの選択といえよう(殴) 海&タコイカスキーの少年たるもの、 ネモ船長とノーチラス号とクラーケンはおさえておいてもらわないと。 ディズ■ーシーのアレには親子で乗ったことがあるので、 あれの「原作」だよと教えておいた。 字が詰まっているので時間がかかるようだが、 ちゃんと読めてはいるようだ。 急がなくていいから、海底冒険を楽しんできてくれ。
「一年間に百冊読む」にチャレンジする子供の話をまえに聞いた。 ええと。100÷12=8.3333…なので 一ヶ月に8冊強、読まないといけないのか。 狛太郎にはちと厳しい。つーか、ぜったい無理(笑) 冊数など気にせずに、面白い本を一日10分間でいいから、 ずっと読んでいってほしい。歯と本は長いトモダチなのだから。 ま、師走になったら、彼の読了本を並べて眺めてみよう。
ちなみに親は、今年はぜんぜん本が読めなかった。 多忙や気鬱もあって、空前絶後に本から遠ざかっていた。 総数は、たぶん100冊にも届かない。 平均200冊だったころがなつかしい。もうろくしたな>自分
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