Stage Diary
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Yoshimi.Aが観た舞台の感想です。
レポートではなく感想だけを載せてたりすることが多いかも…。(^-^;


2004年12月28日(火) NINAGAWA『ロミオ&ジュリエット』&『SHIROH』

『ロミオ&ジュリエット』…あまりにも有名なシェイクスピア悲劇です。
そして、関係者らしき人にも見られている…と承知の上で私はまた呟きます。

『ラブコメにすらなりそこねの悲劇』…だと。

正直に言って、『ハムレット』が結構ツボにはまっていたからまた藤原君と杏ちゃんが主役で今度はどういう色になるのだろうと楽しみにしていた。
でも、前作があのおっそろしく儚さとは無縁なオフィーリアだっただけに私は『ロミオとジュリエットのキャストは逆希望〜』と言っていた。
今はどうかというと…

『やっぱりロミオとジュリエットは逆でお願いしま〜す!』

と叫びます。
…やはり、私の第一印象(でもないけど)は正しかった。

確かに、杏ちゃんは前作よりはまだ可愛らしくなってました。
…でも、相変わらず『恋する色気』はないもん。(ノ_;)

だから、どの人にこの逆キャスト説を言ってみても納得してもらえちゃいました。
『じゃじゃ馬ならし』ならともかく、あの健康的キャラクターでジュリエットやオフィーリアはちょっと荷が重過ぎるのではないかと思います。

まあ、演技力でいえば藤原君よりは上でしょうが…この子は体力も上…(−−;
舞台から降りて客席脇の通路を通って行く時、ロミオは息切れがもの凄いのにジュリエットは平然と駆け抜ける…客を睨みつけながら。
プロ根性としては誉めてあげますし、むしろこの場合、情けないのはロミオの方だけど…ロミオを押倒しそうな勢いのあるジュリエットはいや。(;;)
そして、健康的なだけに…白のノースリーブの衣装の時、脳裏に閃くのはやはりハイジ…アルムの野山をシュミーズで転げ回るハイジ…。(じゃあ、ロミオはハイジに振り回されるペーター…?(^^;;;)

もう、それで頭の中が埋め尽くされちゃって可憐な…と思っていた…ジュリエット像がガラガラと音を立てて崩れてゆきました。
だから…この年代の子の中ではダントツに巧いのはわかるけど、もうちょっとイメージってものも重視してください。

…ということで体力のなさげな、杏ちゃんより二の腕細い藤原君をジュリエットに希望(笑)。

第一に、藤原君はハムレットが抜けきれてないから短絡に恋だけに突っ走っていくロミオでもない…。
あれこれ悩んでおきながら弾みでジュリエットの従妹を殺しちゃった…っていうよりは何にも悩んでなくって家同士が仲悪いのだって何とかなると思っててその挙句に『あ、やっちゃった…』っていうお気楽さがあってもよかったんじゃないかな…。
私はロミオとはあれこれ悩んでいるように見えてもその根幹は能天気だと思っている。そして、その短慮で浅慮な考えのなさが後の悲劇に繋がってゆくのだ…と。
言い換えれば、ロミオさえもっと思慮深く大人でさえあればああいうラストにはならなかっただろうと…。
だから、どうもハムレットを引きずっているロミオは嘘臭い。

その他のキャストについていうなら…まず、ジュリエットの従兄とその取り巻きは…濃ゆい!
ロミオとそのお友達との対決なんて体格差がもの凄くって勝負にすらなりません。(><)
ロミオチームの身体はペラペラ…鈴木さんがロミオ側に入っていたのが唯一の良心…という感じがしました。
ジュリエットチーム(笑)のが逞しく、『筋肉とはこういうもの』って教えてくれてるかのようなというか、『役者』と『タレント』の差っていうか…まあ、それほどに違いました。
ロミオ達なんてひょろひょろでちょっと突かれただけで転びそうっすよ〜。(><)

マキューシオもペラペラ…身体を出すならもっと鍛えてきて欲しいところです。
演技は悪くないんだけど、体力なのか肺活量が影響するのかブレスの取り方があまり巧くなくてそのせいで長台詞が所々鬱陶しく感じました。
…先生、若い力に投資するならちゃんとそういうところまで面倒見てあげてください。他の劇団で育った人を掻っ攫ってきて、それを盗ませたり面倒みてもらおうってのはよくないよ。ちゃんと細かなところまでチェックしてあげなきゃいいものは出来ないんじゃないですかー?

…っていうカンジで。
後のキャストはベテランの方ばかりで安心して観れるのにな。
でも、それって主役がへたれだからベテランで脇を固めるしかないってことですか〜?

だから、私は『千秋楽』のチケットを取ったはずだったのに、あんなに『中日のマチネー』のようなだれ具合だったんですか?

カーテンコールではアンコールがあってスタンディングオベーションもされて、蜷川さんもニコニコと舞台に上がってましたが、私的にはスタンディングをするような舞台ではなし!
…とばっさり。

しかし、付け加えておくと私が座っていた周辺は『藤原竜也を観に来た客』であり、『ロミオとジュリエットを観に来た客』ではない。
そして、彼女に引っ張ってこられたと思しき男性もスタンディングオベーションをしてたのは周囲が皆、立ってしまったからつられて場の雰囲気に倣って…という感じ。
まあ、あの生温い熱の中でスタンディングをしてなかったのは私達くらいのものでしたが。
いくら老獪な巨匠と言われていても、評価は甘やかしちゃいかん。
そういうことして年寄りを甘やかすから、日本という国は耄碌爺ィが跋扈するのです(笑)。
多分、主役のキャストが逆だったら…こういう毒吐きしてないで『ブラボー蜷川先生〜♪』とか言いながら、シートの上に立ち上がるほど愛が溢れていたんでしょうけど(笑)。
いや〜、そういう意味では本当に残念だったなぁ。



そして、夜の部で『SHIROH』…本当は観に行くつもりじゃなかったんです。
あらすじを見て、天草四郎という題材にはちょっと惹かれたけど、歴史ものという訳ではない、その何やらファンタジーめいた内容に『?』でした。
そして、某キャラメル色になりきれていない方が歌えるとは思わなくて(笑)滑って転んでるかもしれないとか…ファンに知られたらボコられそうなことを思ってたのもあったし、はずれというかB級娯楽かもしれないという危惧ももっていました。

でも、どうしても気になって…。
何か目には見えない、訳のわからないパワーが働いていたとしか思えない。<よくあることです(頻繁にあっては困るが…)

しかも、この日のもう1本が『当たり外れの大きな蜷川さん』だから保険の意味もあったというか…新感線は以前に1回だけ観に行ったことがあって、その時の衝撃の強さを忘れていなかったというか…とんでもない個性の人ばかりだから面白そうだと思ったというか…まあ、一番の理由は衝動です。
Passionともいいます。(苦笑)
だから、チケットを取ったのも今回もまたかなり遅くて、全然いいお席が残っていなかったので1階席後方の端っこになるよりは天井桟敷の天辺でもセンターで観劇しましたが、その判断は正解だったようです。
後ろ…というか、天辺でもよく見渡せました。
ロックミュージカルと銘打たれていただけあって、照明が派手で、もろに目に入ってくると痛いほどでしたが。

内容は…面白かったです。
予備知識はなくとも楽しいってのはいいですね。
歴史的には所々拳を握ってましたが。
歴史物という意義は全くないし、もういい歳になっている上川さんが16歳で死んだはずの天草四郎ってことにはどうしても『……(▼▼メ)……』というリアクションをしてしまいますが、エンターテイメントという点では楽しかったです。
でも、やはりその痛快さにB級とはつけないけれど、呼ぶに相応しい語感は『娯楽』なのか。

あっきー(呼ぶときはカタカナニュアンスになるけど、字面はひらがなのが可愛い。そして少しでも検索避けになりますように…)と上川さん…あれだけ歳も個性も違う人が錯綜して伝えられてたというには無理があります。
せめて、もう少し若いあっきーと似たイメージの人にやって欲しかった。<キャラ的にあっきーは変更不可で
あっきーは『Mozart!』の時は鼻の高さが気になって公演は観に行かず(笑)大千秋楽で歌を聴いただけでしたし、しかもその時のPOPSな歌い方なのが気になったけど、『キャンディード』でも歌は成長していても演技が小さくまとまりすぎてるのが気になったけど…まあ、観るたびに舞台に慣れて成長の度合いは感じられると思うので、むしろこれからが何処まで伸びるかが楽しみなのかも。
ただ、あっきーはもっと鼻が…だったらと思うのに惜しいよねって思います。
…誰が言ってたのかな…『鼻は重要なファクターです』って。
だからといっていきなり整形されてたらショックだと思うけど(笑)。

そして思ったとおりもう一人のSHIROH…キャラメル色になりきれていないあの方は喋れるけれど、それで女の人を引っ掛けられるほどだけど………あまり歌えない人だった。

しかし、キャラメルにいる時よりもその立ち居振舞い、キャラクターには違和感なし。

…周囲のアクが強いから。(^^;

キャラメル公演だとどうしても周囲の人を差し置いて一人だけフロントに出ようとするのが目立つが、このカンパニーはそんな人ばっかり(笑)。
皆がそれぞれにフロントに出よう出ようとしているので全然気になりません。
…むしろ、どうせ皆がフロントに出ようとするのだから、もっとあっきーや洋平君にフロントに出てきて欲しい。<若いかわいい男の子は潤いです。

色々なところの人がミックスされているからしょうがないのか…新感線の舞台というには少し毒が薄まっている感はありましたが(笑)、相変わらずソウルフルでそのパワーは健在でした。
かっちりまとまった舞台ではないけれど、だからこそ個性が生かされていて面白いのかも。
でも、観ないまでも新感線の動向は時々チェックしていたというか、アクが強いところだからイヤでも耳に入ってきた…って感じだったんですが、ロックミュージカルとはいえ、漸くのミュージカルなんですね。
発声も立ち居振舞いもなってないような…歌えない、踊れない、喋れない、芝居ができないどころか満足に歩くことも出来やしないアイドルの舞台にミュージカルという冠がくっつけられるのなら、新感線の方が余程ミュージカルと呼ぶに足ると思うのです。
もっと前から堂々とミュージカルを名乗っていてもよかったと思うのですが。
でも、これを機に今後もっとミュージカルを謳ってくれればいいなと思います。
…だって、日本はまだまだミュージカルの肩身が狭い、芸術音痴の国だから。

帝劇の舞台は広くて、国産のオリジナルミュージカルを上演した際にはその舞台が広くて、空間が余っているように感じられることが多いのですが、これは舞台の大きさと作品のスケールがマッチしていると思いました。
美術もすごかったですし、舞台にいくつものモニター…というか、TVのがわかりやすいかな…が置いてあってそれに現代の街や戦争やいろいろな画面が映し出されたり、文字が流れたりするのも非常にメッセージ性があって面白かったです。

チラシやプログラムに使われていたモチーフのギターもロビーに置かれていましたが、幕間や終演後は人だかりがすごかったです。
それに見合うだけの精巧な作りでしたので、納得はできますが。
皆さん、携帯電話で一生懸命にパシャパシャと写してましたが…私はそこに近づくまでの根性も持ち合わせてはおらず、尚且つ新しく変えた携帯はやはりあまり綺麗な画像ではないので写してきませんでした。
…でも、この観劇後に銀粘土をはじめたのでモチーフの参考に写してくればよかったかも…。(><)

本当に退屈知らずで面白い舞台だったので、ぜひともまた再演して欲しいですが…しかし、再演の際には伊豆守様のお歌をどうにかしてあげてください。(TT)<切実

ええ、この人の前にはまだキャラメル色のあの方も爽やかな歌声に聞こえましたとも。

演技はそれなりで、いかにも腹黒い悪代官然とした様は役柄にぴったりでいい味をだしていたと思うのですが、でもお歌が〜…お歌が〜…(T△T)
CDを流しているかのような歌い方よりは好感が持てますが、あれだけ芸達者な人達がいるとどうしてももうちょっとこう…一味加えて欲しいと思います。
壊滅的に音痴な訳ではないのが救いですが、せめて一本調子な音程を何とか…してくれたら…。
やはり、ミュージカルはPOPSでもなんでもいいから、最低限歌える人が出演してくれなくては…。(――;

あと、このミュージカルは度肝を抜かれることが多かったのですが、バンドの方にも驚きました。

某悪魔だった人が混じっている!(笑)
かなり最初の方で音は以前にどこかで聴いたような気はする…と思ってはいたけれど、顔を見ても全然まったくさっぱり、わかりませんでした。以前のあの悪魔顔しか知らないので。

…アーティストなのにむちゃくちゃ地味?
以前のインパクトを差し引いても、その辺で一般人に埋没してそうです…。
あの顔にしていた理由がわかりました……。

まあ、それはいいとしてこの日は前楽だったのですが、マチネーの舞台よりも私の中では盛り上がっていて、会場の熱気もかなり大きかったのでどちらが千秋楽だったのかわかりません!

物語の進行中はイマイチどこかかみ合っていない部分があると思っていたあっきーと上川さんでしたが、ぴょーんと飛び上がって客席の後ろの方まで届くような投げキッスをするあっきーと、会場の女性客は皆俺のファン、そうはさせるものかとそのキッスを奪う上川さん…惜しいな、最後まで噛みあってません。
上川さんが邪魔するちょっと前にキッスは飛んでいったのでタイミング的に掴めてませんでした。
でも、最後はその邪魔した投げキッスを自分の口に放り込む仕草をしてらしたので…あっきーのキッスが欲しかったんですか?(笑)なんてことも思ったり。
最後まで楽しませてくれました。
あとはお歌をもうちょっと頑張ってくださいね〜!

そして、この日の観劇でどちらがより楽しかったかと聞かれれば…こっち。(^^;

私は根が庶民なので、巨匠の芸術よりも庶民の娯楽を愛してるんですー!
今年最後の観劇は充分満足のいくものだったのでそういう面でもいい年だったな…と思います。



2004年12月19日(日) 『レ・ミゼラブル』 in コンサート 

『レ・ミ…』パッションウィークの最後は今井ヴァルジャーン。
実は、3日ほど前にこの日こそ、今ちゃんがジャベールだと思い込んでいて、前日の夜に中日のHPでキャスト確認したら日曜日は村井ジャベールで、土曜日が今ジャベールだったから、『日にち間違えたー!チケットをふいにしたーっ!もったいないことしたー!』などと焦って慌てて財布の中のチケットを確認した…という道化たことをしてしまいました。
残りのチケットは7列目…こんな場所を空席にしてたのでは、出演者やスタッフや観れなかった方に申し訳なさ過ぎます。
…それ以前に泣くから!.。・(><)・。.

しかし、チケットはちゃんと日曜の昼公演のもので、私はしっかりとこれからまだまだ観られるであろう今ジャベールよりも、この先はもう会えないかもしれない今アンジョルラスを選んでました。
…でも、もしも我儘を言っていいなら今ちゃんがやった役で一番選びたいのはフイイだけど(笑)。

しかし、実際に空席だったのは私の前の席…。

またですか…?
私の前じゃいやなのですか?<誰かはわからないけど
木曜日も空席…おかげで観やすくっていいんだけど、何故か蟠るものが……。

しかし、こんなボケたことばかりをしていたんじゃ目もあてられないので…やはり、人間というものは適度に休まねばならない生き物だと思いましたよ。
キャパを越えてあれこれしていてもロクなことにならないのです…と言ってる端から『グッズサイトを作りた〜い』などとほざいてますが。その準備もあれこれしてありますが…。(^^;<自分の描いたキャラクターですので、お間違えなきよう…<誰に言ってるんだか…

そして、肝心の今井ヴァルジャンは…まんまヴァルジャンだよね…。
その恰幅(笑)と落ち着きとかだけで、別にメイクとか要らないんじゃあ…とか思ってしまいました。(^^;
テナルディエの宿屋の場面では昨日の祐一郎さんとはうって変わってテナルディエのことを歯牙にもかけてなかった素振りなので、構ってもらえなかった亜郎さんは寂しそうでした(笑)。
…今井さんって役に誠実なところはいいけれど、そういうところがスクエアなんだと思う。
でも、前日のあれは祐一郎さんだから笑って許してもらえることなんだよな。きっと…(―_―;

村井さんはお久しぶり…さすがさすが貫禄のあるジャベールでした。
今井さんと村井さんとの組み合わせがキャラクターや声なんかが一番しっくりくるという思いでした。
でも、だからといって私のヴァルジャンが変わるわけではなく(笑)。<それは絶対不動です
観ていて安心できる…というのか。
敵対しながらも認め合っている関係…そういうのが透けて見える演技。
やはり、かつて二人ともジャベールをやっていた時に一緒に遅くまで残って練習したりした仲だからですか…?ある意味、戦友に近い…?(笑)
でも、馴れ合うような感じではないから、適度な緊張感があってこの組み合わせっていいなぁ…って。

そして、村井さん親子共演をはじめて見ちゃった。
でも、ジャベールとアンサンブルなので内容ではあまり接点はないんだけど。
村井さんの娘さんの方は…ご両親がああいう方々の割には大人しいんで吃驚。
ごめんなさい…中身はもっとアクが強いと思ってました。
見た目はお母さん似なんだけど、その外見のイメージのままっぽいくらいに大人しすぎちゃって…アンサンブルにしても、もう少しパンチが欲しいような…でも、村井さんはお嬢さんを気にしないようにしてるっぽいし、麻友美さんの方はしっかり避けている(笑)…んだけど、カーテンコールの時に皆に近くに押しやられてました。でも、思いっきり避けて逃げている。
そして、その時に『この子が村井さんの娘さんだよー』って指をさす今井さん(笑)。
でも、あそこまでお父さんを避けなくてもいいのに。
いきなりコゼット役とかならともかく、アンサンブルじゃあまり七光とか思わないのにな…。
でも、村井さんが娘さんのことが可愛くってしょうがないってのはよくわかりましたよ。
やはり…『エリザベート』のあのパパの表情は娘さんのことを重ねてましたね?(^^)

今日の公演のお席は今ちゃんに取ってもらった(笑)のに、アンジョルラスのお席が一番遠い…。
そして、前にはマリウスやエポニーヌやコゼット…。
う〜ん、なんだかな…と思いながらもマリウスは戸井さ〜ん、おっかえりなさーい!<でも、好きだったのはグランテール(笑)。
いやいやいや…アンジョルラスの見せ場のところではこちら側から出てきてくれるのでいいんですよ。
一番かっこいいところはしっかりと観えるというのか…例え、座ってる時でもマダムと談笑したりして、ジャベールやアンジョルラスでは振り撒かない笑顔を振り撒いてたとしても…間近で歌が聴ける方がいいですよ……多分。

で、改めまして戸井さん、おっかえりなさ〜い!マリウスという役にはあまり食指は動かないけど、でもやっぱり好きだ〜。歌はちょい落ちだけど、あれこれ迷うマリウスの時の雰囲気は好きな方かも。
…でも、実際にああいう男がいたら飛び蹴りしてそうですが。
戸井さんに関してはいい加減にファンクラブに入った方がいいのかどうかが目下の悩み…。(―m―;

エポニーヌが死んで、アンジョルラスが慰めるところの触れあいは少なかったけれど、その分、マリウスの意志みたいなのがはっきりと感じられて、かっこよければそれでいいや…的な以前とは変わっていて、この場面が良かった。
あとは…もう少し歌える人だったらもっとのめり込んでたかもしれないのに。<失礼(汗)

ANZAエポニーヌは…おそらく、初めてだったと思うのですが…歌や演技がどうこうよりもそれ以前に、風邪は大丈夫ですか?(^^;

先ずステージで座ってる時に黒のショールをかけていて、『そうだよ…エポニーヌはノースリーブだから見てるほうが寒くなっちゃうもんね』などと思ってたんですが、声を聴いてもう、すごく心配に…。
風邪ひいちゃってて全然声が出てなくて…それでも、頑張って歌ってるから痛々しい。
悲鳴をあげるシーンでは全然声が出てなかったから『ああ、やっぱりすごくつらいんだ…こういう時は他の人と交代したりしないのかな』とか思ってましたが、その後の『One Day More』や『On my Own』では…思いきり声を振り絞るという表現がぴったりなくらいに張り上げてたので、楽しむよりもずっと心配のしてました。
『プロなら喉は大切にしなきゃ…!』などと、普段ならここぞとばかりに毒を撒き散らかすことでしょうが、ずっと『レ・ミ…』で舞い上がってるし、ANZAは可愛いので許す!(笑)
今年は特に暖冬とか言いながら寒暖の差が激しかったりしたので、誉めるなり毒を吐くなりはまた今後のお楽しみ…ということで。<そうやって理由をつけて観に行く気マンマンかい(笑)

あとはまあ3日分も続いてるからいいとして…本日のマダムは瀬戸内美八さんでしたが、宿屋で亜郎さんに『バカ』って言ってたり、亜郎さんの方も宴会のところでマダムに『あほ!』って言ってたり…その言い方が演技というだけにしてはやけに冷たかったので、もしかして…お二人は仲悪いんですか?
非常に気になります。この件に関しては、ご存知の方のリーク大歓迎の方向で。(^^;

しかし、自分も3回も観ていてなんですが…そっこらじゅう『レ・ミ…』フリークばっかり!(笑)
だから観客の方も拍手する場所、進行を妨げないその長さを心得ている。
そんなお客さんばかりなので…スクリーンに映し出される解説はちょっと邪魔だと思ったり、その合間にも今までの舞台写真を見せてくれよ…と思ったり。<今井さんがジャベールだった頃のとか、滝田さんや鹿賀さんのヴァルジャンだとか…そういうお楽しみがあったら尚よかったのに。

でもやはり、バリケードがないのが一番寂しいと思ったコンサートパッションウィークでした。

それから、これだけは忘れずに書いておかねばならないこと…全公演中、出演者の中で一番ノッてたのはマエストロ…(^^;
以前はマエストロってこう…眉間に皺を寄せてふんぞり返ってる…とかいうイメージがあって、どの人も大差ないと思っていた時期もあったので、宿屋や宴会でノリノリ(笑)な姿を見るのは微笑ましいです。
普段は物静かな感じで劇場近くを歩いてらっしゃったりすることもあるのに、タクトを振ってる時はノリノリ(笑)…その姿はマエストロという厳つい名前よりぱふぉーまーと言いたいです。

でも、私が指揮者にお願いすることはただひとつ………薄くなったらア○ランス!
そうでないと2階席のお客様の目が危険なのです。
ええと…どのマエストロの時かは言いませんが、まるで光線を浴びせられたかのようにライトの照り返しで目がやられた時がありました。強すぎる光は痛かったですー。(ノ_;)
そんな…マンガじゃないんだからそんなことが起るはずがないとお思いの方もいらっしゃるでしょうが、ほんとにあったんですよ。
あれは今思い出しても、笑うに笑えない思い出です。



2004年12月17日(金) 『レ・ミゼラブル』 in コンサート

2日目は祐一郎ヴァルジャ〜ン。綜馬ジャベール。今アンジョルラス〜。うまうまとろっくりばーの手の中で転がされているかのようなキャスティングだと思います。
…喜んで転がされてる自分がいます。
そして、それでもいいと思ってる自分がいます。
ふっ…病は深い。結婚詐欺に合うタイプってこんなタイプなんだろうな…と思ったり。(苦笑)
それを思うと劇場に来ていれば詐欺に会うヒマも無いから安全なのか…。(><;

この日はそういう同類項が一際多いからなのか、相変わらず民族大移動が行なわれているかのようなちらほらと見覚えのある方が…。
しかし、石井さんの日と比べると平均年齢が10は違うかな…と思います。
帝劇の地下を歩けなくなると困るのでどちらが上とは言いませんが…。<色気より食い気なので、地下へはお食事に行くだけで入り待ちとかはしてないですよ…?ぼけっとしてるのでいつもそういうことを忘れちゃうんですよね…。偶然に近くで監督にばったり会ったり、美味しく食事してたらどこかで見たことあるような方達がごくごく近くで食べてらしたことはありますが。(^−^;

で、この日…途轍もなく馬鹿なことをしてました。
2階席だった為にやはり、前日と比べると寂しさは拭えず…いつも使わないオペラグラスを持っていったまでは良かったのですが、昨日より大きく見えるかな…などと思いつつ、オペラグラスで本人ではなく、スクリーンに映し出された姿を見るという暴挙に出てました。
大きかったですよ(笑)。
そしてもうひとつ、今度は本人の方で祐一郎さんと綜馬さんをオペラグラスで見える範囲で2ショットにしたかったのに、画面にはまりきらなかったので、体を少し後ろへ倒して少しでも画面に収めようとしてみたり。
近くにいた方には変な奴だと思われたかもしれません。(T―T)
しかし、私のオペラグラスは梅コマで買った何の変哲もない物で、どこかのお金持ちのマダムのように高価なデジカメ付ではありません。(^^)最近は眼鏡にカメラが装着されている方もいますし、私のところにもそういうセールスメールがちらほらときたりしてます。
30万画素クラスのクセに6万前後というお値段ですし、それはマナーに反するので買いませんが。こういう感想を公開してるとそこまでしたいほど好きなんだろうと判断されるのでしょうか…?でも、私はそんなものは要らないからね?
写真を見るより生のがいいです。
劇場関係者に、テクノロジーとは先ず悪いことにこそ有効に使用されるものなのでこういう情報チェックもした方がいいと思います…と言っておきたいです。

で、最初の一音から胸が高鳴る(笑)のが『レ・ミ…』の魅力ですが、やはりキャストも重要で、拘りたくって…私の中でヴァルジャンといえば先ずこの人なんですよね…って思わず言ってしまうくらいに一番好き…というか、他の人とは別格。
私が『レ・ミ…』と出会えたのは祐一郎さんのおかげです。

今回、コンサートという形のせいか、どうしても脳裏に今まで観た舞台がフラッシュバックしてきてしまうのですが、初めて観たときのヴァルジャンよりも回を重ねるごとにヴァルジャンらしくなってきている。
今思い返すと初演の時は何かに餓えているようなそんな焦燥感があって、それを2幕まで引きずっていたのに、今はそれがなくなってしまって全体的には安心して観れるのだが、どこかそれを寂しくも感じている。私は…司教館から逃げる時に銀器はおろか、パンまで根こそぎ盗んでいってた(笑)ハングリーなあの人が忘れられません。皆、同じようにやっているものだとばかり思っていたのに、滝田さんを観たときはしてなくて…吃驚したというのは今ではいい思い出ですが、出来ることなら、もう一度あのパンまでごっそり盗んでいったあの方にお会いしたいです。

しかし、今回はすごいものを観てしまった。
前日の感想で『今すぐミュージカルにー!』…なんて言ってましたが、いいです!もう少し大人しく待ってます!いくらバリケードが無くって寂しく思っても、だって、これはミュージカルじゃ観れません!
テナルディエからコゼットを引き取る場面でコゼットに触れようとしたテナルディエを思いきり突き飛ばし、そのままいつまでも床に転がったままでいた亜郎さんに…『いいかね、承知か』ではなく、『いいから起きてこい』って歌えるのは…祐一郎さんじゃなきゃ出来ないことです。
とても素晴らしい…。
ミュージカルのヴァルジャンは小説での諸々の活躍が省略されてるからそういう行間を見る思いだった。
…といえばあれですが、こういう時でなきゃ観れないものを楽しむのが観客というものなのです。

そして、綜馬さんとの掛け合い…相変わらず容赦ない。
色々なところの感想で他の人との時でも結構、思いっきり飛ばして歌っているように書かれているが、この組み合わせで聴くと、他の人との時はそれでも手加減していたのだということが知れる。
綜馬さんとの時は、本当に気持ちよさそうに思いっきり声を出しているから。そして、負けまいとヒートアップしてゆき、綜馬さんの方もそういう掛け合いがとても楽しそう…。
二人とも、歌える人だから相手によってはセーブしなければいけないのが物足りないらしいのか…思いっきり歌える時が嬉しいらしい…そんな表情。
私はこれが観たいが為に綜馬さんに帰ってきて欲しかった…。

次にはやはり、アンジョルラス…。アンサンブルの歌の時はきちっと背筋を伸ばして歌っていたのに、それが終わって歌わない時は足を組んだりとかしていて、他の人よりもリラックスしていたように…というか、そこで観客と同化していたようにも思う。でも、歌う時にはビシッと…そのギャップがいいよね。
でも、一言いわせてください…『アンジョルラスさん、お化粧が濃くありませんか?』(^^;
前日が坂本さんの素朴なアンジョルラスだっただけに…より濃い気がしました。
しかし、今ちゃんの場合は探すまでもないアンジョルラスでした。
決して身長の問題ではありません。

だって、今ちゃんは胸元に赤いリボンタイ(?)がある!

やっぱり、アンジョルラスは赤がなくちゃダメなんだよぉ〜!
坂本さんは…最初の登場からあとの出番の時と同じ…マリウスのような…っていうか、お揃いのタイ。
…探しちゃうのもしょうがないよって、自分を慰めてました。

さて、今ちゃんはもうジャベールなんですが、アンジョルラスの日ばかりを選んでいるのはやはり、もうこれからは観れないだろうと思うから。見納めのつもり…?(^^;

今ちゃんといえば思い出すのは最初に認識したのは、10周年公演の東京リターンズからアンサンブルで
参加していたということ。
プログラムのキャストを見て、四季にいた人だというのはすぐにわかったけど、どういう人かまでは印象に残っていなかったのに…それと知らずに『Drink With Me』の歌い出しでその歌声がいいな…と思って、でもその当時はアンサンブルの名前まではわからなかったから、幕間…っていうか、終幕後にキャスト板の前でレ・ミ…フリークらしき人を捕まえて「こういう衣装であの曲の時に歌い出してた役ってなんて役ですか?」って聞いたんですよね。その方は流石にフリークだけあって、すぐに役名をするっと教えてくださいました。<その節はありがとうございました。(その方がこれを読んでるとも思わないですけど)

それが今ちゃんを認識した最初でした。
それから、少ししたらろっくりばーに入ってくれたので『ラッキ〜!(*^^*)』とか思ったり(笑)。
そして、それだけにいまだにその『Drink With Me』が忘れられません。
優しくて、憂いがあって…だからこそ、その後の皆のハーモニーが力強さを増して、ABCカフェに混ざってみたいと思った…『Drink With Me』。

今思えば贅沢なアンサンブルでしたよね。
今ちゃんがフイイ、グランテールに戸井さん…いい時代だったせいで抜け出せなくなり、リピーターになり、今じゃ歌詞を殆ど覚えてしまってる…いつの間にかフリークの仲間入り…?(―_―;
でも、出来ることならアンジョルラスもいいけれど、もう1度あの曲が聴きたいです…。

本日もファンティーヌはマルシア…。
翌日もマルシアなので…キャストだけ見たらまるでマルシアのファンのよう(笑)。
でも、実際にはそれほどでもない。井料さんよりは気に入っている…という程度。
しかし、この人は…もう少し発声の練習の前に『発音』の練習をした方がいいと思う。

どうも最初に見たファンティーヌがほのかさんだったせいか、ファンティーヌってか弱い女というイメージがあるけれど…マルシア姉さんそのイメージをぶち壊し、ドスをきかせて歌ってくれてましたよ。
そこまで低音で歌わなくってもいいと思うのですよぉ…(ノ_;)
元々、ファンティーヌをやるにはキイが低めなので、これよりは『ジキル&ハイド』の時の娼婦の役をやっていた方が良かった。やっぱりイメージってものが先行してしまうからなんですが。
できれば、今度のシーズンが最後のファンティーヌであることを希望…ドスのきいたファンティーヌよりはあのとっても色っぽかった娼婦をまた見たいから(笑)。<鹿賀さんとのデュエットはどっきどきものでした。

そして、岡田マリウス。
やはり、思うことは『ロック〜!』<だから、手塚アニメが好きなんですよ。(^^;
歌はいいよね…歌は。
でも、何故かいつもぴこぴこと眉毛が動いてるのが気になる。
眉毛だけが演技の感情を裏切ってぴこぴこ…この人のマリウスにイマイチ夢中になれないのはこのせいだろうか。ぴこぴこ…バカにしてるわけではありませんぴこ…気になっちゃうだけですぴこ…
でも、ホントにあの声だけで(*^^*)なほど大好きですよぉ〜…。

それから、声で引っかかるのは亜郎テナルディエ。
あの役で、あのビジュアルの割には声だけが予想を裏切って端整(笑)。
きっと、目を瞑って聴けば、ああいうビジュアルだと思わない人が多いんだろうな…と思う。
イメージ的に違うと思うのです。
ああいう風に朗々と歌うのではなく、もっと汚い低音をきかせてはじめた方がテナルディエの担う狡猾さなどが上手く出せるような気がするのは私だけでしょうか…?

そんなこんなで連続で観てるのに全然飽きないどころかまだまだ観たいと思う…この深い病。
周囲からは呆れられていますが…自分でも『いっそ劇場に住み着きたい』と言ってるくらいですから、そして…夢だけでも見ようと宝くじを購入してるくらいですから。(^^;
当分この病が治る気配も、治す気もなさそうです。

因みに、その夢とは皆さんお分かりでしょうが、もちろん…『会社なんかとっとと辞めて帝劇近くに住みた〜い!』です。

…何事も夢を見ていられる間が一番楽しいですよね。(^‐^;



2004年12月16日(木) 『レ・ミゼラブル』 in コンサート 

『レ・ミ…』パッションウィーク開幕です(笑)。
いや、言い訳するならあの方の公演だけでよかったのですが、欲を言うなら綜馬さんとの掛け合いが観たくって…でもそれは金曜の夜だからもしかしたらファンクラブでも無理かもしれないとか思って、それを振り替えるなら心のスキマを埋められるのは綜馬ジャベと今井ヴァルジャン2回分で等価かな〜と思いつつ、チケットを申し込んだら3回とも希望通りに取ってくれたのです。
特に日曜日は今ちゃんが出演している回で助かりました!(笑)
いくら、中日劇場友の会には行ってるとはいえ、メンドクサガリータなので労せずチケットを取りたいのです。
特に最近は歳を取ったせいか、(ビンボー人のくせに)『お金でカタがつくんならその方が楽だよね』なんて…『レ・ミ…』ファンにあるまじきことを思ったりするほどだったんで。(^^;<でもビンボーだから言ってるだけでお金すらかけてません(笑)。
そんな訳で、えっと…ありがとうございます。そして見縊っていてごめんなさい。
でもね…気づけばもう6年くらいはお世話になってるわけですが、年々、チケットが思い通りに取れなくなってきてるからまた今度もダメかと思っていたのです。
特に今年は東京の『レ・ミコン』も『エリザ…』も結構……(T^T)……だったので。

…とまあ、こういう経緯でしたが、取って貰えたので『レ・ミ…』パッションウィークが実現しました。
んでもって、早速行ってきました…Firstは綜馬さんを観に!<それだけでもないですけど(^^;

いやいやいやいやいやいやいやいやいや…すごいですよ!3列目!!
中日劇場はこじんまりしてますが、それでもこんなに舞台に近いところで観たのは初めてですよ!
…だって、いつもならオケピがあるから4列目が最前列になるからね(笑)。
もう、綜馬様様!(^人^)
日曜公演も7列目って席ですし、今ちゃん様様、ろっくりばー様様(^人^)ですね。
でも、日本一の集客力がある舞台俳優といわれている祐一郎さんがご出演の日は流石に芸術音痴の名古屋でも人気が高いらしく、2階席でしたが。(苦笑)<いえ、文句があるとかってわけではなく、そのギャップのすごさに笑ってしまいました。

で、肝心の内容はめっちゃ堪能できました。
特に、不届きにも前の席が空席だったので観やすかったですー。
女優さん的にはしょぼしょぼん…観客的にはあっはっはーなのですが、顔の小皺までしっかり見えちゃうようなお席でしたー!
なので、後ろのスクリーンに映し出されたりするけど、以前の公演の写真が映し出されるほかは全然見てなかった。<正確には今度出演しない山本マリウスの写真だけ懐かしんで見てました(笑)

そして、新鮮…なのが初めての石井ヴァルジャンってことです。
石井さん…嫌いではないけど、以前に名古屋の某劇場で大きな声で話されていたのを『誰だようるせー!』とか思いつつ…思いきり睨みつけた瞬間に石井さんと目があってしまって以来…どうも後ろめたいというか、その苦い思い出を思い出してしまうから、苦手。

それに石井さんはまだ若いから『10年後もヴァルジャンだろうから30周年記念で観るよ〜!』…なんて冗談のように、でもかなり本気で言ってましたが、綜馬LOVEに負けて、思いがけず…それより前に観ることができてしまいました。<厳密にはコンサートですが、あれだけ観て聴けるならコンサートって域でもないと思うし。

でも、やっぱりまだ若いんだし、もったいない気がするんです。
それに私の中の石井さんのイメージはマリウスなんですよ!
いつまでもそのままでいられるわけがないとわかってはいてもずっとそれでイメージが定着されてしまっていたので。
でも、若いってことよりもずっとマリウスの目線で間近で見ていたからか、今までヴァルジャンをやっていた方のいいところを取り込もうとしていたのはわかる!(笑)

…わかるけど、感情の触れ幅の大き過ぎるヴァルジャンだということの方が気になりました。
感情表現をちょっと誇張しすぎたり、無駄に大袈裟かな…という印象。
そして、声は伸びやかなので聞いていて気持ちがいいですが、顔が…怖かったです。(^^;

濃ゆい…濃ゆい…濃ゆ過ぎる!

特にラストシーンも死ぬ間際の演技までしながら歌ってくれちゃうからコゼットの顔が…『こんなの私の知ってるパパじゃなーい!』みたいな複雑な表情でした。
笑っちゃいけないシーンですが、こっそり笑ってしまいました。<悲しいシーンで泣いてはいましたが
大きなお世話と知りながら言わせていただくと、あのメイクはやりすぎだと思います……。

えっと、結論としては…3月から帝劇で本公演がはじまるわけですが…わ、私はやはり10年後なんてどうなってるかわからないうんと先のことよりも『今』を楽しみたいと思います。

それから、本日のメインディッシュ!(笑)

…お帰りなさい、綜馬ジャベール!
私はこの日をずっと待っておりました!
きっと帰ってきてくれると信じていたというか…念じてました。(^^;
他の公演のアンケートでも帰ってきてくれと書きまくってました(笑)。

そして、久しぶりに観た綜馬ジャベールはグレードアップしてました!
やっぱりかっこいいよ〜!
硬質な声だからこういう役どころが似合うと思うんです。

以前、鹿賀ジャベールを剃刀のような…とか、青白い炎のような…と評されていた方がいらっしゃいましたが、綜馬ジャベールはそうした言い方をするならば『STEAL』。
日本語ではダメです、STEAL!はい、ご一緒に…STEAL!<英語のレッスン風に(笑)
しかも、真冬の凍えきったSTEAL…そんな感じ。
以前の印象よりもより演技が深くなっていて、酷薄そうな…ずっと何があっても眉ひとつ動かさないだけに、自殺のシーンでは深い慟哭を感じるジャベールだったのです。
これはコンサートではなく、今すぐミュージカルで観たい!

以前の公演を思い返して岡ジャベールが象徴しているものは『怒り』、村井ジャベールは『(忠実な)職務』、今ジャベールは『正義』だと思ったんですが、今回の綜馬ジャベールは…『自負』でした。
今まではこのシーンでヴァルジャンによって突き崩された心の拠り所は矜持とかプライドだとか思ってたのですが、今回観て、確かにそれらがあるだろうけれど、その根底は多分、違うんだろうなと思いました。

作中で語られるジャベールの生い立ち、父親は誰ともわからず、牢獄で生まれてそうした親のようにはなるまいと…だからこそ、人にも自分にも厳しく法や職務に忠実であったのだと思っていたのは今も変わらない。
だけど、この場でヴァルジャンに突き崩されてしまった心の拠り所はそうした生きかたをしてきた『自負』だと思う。
…だからこそ、ジャベールがより悲しく感じた。

そして…どうしたってこの後の3〜5月への期待が高まります!
もう、すごく待ちきれないんですけど!!
コンサートでなくてミュージカル公演に切替えて欲しいほど『レ・ミ…』愛が燃え上がってしまったんですけど!
これで、お預けなんてズルいですよー!

しかし、時期が時期だけにチケットを取ってしまったものの、行けるのかどうか微妙なものが…。
でも、行きたい…いっそ、劇場に住み着いてしまいたいくらい。
宝くじが当たったらいいのに…。<買いました、夢だけでも見ようと思って(笑)。

そして、ここまでで熱く語ってしまったので後はさらっと…いけたらいいなってことで。

坂本アンジョルラス…キャストを観た時に『コンサートだから探さなくてもいいだろう』とタカをくくっていたのですが…またもや探してしまいました。(。。;
でも!岡田マリウスの影に隠れて見えなかったから…って言ってもいいですか?スケールの大きな声だけに間近で観ると吃驚です。
歌も演技も文句なくいいのに…。端正ではないけど、あの親しみやすそうなアンジョルラスは結構好きかも知れないのに!

もう、坂本アンジョルラスは最初から赤いベスト着用してきて!(><)<切実

岡田マリウス…かっこいいけど、やはり…ロック(BY手塚治虫)のイメージが。<好きなんです(^^;
そして、相変わらず歌の人なので、イマイチどこかが物足りない。

エポニーヌ…マリウスをコゼットのところに案内した時にマリウスに名前を呼ばれた時にぱっと嬉しそうな顔をしていたのが非常に可愛い!
そして、『目指せ、島田歌穂!』な妙な力が抜けてきていたように思えて◎。

駒田テナルディエ…ぴょーんと舞台から降りてきたのでほんとにすっごく近くまで来てました。
しかし、一言…ちょっと以前より横に広がった分だけ、以前よりもテナルディエらしくなってた気がします。
が!この人は役によって観るたびに顔が違いますよ…全然別人!
巧い人は役によって全然雰囲気も顔つきもガらっと変わるとは良く聞きますが、ここまで変貌の激しい人は少ないと思います。
何度観ても吃驚です!
ガブローシュ風に『嘘つき!』と叫んでみたい気持ち…。

マダム・テナルディエ…酒場の例の歌詞のところでは酒瓶がないからハンカチかエプロンか何が萎えるのかと思ったらマイクでした(笑)。
キャスト的にはイマイチだと思ってたんですが…これは上手いね。

しかし、一番の幸せは10番台のお席だったので『古ギツネ、クソババァ!』が間近で観られることでしょうか…。
ここの所…すっごく好きなんです。
この前に役者さんたちが深く息を吸って思いっきり言うぞぉ〜って、気合を入れるところからもうわくわくと…(笑)
いいお席だっただけでなく、とっても楽しめるお席で、充分、堪能しました。
やはり、この台詞は思いっきり勢いよく叫んで欲しいものです。
そして、自分が言ってみたい憧れの台詞でもあります。(^^;
こんなこと日常じゃ言えないから好きなのかも…。



2004年12月13日(月) 『クリスマス・キャロル』

名古屋では三演目。<名古屋では…ってところがポイントだと思う…(ノ_;)
ということは名古屋公演は初演からずっと観に行ってる演目だということになります。
でも、全然飽きないどころか…まだまだ足りないとも思ってしまう演目です。
物理的、心理的共に…。
今回で3回目だけど…その3回が3回とも同じではないから。

演技も演出もガらっと変えて…などという、別物の芝居に進化したというわけではない。

むしろ、市村さんの衣装もテーブルや椅子などもずっと変わっていない。
基本コンセプトも、何も変わらない。

はっきりと変わっていて驚かされたのは登場の仕方。
1階席後方がどよめいたので何があったのかと振り向くと…市村さんがそちらから登場していた。
でも、そんなのは小手先の変化でしかなく。

演じ方がその時々によって全然違うということ。

私のお気に入り(笑)の『ドアのノッカー』すら同じではない。
一体、どれだけの引出しを持っている人なのだろうか…と改めて驚かされる思いだった。

親方の踊りの時には昔のような切れもないし、体力は昔のままではないということも観ていてはっきりとわかる年代になってしまわれたけど…小休止の時間が小では足りなくなってきているようなポーズもしたりおちゃめだったけど(^^;…その分、演技にはより深みを増していた。

犬を連れた通行人を演じている時にはその手の先に本当に犬が連れられているかのような犬に引きずられていくかのようなリアクション。
普通のお芝居ならアンサンブルになってしまう、こういう何気ない役まで丁寧。

クラチット家のティムを膝に乗せるところでは前回よりもはっきりとその膝の上に載せた様子をリアルに感じた。
それは大袈裟な動きがあったわけではなく、ただ、慈しむような視線と子供を抱えた左手、その子供の手を包み込んだかのような右手の形…ただ、それだけで。

クラチット家の団欒では一人とは思えないくらいに絶妙の間で親子のやり取りが描き出される。
そしてここで特筆すべきは演じるごとに『クラチット家のガチョウ(ローストグース)がちっちゃくなってます!』
なんて可哀想な…だけど、なんて芸が細かい……。<しかし、それを覚えてる性格ってのもやなもんだ。

笑う時には思いっきり笑わせて、泣かせるところでは女性ばかりでなく、厳ついおじさんまで泣かせてしまう…そのパワーってやはり凄いとしか言い様がない。

でも、この話で泣いちゃうのは日常に忙殺されていろいろなものを失くしたことを思い知らされるからなんだろうな…とも思ったり。
それらのものが甦る痛みからなんだろうかと思ったり。

そして、今回…カーテンコールでまたもや(苦笑)義援金募集のご挨拶。
阪神大震災の時に『スクルージ』が中止になったのが今もって悲しいようです。

そうだね…国がしっかりしてないから、誰かが頑張らないとね…。

『ミス・サイゴン』に続いて私も募金してきましたが、今回は社会人として情けないことに財布の中身が3000円しかなかったので、小銭入れの中身全部…。(T-T)あまりにもささやか過ぎる金額なので、今度またどこかで入れておきます。
上手いと思ったのは…義援金箱もクリスマス仕様になっていて、一見可愛いディスプレイ風。
だからこそ、何だろうって寄って行ってる人もいたみたい。
そのやり方は成功だと思うけど…一番右の義援金箱の上にはモノクロの市村さんの舞台写真…。

…最初、市村さんの親しい誰かが亡くなったのかと思っちゃった。(^^;
あのディスプレイは可愛いけれど、写真だけは止めた方がいいと思います。
せめて写真をカラーにしてほしいかな…。


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