夕暮塔...夕暮

 

 

蜜灯り - 2003年10月31日(金)

ほの白く浮かぶまま花は蜜灯し 音もなく人を呼びよせている


夜の道 白き花咲き蜜灯りすれば音もなく人は呼ばれて




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新しいお着物が届く、この秋に作ってもらった桜色の付け下げ、細かい地模様の入った艶のある生地をそっと撫でると、つるつるした手触りが気持ちいい。同梱の金糸銀糸であでやかに刺繍された上等な袋帯はこの度祖母から贈られたらしい、受け取った旨とお礼を伝えようと実家に電話すると母が電話口に出て、「あれね、出来上がってみたらなかなかいいわねえ、あれ以外も色んな帯が合いそうね」と嬉しそうに言う。ああいう色合いは本当は母の好みとは違うので、今回は私の好みに副うために渋々折れてくれたのだけれど、縫い上がったのを見たら結構気に入ったらしい。祖母は旅行中でお礼が言えなかったから、また明日電話しよう。この生地の感じだときっと着る時にはするするすべって面倒だろうと思う、前もって一度くらい練習しておいたほうが良さそうだ。



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激しさを - 2003年10月30日(木)

激しさを含むものでは繋がらぬわたしたちずっとこのままがいい



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曇った硝子の - 2003年10月29日(水)

ほんの少し曇った硝子の優しさで夕暮れて終わる今日よさよなら




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夢の痛み - 2003年10月28日(火)

年に一度あるかないかというレベルで心がささくれ立っていたせいか、細い蛇に腕に絡みつかれて咬まれる夢をみた。あまりに設定が奇妙で長い夢だったのでショッキングな場面しか覚えていないのだけれど、少なくとも私は二度は咬まれた筈で、そのどちらの時にも明らかな痛みが走った。「あ、来る、」と思った時には、予測通りのタイミングで咬み付かれた。私はじっと気持ち悪さと痛みに耐えるだけで蛇を振り払おうともしなかった、現実の私は爬虫類がもの凄く苦手で、姿を認めただけでパニックに陥って悲鳴をあげそうになるのに、夢の中では嫌悪感を感じながらも腕に絡みつかせていた。あんなことが実際に起こったら、多分失神してしまうと思う。二度目の時にはもう自分が夢の世界にいることを知っていた気がする、お願い早く醒めてと願ったようなおぼろげな記憶がある。
小さなフットランプだけが点った部屋で目醒めて、誰にとも無く責めるような気持ちになる。…夢に痛覚があるなんて、ひどい。本当のことじゃないのにあんな風に生々しく痛いのは辛い。私の夢は多分わりと鮮やかなほうだろうと思う、触覚も味覚も嗅覚も痛覚もあるからおいしいものを食べて幸せなこともあるけれど、ごく稀にこういう負の恩恵を受ける。


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杜の朝 - 2003年10月26日(日)

杜の朝 砂利のこすれる音さえも天高く響くきよらかな秋




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朝から日が落ちるまで水屋でこまごまと働いた後、慶弔用のネックレスを渡すために妹と待ち合わせて駅前のカフェに入る。妹は甘口、私は辛めのスパークリングワインを、それぞれ3杯ずつぺろりと飲み干す。疲れた時に飲むアルコールは本当に心身ともに潤うような心地、気を許した相手となら尚のこと。上機嫌で別れて、その足で私は大学時代の仲間とのお酒の席へ。


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甘い - 2003年10月25日(土)

何もかもいとしくて甘い愚かさへ変わってくみんなきみの声から




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自分の唇から漏れる言葉が酷く愚かしいことくらいわかっている、その程度のモニター機能ならまだ生きているのに、どうして気が付いたらこうなってしまうんだろう。うまくなんていかない、絶対的なものに跪くようにして伝えるしかないこの甘ったるい感情を、どこへ持っていったらいいのかと思いながら瞼を閉ざす。


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またあした - 2003年10月24日(金)

終わる筈の予定だった仕事が思いがけず続くことになって、帰り際のソファの上で走り書きを眺めながら「もういや」と暫く一人でごねたりするけれど、状況が変わるわけではないので早々に諦めて書類を持ち帰る事にする。
お疲れさまでした、と背中を向けようとした時、「水色と黒の組み合わせ、よく着てるよね」と路子さんがこちらをじっと見る。私の今日の服装は、淡いサックスブルーの綿ニットと黒のパンツ。「見ているうちに好きになった」と言うので、わざと期待した感じで「えっ!?」と振り向くと、「あなたをじゃないよ!! 色あわせよ! 今勘違いしたでしょうー」 路子さんは色白のベビーフェイスで無邪気に笑う。なあんだ残念ー、と私も一緒に笑って、それではまたあした。





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鈴懸 - 2003年10月23日(木)

ひといきに桃色の雲は翳りたり 鈴懸を揺らすこの夕時雨
 



夕時雨去りて星々の光澄む 君の肩ごしに山茶花の白





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切り取ったように美しいと思うことがある、窓の向こうに影を作る遠いスズカケの木、さっきまで薄く桃色に凪いでいた空が見る間に雨音に満ちて、荒れ狂うような一時の後には冬の星座が静かにおさまっている。雨に濡れた山茶花が香り立つ、その隣をゆったりと歩いて食事に向かう。


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ステレオタイプ - 2003年10月20日(月)

「りさちゃんが結婚することに」 と上の妹が言う。学部の時に私も何度か会ったことがある彼女、今時ちょっといないくらい善良な子なのになぜだか男性の趣味だけが著しく悪かった。とうとういい人に巡りあったのねと思ってほっとしつつ「良かったね、どんな人なの」 と尋ねると、少し言いにくそうにしている。
前に聞いた、「お前のような○○大の女が東大の俺を馬鹿にするな」 とか怒った銀行マンじゃないよねえ、と確認すると、「いや、その人なんだけど……」。 何なんだそれは、どうしてそんなことになるのかと思って呆れ返りながら不安になる。しかも彼はつい最近まで社内で二股をかけていて、もう一方に振られたので彼女にプロポーズしたらしい。
「りさちゃんは、その人のどういうところがすきなの?」
「…………目が大きい所、かな!!」
「それ、本人が言ったの? 推測したの?」
推測しただけ、と妹が笑う。そうでなければ色が白いところかなーとうそぶくので、推測じゃなくて事実に基づいてしゃべってください、と私は冗談交じりに問い詰める。
「本人にのろけ話とか聞いていれば、どういうとこに惹かれているのかわかるでしょう?」
「うーん。東大卒なところ。…これは本当だよ。りさちゃんは、ほんとにステレオタイプが好きなんだよ。信じられないくらい好きなんだよ」 電話越しの妹の声が真剣になるので、眩暈がしそうになる。
婚約指輪はティファニーで、プロポーズはお台場の観覧車の中でその後フルコース食べて、結納は帝国ホテルの一室を借り、もちろん本人たちは振袖・袴姿で他の家族も皆お着物で……と続けるので、ついに耐えられなくなって「…どうしてそんな安っぽいステレオタイプを」と洩らしてしまう。
りさちゃん、なんでもいいから幸せになってほしい。聞けば聞くほどもの凄く心配になる。「その人、結婚したらきっと浮気するんじゃ…」 ぐったりしながらつぶやくと、妹は「そっちに百万円くらい賭けてもいい、だって本当酷い人だもん」。賭けにならないよ、とわたしはため息をつく。


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ただ優しく - 2003年10月18日(土)

ただ優しくするだけのぬるい幼さをいつの間に捨ててここにいるのか




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描く軌跡の - 2003年10月17日(金)

いつまでも色褪せぬ夢の端を泳ぐ夜になる 月の船が浮かべば



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月の船描く軌跡のやわらかさ


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私のものでは - 2003年10月16日(木)

あなたには私のものではない夜があるというただそれだけのこと




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「また週末に電話する」 そんなものいらないと返しそうになったのを我慢して、とりあえず黙って微笑んだ。それをどんな風に受け取ったのかは知らない。


母に送ってくれるよう頼んでおいた着物が届いたので開けてみる、去年作った紋付の色無地と雨用のコート、伯母から貰った紅梅色の付け下げと、昔一度だけ着た山吹色の訪問着が収まっている。それから其々の長襦袢。色無地以外は私が成長しすぎて丈が合わないので、「呉服屋さんに丈を直してもらって着たら」と母が言っていたのはいいのだけど…いいのだけど、お母さん、この訪問着を着れるほど私はもう若くないような。うーん。


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木犀の闇 - 2003年10月15日(水)

神去りて花の下闇は真靜かに香るまま深く天を仰げり



木犀の闇に立ち天を仰ぎ見れば 神去りしのちの夜も真靜か





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子供の頃、神送りと神迎えという行事があったのをこの時期になると思い出す。瞑目したまま神様をおぶって夜道を走る役目の子がいたりとか、今思うとかなりシャーマニズムっぽい怖い行事だった気がするけれど、あの地域の子どもたちは今もやっているんだろうか。

夜八時、木犀の大木の影はいっそう濃密な香りに満ちて、空を覆い尽くしそうな銀杏の枝ごしに見える空は不思議と明るい。私からは見えないけれど、どこかに月があるのだろう。神様がいてもいなくても、夜の底はこうやってひたむきに静まっている。


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海風 - 2003年10月13日(月)

清らかな風は疲れたこの頬を過ぎて陸へと流れ波打つ




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夢を表象した絵の一枚みたいに艶やかで美しい夕雲が通り過ぎて、海風の揺さぶる中を重い夜がやって来る。

「ウェルニッケはここだよね、だからあれは○かと」
同僚が側頭部を両掌で押さえて言うので、私は焦る。
「……そうか、しまった、間違ったかも」
「目のやつは?」
「視覚情報は右目左目の区別じゃなくて、刺激を受けたのが眼球の右半分か左半分かでどっちの脳に入るか決まるんです。だからあれは×で」
「あーー……」

もうお互いわけがわからなくなってきている。話す度に互いのミスを確認しては疲労する、もうやめようと思うのに止まらない。
へこんでいるところに友人からメールが届く、論文試験で落ちてしまった、先生にあわせる顔がないと書いてあるのを見て、なんて凄いタイミングなんだろうと思って半ば感心してしまう。




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連休、らしい - 2003年10月11日(土)

私にはあまり関係ないのだけれど、世の中は三連休らしい。起きてから眠るまで、夕食を摂る時以外はずっとデスクの前にいるので、ふと気付くといろんなことから解離している。少しずつ記憶に知識が重なっていくのは楽しい、不健康だと充分にわかっているのにこういう生活が嫌いではないのだから手に負えない、これが終わったら連絡を取らないといけない人がいるし、いつまでもふわふわしていたら良くないとは一応わかっているつもりなのだけど。それでもいつか私の生活からこういう時間が消える時が来るのだろうかと思うと、途方も無いものを見遥かすような気持ちになる。まるで厄介な魔法にかかったみたいだ。…魔法というより呪いかもしれない、困った、なんで、いつのまにこんなことに。


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潤むばかりの - 2003年10月10日(金)

七色に潤むばかりの夕雲と連れ立ってゆるく坂を下りぬ





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十四夜の交差点 - 2003年10月09日(木)

夜が降りて、くっきり浮かび上がる月と水ぎわの波に似た雲を眺めながら信号を待つ。「ゆうべ十三夜だったから今日が十四夜、あしたは満月よ」 こざっぱりと身形の整った初老の女の人が、隣にぴったり寄り添って歩く小さな女の子に優しく話しかける。涼やかでよく通る、きれいな声。子どもはもつれそうなくらいその女性にくっついて手を絡ませたまま、遠い屋根の向こうの月を見上げた。あたりに満ちた眩しい闇が、祖母であろう女性の白髪混じりの髪をきらきらと輝かせている。



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終焉 - 2003年10月08日(水)

この人との付き合いもそろそろ終盤に近いのだろうか、と電話の声を聞きながら考える。少なくとも私にとっては必要な人だったと思う、本当に、この人がいなかったら今の私が社会的基盤にしている色んなものは手許にないだろう。
帰りの車の中でこまごまとお説教されたのは金曜のこと、もとより批判精神の強い性質なのは承知していたけれど、それが今までにないくらい強くこちらに向けられているのを感じたので(そして私はうまくそれに対処できなかったので)、私もそろそろグレーゾーンに変わったのかなと思って淋しくなった。
考えてみたらかなり最初から、こんな風にこじれてもおかしくないとは思っていた。だって私はあなたに大事にされるにはあまりにも呑気で怠惰だ。案外保ったと言うべきなのか、それとも私が自爆したと思うのが適当か、それは尋ねてみないとわからないけれど、実際難しいバランスだったと思う。だけど心から感謝している、本で天井まで埋め尽くされた古めかしい読書室で始まって急速に仲良くなった、あなたとのことがなかったら今頃私がどうしていたか、本当に想像もつかない。ありがとう、ありがとう、同じ道を歩けなくてごめんね。あんな大切なことをきっぱり決めて返答するには私はまだ幼かった、曖昧な返答しかできなかったのは自分なりの誠実さのつもりだったけれど、それに苛立ったり呆れることもあっただろうに何度も諦めずに繰り返してくれた。本当に嬉しかった。自分が現実よりはるかに価値ある人間なんじゃないかと勘違いしそうな時さえあった。完全に袂を分かつにはまだあまりに共通項が多すぎるけれど、いつかはそういう煩雑なものが、互いの為に少しずつ淘汰されていくことを願う。


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忘れることも - 2003年10月07日(火)

憎むのも忘れることも難しいひとがいていまも慕わしきまま




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漏水のあと - 2003年10月04日(土)

午後1時、ハウスクリーニング業者の人は予想に反してたった1人でやってきて、私の重たいベッドマットレスを縦に抱えてよろよろとエレベータに乗り込んだ。
木曜の深夜に上の階から漏水があって、それがちょうど私の寝室のベッドの真上だったので、天井は勿論、水を吸い込んだマットレスにもわりと大きなシミができてしまった。マンションの管理会社に連絡して後のことを任せていたら、そこの設備部門の人が2度来訪した後、最後は上階で前日水道工事をしていたという業者の人がやってきて「すみません」 を数十回連発しながら天井のクロスの張り替えとマットレスのクリーニングを約束して帰って行った。怒っていないからそんなに腰を低くしなくていいのになあとか暢気に構えていたら、その後はもうあっという間に色んなことが決まってしまって、その手早さにはちょっと驚いた。私のマットレスは遠く隣県の倉庫まで運ばれて、徹底的に洗われるらしい。一番丁寧に手をかけてくれる業者を探したと水道会社の人は言っていたけれど、それにしてもクリーニングに2〜3週間もかかるなんて、どういう工程なんだろう。よほどぴかぴかになって帰ってくるのかな。少し楽しみなような。
明日はリフォーム業者の人がやってくるから、その前にベッドをどうにか横によけておかないと。




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おひるねの - 2003年10月02日(木)

わからないことばかりまるでおひるねのあいだに知らないひとにかわった




わからないことばかりいくら皮膚一枚近づけてみてもまだ知らぬひと





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木犀の - 2003年10月01日(水)

神無月 眠るどの窓もやわらかに木犀のかおり満ちて鎮まる



木犀の香に満ちて眠るどの窓も やわらかな金の静けさの中




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駅ですれ違う若い女性の足は膝まである革のロングブーツできっちり覆われている。もうそんな時期になったのだろうか。まだまだ暖かいけど、被服の季節感は少し早いくらいがおしゃれらしいから多少暑苦しくても我慢するものなのかもしれない。…それとも、冷え性の女性だったらファッションじゃなくて実用として履いているのか。どうかな、よくわからない、冷え性とか腹痛とかの女性特有の悩みとは縁遠いのでちょっと難しい。

午後3時、晴天の中を歩けば空気全体をゆったりと揺らすような風が吹いて、木犀の香りが一帯に満ちる。見えない金色の粒子、どこもかしこも隅々まで芳香が撫ぜるように行き渡る感覚。知らぬ間にてっぺんまで満開になっていた橙色の花が光を受けてきらきら光っているのを見上げたら、ああ秋が来たのだと自然に納得した。


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