空が眩しい - 2001年10月31日(水) ゆうべには 言い忘れたけど 今日はほら 満月なんだよ 空が眩しい ******************* ******** ** * 靴を紛失してしまった。どういうことだろう。上着やカーディガンの類ならどこかで脱いで忘れてきたりしそうだけど、靴なんて。 そういえば、この間の旅行に行く時に、持って行こうとして袋か何かに詰めたような記憶がある。でも結局持って行かなくて、その後どうしたっけな。きっと家の中のどこかにあるのだろうけど、それにしても思い当たるところは全部探したのに。 秋冬向けの、ホーキンスのユニセックスなサボ。そんなに大切に扱っていたわけじゃないけど、華奢なヒールを履いた翌日や、ちょっと買い物に出かけたりする時に重宝していた。 - 君の窓を - 2001年10月30日(火) 君の窓を いつかは開けてくれないか いつかが来るまで ここで待つから ………… 時間が解決してくれるものは、本当はとても、考えつく以上にとても多いのだと思う。 針が進むのを待ってやれない状況が、それに負けないくらいありふれているだけで。 私たちの暮らす世界は、忙しくて、世知辛くて、理不尽でいっぱいだ。 けれど非難だけを向けることはすまいと、いつからか私は決めたのだ。 - 真珠を抱く天象儀 - 2001年10月29日(月) 紺碧の天象儀、一点の真珠色。眩しくて冷たい夜だ。思い出す人もいない。帰り着くはずの家からはどんどん遠くなるのに、距離に比例してこころは澄む。 - 想い合っても孤独 - 2001年10月27日(土) 道はいつも二つあった どんなに深く 想い合っても孤独 ………… あげられるものなら、なんでも渡す。身を切ってでも。痛い思いくらいなんでもない。だけど今のあなたに要るのは、そんなものじゃないんだね。 私達が完全にべつべつの生き物だと、こんな風に寂しく思い知る日が来る事を、どうして一度も予期せずにいたのだろう。 - 生きている限り - 2001年10月26日(金) 疲れ果て 夢も見ぬ夜に 問うてみる 生きている限り 生きてゆくんでしょう ………… 自分の望む方に向かって生きている、そう知っていても、どうしようもなく疲弊する事だってある。命があるという事は、常に芯から精一杯に生きて行かねばならないということだろうか。夜に浸食される見知らぬ町並み、その中でひとり何かを見失う感覚。指針は今もわたしの中に生きている、それは確かなことなのだけど。 - 雪の底にて - 2001年10月24日(水) あおのいて 瞼の帳(とばり)を 下ろそうか つめたく深き 雪の底にて ………… - 花闇の - 2001年10月23日(火) 花闇の 渦中と見えにし この恋の 行方(さき)はイバラぞ 凛と燃えゆけ ****************** ********** *** * 妹の日記が相変わらず面白すぎる。 本人も自覚している文句ナシ待ったナシの馬鹿な妹ですが、それにしても愉快な毎日です。 親が見たら頭を抱えるような内容ばかりなのですが…。 (ハタチ過ぎても薬物は禁止だって、わかってるのかしら……そして殺人を前提にしたストーカーに荷担するのは危ないので、お姉ちゃんやめてほしいな…) そして夢に見たからって他人のセックスライフに突っ込み入れるのはどうかと思われる。 - かわいい、かわいい、妹の日記。 - 2001年10月21日(日) 妹がエンピツで日記をつけ始めた。 ああもう、かわいい、楽しい、愛しい、そして何より面白い…。 離れて暮らしていてもしょっちゅう連絡を取り合っているものの、日記を読むとやはり毎日どんな風にしているのかわかって、嬉しいものです。その内容がまた、抱きしめて頭を撫でたくなるようなものばかりで、私の大切な楽しみが1つ増えたのは間違いない。 そしてどんなに近しい人でも、書いたものを読むと今まで知らなかった意外な一面を発見するものだなあと、妙に関心している今日この頃。 - いまならわかる - 2001年10月20日(土) 去年の今日 あの場所にいた幸せを いまならわかる そう思うけど ………… 懐かしい場所を訪れて、胸を斬りつけられたような気持ちになる事がある。そこで流れていた時間がどんなに大切なものだったか、その時にだってわかっていたつもりでも、まるでそれが隙間だらけの未来展望に裏付けられた幼い感傷でしかなかったことに、後になってみれば愕然として気付く、これはそういう事なのだ。どれだけのものをそこへ置いてきたかと言うよりも、どれだけのものがその時にしか得られない性質のものだったかと。 そうやって時間の不可逆性を思う時、人はどうしようもなくひとりだ。 時よ戻れと、祈る神も私にはないのに。 - 寂しい星 - 2001年10月17日(水) 君をなくし それでも回る 星ならば この舌を抜け 二度と歌わぬ 寂しくて ゆきばもなくて そのままに 星も砕けよ 胸も破れよ ………… 寂しい星よ、彼の人を失えば途端に私は孤独の涯で生きるしかないのだ。胸も破れよとみずみずしく恋をしたその地が、瞬時に色を失うさまを私は絶望に暮れて見遙かすしかないのだ。 - 百年の夕べ - 2001年10月16日(火) 花満ちる眠りの庭に まぼろし落ちて 百年の夕べ ****************************** ***** * 紅玉という名の、真っ赤で小さな林檎が届いたので、早速食べる。 この品種は酸味が強くて、アップルパイによく使われるのですが、酸っぱいもの好きな私にはとても好みの味。 今日の詩(と書くのもとても恥ずかしい)は、大学生時代に書いたもの。 夢十夜の第一夜目が元になっているのだったと思います。 とても好きで。 - あなたの涙を - 2001年10月15日(月) 誠意には 代えられないと 知ってても あなたの涙を 見せてと言おうか ………… 泣いて見せてくれと、そう告げた瞬間に破綻するだろう。それはわかっている。本能とか経験とか、もうそんなレベルではなくて、重力に逆らえなくてオーバーペースで坂道を下っている感じが、随分前から私にだけリアルだから。 - あなたは何かを - 2001年10月14日(日) 足下と 先の見えない 不安さえ いつも未来と 共にあったね 首を振り 快楽主義者の 笛を吹く あなたは何かを 忘れているんだ ………… 成長すれば、置いてくるものだってある。それは自然の成り行きだし、そうせざるを得ないこともあるから。 大切なのは、置いてきた事を覚えているかどうか、なのではないか。 - 世の真ん中を - 2001年10月13日(土) 君の笑う 声かがやける 一瞬よ 世の真ん中を 今見つけたり ………… 隅から隅まで胸を暴かれ、照らされるような気持ちになる。僅かに風が吹いている。 私にとってしか真実でなくとも、世界の中心はここだ。 - 胸の棘 - 2001年10月11日(木) 優しいと 言われる人の 胸の棘 無数に喰らう 喉の赫さよ *************** ********* ***** ** * …今日、顔がウサギに似ていると言われた。しかも複数の賛同を得て。 どういう事だろう。 ウサギはとても好きなので、どちらかと言えばまあ嬉しいのだけど… ………うーん、どうなんだ。 - 篭の鳥は - 2001年10月10日(水) 篭の鳥は 心から啼けぬと 嘆きつつ 篭の内でしか 生きていかれず ………… - 君よ鳥よ - 2001年10月09日(火) 君よ鳥よ 羽を一枚 残し去れ 飛べはせずとも 空を思える ……… 君の見る景色は、胸の痛みさえ知らない幼子の描く憧憬そのままの形でそこにあるだろう。そして無限を知り、これまでに偽りを説いたすべてを棄却して羽ばたくだろう。 けれど私は一緒には行けない。 だからその羽を一枚抜き取る刹那の痛みだけ、私に許してはくれまいか。 - いつかに似ている - 2001年10月08日(月) 夕暮れを 待って月夜の 明日を知る 今日は何だか いつかに似ている ********************* ******** ** * 見たかった映画が恐ろしく混んでいて、雨だしとデパートなどに入ってしまった所、色々と衝動買い……… ああ、久々にやらかしてしまった。 嘆息。 …でも幸せなんだ、それは事実だ。しょうがない。 - 地平まで花 - 2001年10月06日(土) ありがとう ありがとう 世界を満たすこのあまやかな 喜びの数を並べたならば やわらかな色の花たちが 地平まで果てもなく広がるだろう 生まれてきたその幸運を 夜空はまたたいて歌うだろう ありがとう ありがとう ありがとう ………… 世を満たす このあまやかな 歓びを さあ並べよう 地平まで花 - 胸焦がすほどに - 2001年10月05日(金) ささやかで 当たり前の事も 今ならば 胸焦がすほどに いとおしい日々 *********************** ******* *** ADSLに切り替える為にLANボードを付けたら、どうにもちゃんと認識してくれない…。 うーん。 しょうがない、もう一度ハード開けるか…。面倒だなあ。 - 夢の話のつづき - 2001年10月04日(木) 壊れた船から投げ出されて海中に沈んだ人々が、やがて必死に浮かび上がって来て、私の掴まっている(しがみついていると表現した方が適切かもしれないが)船の残骸に縋ったり、その破片を見つけて浮き具の代わりにしている。 海に投げ出されたのは、十数人。そのほとんどの人が、何とか海上に顔を出しているようだった。 けれども、どう見渡してもそこに弟の姿はない。 私はもうほとんど恐慌状態だ。必死で何度も弟の名を叫ぶ。応答はない。 海の色は深く、どこに何が沈んでいるのか全く見えない。 また一つ、海から顔が浮かび出る。祈るような気持ちでその人を見たが、全く知らない顔だった。凄まじい失墜感。 私は一瞬、ここにいる人などすべて無くてもいい、見たいのは弟の顔だと思う。 そこで夢は終わる。 なんという残虐さだろう。 私が私を、人間を恐ろしいと思うのは、まさにこういうことなのだ。 狂おしいほどに愛しいと思う人の為になら、他を切り捨てる事など厭わない、その傲慢さ。 世が平静であるときのうつくしい倫理など、そこではものの見事に砕けてしまう。 -
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