**Secret**..miho
なりたい自分
2006年11月01日(水)
「物には、そのモノのなりたい形があるんだよ。」
講釈好きのお父さんが、よく偉そうにそう語る。
何か創るにしても、そのモノに触れているだけで、
そのモノのなりたい形が見えてくるものだって。
つまり、それが、そのモノのあるべき自然の形。
それに逆らおうとすると、とっても不自然になる。
意外性を求める現代では、まさにそこを突いて
次々と新しい発明をして開発していっているけど、
その基盤には必ずそのモノのあるべき元の姿が
潜んでいるという事を忘れてはならないと思う。

人間も同じで、生まれながらに持っている身体と人格を基盤に、
それぞれ成長するにつれて、なりたい理想の自分を実現させていく。
持ち合わせている能力も様々なので、開花の仕方も十人十色。
人間の場合は、個体に意志が宿っているから、モノとは違って、
自分の自由意志で好きなように思い描いて選択する事ができる。
それ故に、理想と現実の壁にぶつかって葛藤する事にもなるだろう。
みんながみんな、思い通りに生きられるはずなんてないもんね…

私は、今だに「なりたい自分」になれずにいます。
自己抑制力が強すぎてまともに考えられないのかもしれない。
物心が付いた時には、もうすでに人生の迷い人になっていた。

世の中には、もともと敷かれているレールの延長線上を
歩んで行くだけで順調に夢を叶えられる人もいるのにね。

まだ難しい現実の事なんて何にも考える必要のなかった幼児期、
誰もが無邪気に「将来の夢」を語っていたのと同じように、
私も人並みに「なりたい自分」を思い描いていた時期があった。

お絵描きが好きだったので、絵描きさん。
教えるのが好きだったので、学校の先生。
人の世話が好きだったので、お医者さん。

それから、平凡だけど、大好きな人のお嫁さん。
(これだけは、ずっと変わらなかったかなぁ…)

当時は、まだまだそれくらいだったかな。。
幼い子供にしては、ちゃんと自分の素質と向き合って、
それを理由にして「将来の夢」だと考えていたみたい。
昔から現実主義だったのかな…未知の世界に対しては
引っ込み思案で、イメージする事でさえできなかった。
そういう意味では、心が縮こまっていたんだろうなぁ…

だんだん大きくなるにつれて自我に芽生え、
ますます自分の夢を語れなくなっていった。
あまりにも私の中で現実が濃くなりすぎて、
夢や理想の居場所がなくなってしまったの。

私には絶対無理。無駄な事はしたくない。
そうやって、勝手に決め付けてしまった
ために、何もかも諦めざるを得なかった。
少しでも自信を持てていたら頑張れていたかな…

その反面で、他人に対する想いが強まっていっていた。
自分は嫌いだけど、他人の事を考えていると幸せだった。
何をするにも他人のためだと理由付けるようになった。
いかに他人を思い遣れるかが自分の存在意義だと信じた。

そうやって、自分の中から自分を切り離していって、
大切な人で埋める事によって自分を満たしていたの。
相手を喜ばす事、相手を幸せにする事、相手の笑顔、
それらが、私の生き甲斐であり幸せの基だったから…

学生時代、学年で10番以内とか、それなりに良い成績を
修めていたけど、それは親や先生を喜ばせたかったから。
ただそのためだけに、一生懸命にお勉強を頑張っていた。
それらを、もっと将来の自分のためにと活かせていたら、
今とは違った有望な未来が私を待っていたかもしれない。

自ら、秘められていた可能性という芽を摘んでしまったの。
自分なんてどうでも良いと他人の事ばかり考えていたから…
気が付いたら無力の私だけが残されて、難病にも侵された。

もっと早く自分の素直な心と向き合ってあげれば良かった。
そうしたら「なりたい自分」に気づいて大事にできていた??
それを叶えるために自分らしく直向きに頑張れていたかな??

でもね、それが解った今でも、やっぱり変わらないの。
私の存在は、大切な人の存在なくしては考えられない。

お世話好き、お節介焼き、
そんな性格だから、結局最後は
他人に帰するのかもしれないね。
他人の温もりを感じている時が
最も私らしく居られる気がする。

本当に、バカが付くほど他人本位な性格なのです(>_<)
異常なまでの人間依存症だと思われてもおかしくないです。
単体では意味もなく、独りでは生きていけないから…

でも、単なる甘えん坊や淋しがり屋じゃないよ。
ただ一緒に居るだけでは満足できないの。
その人のために存在する自分じゃないと嫌なの。

大切な人に必要とされる自分。
それが、私の「なりたい自分」。

そんなに多くは望んでいないよ。
たった1人でも構わないの。

全身全霊を捧げて、その人に尽力を注いでいたい。
それくらいの事なら私にだってできるもん。
それだけでも十分すぎるくらいに幸せなの。

大切な人が居るから笑顔で頑張れる私で居たい。

大切な人の存在が私の存在証明であって欲しい。


いつか、この夢が叶えられるといいなぁ…




m a i l



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