みかんのつぶつぶ DiaryINDEX|past|will
バス停の後ろには線路があって、その線路沿いにはこんなお花が咲いていて。いつもとは違うバス停から乗ろうと思ってこの道へ下りてきた。でもいつもは通らない。なぜかというと、このバス停へ渡る横断歩道の脇に、お花がお供えされていて。ひき逃げ事件の看板は撤去されたけど、いつもお花が絶えることなく置かれていて、亡くなられた方のお父様が、供えてくださる方々へメッセージを残されている。 しゃがみこんで読むこともなく、ただ、渡り際に視線を落としたら目に入ってきたその文字たち。何食わぬ顔で白い線を渡る私。ご冥福を祈りながら知らぬ顔して。 この花を見つめるヒトの心を感じるのだろうか 黙って咲いているこの揺れる花 闘病記をこちらの日記へ移動中。少しづつ。 今日は、もう歳をとらない彼と同じ40代になる。
彼のことを知っている私の知らない人を、私が知っている職場のYさんは知り合いだという。世の中は広いようで狭いねえとありきたりの感動。彼の死を惜しむ言葉が妙に有り難くて新鮮な感じを覚えた。元気だった彼の姿を思い出にしてくれている人がこの世の中にいるということの実感と。
外へね。 出てみたの。 それでね。 どうしていつも外を歩くと こんなに悲しい気持ちになるのかと いつも考えていたら 今日ね、 その答えが見つかったの。 私が駅や街を歩くのは、 いつも病室へ行くときでね。 外へ出たら行く場所があって そこへ行けば彼が待っていて 待ちわびていて。 いつも急ぎ足で歩いていて いっぱい汗をかきながら歩いていて 何か喜ぶ物を買っていくのも楽しみで それを道々考えていて。 いまは、 いくら街を歩いても、 辿り着かなくちゃいけない場所がなくなって。 いくら急いで歩いても、 彼が待ってるわけじゃなくて。 行く病室もあるわけじゃなくて。 自分でも気づかない気持ちが、 そっと泣いていたのに気づかなかったんだね。 野良犬のような気分になるのは、 そんなわけなのかも知れないと。 そう気づいて見上げた空は、 雲のかげに夏の色。
みかん
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