++ワタシノココロ++
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結局、昨日は実家に帰ることはなかったのだが、
知人のお見舞いに2人で出かけた。
家と病院までの往復、結局言葉を交わすことはほとんどなかった。
流れる景色をぼぉっと眺めながら
・・・だけど、やすくんは何も気づけてないんだろうなあ
って考えていた。
部屋に帰ってきても結局言葉を返すことはなく
私は一人分の布団を引いて一人眠った。
そして、今日。
いつもの時間に起きて、洗濯をしながら朝食を作る。
一応、二人分。
出来上がってから、結局コタツで眠ってしまったらしいやすくんに
「朝御飯食べる?」と聞いた。
「・・・ん?いらない」
そんなこと言っても、もう出来てるんですけど。
そんな中でも、お互い意地を張り合ってる、って冷静に見ているもう一人の私が
心のどこかにいた。
兵糧責めは武士道にはずれる、とか
訳わかんない事を考えつつ
やすくんが横になったままのコタツに
トーストとミルクティとオムレツと野菜を並べる。
私は隣の部屋で新聞読みながら、食べた。
やすくんの携帯の目覚ましがなって、
モゾモゾ起きて部屋を出てきて
「歯医者行ってくる」
とぶっきらぼうにいって部屋を出ていった。
部屋を出て行かれたことより、
朝食に手を着けることがなかったことが寂しかった。
結局、やすくんは意地を張ってるだけで
どうして私が昨日からケンカを仕掛けてきてるのか、
どんな気持ちで朝御飯を作ってたのかなとか
そう言うことは全く考えてないことが現れてるようだったから。
1時間以上して、やすくんが帰ってきたけど
一緒にいたくなかったので今度は私が部屋を出た。
一人で街をドライブしたり、本屋に寄ったり。
そんなことをしても気分は晴れなくて、
どんなことを考えてるだろうかとそんなことばかりを思って。
だんだん「何で私がこんなときまでやすくんに気を使う必要があるんだろう」
と思い初めて。
そしたら、こっちに来て初めて
地元に帰ろう、という強い気持ちがわいた。
部屋に帰って、とりあえずのお金と本を一冊鞄に入れて
干してあった洗濯物を取り込んで
横になってるやすくんに「じゃあ」とだけ声をかけて玄関に向かった。
手からこぼれ落ちた車の鍵の音で
やすくんは目を覚ましたようで
「どこへいくの」と近づいてきた。
「帰る」
それだけ言ってドアを開けようとすると
心の奥に詰め込んできたもの心の中でぷちっと音を立てたみたいに
一気にからだ全部から飛び出してきて
自分でも押さえられなくなってた。
お互いの息が上がるまでドアの前でもみあってた。
私は自分でもビックリするくらいの力でやすくんの腕をふりほどこうとしたけど
それ以上の力でやすくんに押さえられてた。
しばらくして
「なんなの?何で急にそんなこと言うの?」
とやすくんがいってた。言葉は落ち着いているけど
かなり動揺しているのが分かる。
言葉を選びながら自分の気持ちをやすくんにぶつける。
その言葉尻で、やすくんは私に何か言い返そうとしたけど
そんなことで、私の気持ちが止まるわけもなく
でも、私のどこかはやっぱり冷静で気持ちは穏やかで
静かに、落ち着いて気持ちを伝えた。
初め、やすくんはそれでも何か言い返そうとしたけど
だんだん何かに気づいたような表情になって
静かに、でも目を逸らさずに
「ごめん」っていった。
その言葉を聞いたら、何だか急に何かが心の中で萎んで
体中の力が抜けて楽になった。
やすくんはこれからも今までと変わらないかも知れない。
でも、今回のことで
何かは確実に変わったはず。そして
何か変わろうとするはず。
私も、何か変われるはず。
逃げなくてよかった。
タイトルでおわかりかと思いますが、
ただいま、ケンカ中。
ま、とはいえ、それはとっても静かな物で
「冷戦」つまり、私がやすくんを無視してる
一方的な喧嘩なのだけど。
やすくんはきっとこの状況を分かっているけど、だからといって
ごますったり、なだめたりおだてたりしてこない。
私が自分で心の中のわだかまりを消化して
いつも通り話しかけてくるのを
静かに待っているだけ。
たしかに、これまでは
一人で怒って無視してるんだけど、
しばらくすると、
「やすくん、気にしてくれてるかなあ」
「ちょっとは慌ててるかなあ」
なんて、気になって
更にしばらくすると、何もアクションを起こさないやすくんが
もしかしたら私以上に怒っているんじゃないかな、なんて思えてきて
「もしかしたら、こんな事で嫌われちゃうかもしれない」なんて
急に怖くなってきて、
私の方から「ごめん」なんて言ったりしていた。
だいたいやすくんは
「なんか怒ってるのかなあって思ってたんだ」
くらいで。
結局、私が何を考え、何を思い
やすくんを無視しているのかなんて考えてなかったんだって
拍子抜けしてしまうんだった。
〜君子危うきに近寄らず〜
ではないけど、やすくんはいつもそう。
なにかあるんだろうな、ということまでは気がつけるんだけど
そこから先のことは考えられない。
じっと黙って我慢して、
事態が好転するのを待ってるだけ。
私は、やすくんが何かアクションを起こす前に
何を考え、どうしたいのかと言うことを考えてるのに。
そして
私がそこまでになるときの原因はいつも同じ。
やすくんは、いつでも自分最優先と言うこと。
ワガママと言うほどのことではない。
大したことじゃないと言えばそう。
でもさ。
たまにお互いの休みがあっても
自分のペースで一日をすごしちゃうこととか
急に思い立って予定を変えちゃう事とか
それってあまりに私のことを考えてなさすぎ。
ケンカのきっかけになったのも
結局、夕食の準備をしている時に
「思ったより早く仕事が終わったんだ。これから実家へ行こう」
って言う一言。
そりゃ、あなたは自分の実家で
お母さんの手料理を食べられて、思いっきりお酒も飲めて
酔っぱらったら、妹が引いてくれた布団でごろりと横になれるかも知れないけど
今こうやって台所に立って包丁を握ってる
私の立場はどうなるの?
「それ、また明日にでも食べようよ」
なんて言うけど、
温めなおした料理にほとんど口を付けないのはだれ?
そもそも、
一端実家に帰ったら
次の日の夕食もしっかり食べてかえってくるでしょうが。
はあああああああああああああああああああ!!!!!!!!!
ということで、
今回はちょっと覚悟を決めて
臨戦態勢に入りました。
どうなるか分かりません。
やすくんは仕事柄
指輪とかを日常的にはつけない。
じゃ、非日常だったらするのかというと(笑)
そもそもそう言うモノを身につけることが好きではない人なので
つまり、装飾品を身につけることはない、っていうこと。
・・・・・基本的には。
私もあまり指輪とかを身につけるのが好きではないけど
唯一こだわっていることがある。
結婚指輪。
傷ついても、いびつになってしまってもいいから
私はこれから先もずっとこの指輪だけは身につけていたいと思う。
結婚の証だからというのではなく、
やすくんとつながっているといつでも実感できるから。
うーん・・・たとえて言うなら
目に見える赤い糸、みたいな。<たとえになってないか。
やすくんは普段絶対にしない。
本当は通勤の行き帰りだけでも指輪をしていて欲しいけど
「無くすと困るから」というやすくんの言葉で
今はあきらめてる。
だから、せめて休日だけでもと思うのだけど
最初にあるとおり
日常的に身につけないモノを
非日常の中でつけるにはかなりの意識がないとダメなわけで。
そもそも身につけることに興味のないやすくんは
忘れてしまうことの方が多い。
って言うか、ほとんどしてない。
私も、基本的には興味のない人なので
そんなやすくんに気づくのは、いつも外出先だとか
休日が終わる間際だったりする。
今日、やすくんは一人でやすくんの実家に泊まりに行った。
明日早朝から義両親が出かけるときの運転手役をするため。
本当なら私も一緒に泊まりたいけど
仕事があるので今回は泣く泣くあきらめた。
仕事が終わって家に帰ってきたやすくんを迎えて
くつろぐ時間もそこそこに出かけることになった。
寝室で着替えや洗面道具を鞄に詰めていると
やすくんが
「おっと、忘れるところだった」
と、リビングに一人入っていく。
「久々につけると、なんだか変な感じだなあ」
やすくんの左手の薬指にきらきら光る指輪。
この前私の実家に帰るときですら忘れてしまっていたのに。
「ほら、これで寂しくないだろ?」
私の顔をのぞき込んで、ニコッと笑う。
一人の夜。
寒くて寂しい夜。
・・・そう思ったら。
そっと左手の薬指を触ってみよう。
ほんの少し、安心できる。
ここ最近、めっきり寒さが厳しくなってきた<最近、そんな話題ばっかり
朝起きるときはもちろん、夜布団の中に入るときも。
ひんやりとしたシーツに身体が触れる瞬間が一番嫌。
実は、敷き布団にかける暖かい毛布を持ってる私。
ただし、1人分。
私が1人暮らしをしていたときから使っていたモノ。
私だけ暖かいのもイヤだし、私だけ寒いのも嫌(笑)
だから、使うのを我慢している。
奇妙なやせ我慢。
「寒いよー」と毎日言っていたら
やすくんが、
「湯たんぽ、買う?」って言ってくれたのだけど、
丁重にお断りした。
だって、
寒いのは嫌だけど
「寒いよー」って言いながら、
やすくんの布団に潜り込んじゃうのは
すごく好きだから。
「寒い」のを利用して
ひとつの布団で寝ようって言う魂胆。
やすくんの身体は
すごく暖かくて、
そしてすごく安心できる。
湯たんぽは暖かいけど
淋しさが募るでしょう?
そう言うわけで、ここ最近は
寒いながらも幸せな毎日だったのですが
今晩、やすくんはお泊まり出張。
安心も
暖かさもない
寂しい夜。
一人の夜。
朝の寒さに負けて
なかなか布団から出ていくことが出来ないこのごろ。
やすくんに
「早くしないと遅刻するぞ〜!」って言われて
ようやく準備に入る。
ふと目をやると、10月のカレンダーにはもう新しい日付はなかった。
「あれ?今日から11月だよ!」
ビックリしてやすくんに声をかけると
そんな私にビックリしたらしいやすくんが
きょとんとした目でこっちを見てる。
「・・・何を今更?」
たしかにそうだけど。
ボーっとしている間に11月になってしまったことが
なんだかすごく悪いことをしたようで
ちょっと反省。
11月に特別な思い入れがあったわけではないけど、
ゆっくり進んでいく「秋」が
私の中のカレンダーを狂わせてる。
私の知ってる「秋」は
一気にやってきて、一気に去ってくから。
いつの間にか、冬は、
もうすぐそこまでやって来てる。
初めての冬。
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