【読書記録】灰谷健次郎「天の瞳幼少編1」

暖かくなる小説。もう五年以上昔、まだ私は倫太郎に感情移入して読んでいました。けれど今では芽衣さんの視点で捉えている。ふと気がついたときには、私は芽衣さんの年齢になり、子供はいないのではないかと思い、彼女の年齢であれほど子供をしっかり捉えることはできないなという虚ろな気持ちになる。けれど、私はこの作中ではじいちゃんの言葉が特に好きである。子供に伝えるべく身の回りのものを例に挙げて、わかりやすく、素直に気持ちに溶け込むような語りかけにはじいちゃんの言葉は味があると思う。倫太郎は、もちろん彼の天真爛漫さがあってのことだが、保育園然り、親類や友人にも恵まれていたように感じる。「消しゴムのシーン」の彼がとても印象に残っている。
p341/新潮社/96.01
2007年06月28日(木)

【読書記録】恩田陸「チョコレートコスモス」

どこかの書評で『これはガラスの仮面だ!』というのを読んで、そうなのか〜と思いつつ読んでみたのですが、序盤はみんなばらばらでこれは間を空けてのんびり読む本ではないなぁと危機感を覚えつつ読みました。(序盤は間が空くと登場人物の名前だけが浮いてしまいそうになる気が…)ガラスの仮面のごとく、恩田さんにしては珍しい?ミステリではない演劇もの。次の瞬間、この子は何をするだろう。この人は何を思うのだろう・感じるのだろう。中盤も過ぎると名前も定着して、次の展開がひたすら楽しみになって、あとはあっという間でした。恩田さんのいうエンターテイメント性はとても高く、面白かったように感じます。
p516/毎日新聞社/06.03
2007年06月17日(日)

【読書記録】大崎善生「優しい子よ」

白血病に犯された十歳の少年と、ある日突然倒れた三十歳年上の友人についての短編四つ。…大崎さんは、小説から入ったので今回の作品で著者がノンフィクション作家だということを知り、彼のノンフィクションはきっと読み応えがあるのだろうなぁと思わせる何かを今回感じた。
p213/講談社/06.06

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我ながら、かなりメモに近い感想で申し訳なく;

>直る見込みの低い白血病に冒された少年は、TVで自分と似た境遇を体験したという筆者の妻である女流騎士に手紙を書いた。「僕もがんばります。先生の足が痛くならないようにお祈りします」つたない文章にあふれる少年の純粋な言葉に胸を打たれる筆者たちだったが…。

という内容だったと思います。
2007年06月08日(金)

ワタシイロ / 清崎
エンピツユニオン