:::排出系列:::




俺が明日死んだって、地球は回っているんだから。





2008年10月16日(木)  目を閉じて

取り立てて隠していた訳ではなく
誰もが気づかなかっただけ
明日はどんな日になるだろう
 
やけにざわつく感情を押さえていたよ
あの頃はまだ幼くて話すすべすら持たずにいたから
 
新月の日の夕焼けは 僕の血よりも赤く照らした
 
何も言わなくていい
そこで眠っていればいい
ただそれだけで紛失は報われる
 
悲しみは悲しみのまま世界に幕を垂らして
大したことのない暮らしに光を与え
甘く切ないよしなしごとに涙を見せる
毎回同じ繰り返し
目を閉じていたいよ
 
差し詰め応える術もなく
君に言えなかっただけ
明日はどんな日になるだろう
 
満月の真夜中は僕を狂わせるには不十分で
 
何も言わなくていい
ただそこで微笑み返してくれ
ただそれだけが疚しさを隠していてくれよう
 
虚しさは変革を唱えながら舞い墜ちた
慈しみなんて迷い子には不要の境地
毎日同じ繰り返し
目を閉じていたいよ
 
目を閉じていたいよ


2008年10月15日(水)  南天の実

空に連なる電線を渡り歩きたい
そっと爪を抱き合わせて下らない音階が聞こえた
雨の先の先の誘惑を応えてみたい
だって所詮手のひらに墜ちた一羽の鳥
 
浅ましい!
黒い夜が覆い隠すみたいに並ぶ
疲れても疲れ足りない身体が憎い
痛ましい!
結局はつまらない時間の流れ
致しても致しきれない憂鬱が纏う
もう死ねばいいのに
 
雲を繋げる電柱に心中したい
いつも鼻を付き合わせてめまいに委ねた身体のなか
暑いとか寒いとか最早今さら思考中毒
毎時進む針に恨みを繋いで走り去ればそれまで
 
疎ましい!
明日の影が微かにちらついて
近付き切れない私を脅す
エモーション!
最悪はとまった腕時計の破片
まとわりついて左様なら
烏滸がましい!
たかが30分の交配
南の紅い梅が捜している
 
疚しいことなど もうひとつもない


2008年10月12日(日)  停滞前線

僕は光を探している
遠く見えない 光を…
 
遠くで犬が鳴いている
何か探しているのだろうか
足元の小石を蹴飛ばす
センチメンタルな街灯の光に
灯した希望をかきけした
 
近づいて遠ざかって
永遠なんて下らないものを抱く
たまに疲れて目を閉じて
歩いて立ち止まって走り出す
 
僕は夕日に目を凝らす
何かの証拠を残したいと
 
頭の中は誰かの声が反響している
部屋の隅の本が積み重なって
情報過多な吐き気を催しながら
 
誰にも会いたくないよ
ここから出るのもおぞましいんだ
頭の中の誰かと会話をするのも面倒くさくて
息をする度に苦しいんだ
日曜に等しい安穏がちらついて厭なんだ
 
僕は光を探している
探しているつもりでいたんだ


2008年10月11日(土)  消印

こだまする街の声
のっぺりとした闇夜の月に
声を震わせ伝えてくれたね
がらがらの映画館
聴衆の望みばかり溢れて
こわれそうになって
えほんのように時間は流れる
てまえ勝手な言葉を繰り出し
いつまでも離れないでいる
まだ続けるならご自由に
すぐに終わりは見えてくる
かわせないほどに 速く
 
たくさんの荷物を抱える
だけど其処には
ひっそりと後悔が潜み
とりあえず先送りにしては
つないで凌いだ
 
事実はいつも残酷に
実るだけのあがない
はなれても繋いでいる
其れから先もきっと
処分した感情を探していく
にらんだ先にあるのは
置き去りにされた幼い君
いつか迎えに来る人を
てがみのなかに消した答えを
いつの日かいつの日か
くすんだ日々から
よび戻すから


2008年10月10日(金)  ランプ

脳内を音楽で満たす
あの日の出来事を夜空に還元しよう
 
流れる 流される
早い流れ 一時の 共鳴
灰になりながら
汚れてしまった身体を折り畳む
 
今なら あの人の思いが少しわかる
それが 正しいかはわからないとしても
 
疚しさ故の 流血
流した血を地に返す
 
わからなくてもそれでも良い
たかが30分の交わり
しっかり捕まっていたいだけ
 
これから先変化することは
こんなにも簡単な事由
からだが悲鳴を揚げても
らくにはなれない
 
動作はひすらに緩慢で
かなしみをなくす作業すら怠惰
なれば見つかるのは最早
いつもの思い付きの産物
 
待機時間ばかり流れて失せる
ちっとも良くないのに笑う
続く連鎖は終わりがない
けれど
てのひらに残る温もりは
いつまでも本当で
るりいろの空を目に焼き付けて
カラッポの心を満たす
ランプを探し続けるよ


2008年10月09日(木)  網膜剥離

触れて触れて 触れすぎて判らなくなった
こんなに近いのに遠い
君と離れて 失われていた輪郭が
とても近くに息づいているみたい
たかが数年の間柄で
わかったつもりでいた二人を責めても
答えなんて何もない
 
朝が来れば
思いはただ消えるだろうに
朝なんてもう
消えてしまえばいいのに


2008年10月03日(金)  風の無い夜

風の無い夜の窓際で
あんたがあたしに残した言葉が
頭の中 共鳴する
つまらない冗談が
いくつも頭を掠めて
あれが本当だったのか嘘だったのかを思い出せずにいる
 
まだ届かないよ
手紙に書いた言葉を反芻しては
毎日破り捨てている
大嫌いな言葉に
祈りを込めながら
 
緩やかな足取りで
階段を降りながら
真実と嘘の使い道を模索
斜め前の当日は
安らかに寝息をたて
魂の音を繋いでいく
 
風の無い夜
疚しさばかりが増して
あんたの言葉が忘れられない


kei ☆メール ☆少女カタルシス



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