:::排出系列:::




俺が明日死んだって、地球は回っているんだから。





2004年02月20日(金)  自己浸食

封じるだけじゃ意味なんてない
換気扇がうるさい音をたててる
眠れない
煙たい
もういいと何度言ったか
もう覚えていない
 
トモダチのトモダチから聞いた誰かのウワサ
トモダチもトモダチに伝えた嘘だらけの事実
遠い方がイイ 近づくと涙が増えるだけ
つまらない過去に執したってなにもない
 
あのころとちっとも変わってない
外見が変わって諦めやすくなっただけ
人に書く手紙もアンタに投げた言葉も
まだ残ったままだし
疲れて泣いて逃げたい
裸足のまま口先でウソツキ
 
痛いのは手首 ちっとも変わってない
唾を吐いて毒舌で優しさを後退させて
いつまでも変わらない
固執しなくても 変わらない事実
 
白い顔してお風呂に沈んでやる
蘇らないから
知ってるから
浸食される前に
逃げなくては
 
あたしがあたしじゃなくなる前に…!


2004年02月19日(木)  手のひらに

わたしは大切な秘密をあの人に打ち明けました
あの人は小さな相づちをいくつか打ちながら
否定も肯定もすることなく
わたしの秘密を受け入れました
その日の気温は暖かく
コートはもう要らなかったのでした
 
包むとか大切にするとかそういう言葉に
戸惑い続けていたわたしを嘲笑せずに微笑したのは
後にも先にもきっとあの人だけだと思うのです
 
時に擦れ違いながらそれでもわたしには
あの人の耳の形も背中の広さも
小さな仕草ですら忘れることはないでしょう
この世界で初めてわたしの秘密を識る事となったあの人も
いつかわたしを見限ってきれいな黒髪の女性と
抱き合い始めたとしても
わたしはあの人を忘れないと思います
 
恋人ではなく友人でもなく知人とも呼べないあの人が
わたしの手を握った強さはずっと
わたしの手のひらに残ってしまったのですから


2004年02月17日(火)  徒労

耳障りな電子音につながっていた思考がほら
切断されていく
静かすぎる夜不安になる
二度とこの耳が音を受け付けないのではないかと
不安が高じたらまたアレが近づいてくる
 
誰も私を必要としないから
いつ消えても死んでも大丈夫だとは思わない
私にあなたが必要なように
あなたは誰かを必要としている?
 
ああもう考えたくない
此れ以上考えると泣き出してしまう
苦しみに埋もれて吐いてしまう
苦しい吐き気がする
疲れた
ぼんやりして要領もつかめないまま
終わっていく
 
眠らせて
もう
疲れました


2004年02月15日(日)  真夜中パシフィック

眠る前には ハルシオン
日常動作の 繰り返し
もう厭だ 連れて逃げて
其の黒い車で 何処までも
 
変わる景色は 朝の様に夜の様に
冷たさ残し いつも忘れてる
君の背中の温度が足りない
だから 此処であたしを眠らせて
 
安定剤で常に不安定
足りない物ばかり増えてしまう
何も望んで居ない
此処でさようなら 高速道
 
何もかもが身体にあわない
全ていびつに絡まるだけ
誰かを騙して笑ってやりたい
だから君であたしを守ってみて
 
どうせいつか終わるから
何も望んでも叶わない 夢は夢
 
どんな言葉も泡と変わるわ
だからいつも見守って居たの
月が割れて夜が壊れて行く
だけど君で全てを覆して


2004年02月11日(水)  沈丁花

もう歩けないともう立ち上がれないと
叫びながらあたしの身体は生きてきた
どんな運命が待っていたのかも
どんな夜明けが包んでくれていたのかも
ひとつですらわからないままに
 
泣きたいのに涙は出てこない
眼球が乾いて眼が痛むだけ
月並みな言葉で騙したり騙されたりを繰り返しながら
伝え忘れたことがいくつも いくつも残っている
 
ここは寒いけれどあなたを見届けたあの部屋の温度より温かく
あたしの指は冷たいけれど
最期に触れたあなたの頬よりは温かく
月が冷たい光を落としている
いくつも取り交わしたさようならは
いくつ言葉にしても足りることすらない
 
泣きたいのに泣けない あやふやな気持ちのままでは
もううまく進めないと感じた
あたしが手にしたものは
あたしの手から滑り落ち
時に温度を残してはいつも去りゆくさだめとなる
 
こんな思いや こんな気持ちを識る前に
あの時あの過去にあの場所で
小さく丸まったまま 消えてしまえばよかった
冷たさを知ってしまう前に
消えてしまえばよかった


2004年02月07日(土)  水に沈む

燃えて 燃えて
フィルターまで灰になるのを眺めてた
独りの部屋 わたしの生息地帯
 
沈んでいく どこまでも
底なし沼みないな場所にいる
楽しくない 悲しくもない
林檎にかじりつく 歯茎に滲む血液
 
冷たい足の指 呼吸ができない
どこにもない 冷たい
此処にいて 想いはいつも平行線
 
ぎゅうぎゅうと箱に押し込められた様
病気でも何でもなればいい
でも決して 本心じゃあない
 
傍にいて 薬なしで眠らせてください
耐えられない 苦しいのです
溺れてしまう 脆弱な足が水に沈む
思考が思考しない
こんな脳には用がない
 
わたしを閉じ込めて
どこにも逃げないように監禁してください
煙草と林檎とわたしの好きな音楽と
それから大量の書物と
生活用品があればいいから
沈まぬうちに さあ早く


2004年02月06日(金)  吸血

歩くだけ無駄をしたのか
それだけ進むことができたのか
わからない
 
悴んだ指先は温度を待って凍り付いた
縋るべきものは遠くへ居なくなり
わたしにはただ 孤独だけが残った
発した言葉にいつも当惑している
誰の表情からも不信と不快を読みとっていた
 
望むべきものになれない彼は
捨てた望みを埋めて
そして此処に戻ってくるのか
わたしが何かに託した願いは
ひとひらの破片すら残さず
瞬時にして蒸発した
 
捕まえた手首を離して
なくしたものを待ち望む
繰り返す日常は遠い青空に
反射して消えてゆく
わたしが願った想いは
束の間の夢を上映しながら
縊死して形をなくし消え去った


2004年02月05日(木)  DID-Did I Die

汚れてるあたしの天井から 誰かの声がする
導き 突き放しやがていつか空気に混ざる
腐ってるあたしの意識から アレだけ除外した
捕まえ 手放さずいたいと深すぎて冷たい望み
磨かれた窓が鈍い光を放っている
 
冬 冷たい二つの手は混ざりあっていた
離れたあたしの掌は冷たく
離れたあなたの掌は今誰が握っているの
冬 白い息を吐きながら缶珈琲片手に
二人であるいた道が真白く汚される
あの日の感覚を此処に取り戻せない
あたしはあたしが憎いのです
嗚呼
 
冷たい小道に息をしていた
あの時のふたりはもう居ない
振り返っても闇ばかりが
小道を支配し佇んでいる
今更全てを思い出にするにはもう遅すぎる
 
落下する雲 雪の欠片
今もう此処には一つもなくなったもの


2004年02月04日(水)  悲しい感覚

君のその横顔が泣き出しそうな夕日に染まってた
そっと小さな呪文が口を吐いて溢れ君に届く
優しいも冷たいも対極にある感情だから
たとえ鎖で全てが雁字搦めになったとしても
消え去ることはないと言おう
 
空を向いて深呼吸して
生きていることを確かめる―何度でも
傍で呼吸をすることが全ての目的になる前にほら
小さな口笛吹いて逃げ出そう
 
君のような笑顔も君のような泣き顔も
君の笑顔にも君の泣き顔にも変わらないと
知っているから此処においで
 
冷たい雨・指・真実…体で感じた全てへ
月の明かりが差し込み始めた冷たい夜空へ
あたしの丸めた答案用紙に火を着けたなら走りだそう
遠くまで行けるような気がしていた
離れてもまた近付けるという錯覚に似た 悲しい感覚で


2004年02月03日(火)  線

話し始めると頭のどこかが少し壊れてしまったように
独り言が止まらなくなってしまう
あたしは壊れた人形みたいだね、と言われ
同情されれば泣きたくなり
狡猾な狐みたいな目付きだね、と言われ
失笑されれば逃げたくなる
そんな人間になりたいわけではない
 
スタート地点が振り向いても見えず
振り向いた景色は見知らぬものでこわくなって眼を閉じた
つながることを待ち望みいつかカラカラに乾く
何もないと知りながら探すから
またこうして泣いてしまう
 
指先に神経を集中させ
果てぬ事象に耳を澄ました
冷たい空気と相反する情景
あたしにつかめる糸はもうないよ
誰か手探りであたしを探し抱き止めて
 
行き場所があるなら教えて
そんな眼で見ないで
独りじゃないと伝えて
 
こんなにもこんなにもあたしは苦しいのに


2004年02月02日(月)  風化

泣いたり、笑ったり、怒ったり
くるくると変化する表情が好きだった
つまらない僕に好きだと伝える、唇の形が綺麗だった
全てはもう、なくした日々
壊れたこころの破片がそこら中に散らばり
拾い集める力もないままじっと佇み見つめていた
 
時間が風化する痛み
時間に風葬させた気持ち
見つめる先に変化が欲しかった
 
僕の指先に触れた細い指の綺麗な爪が好きだった
届かないと気づいたときにはもう遅く
取り返せないと知ってしまった
どんな願いも祈りですら
届きはしないと気づいていたのに
認めることは出来ずに居たから
 
抱きしめると伝わってきた細い体の感触を愛していた
今更の言葉は空虚に響き
時間とともに風化することのない痛みが
僕の胸 貫いていく
 
二度と逢えない君に誓うよ
離れた指先に近づきすぎていたこころに
そうして離れすぎた体を
いつまで経とうと忘れぬことを


2004年02月01日(日)  添い寝

指先に触れない優しい光は
優しさに変わりはしない
触れるから届いているから優しくなれる
否定してばかりで自分を肯定できないあたしには
何一つ掴めはしなかったことの様に
 
いつも感覚が麻痺したままだった心は
捨て去ってしまった
何も感じないそんな心は
あたしの凍り付いた感情を溶かさないから
知りたかったことを教えてくれた人
耳を塞いで聞かずに居た音
唱ってくれた優しい人
どこまでも果てしないありがとう
 
闇と光
相反するふたつ
つながり続けるふたつの理由を
あたしの中に植え付けて
 
此れ以上や以下だとしたら
きっと変わりはしなかった
此の状態を作ってくれた
いつも同じに包んでくれた
いつも同じに叱ってくれた
ありがとう
 
あたしがもっと優しくなれば
同じ言葉をあたしにくれる?
いつか見られるそんな未来が
信じていられる様になりたい
一人ではなく誰かの傍で


kei ☆メール ☆少女カタルシス



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