夕暮塔...夕暮

 

 

いびつとも - 2005年09月25日(日)

台風が過ぎたあと特有の、意識が別世界にぬかるみそうな、澄んだ夕空が広がる。発光する大きな魚に似た雲が南に浮かんで、ここがどこなのかさえわからないような気持ちになる。歪なのか美しいのか、きれいすぎるから歪だと思わざるをえないのか。





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いびつとも妙なるものともわからずに 夕の流れの端にぬかるむ



もうどこへ流れ着いてもかまわない 風が変わってゆく先になら



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温かそうで - 2005年09月22日(木)

夢の中コピーとってるきみの手が温かそうでさわりたかった




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夕方の夢、会えないひとの隣。上手にコピーがとれなくて少し焦る。もう少しで涙が出そうで、顔を上げられなくて、かろうじて指先だけが見えた。決して楽しい夢ではなかったけれど、思い出していやな感じはしない。

寄ったことのないカフェ(ちょっと変わった注意書きの看板がある)でパンを2つ買って帰宅する。オレンジピールの入ったものと、胚芽の。どちらも自然な風味でおいしい、特に胚芽の方は意外にもちもちした食感が好印象で、また買いたいなと思う。挽いたばかりの豆でコーヒーを淹れると、香ばしい薫りが部屋中に広がる。その中で本を読む、落ち着いて幸せな時間。




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きみのねむる - 2005年09月21日(水)

きみのねむる町までは時差7時間 銀の波濤をくぐってゆこう



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鼓動するように - 2005年09月19日(月)

波はいつも届かないきみの夢に濡れふるえてる風が鼓動するように



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水のそばで - 2005年09月14日(水)

短い旅も今日で終わり、早起きして、波打ち際に作られた見事な露天風呂を楽しむ。オーシャンビューのお部屋ともお別れしないといけないけれど、どうにも去りがたくて、時間ぎりぎりまでバルコニーから海を眺めている。水のそばで暮らしたい。いつも思っていることを、確認するように考える。


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湯の峰 - 2005年09月13日(火)

昨日と同じく沢山歩いた後、湯船で初めて世界遺産に指定されたという、石造りの小さなお風呂に入る。先に入った私が「…ちょっと熱い?」 とお湯に触ってもらうと、友人は「熱ー! 入れないよ!」 と飛び退くように手をひっこめる。それは大変と水で薄めて、ようやく2人で入浴。お湯につかりながら、天井近くに掲げられた小栗判官の物語を読む。彼女が、「ところで、昨日の筋肉痛が来てないのがやばいと思って…一日二日置いてから出るようになるのはよくないとか」 …そういえば、私も来ていない。


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石の道 - 2005年09月12日(月)

紀伊熊野の旅、人影もない古道の石段を踏みしめて、那智の滝へと一歩ずつ近づく。これだけ蒸していれば苔もよく育つわけよね、と納得してしまうくらいに空気が湿気を含んでいる。厳かという言葉を思い出すほどに静かで澄んだ気配、仰いでも、振り返っても。


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せめて散歩に - 2005年09月05日(月)

予備用(観光用)にとってあった日なのだけれど、届くのが遅れた資料があったので、ホテルに閉じこもってノートパソコンとにらめっこする一日。せめてちょっと外の空気でも吸おうかなと思い立って、きりのいいところで散歩に出かける。河原町を観察しながら歩いて、高島屋の地下で職場へのお土産にするお菓子を買う。


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上洛 - 2005年09月04日(日)

京都へ向かうのぞみの中、現地では雨が降っているというメールが届く。きっと私が着く頃にはあがっているんじゃないかなと思いながら到着すれば、実際その通りになっている。ありがたいことだけれど、旅先で雨に悩まされた記憶は殆どないように思う。今日は時間に追われていないので、とりあえずは辻利の京都駅八条口店で抹茶ソフトを。久しぶりの味、甘みがきつすぎずなめらかな舌触り、ああ京都へ来たなと実感する。


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弱くて - 2005年09月02日(金)

「これそっちに送ってもいい!?送ってもいいかね!? って電話で不安いっぱいにまくしたてるから、仕方なくいいですよって言ったら、もう翌日には送ってきたよ」 少々の呆れを含んで同期が言うので、私はたまらなく懐かしさをおぼえる。わああ、変わってないなあ…。今までのパターンから推察すると、元上司は手つかずのデータを手元に置いておく不安に耐えかねて、手放してしまいたくてたまらなかったのだろうと思う(実際、受け容れ許可が出るなり速攻で投げ出している)。けれど受け取った彼女も直近に控えた大きなプロジェクトのせいで連日の深夜残業、結局それはもう一度パスされてわたしのところにまわってきた。まあそれは妥当なので全然構わないのだけど、それにしても、私達の敬愛する人ときたら。「よわい……弱いひとだね」「うん、弱いね。相変わらず弱虫だ」彼女の方は、受話器の向こうで確認するような口調。「弱虫で、かわいいね…」私は思わずちょっとうっとりしそうになる。あ、いけない。



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