2009年05月30日(土) |
お買いもの中毒な私! |
● お買いもの中毒な私! 監督: P・J・ホーガン 声の出演:アイラ・フィッシャー/ヒュー・ダンシー/クリステン・リッター
恋も仕事も頑張ってます。でも、お買いものだけはやめられない!
25歳のレベッカは、一流ファッション誌の記者になることを夢見る普通の女の子。しかし、現実は地味な園芸雑誌の編集者。レベッカは、毎日のストレスを大好きなお買いもので発散していた。そして、月末になると請求書の山と支払い催促の電話に悩まされるのだった。こんな自分を変えたいと、一念発起したレベッカは転職活動を開始。憧れのファッション誌に入るため、同じ出版社のお堅い経済雑誌の編集者として働き始めることに…。
世界中でベストセラーを記録しているソフィー・キンセラの「レベッカのお買いもの日記」シリーズを映画化。ロンドンからニューヨークへ舞台を移し、お買いものがやめられないヒロインの恋も仕事もゲットしちゃうサクセス・ストーリーを描く。不純な動機で、経済雑誌編集者になったヒロインは、買い物から得た知識が武器になり、経済ジャーナリストとして大ブレイク。しかし、カード会社からの支払い催促がついに会社にまで…。レベッカを演じるのは、『スクービー・ドゥー』などで人気沸騰のアイラ・フィッシャー。スターを育てるのを得意とするジェリー・ブラッカイマーがプロデュースしているだけあり、将来有望のキュートさだ。
●ミルク 【監督】ガス・ヴァン・サント
出演:ショーン・ペン/エミール・ハーシュ/ジョシュ・ブローリン
1970年代のアメリカで、変革の種を播いたハーヴィー・ミルクの生涯
1972年のニューヨーク。金融や保険業界で働いていたミルクは、20歳年下のスコットと出会い、恋に落ちる。二人は新天地を求めてサンフランシスコに移り住み、小さなカメラ店を開店。そこはたちまち同性愛者やヒッピーたちのよりどころとなり、ミルクは彼らを快く思わない保守派に対抗した新しい商工会を結成する事になる。社交的でユーモアにあふれたミルクは、近隣住民の抱える問題に、政治的により関わりを深めていく。
『ラストデイズ』などの、より実験的な作品に時間を費やし、本作で久々にメインストリームに帰還した感のあるガス・ヴァン・サント。ゲイである事を公表しながら公職に就いたハーヴィー・ミルクの生涯を、優しく観察し物語を紡いだ作品。特筆すべきは、ショーン・ペンが全編を通して見せる愛嬌のある演技。アカデミー賞のみならず、多数の映画賞を制覇しているペンの熱演は一見の価値あり。これまでゲイ・コミュニティーや社会の前衛的問題に興味のなかった人も、本作でミルクの人物像に触れれば、関心を持つだろう。今なお尊敬されるミルクの愛すべき人柄をフィルムに焼き付けた監督の手腕に感服し、映画化にこぎつけた彼の執念を感じ取りたい。
●GOEMON 【監督・プロデューサー・脚本・原案・撮影監督・編集】紀里谷和明
出演:江口洋介/大沢たかお/広末涼子/ゴリ ブラッド・ピット/ジョージ・クルーニー/ジョン・マルコヴィッチ
『CASSHERN』の紀里谷和明監督が 天下の大泥棒・石川五右衛門を大胆にフィーチャーした歴史ロマン大作
1852年、豊臣政権下。世は火種を残しつつも、一時の平和を謳歌していた。そこに彗星のように現れた天下の大泥棒・石川五右衛門。超人的な身体能力を武器に、金持ちから盗み、貧しき者に分け与える彼を民衆は義賊ともてはやし、熱狂していた。そんなある夜、紀伊国屋邸に盗みに入った五右衛門は南蛮製の箱を手に入れる。ただの空箱だと思った五右衛門はその場で投げ捨ててしまうが、その箱こそ信長暗殺の真相につながる禁断の箱だったのだ…。
『CASSHERN』から5年ぶりとなる紀里谷和明監督 最新作は、自由なイマジネーションで安土桃山時代を捉え直した、奇想天外な歴史ロマン大作だ。プリプロ、撮影、編集、ポスプロなどの制作に3年、セット数100、CGカット2000、エキストラ1000人、総スタッフ数300人というとんでもない製作規模で作り出された本作は、どのカットもスキがなく美しい。デコラティブで絢爛豪華、時にヨーロッパや古代ローマの匂いがする美術や衣装に負けず、役者陣の演技もまるでオペラのように派手。人々の思惑が錯綜し、欲と業がうずまくストーリーも、シェイクスピアを彷彿とさせる重厚さだ。生々しい人間ドラマを盛り込んだことで、CGを多用した作品にしっかりと血が通った。
2009年05月04日(月) |
バーン・アフター・リーディング |
●バーン・アフター・リーディング 【監督・製作・脚本】ジョエル・コーエン/イーサン・コーエン
出演:ブラッド・ピット/ジョージ・クルーニー/ジョン・マルコヴィッチ
コーエン兄弟が豪華キャストを迎えて描く、予測不能なドタバタ劇
CIAの機密情報が書き込まれた1枚のCD-ROMを、勤務先のフィットネスセンターで拾ったチャドとリンダ。チャドはそれを利用して一攫千金を狙う大胆な計画を思いつく。そのころ、元CIA諜報員のオズボーンは、機密情報の紛失にうろたえていた。一方、オズボーンの妻ケイティは、財務省連邦保安官ハリーと不倫中で…。
『ノーカントリー』でアカデミー賞作品賞ほか主要3部門などを受賞したコーエン兄弟が放つ“ドタバタ”クライム・コメディー。CIAの機密情報が書き込まれた1枚のCD-ROMをめぐり、様々な人々の思惑が絡まり合い、衝撃の結末へと突き進んでいく。出演は『オーシャンズ』シリーズのジョージ・クルーニー、『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』のブラッド・ピット、『ファーゴ』のフランシス・マクドーマンドら。演じる俳優をそれぞれ想定して書かれたという個性豊かなキャラクターたちと、彼らがたどる運命の行方に注目。個性的な俳優陣の中、特にチャーミングなのはブラッド・ピット。筋肉オタクで頭の中は空っぽという役どころは新鮮で見逃せない。
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