Stage Diary
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Yoshimi.Aが観た舞台の感想です。
レポートではなく感想だけを載せてたりすることが多いかも…。(^-^;


2004年08月29日(日) 『エリザベート』

…私の夏は終わった。
今、まさにそんな気分です。

今年の夏は合宿(笑)もせずに大人しく、静謐に過ごすはずだったのが…気づけば、いつもの夏のようにはじけまくり。観劇数を減らそう…と思いながら、月5本になってる…てのが泣けてきますね。(ノ_;)
そんな愉快な8月でしたが、その最後を締めくくるのに相応しいのが、やはり『エリザベート』。
祐一郎さんの千秋楽〜。

私の中では千秋楽だけど、スケジュール的には厳密にいうと前楽なので、何があるというわけでもないけれど、気分的に最後で今年はもう見納め…のつもりで!<こう宣言しておかないと大阪や福岡へ飛んでいきそうなので。(^^;

楽が近いといつも舞台のテンションは上がってくるものなのだけど、今回の『エリザベート』は真夏の名古屋という最悪の環境だったせいか、幾分大人しめ…そして、その分どの人もボディコントロールに気を使っていたような雰囲気が…。
まあ、この暑さに加えて名古屋特有の湿度では…しょうがないけど、いろいろな方の思い出で『名古屋は蒸し暑かった』と語られるのだろうな…。
でも、観る側としてはその方が、安心して観れたのでそちらのがよかったのかも…。
しかし、これが本当に千秋楽だったらまた違ったことでしょうね。

今日も客席はリピーターさん多し。
ロビーでもかなり見たことのある顔が…雰囲気がいつものまったりした中日ではなく、帝劇や梅コマと似たような感じ。こういう時にいつも頭の中を過ぎる言葉は…
『民族大移動?』(^^;
しかし、どこかで見たことのある顔は多いのに、こういう時に限ってあまり知り合いには会えず…がっかり。

今回の席は2Fの端…数席ずつ前にせり出しているところなので中央の最前列よりは舞台に近い…しかも、そこの右端なので、気分は『5番のボックス席で…』という感じ。いや、D列4番なので『4番ボックス席で…』ということになるのでしょうか(笑)。
ちょうどここの席はこの列から座席数が1個増えていたので、前の人の頭で舞台が観にくいということはなく、結構、お気に入りの席になりましたが、スタンディングオベーションをすると、膝のあたりまでしか柵がないのでエキサイトしすぎると…危険かもしれない。(^^;
拍手をするうちに無意識にうっかり乗り出すようにしていたので、途中ではっと気づかなければもしかしたら…危ないところだったのかもしれないと思いました。
こんなところで落ちて笑い話にはなりたくないです。

内容はよ〜く知っていて、役者さんたちも安定してるとわかっているのでごくごく冷静に観る…つもりが、もう最初っからドキドキしっぱなし。
こっそりと一緒に歌って気分だけでもアンサンブルに混ざった気分を満喫(笑)。
混ざりたいのはカフェのシーンや『ミルッヒ!』、あとは皇后様の後を付いていく女官達…。
私の旅行かばんが革のトランクに変わったのはこのシーンによる影響が多いです。(色は自分好みのものを選んだので黒ですし、転がせるほうが楽なので形も違いますが…雰囲気だけは。帝劇でよく受付に預かってもらったりしてますが、東京や大阪などの劇場でお会いした時にはぜひ見てやってください。)

そんな風にいろいろ思うところはあれど、観てる一瞬一瞬が楽しくってしょうがない。
やはり、この演目は好きだな〜という思いで満たされます。
そして、この手の思いは足されることはあっても引かれることは先ずないからタチが悪い。
最初に観てあまり出来がよくないと思っても、最後までそうとは限らないから…余計な期待をしてまた足を運んだり…そして、何度観ていても『すごい』としか言えないような場面に出会ったり…毒を吐いてはいても、チケットが発売されているとついふらふらと買ったり…どうしてこう、舞台というのは魔物が潜んでいるのか。
しかも、たった一日の変化で大化けすることもあるから、絡めとられて逃げ場がなくなる…。(-_-;
そこまで追いつめられてもなお、楽しい、凄い、素晴らしいという感情を覆せはしないから抜けられない。
…相当、病は深いようです。

特筆すべきはカーテンコール。
2F端の席だからこそのお楽しみ…幕が降りてしまっても端だからこそ、緞帳の端からまだ出演者が観える。
そして、観える限りは緞帳よりもそちらに向かって拍手〜!
トートダンサーズの方もその隙間から手を振ってくれる。
自分だけに振ってくれてるわけじゃないとわかってはいるけど、こういうのは嬉しい。
幕が降りた途端に仏頂面してさっさと帰っちゃうカンパニーもあるのに、『エリザベート』はこういうところが暖かいカンパニーだな…と思う。
再び幕が開くと…どうしても正直な目はあの方にクギ付けになってしまうのですが、また幕が降りると…端に注目(笑)。
やっぱり、端からはまだ見えてることに気づいているトートダンサーズの方やアンサンブルの方が手を振ってくれる。
…この時、最大級に『この席でよかった…v』って思いました。
そして、いつまでも鳴り止まない拍手に答えて一路さんと祐一郎さんが出てくる。
祐一郎さんの千秋楽だからか、いつもより祐一郎コールが多く、拍手もいつまでも止まらない。
緞帳が再び降りてしまってもまだまだアンコール!の拍手。
再び幕が開く。
一路さんと祐一郎さん…一路さんがある程度拍手に答えたあと、祐一郎さんのエスコートをするりと抜けるから何をするのかと思いきや…ドレスを抱えて脱兎。
…驚きました。
拍手で満たされていた会場がつかの間、静かに…。
一人取り残された祐一郎さんは苦笑するしかなく、それでも慌てずにトート閣下の威厳を纏ったまま、悠々と退場していかれました。一度、慌てた姿というものを見てみたいものですね…。

それにつけても…一路さん、最高!(笑)
楽しいひとときをありがとうございました。



2004年08月28日(土) 『キャバレー』

行ってきました、『キャバレー』!
…と、これだけ読んでお姉ちゃんを侍らせてお酒を飲んできたとは思わないで下さい。
場所が有楽町だけに…知らない人が聞いたらねぇ…誤解されそうですね。<家族には言われた…(。。;
これを読んでいる方はそんなことはないって信じてますけど。

実は、この日…本当なら『エリザベート』に行くはずでした。
しかし、何故に『エリザベート』を蹴って『キャバレー』なのか…?

A.懸賞で『「キャバレー」S席チケット付きの帝国ホテル宿泊券』が当たったからでーす!(^^)v



今までこまごまとしたものはちょこちょこと当てていましたが、宿泊券…しかも、ミュージカルのチケット付きが当たったのなんて初めてだもーん!(^^*)

それに最初、どうせ楽とかその近辺の日程じゃチケットは取れないだろうと思っていたし…。(^^;
それでも、『エリザ…』の演出が以前のままならそんなことはしなかったと思いますが、今シーズンの演出が変って以前ほどには餓えていない(笑)ので、可愛いお嬢さんと新幹線の中で待ち合わせして『キャバレー』と帝国ホテルを堪能してきました。(それでも祐一郎さんの千秋楽は別物なので、翌日は可愛いお嬢さんをほったらかしにして慌ててとんぼ帰りしてきましたが)

しかし、事前に大きなお世話人間がいたので、『舞台のセッティングなども役者がやらねばならないような2流以下のツアーキャストだ』などということを耳にしましたが…
だからどうだっていうの?
それでも舞台に立ちたいと思う心をそういう言葉で切って捨てる方が人間的にどうかと思う。
以前はお金を取る以上、最高のものを見せてもらわなければ損をしたように思っていたのですが、最近は…あまり巧くなくても、舞台に対する愛情を発露してくれる方がいいな…と思うこともあり、以前ほどにはそれを気にしなくなりました。ただ、そういうことを言いながらそのくせ毒を吐くのはもっとよりよいものをみせて欲しいからです。今は下手でもこれから先を目指して頑張れ!…ってカンジで。
有名なタレントよりも無名の演技できる人の方がいいとしみじみと思うこともあるけど、タレントでも一生懸命頑張ってる姿を見ると何も言えず…ただ、努力をしない人間には容赦ないですが。

なので、この場合に許せないのは…そうしてコストを削減しているのに、グッズをいろいろ出して稼いでいるのに、それをどこにも還元しないで私腹を肥やしているぼったくりプロモーターをこそ、問題にすべきでしょう。
アンケートにもちゃんとこのことを書いてきました。役者と客を馬鹿にしているのか…と。

日本のチケットは高すぎるので、できれば、チケット代は(どのカンパニーでも)S席1万円程度にして欲しいものです。理想的なのは『ブロードウェイ並み』という奴でしょうが、馬鹿高いロイヤリティに目を楽しませる衣装代、大道具、小道具などを考えれば…そのくらいはしょうがないと思うのです。
四季のようにレベルを維持しつつ、価格を抑える…東宝や松竹やその他の会社にもそういう意識をもっと持って欲しいものです。…で、そういう理論を実践して頑張ってる小さい会社のが潰れちゃうし…日本ておかしな国だ。
大体、チケットがブロードウェイやウェストエンドに比べて高すぎるっつーの!これじゃ気楽に観に行けないやん!もっとチケット代が安かったら頻繁に観に行くって!
その点でだけ尊敬できるのは宝塚。あそこは好きじゃないけどブロードウェイ並みのチケット代だから。

そんなことを愚痴りつつ、そんな困った事情も抱えた演目でしたが、内容は…楽しかったですよ。
2流以下のツアーキャストだなんて言われていても、日本の歌えない、躍れない、芝居ができない名前だけで出ているようなタレントやアイドルの出ている舞台よりは余程、楽しめました。
どちらかというとこちらの方を問題にせねばならないのではないでしょうか。
2流以下のツアーキャストに劣るのが碌なレッスンも稽古もせずに主役を張ってるのだから。
『歌えない、躍れない、芝居ができない、努力もしない、枕営業だけで役を貰っているタレントを舞台に出すな!』…って大いに言いたいものです。
ただ、『舞台に出たい、その為に頑張ってる』子はTVよりもどんどん舞台に出て欲しいですよ。
この先の日本の演劇界の為に。

上記のようなことがあるからか、それとも元からの演出によるものか、舞台の上にセットされたオケピットで演奏して、脇にある階段から降りてくると歌って踊って…そういうことがあるから役者さん達は楽器を演奏できるダンサーや役者なのか、踊れるミュージシャンなのか…ということは気になりましたが、元々『キャバレー』が持っている力を損なう理由にはならず、楽しめました。
最初、流石に音は吹き替えかと思いましたが、所々タイミングはずれてるし、個々のレベルのバランスが悪いし、管楽器の人の演奏中に腹筋が動いていたので多分、ちゃんと音を出していたのではないか…と思ってます。コンマスも慌てたり、必死になってたりした場面もありましたし。
これを吹き替えで表現してるというのなら…そんな手間暇かけずにちゃんとしたカンパニーで来日してもらって欲しいものです。

ただ、やはり字幕って慣れない…!(><)
しかも、今回はベルリンが舞台で英語とドイツ語が混じるから余計にわかりづらいです。
しかも、アルファベットを縦の電光掲示棒で表記するのが間違ってるよ…TVのテロップみたいに下に出すとか他に方法はなかったんだろうか…と思わずにはいられない。
来日じゃなくて国内のキャストでやって欲しかったような気がするけれど、歌に楽器に演技に…芸達者な人ばかりを集めなければいけない上に稽古に時間がかかりそう。
そういう面があるから、国内キャストじゃ実現しないのかもしれない。

実は、『キャバレー』を見るのは初めてだけど、歌はよく馴染んだもの。
これもタナボタやミュージカルの役者さんたちのコンサートのおかげ。
初めての観劇なのに一緒に歌えちゃうよ…(^^;
ま、それだけ覚えやすくて楽しい…秀逸な曲が多いということなのだけど。

ただ、世相的にその時代背景のことについて考えさせられてしまいますね。
大家さんと店子の老いらくの恋…幸せそうで周囲の人も婚約パーティーで祝福してくれるのだけれど、でも、相手がユダヤ人だから今あるものを失うことを恐れて結婚はできないという。
確かに…歳を取れば取るほど、そういう決断は難しいのかもしれない。
そして、こうした題材に使われるほど、ナチスは未だに影を落としている。
でも、それは過去の傷痕じゃなくて…再びそうなるかもしれない勢力が台頭しているから。
このままではあの悲劇をまた繰り返してしまうかもしれないから。
だから、そのことを忘れるなといわれている気がする。
ただ、それをもっと感じて欲しい人に限って、理解力はないし、上っ面のことしか見ない上に人の話も聞きやしないのですが…。
日本は平和ボケしているのかもしれないけど、もっと視野を広く持つべきだと思います。
だから、きっと『キャバレー』も楽しいだけなら観なかった。
そういうメッセージが込められているから、一部分を見ただけでも当たりの舞台だという匂いが漂っていると思う。そうした力のある作品は観終わったあとに色々心に残るものがあるからまた劇場通いを止められない。
そして、どんどん中毒は悪化し、完成された映像美よりもその時だけの臨場感を身体が求める(笑)。

また来日してくれるのもいいけど、いつかこれを日本のキャストでやれたらいいね…。



2004年08月27日(金) 『ハムレット』子供のためのシェイクスピアカンパニー

子供のためのシェイクスピアカンパニー2回目の観劇です。
本当は翌日、翌々日とハードな予定が控えていたので見合わせるべきだったのかもしれませんが…『ただでさえいろんなカンパニーが通り過ぎてゆくだけの街で、1年に1回しか名古屋には来てくれないのにそんなことできるかー!ヽ(`Д´)ノ』…などと思いながら会社帰りに行ってきました。
だって『ハムレット』…、だって植本さん…。
しかも、このカンパニー…見逃したら、きっと後悔する。

子供のための…とつく割に開演は19時から。
まあ、お子様もいらっしゃいましたが、圧倒的に大人ばかり。
でも、心は子供に戻ってたからやはり、『子供のためのシェイクスピアカンパニー』ということかもしれない。
開演15分前に劇場に入ったら舞台では歌ってるし!
曲は『何にもない何にもない〜♪』ってやつで(タイトルがわからない…)皆、楽しそうに揺れてました。
席を探して会場内をうろうろするお客さんもいましたが…。<私もそのうちのひとり

山崎さん………そんなことやるんなら事前に教えておいてください。(;;)

会社帰りで途中でおなかがすくだろうからと思って御飯ぱくついてたんですが、そうと知っていればご飯食べてないで開場と同時に入りましたがな!

で、肝心の内容は…ここのカンパニーに関しては心配はありませんでしたが、見どころは女形のイメージの強い植本さんがどんなハムレットを魅せてくれるのか…だったということだと思います。

しかし、予想に反して『ごく普通の男の人』だよ…(笑)。
衣装はごく普通のその時代にあったものを動きやすそうにアレンジしたモノクロの衣装。
頭には黒のバンダナ…ナイフで刺されたらぽーんと飛んでいきそうな…(笑)『黒○げ危機一髪』―ひげってカンジでした。
街中にどこにでもいそうで、特に目を引く顔立ちではない。<失礼…(^^;
でも…!
声の抑揚、所作は流石に…隙がなく、存在が際立ってました。
今まで、ハムレットは19歳説と30歳説があって、『30歳で母親の再婚にあんなにいじけてたら馬鹿っぽい』と思っていて、個人的好みでは19歳推奨、藤原君かわええ〜!(^^*)って思ってたんですが、今回は…なんだか今までとは一味違いました。
ハムレットは最初は若い感じがするのに後半はめっきり老けているようにも思う。
疲れているから…とかではないような気がしました。
この話は数日や数ヶ月を描いたものではなく、もしかしたら場の転換で何年も過ぎていたりするんだろうか…?
…と考えさせられるような。
19歳から30歳に成長してるのか…?って思うような不思議なハムレット像ではありました。
まあ、海賊との身代金の交渉だってクローディアスがケチってそうだから(笑)交渉が長引いてそうですしね。
間宮さんのクローディアスはそんな冷酷で吝嗇家っぽい…自分では極力手を下さずになんでも利用する典型的な悪党という感じがしました。ただのおじさんだった頃からハムレットが懐いてなさそうな…だって、ハムレットからは再婚はいいけど、相手があまり好きではない叔父さんだから再婚されるのがいや…みたいな雰囲気が漂っていたので。

…今回、ショックだったのがまあ、植本さんはあまり大きな方ではないってのは最初から念頭に入れてあったのですが…『ハムレットよりオフィーリアの方が体格がいい』気がする。
身長は然程変らず、でも胸とか女性のメリハリがあるせいでしょうが…植本さんより大きく感じる……(――;
おまけにコメディ担当なのは脚本と演出のせいでしょうがないのかもしれないけど…オフィーリアというには普通のお嬢さん過ぎてあまり可愛くない。
顔の造作というより動きがばっさばさと大ざっぱで綺麗ではなく…髪の毛も痛みまくってそっこら中切れ毛だらけ。一般人としてもどうかと思うけど、女優さんなら尚更気をつかうべきなのでは…?
ガートルードは岡さんだったのですが…そちらの方が余程美容にお金も気も使っていたように思えたので余計にオフィーリアよ、可愛くあれ!
まだ、去年のヒロインの方が演技が巧かった気がする。<…って同一人物じゃないよね…?
今まで色々なハムレットを観て、いろいろなオフィーリアを観て、その度に何がしかのことに驚かされますが…今回もまたやられました。

ハムレットはあのオフィーリアのどこに惚れていたのだろうか…。

通常の芝居だったらそこまで掘り下げることも可能でしょうが、あの内容を子供の為にわかりやすく、しかも2時間15分で纏め上げているから…そういう細かな部分が『?』

でも、その他の場面は概ね、原作に忠実でありながら子供のためのものになっていて相変わらずわかりやすく楽しかった。しかし、やはり台詞は去年よりも多めだった気がします。
そして、劇中劇の喩で『大袈裟なのはいかん』ってのは『○ぁいとぉ〜!』『いっ○―つ!』の掛け合いで
『大人しすぎてもいかん』の喩は…『兄ちゃん、何で蛍はすぐ消えるん?』(…だったかな?)…でしたよ!
笑いました。ここが一番印象に残ってます。<似てたし!(笑)
しかもそこで「あ〜やっぱり私が知ってる植本さんだった!」って思った。(―_―;
それほどに、今までのイメージとは別人にしか思えなかったのですよ。

しかし、どの『人』が一番印象的だったかといえば山崎さん…。
人形の使い方、腹話術は去年よりも更にレベルアップ。
そして、亡霊の役が大はまり。
特に動きがどうのというわけでもなく、目立たなきゃいけない時は目立たせるけど、普通にしていれば特に目立っているというわけでもないし、むしろさり気ない。それなのに目が…目が…離れない。
それにしても、どうしてこの人はこんなに面白く可笑しいのか…。
亡霊の役があるから白く塗ってたんですが、それ以外のときもこのカンパニーは人数が少ない為に殆ど皆が出ずっぱりでだから、当然、山崎さんも白いままなので墓堀の出てくるところで『顔色悪くない?』って自分で振って『言っちゃいけないかと思ってた』(BY 植本さん)って言われてたり、結局落ち着いたのが『美白』でした。
可笑しすぎる!
でも、それは『笑われる』ではなく、『笑わせる』なのでこの人の実力はいかばかりか…非常に気になるところです。多分、そんなことを考えてレベルを計ろうなどということ自体が愚問ではあるのだけれど。

そんな来年の演目は既に『尺には尺を』に決まっているようです。
これって…この話って『子供のためのシャイクスピアカンパニー』でやっちゃっていいんでしょうか?
内容的に結構、結婚とそれにまつわる諸問題(///)…なのでお子様向けじゃないような気がするのですが。
楽しみですが…ちゃんと名古屋公演があるのかが心配。(―_―;
ま、今年の公演は3日間だし、この日は全部席が埋まっていたようなので大丈夫だと信じたいものですね。

つくづく…いやな街に住んでるなと思います。しかし、東京にも大阪にも行きやすいというメリットが…(笑)。




2004年08月23日(月) 『エリザベート』

きっと、これを読んでいる方はまた…とお思いでしょうが、『エリザベート』に行ってきました。
まぁ、ここにたどり着いたキーワードで検索かけてる人達は同類項だって思ってますけど。
同じIPで1日に何回も訪れてる人は特に…。<わざわざ検索から来なくても、ブックマークしておいてください。

本日は会社帰りに中日劇場へ…。以前の勤務地よりは便利になったけれど開演時刻が中途半端なために焦りますね。結局、ギリギリでの入場を諦め早めに仕事を切り上げたのですが、正解…。
開演があと15分遅かったら楽なんだけど…あと15分開始が遅かったら見たい番組が見れなかったのでこれはこれでよかったです。
名古屋って微妙な地域だ…。<でも、終演後にご飯を食べれるところはもっと増えて欲しい!!
そんな、田舎モノの呟きはともかくとして…今日のキャストはやっぱり(敬称略で)祐一郎・トート、綜馬・フランツ、今・エルマー…そして、パク・ルドルフでした。

オープニングから吃驚したのが初めてのパク・ルドルフ君。
一路・エリザベートと綜馬・フランツの子供の割には顔の系統が違いすぎな感もあると思ってたんですが…息子というには浦井君の方がしっくりくるビジュアルだと思っていたんですが、こういう比べ方はしちゃいけないと思いつつ…でも吃驚。

表現力、歌唱力共に違いすぎる。

浦井君はそれをばねにして頑張ってくれればいい刺激だといえるけど…そうでなければ、あまりに差がつきすぎて可哀想な気も…。
それほどに驚きました。
浦井君ももう少しリラックスして肩から余分な力を抜いてくれればね…もっと見栄えがよくなると思うのに。あのがっちがちな演技は…観てるほうが疲れちゃうな…と。(^^;

パク・ルドルフ君は骨格からもう少し低めの声を想像していたのですが、以外に低くない。<骨格からすれば…ですよ。
甘めの声でしたね。
しかし、浦井君といい、井上君といい、ああいう顔立ちだから美少年ルドルフのイメージがあったんですが、それとはタイプの違う苦悩するスクエアな青年像もまたいいな…と。(^^;

興醒めしたところがあるといえば、冒頭でワイヤーで吊られているルキーニ・高嶋。
いや、相変わらず濃いけど、もう役柄に安定した感があるので、たとえ明智君や徳川家康と同じだったとしても何も言いませんし、あの人が悪いわけじゃなく!

ワイヤーで吊られるせいでジャケットの背中がぱっくり開いてる箇所が見える!(笑)

以前から気になってはいたけれど、特にこの日はぱっくり!
…出来れば、もっと目立たないように工夫してあげてください…衣装さん。

今日は祐一郎・トートの登場では笑いませんでした。笑いませんでしたけど、見惚れてました。
とても4○には見えない…。
自分の肌の衰えをありありと実感する今日この頃なので、羨ましい…。
エリザベートの美容法を疲労するメイドさん達の歌でも『薔薇の天然水、目元を引きしめる』…で思わずぴくりとしてしまう瞬間…自分がやばいと思います。

そんなこんなで萎えるような部分のことは割愛して、『ミルッヒ!』
この中でもベスト3に入れるかどうか悩むくらいに好き。
(どの曲も好きなんですが、敢えてあげるなら『闇が広がる』と『夜のボート』…かな?順位は決めれませんが)
多分、これが好きなのはアンサンブルの歌だから。
ソロもいいけど、こういうのがミュージカルの醍醐味だって思う。
そして、優れたミュージカルほど、アンサンブルの歌が生きていると思う。
日本製のミュージカルが受けないのはプリンシパルの大先生にばかり気を使ってアンサンブルを動く背景としか扱ってないから。

『ミルッヒ!』はその点でも秀逸。
力強く、統制の取れたフォーメーション。
何役もやってる方でもこの場面が一番楽しそうに歌ったり躍ったり。
そして、これを聞くたびに『時代は変っても人の心も社会のあり様も変ってない』と思う。
偉い人は庶民を踏みつけにしているのにそのことにすら気づいていないんだって…。

エリザベートのいた時代から約100年…その間に人は何をしていたんだろう。

ま、今日が仕事帰りの観劇で、自分が『ミルッヒ!』を歌う人たちと同じ立場だからより共感も強いのかもしれないけれど。
そろそろ、棺桶に片足突っ込んだ色ボケジジィが牛耳る世界ではなく、本当の意味で変革した社会というものを見てみたいものですね。
『レ・ミ…』や『エリザ…』を観に行くのはそういう消極的な抵抗というわけではないのだけれど、歳をとったら色々なことを考えてしまうものなのです。
逆に言えば、観たあとにこういうことを考えることのないミュージカルってそれは上演する意味があるのか…と。
そういうメッセージ性の弱い作品でロングランはないと思う。
もう、楽しければそれでいい…そういう時代は終わってしまったのだから。

無駄に長くなっているのであとはカーテンコール!
やはり、この瞬間が一番好き。
そういえば、21時を過ぎていたので子ルドルフ君不在。ちょっぴり残念。というか、お子さんといえど欠けてはいけません。1ピース欠けてもその世界は印象が変ってしまうものなのです。
皆、それを補うような素晴らしい笑顔には違いないですが、それでもどこか…寂しい…。
しょうがないってことはわかってるんですけどね。
今ちゃんは今日もノリノリ(笑)で幕と同じスピードで屈んでいって、最後まで手を振りつづけていてくれました。その姿に市村さんを思い出したのは言うまでもない。しかし、他の人がそれをやってくれるとは思ってもいなかったのでなお嬉しい。
今日は再び幕が上がったときに一路さんを中心に何人かの方が座ってらして、幕が降りきる寸前まで姿が見えました。なんだか、記念撮影に突入しそうな格好。

だけど、だからといってそれを携帯なんかで撮ってちゃいけません。<私より2列前の少し左にいた方!
せっかく気分よかったのに、最後の最後で無粋なお客のせいで楽しいままでは終われませんでした。
リピーターなんだからマナーはわかってらっしゃるでしょうに。<見覚えのある方でした(笑)。
こういうのって恥ずかしいですね。



2004年08月11日(水) 『エリザベート』

待ちに待った念願の名古屋公演〜!(^^)
大体、名古屋における東宝公演は2月の宝塚と8月のミュージカル…。
(年によっては変わることもありますけどね…)
しかし、出演者の方のことを思うと、こんなに暑い時期に名古屋じゃなくても…と思わずにはいられない。私も夏休みには少しはマシな東京とかに遊びに行きたい。<お盆の東京は人が少なくて快適だし…(^^;

いくら、名古屋出身の一路さんといえど…あの方が名古屋で住んでらした頃はこんなにもヒートアイランドではなかった…。

でも、そんなことは感じられないくらいに外の暑さに負けないくらいの熱い舞台でした。

…というか、最初の一音を聞いた状態でもう!血が滾る(笑)。

やっぱり、このミュージカルが好きなんだなぁ〜と痛烈に思い知らされます。
しかも、今回は祐一郎さんのトートに綜馬さんのフランツ・ヨーゼフ、今ちゃんのエルマー。
ろっくりばー贔屓なキャストのようですが、もし、そうでなくってもこの3人は好きです。
…私は、顔のいい人よりも声のいい人に弱い!(><)

しかし、何度も観てるが故に余裕のある観劇っぷりでついのっけから、名古屋で初めての観劇だというのに余分なことを考えてしまいました。
この季節にありがちなことなんですが…トート閣下の最初に登場するときの衣装が、結構胸が開いているものだから…『友達(女)のキャミ姿よりも余程、胸がある(笑)』なんて……思わず、こみ上げる笑いが噛殺しきれませんでした。
すみません…(^^;
だって、普段から舞台で声を出してる人たちって胸筋が発達してるから男の人といえど、結構、バストありますよね…。
この場合は男の人に負けてしまうなだらかな友達の胸が問題と思ってくれたら…(><;
しかし、そういう時に限って3列目のセンターっつーまだ舞台から見えてしまう席なんですが…閣下があの笑いに気づかないでくれたらいいな…。(−−;

で、こんなこと書いてると舞台の方がつまらなかったかのようですが、そんなことなかったです!
やはり、回数を重ねるごとによくなってます。

トート閣下も泰然とした威厳がすごいです。
手の動き一つで観客の目が釘付けでした。ファンクラブ席だってことを除いても…登場した途端に一斉に女性陣の目がそちらに動く(笑)。
やはり…いつまでたっても演技に関してはいまいちって言っちゃうけれど、ファントムやトート閣下のように存在感をアピールする役はピカイチですね。
声もそうだけど、誰にも真似できない独特の雰囲気があるから。

そして…一度嵌ってしまったが故に劇場通いを止められないのがここに…(−−)/

一路さんは演技で魅せてくれますが、観るたびに痩せていってる気がするので心配。(−−;
大変、体力を消耗するのはわかってるけど、それにあわせて声が細くなっていってて、でもそれを補うかのようにめいいっぱい身体を使ってたりするから…特に。
まだまだこの暑い名古屋での公演は続きますが、千秋楽まで身体を壊さないように気をつけて欲しいものです。

後はパパの村井さんが婚礼の夜に『自分の幸せ諦めなくては…』と言ってるフランツ・ヨーゼフに対して『何だと、こいつ…!娘になんてこというんだ!』ってな表情をしてたのが妙にリアルで可笑しかったです。(^^)
村井パパ、現実にもお嬢さんを持つ身としては心情がダブってしまうのでしょうか?

…が、そんな中で惜しいのはルドルフ君。
子役のほうではなく、青年…(−−;
子役のルドルフ君は…いつ、どの子を観ても可愛いし(^^;、上手い。
特にこの日は厳しいお婆様のドレスの端を掴んで、『ママに会いたい』って訴えるところがよかったです。
あの場面…ほろりとしますね。

で、青年ルドルフ君のどこが惜しいのかといえば…歌は帝劇で観た頃よりもこなれてきていたように思うのですが、いかんせん動きが…。
まだまだ硬い。
あれだけ歌えるようになったのならあの動きがまだどこかぎこちないというか、硬いところが抜ければ…いいルドルフ君になると思えるのに、残念です。

しかし、私はその原因の一端を掴みました!

実は終演後は久しぶりにジュエリーショップに寄っていたのですが、そこから出て信号待ちをしていた時に道の向こうに皇太子発見!
やはり、名古屋ではあまり見かけないスタイリッシュさだからつい目を引いてしまうのですが、観られることが気になるのか…猫背気味。

あの背筋が舞台上でももっと伸びていれば…!

そう思わずにはいられませんでした。
背筋が伸びているかどうかで見栄えも違ってきますものね。
それを観た時に某演出家のように背中にものさし突っ込みたい思いました…(笑)。

そしてあとはもっと肩から力を抜いてくれれば…もっといい皇太子像が出来上がるのにと思わずにはいられなかったです。
今シーズン、まだまだ福岡も大阪もあります。それまでにもっと皇太子に近づいてね。

あと楽しかったのは…やはり、カーテンコール。
劇場通いのもっとも楽しいところ。
役とは違うあの笑顔がたまりませ〜ん!
しかも、『エリザベート』のカンパニーは上演中が大変であればあるほど、そのあとの笑顔が…すごくいい。
何度も通うのはあの笑顔のため…といっても過言ではないと思う。
そして、この日はアンコールで全員集合のときに今ちゃんの背中を押して前に押し出すお茶目な祐一郎さんなんてのも見れて、得した気分でした。

その後、アンコールで一路さんと祐一郎さんが二人で出てきた時も皇后様のエスコートだけしてたら『ほら〜、手ぐらい振ってあげなさいよぉ〜』ってな感じに一路さんにされるがまま手を振らされてましたが、『皇后様のエスコートの方が重要にござります〜』ってな感じに恭しくお辞儀をする姿が面白かったです。
実際にはこういった台詞のやり取りはなかったんですが、言葉なんて必要のない瞬間というのを見れたほうが…楽しかったです。
…実際には違うことを思ってたのかもしれませんけどね〜(笑)。


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