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2001年10月30日(火) あの人のこと。

2人で眠るのは、久しぶり。
だけど、昨日は2人とも本当に疲れてて
おやすみを言ったかどうかも分からないくらい
布団に入ってすぐ眠りに落ちた。


夜。
やすくんの携帯が鳴る。
やすくんはすぐには起きなかったから、
私が携帯を取って、やすくんの体を揺さぶって起こした。

ほんのわずかな瞬間だけど、
その小さな携帯の画面に映る名前に目がいく。



…あの人だ



携帯のメモリーの 001番に登録されてる、あの人。
昔の写真にやすくんと一緒に写っていたあの人。

気づかないフリしてやすくんに渡す。
電話に出たやすくんはいつもよりぶっきらぼうで、
少し怒ったような感じで話をし、
ほんのわずかな時間で電話を切った。

  …今の、だれ?

そう言ってみたいのだが、何だか怖くて聞き出せない。
結局、そのままやすくんは眠りに落ちてた。





夢の中。

真っ暗な中で、やすくんを私とあの人とで引っ張り合いしている。
あの人は、言葉にならないような罵声を浴びせかけながら
引きちぎらんばかりにやすくんを引っ張る。
つかんでいる腕には、血が流れていた。
そんなにまで必死に引っ張る彼女と
苦痛に顔をゆがめるやすくんが
何だかとてもかわいそうで、淋しくなって、
思わず手を離してしまった。



手を離したときの衝撃が妙にリアルで、
声を上げた瞬間、
自分の声で目が覚める。
やすくんも私の様子に気づいてたようで、
しっかりと抱きしめてくれてた。

すぐそばのやすくんの顔を見たら
また涙がこぼれてしまった。

「どうした?」
「やすくんをひっぱってたの。
 そしたら、痛そうだったの。
 だから手はなしちゃったよ」
「大丈夫だよ。ここにいるよ。
 ここにいる」

なにがなんだか、その時は本当に分からなくて
何度も「ごめんなさい」って言ったような気がする。
やすくんは、抱きしめてくれたまま
小さな子をあやすように頭を撫でながら
「大丈夫だよ」って言ってくれてた。
私が落ち着くまでずっと。


思い切って聞いてみた。

「夜の電話は、誰からだったの?」

やすくんは、しばらく黙っていたけど、
少し困った顔をして

「何の関係もない人だよ」

って答えた。
これまでにない答え方。それをやすくんに言うと
やすくんはもっと困った顔をして、話してくれた。

あの人のことを。

一緒に暮らしてたことを。
今はもう何の関係もないことを。
携帯のメモリも消したいことを。
でも、消せない事情があるということを。
いずれ知れることになるなら、
自分の口で説明したかったことを。

私も言った。
その全部を、知っていた、ってことを。






自分がもっとショックを受けると思った。
やすくんの口から、私以外の誰かの話を聞くことで。

でも。
なんだろ。

「正直に教えてくれてありがとう」

そういうと、今度はやすくんが聞いてきた。

「もしさ、俺が嘘ついて会社の人だって言ったら、
 どうしてた?」

「…そうなの、って言うと思うよ」

「ききなら、そう言うだろうなと思った。
 でもそしたら、辛い思いさせてたな。
 今まで黙っててごめんな」

なんだろ。
やすくんのその言葉を聞いたら、
嬉しくて涙が出てきた。

涙が。

あふれた。


2001年10月29日(月) 特別な存在。

やすくんがやってきた。

やすくんが。

やすくんがいる、というだけで
あたたかい。

心にぽっかり空いていた穴に
暖かいものがどんどん注がれる。
それは、本当に心地よくて力強くて、
弱っていた心の、一番弱い部分に届く。



どうしても言いたかった言葉。
「この前はごめん」
やすくんは、照れたみたいに

「もういいの」

といって、私を包んでくれる。

「心配しなくても、もう何とも思ってないよ。
 ほんとに。」

そういって、頭にポンっと手をやって
私の顔をのぞき込む。

自分でも気づかなかったけど、
今回のことでかなりのダメージを受けていたらしく、
その顔を見て、涙が勝手にあふれた。
固まってた不安が一気に溶けて消えた。


周りが真っ暗になったのに気づかないくらい
2人で毛布にくるまっていろんな話をした。

子どもの頃のこと。
大人になってからのこと。
いまだに分からない男の人の秘密とか。
初めてのこととか。
私とのことを。

「こんなことまで聞いてもいいかな?」
なんて思うことも、
やすくんは全部隠さず教えてくれた。
私も答えた。 包み隠さず。


「お互い変なこと聞いてるよね」

って、思わず言ってしまって、
顔を見合わせて、声を出して笑ってしまった。
ここには書かないけど、
やすくんしか知らない、やすくんの秘密も教えてくれた。
秘密の共有。

やすくんと私の秘密。


2001年10月28日(日) カミサマ ノ イウ トオリ。

(昨日の日記からの続きみたいなもの)

気まずい朝。
昨日の夜、不機嫌なまま電話を切ろうとしたやすくん。
だけど、
「明日の朝8時半に電話して」
というのは、いつも通り。
 私はあなたの目覚まし時計かいっ!
って言う気持ちは隅に追いやって、
電話をしてみたものの、
やっぱりご機嫌はひん曲がったまま。
いつも通りを装ってはいるけど、
その奥の不機嫌さがチラチラ顔を覗かせてるのがよく分かる。

さみしいなあ・・・

昨日の日記じゃ、「嬉しい」って書いたけど
それはある一面という意味で、
ココロの半分以上は「淋しい」って気持ちで占められてる。
しかも今日は、
ぽっかり予定が抜けた休日。
1人でいると私まで滅入ってしまうから
どこかへ出かけようと計画。

ふと、5年前大学を卒業したときに
別れたっきりの友人に会いに行こうと考えた。
大親友の一人。
電話をしてみると、
たまたま今日は予定が空いたということだったから、
早速車に乗り込み、約2時間のドライブ。

紅葉のきれいな峠を越え、高速に乗り、
そして諏訪湖畔の彼女の家へ。
顔を見るまでは少し緊張したけれど、
顔を見て、一言「元気?」って言ったとたん、
空気が5年前に戻ったみたいに、
前と同じように話が弾んだ。

彼女の家で食事を頂き、
そして、最近彼女がはまっているという
本についての話や、私の仕事のことや
やすくんのこと、今してる喧嘩のことを話した。
彼女は、哲学者とか心理学者みたいな所があって、
話していると、これまでとは違った考え方を発見できたり、
頭の中でぐちゃぐちゃになってたことが
整理できたりする。

「その彼氏は、周りを大切にするばっかりに、
 自分の感情を切り捨てたりするところがあったのかも知れないね。
 でも、今あんたと知り合って、
 今度は自分の心を見つめて欲しいって言われて
 とまどってるのかも知れない」
「言われてることの意味は分かるんだけど、
 それがあまりにもストレートすぎて逆に腹が立つみたいな。
 そんな感じなんだと思うよ。
 言葉を選んであげなきゃ」

会ったこともないやすくんなのに、
まるで前から知ってるかのような分析。
…当たってる。






その後、せっかく来たんだからということで、
諏訪大社の秋宮というところに連れていってもらう。
(諏訪大社には4つのお宮があるらしい。
 秋宮はそのうちの1つ。)


またまたせっかくだから、と、2人でおみくじを引く。
結果はさておき、その中の1つに目がとまった。


「待人  連絡なしに来る」



やすくんは、今日2週間の出張を終えたところ。
確かに明日と明後日はお休み。
前にも「せっかくの休みだけど、疲れをとることにする」
って言ってた。
しかも、今喧嘩してるし。

気になって気になって、神社に結ばずに持って帰ってきた。

友人との別れ際。
「あんたには、きっといいことが起きるよ。
 そんな気がする。がんばれ」
なんて言われて、泣きそうになった。


帰り道、もうすぐ家に着くと言うときに
やすくんから電話が入る。
まだ少し不機嫌そう。
私も、明るく振る舞うことができなくて
沈黙が続いた。

「明日、2時半だから」

 ん?なに?

「明日2時半につくバスで、そっちに行くから
 鍵置いていって」

 だけど、疲れたから休むって言って…

「とにかく行くから、鍵よろしく」

突然の展開。
なんだか、うれしさよりも驚きの方が大きい今。




神様の言うとおりになりました。



(余談:おかげで、友人の家から帰った深夜から掃除大会です)


2001年10月27日(土) つたえる。

やすくんと喧嘩をした。
喧嘩・・・というより、
私が何も考えずに言った言葉が
客観的に考えてみてもやっぱりやすくんに対して失礼で、
当然やすくんの気分を損ねてしまった。

沈黙のやすくん。

途中経過はどうであれ、今回私が悪いことは事実。
でも、
電話が唯一のつながりである今、
向こうで黙られてしまうと・・・辛い。

+++++++++++++++++++++++++

普段から、私はやすくんに
「とにかく話して」
ってよくいう。
一緒にいるときは、表情や一つ一つの動き、
それに感じる温度、というか雰囲気で
その時やすくんがどんなことを感じ、思っているか、
何がそうさせてるのか、って言うのは分かる。

でも、電話だとそうはいかない。
言葉がただ一つの鍵。

それにもう一つ。
これはやすくんとつきあい始めて分かったことだけど、
「生まれ育った環境」というか「生まれ育った地域の違い」
って結構大きい。
地元だと何も説明しなくても分かってもらえることがある。
どこまで突っ込んだ話をしていいかとか、
どんな言葉に傷つけられるかとか。
態度や距離感もそう。
それを、やすくんにはいちいち説明しなければならない。
やすくんにも説明してもらわなきゃ分からない。

やすくんは、機嫌が悪くなると黙り込む。
話の流れでその原因が何か、ということが分かるときもあるが、
分からないときだってある。
怒ってるのか、悲しんでるのか、それとも別の何かなのか。

++++++++++++++++++++++++++

「とにかく今日は寝る。おやすみ」
って、一方的に電話を切ろうとするやすくん。
自分が悪いことは分かってる。
でも、きちんとやすくんの言葉で伝えて欲しい。
「私が悪いのは分かってる。
 でも、やすくんがどう感じてるのか、
 何を怒っているのか、
 教えてくれないとわかんないよ」




長い沈黙。



そして。
「冗談でも、ああいう言い方はイヤだ。」




やすくんのご機嫌はまだ斜めのまま。
いつもの「おやすみ」も、「あしたもがんばろうな」もない。

それでも、なんだか
やすくんの心の中をまた少し
知ることができたような気がして嬉しい。





・・・へんかな?


2001年10月26日(金) ささえてる。

深夜、ふと気づいたとき、
携帯電話の向こうで声がした。

留守電のメッセージ。

思いっきり眠ってて気づかなかったけど、
それは、やすくんからのもの。
ビックリしてそのメッセージも聞かないで電話をかける。

「あ、起こしちゃった?今帰ってきたんだ」

時計はもう1時半をまわってる。
寝起きで意識もモウロウとしてたけど、
他愛もない一日のことを話したり、
つまらないギャグを笑い飛ばしたり、
今度はいつ会えるのかなんて話をしていた。

電話の向こうのやすくんは
いつもと変わらず、穏やかで、やさしかった。
ただ、
いつもと違うのは、
どちらかというと無口なやすくんが
自分から、その他愛のない話をしてきたこと。
…お酒も入ってるから、そのせいかも
そんなことを考えながら、話してた。

会話の間も睡魔が私を襲う。
とんちんかんな受け答えをして
やすくんに笑われた。

「明日も早いんだろ?今日はもう寝たら?
 遅くから電話して、ごめんな。
 明日起きたら、また電話して」

そんな言葉を、頭のどこかで受けとめて、
電話を切った。
体の半分以上が眠りに落ちたとき、
電話の切り際にやすくんの言った一言が
頭をかすめた。


「さっき入れた留守電、忘れてなかったら消して」

急にその言葉が気になって、携帯をまた手に取る。


「…何度も電話してごめん。


 …やっぱり、ここはとても遠い気がするよ。


 …今度いつこっちに来れますか?


 …

 …

 …

 …淋しいです。」



ぽつりぽつり、吐き出すように出てきた言葉。
さっきまでのやすくんの様子から想像つかない声。
着信履歴を見る。
時間をおいて何度も何度も電話してくれた
やすくんの跡が残っていた。

さっきまでのやすくんの声に
気づかなかったココロの裏の気持ちに
初めて気づいた。

他愛のない話だったけど、
私は途中で寝ちゃったけど、
私の声が
やすくんをささえてる。

そう思った瞬間だった。



2001年10月25日(木) 心にしみるうた

いろいろあって、
それを書こうか書かないでおこうか悩んでる。
日記を書いたり消したりしている。

特にやりたいことはなく、
昔のCDを聞きながら、
普段はやらないトランプゲームで遊んだ。

どのくらいのCDを聞いたのか、
もうわからない。

ふと。

misiaの「キスして抱きしめて」が流れる。


詩のひとつひとつが
どこかから流れて、
私の心にしみこんでるのがわかった。


  眠れなくなって 起き出して
  たいして 興味も ない くせに
  よく見るって聞く 深夜番組つけると
  あなたがいるような 気になって
 
  雑踏にまぎれて消えた言葉達を ふと思い出して
  胸が痛いくらいせつない 苦しい
  さびしいから いますぐ会いに来て



  この恋は永遠って焼きつけたい


目に焼きつけてるやすくんの

腕を 肩を 口を

パズルみたいにくっつけたり離したり、
何度やっても、
淋しいのはなぜだろう。


2001年10月23日(火) 電話。

朝、電話をする。
やすくんは、今日から2日間休みらしい。

私は今日出張。
職場とは逆方向なので、
いつもより遅く部屋を出ることになってた朝。


ゆったりと、話をする。
やすくんが今のところに出張してから
お互いの仕事のサイクルが思いっきりずれたから、
まともに話したのは久しぶりな感じ。



++++++++++++++++++++++++++



出張が予定より早く終わる。
職場に戻って片づける仕事もあったけど、
着替えと休憩をかねて、一旦自分の部屋へ。
出張先から部屋へ帰る間に
また、やすくんに電話する。
朝の電話で、紅葉を見に行ってくる、
って言ってたから
様子を聞いてみた。

「紅葉はきれいだったけど、
 寒いし、霧で髪の毛濡れるし、
 結構きつかったよ」

一緒に行きたいなあって気持ちより、
太陽がこんなに高い位置にある時間に
やすくんの声が聞けたことのうれしさが
ぐんぐんこみ上げてくる。



++++++++++++++++++++++++++



夕方、部屋を出て会社へ。
車に乗ると、やすくんの声が聞きたくなるのはなぜだろう。
1人でビールを飲んでたやすくんは
少し眠そうだった。

「ごめん、寝てて。仕事行ってくる」

なんて、自分から言ってるくせに
なかなか電話が切れない。
やすくんも笑って

「大丈夫。会社に着くまで、話しようよ」

って言ってくれるから、
その言葉に甘えて話を続けてしまう。



++++++++++++++++++++++++++


1日に何度も何度も電話をして、
何度も何度もやすくんの声を聞く。
やすくんの笑い声を聞く。
やすくんの動きを感じる。

やすくんの声を少しでも長く聞いていたい。
やすくんの呼吸を感じていたい。

指先で触れられないから、
目で姿をとらえられないから、
全神経を耳に集中させて、
やすくんを感じていたい。




本当は、電話じゃいやなんだよ。やすくん。



はやく

会いたいです。


2001年10月21日(日) バランスと タイミングのズレ。

先週の頭からやすくんは2週間の出張。
系列のヘルプに行ってる。
とっても忙しいらしく、
出張先で与えられた部屋に戻るのはいつも深夜1時をまわる。

私の仕事も先週の頭から忙しい。
立て続けに大きな仕事が入っている。
期限が全部この2週間に集中してるから、
毎日毎日あわただしく働いてる。

やすくんのことも仕事のことも、
どちらも同時に頑張れる器用さが
どうも私には欠けてるみたい。
いつもは、やすくんがいない毎日が淋しくて仕方ないんだけど
仕事が忙しくなってくると
会えないことの寂しさの比重が、少し軽くなる。
仕事で寂しさを紛らわせているんじゃない。
その間は仕事が楽しいから。
心の中のシーソーの傾きが、
少し仕事の方に傾いてる、って言う感じ。

そのうち仕事が一段落すると、
シーソーはやすくんへ一気に傾く。
シーソーのバランスはとれることなく、
いつも揺らいでるような気がするけど、
それが私らしさなのかもしれない。





深夜、やすくんから電話がかかる。

「今の部屋落ち着かないよ。
 たった1人なのに、3LDKの部屋もらっちゃったんだ。
 淋しいから、リビングの隣の部屋にテレビ持って来ちゃった。
 この部屋しか使わないんだ。
 俺には、このくらいがちょうどいいし。」

大きな体のやすくんが
広い部屋で落ち着かなくてうろうろしてる姿や
いそいそとテレビを隣の部屋に運んでる姿を想像すると、
どうしても笑いがこみ上げてくる。

「俺、今すっごく淋しい」

そんなことを不意に言う。

   どうせなら毎日違う部屋に寝て旅行気分を楽しんだら?

なんて笑いながら言うと、

「1人で旅行には行かないよ。
 俺、これから旅行はいつも2人で行くって決めたんだから」

って、ふくれっつらの子どもみたいな返事が返ってくる。

   そっか。じゃ、隣の部屋に私があそびに来てると思っててよ。
   電話だったらさ、お隣同士で話してるみたいじゃん。

「そんなことしたら、毎日隣の部屋をのぞきに行っちゃうよ。
 いるのかなあってさ」

いつもは、やさしくて大きなやすくん。
私はその中に包まれて、守られて過ごしてる。
でも、今夜は私がやすくんを包んであげる。
やすくんが弱ってるときは、私がやすくんを守ってあげる。

これまでで1つわかったことがある。
2人の「会いたい」って言う気持ちが強くなるタイミングは
微妙にずれるってこと。

このタイミングのズレが、私たちを助けてくれてた。
どんなに会いたい、と願っていても
今の私達には、会える日は決まっている。
仕事やすべてを投げ出して、ということができるほど
私たちはもう子どもじゃない。
「会いたい」って言う気持ちが強くなってるときは、
だいたい心が弱っているとき。

私が弱っているときはやすくんが、
やすくんが弱っているときは私が、
お互いをなぐさめて、励ましてきたから
ここまでやってこれた気がする。

大丈夫。
私のココロはいつもやすくんのそばにいるから。
安心して眠って下さい。


2001年10月20日(土) 居場所。

弟の就職が決まったと言うことで、
今日は家族全員で食事に出かけた。
昔からよくしてもらっている日本料理の店。
料理がおいしいのと、気心が知れてるお店の人の応対が
本当に気持ちよくて、両親はよく利用しているらしい。

実はこの店、先日やすくんとやすくんの両親と会食した店。

部屋に通されから、女将さんが迎えてくれたとき、
「先日はどうもありがとうございました」
と、挨拶した。

料理は先日と違っていたけれど、
季節の食材の中には、先日と同じ物もあったりして
やっぱり話題がやすくん達の話になる。
そのなかで、女将さんは

「旦那さんは…」

って、やすくんの話をするから、
心の下側をくすぐられてるような気分になる。



お刺身が出てきた。
鯛の昆布じめと、戻りガツオとエビ。

あ、カツオだ、と思った瞬間。
父が

「この前、向こうの家からカツオが送られてきたよ」

なんて言う話をする。
先日は母から、
父がペロリと半身食べてしまったらしいこと、
あまりにもおいしいから
父の親友達の集まりに残りの半身を持っていって、
やすくんのお父さんから送ってもらったことを
自慢げに話していた事を聞いていたから、
なんだか嬉しくなった。

女将さんが戻りガツオの説明をする。
「今はおいしいですからね」
なんて、言う話に相づちを打ちながら
みんなでカツオを口にする。
一通り話をしていって女将さんが出ていくと、

「この前のカツオの方がおいしかったな」

と、父がぽつりという。

母が、いつもと違った刺身の食べ方をした。

「このまえ、彼がやっていたのがおいしそうだったから」

やすくんのことを誉められたみたいで、
すごく嬉しい。

ねえ、やすくん。
私の家族の中にも、
すこしずつ
やすくんの居場所ができてるよ。


2001年10月17日(水) 灯台のひかり。(1年。その3)

行き当たりばったりの旅。
泊まるところも、宿泊案内所にお願いして決める。
鳥羽から南に少し行った所の
海に面したホテル(というか旅館)に決めた。
案内所のおじさんが
「若い2人だから、海が見える景色のいい部屋にしてあげて」
って、旅館の人に電話でに話してたのが恥ずかしかった。

部屋に入って、しばらくのんびり過ごす。
まさに、修学旅行の自由時間状態。
思い思いの場所にごろんと横になって、テレビを見てた。



いつの間にか、眠っていた私。

さっきまで離れてテレビを見ていたやすくんは
すぐ横で、小さな子どものお昼寝の添い寝をしてるみたいに
私を守るようにして眠っていた。
微妙な距離は保たれたまま。
自分からそれ以上近づくことはできなかったけど、
それはそれで、何だかとても安心できた。


「このまま、この旅行は終わっていくのかな」

一瞬、頭をよぎる。
でもそれで良かった。そんな旅が楽しかったし。


お風呂に入って、自慢の料理(案内所談)に舌鼓を打つ。
そして、食事を終えて。
テレビや、外の景色を見ながら2人でぼんやり過ごす。

ふと、何かが見えた気がして、窓の外を見つめる。
じっと見ていると、ほんの一瞬の弱い光だけど
灯台の明かりが見えることに気づいた。

「ねえ、ほら! 灯台の光だ!」

やすくんに教えるのだけど、
タイミングが合わなくて、なかなか見てもらえない。

「ほら、見えるでしょう?」

何度も何度もいうのだが、
灯台が建物や山の陰に隠れているので、
簡単に気づけない。


そうだ。


急に思い立って、テレビも部屋の電気も消して
初めてやすくんの腕を取る。

「いい?絶対見えるから。
 あきらめずにずっとあの山の上を見てて」

部屋を暗くしたので、
しばらく待つと、灯台のほのかな明かりが、
海に向かって、ボウッと周りを照らすのが見えた。

「あ、見えた。見えたよ」

そうやすくんが言った。
それがすごく嬉しくて、
おでこが窓ガラスにくっつくくらい
顔を押しつけて、次の光が出てくるのを待つ。
飽きもせず、何度も、何度も。



その時。

やすくんの顔が、私のすぐ横に並んだ。
後ろから抱っこするみたいに
やすくんが私を包んでくれた。



灯台のあの光とやすくんのあたたかさは、
一生忘れないと思う。


2001年10月16日(火) 微妙な距離。(1年。その2)

初めてづくしのやすくんとの旅。
フェリーに乗って、三重県は鳥羽市へ。
朝早く…正確には夜明け前…やすくんの部屋を出発したから
フェリーに乗ってしばらくすると、
やすくんはベンチに座って、何だかウトウトしてた。
通勤電車で眠った人みたいに、
体が傾いてくると、ふっと元に戻る。

 私の方にもたれて眠ってもいいのに

と思うのだけど、なかなか言い出せない。
近くにいるのに、なんだか遠い。
気づいたら、もう港に入っていた。


車に乗り込み、やすくんがなぜかものすごく行きたがってた
伊勢神宮へ向かう。
初めてのデートがお泊まりってのもすごいけど、
その行き先が神社ってのも、
ある意味すごいと思うのだが…
駐車場に着くと、外は雨。

「濡れちゃいけないから」

と、やすくんは自分の上着を私に貸してくれた。
初めての、やすくんのジャケット。
そして、傘。

傘のせいで、微妙な距離ができる。
相変わらず手を繋がない、繋げない私たち。

伊勢神宮までは「おかげ横丁」とかいう
ちょっと昔風の町が続く。
ものすごい人混み。
お客さん同士の傘がぶつかりあって、
なかなか前に進めない。

「ちょっと。ごめん」

いきなり、やすくんが自分の傘を閉じて、
私の傘に入ってきた。

「傘でなかなか前に進めないんだ。
 だから、ここから1本の傘で行こう。
 濡れちゃいそうなら言ってね。」

突然の相合い傘(古いなあ)。
背の高いやすくんが傘を持って、
それにくっついて歩く私。
私が濡れないように気を使いながら、
傘の角度や向きを変えてくれる。
そんなやすくんの反対側の肩は
滴が落ちて、濡れてる。

「私、大丈夫だから、濡れないようにしてね」
「大丈夫。俺、多少の雨ならなんともないから。
 それより、大丈夫?冷たくない?」
「うん」

そう。
この時、まだ私たちはお互いの名前を呼び合ってもいなかった。
「ねえ」「あのさあ」って呼ぶだけ。
名前で呼ぶのが気恥ずかしくて、
できるだけ名前を呼ばなくてもいいように
話を進めてた。
うーん・・・・我ながら、高校生みたい。

時々人混みで離れそうになってしまうと、
すっと肩に手を回して、離れないようにしてくれる。
私を守ってくれてるみたいで嬉しい。
でも、
その手はほんの一瞬だけ。


名前も呼べない、手も繋げない。
そんな私たちが1つの傘で、
神様の前に進んでいく。


伊勢神宮の内宮の本殿(という言い方は正しい?)前で
2人でお祈り。
「楽しい旅になりますように」
「また、2人でここに来れますように」
と祈った。

やすくんは、なんて祈ったの?
心の中で聞いてみるけど、
答えは返ってくるはずもない。


こんな私たちを神様はどう見たのだろう。


2001年10月15日(月) 1年。

1年前。
1年前の今日、やすくんと初めて旅行に行った。
つきあう、って決めてから最初に会ったのがそのとき。 
実物のやすくんに会うのも2回目。
それなのに、よく旅行に行くことを決めたなあ。
自分のやったことなのに、
改めて思い出して驚いてる。

1年前。
すべてが初めてづくしの夜。
やすくんの住む街。
やすくんの会社(ホテル)のお風呂。
やすくんの部屋。
やすくんのトレーナーを初めて借りて、
初めて2人で並んで歯を磨いたのも、この日。

並んだ布団。
別々の布団に入って、いろんな話をして。

そして、電気を消して、
「おやすみ」って言って眠った。
何かあったらどうしよう、なんて
ちょっとドキドキしていたのに、
予想に反して、
修学旅行みたいで楽しかった(笑)

なかなか眠れなかったような気もするし、
電気を消したらすぐ眠ってしまったような気もする。
覚えてるのは、
隣の布団で、何度も何度も大きな寝返りを打つ
やすくんの気配を感じたことと、

明け方、眠っていた私の手の上に、
そっとやすくんが手を重ねたこと。

手のひらの暖かみを感じて、目が覚めたのだが
まだ頭はぼんやりしてて、
目を閉じたままだった。

わたしが少し動いたり、
手がピクリと動いたりするたびに
やすくんは、パッと手を離す。

しばらくして、
また手のひらの暖かみを感じた。
その繰り返し。


重ねなれた手の重さと暖かみが
心地よくて
嬉しくて、
ドキドキした。

だんだん頭もはっきりしてきて
大きく体を動かして目が覚める。


初めての「おはよう」。

でも、やすくんは
さっきの手のことは何一つ話さなかった。
私の方からも、なかなか言い出せなくて
結局知らないフリ。
それが余計にドキドキを増す原因になった。






お互いの名前を呼び合うことも
手を繋ぐことも
まだできなかった
1年前。


あれから1年。



2001年10月14日(日) ホームシック。


(10日と昨日の分も更新しました。読んでいただけると嬉しいです)

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

2連休だけど、仕事が詰まってる。
家での仕事があるから、
本当は実家でゆっくりしていきたかったけど
夜遅く、私の部屋へ帰ることにした。

車に乗り込む前、
空に久々に星がたくさん光っていた。
端の方にオリオン座の三ツ星。
小さい頃、夜空に三ツ星を見つけてから
「私だけの星だ」って
親しみを持って見ていた星たち。
それが「オリオン座」だって知ったのは小学生の後半頃。

…そんなことから、昔のことが頭の中に浮かぶ。
車の中から見える、山、木、橋、店、看板。
目に飛び込む一つ一つが、懐かしいもので
急に淋しくなった。

ラジオから偶然aikoのカブトムシが流れる。

  鼻先をくすぐる春 
  リンと立つのは空の青い夏
  袖を風が過ぎるは秋中 
  そう 気がつけば真横を通る冬

普段は何とも感じないそのフレーズが、
その時の私の気持ちに反響して、
頭の中に、小さいときから見てきた私の町の
四季の移り変わりが一度に頭の中を駆けめぐる。

ふと。

「私の帰る所ってどこだろう」

って、考えた。
実家?それとも、私の部屋?
前は、実家に帰るとホッとして、
見えない疲れがじんわりとれていくような気がしてた。
今は、もうすぐやすくんの所へ行くことを考えると
かえってこの町との別れを感じてしまって
ものすごく切なくなる。


これから帰る部屋にやすくんが待っててくれたらいいのに。
そしたら、そこが、私の帰る場所になるのに。
今、私には帰るところがないのかも知れないな。

急に、1人で運転する車の中が寒々とした場所に感じる。
ヒーターをつけても、
気持ちの中まで暖まらない。

部屋に着いてから、
さっき、おやすみって電話を切ったばかりのやすくんに
電話をかける。

「どうした?」

                「うん… なんか、淋しくなった」

「… 泣いてるの?」

                「うん… なんとなく」

「どうした?」

                「なんだろ… ホームシックかな…」

「ホームシック?だって今実家から帰ってきたんだろ?」

                「うん… でも、ホームシック」

「どういうこと?」
    
                「私の帰るところがわかんなくなった」

「… そっか 」
             
                「へんだね」

「そんなことないよ」
 
                「 … 」

「 … 」


「そうだな。早く帰るところを作らなきゃな。安心して帰って来れるところを」 

               



2001年10月13日(土) お刺身。

昨日は、急激な熱発でダウン。
病院で点滴して、クスリをもらって寝る。
いつも通り仕事帰りに電話してくれたやすくんだけど
なにを話したか、ほとんど覚えていない。
「大丈夫か?」
って、言ってくれたことと
「大丈ブイ」 (T−T)v
「…え?( ̄▽ ̄;)」
なんて、激寒なことを言ったことを覚えてる。

今日の夕方は実家に戻る。
何だかいつもと違う匂いがする。
そしたら。
「ねえ、向こうの実家から
 こんなにたくさんのお魚送ってきたよ」
と、母。
やすくんのお父さんが、うちに送ってきてくれた
新鮮なお魚達。
「刺身にして食べて下さい」

って、手紙も入ってた。

母が魚をさばいて、刺身を作る。
サンマは塩焼き、鮭は香草焼き。
イカはダイコンと一緒に煮物に。
妹と弟がそれぞれ料理する。
見るからに病気の私は、待ってる人。

夕御飯はやすくんの家からのお魚づくし。
そっか、魚の匂いだったんだ。
やすくんの家は魚の匂いがする。
生臭い、って言うのとは違う。
魚を料理するいい匂い。
うちでこんなたくさんの魚を料理することなかったから
今日の実家の匂いは、
やすくんの家のそれに似てた。


夜。やすくんとの電話の中でその話をする。
電話の向こうで笑ってるやすくん。

「で、ききは食べたの?」
「うん。ちょっとね。食欲出てきたし。」
「じゃ、すぐ風邪も吹き飛ぶよ」

お刺身、おいしかったです。


2001年10月12日(金) ジェラシー。

来週から2週間、やすくんは出張。
系列会社のヘルプに出るらしい。
ただでさえ忙しい今の仕事なのに、
出張先は、集客数が倍の大きなホテルということで、

「帰るのが毎日次の日になるかも知れない」

なんて、やすくんは言ってる。
そして、実際そこで働いてる人によると、
これからの時期は特に忙しいらしい。
仕事のことで、私が言えることと言ったら

「無理しないで、頑張ってね」

程度のことで。
それ以上のことは口だせないと思ってる。
ちょうど私の仕事が忙しい時期とも重なってるから、
この時期、やすくんの所にも行けそうになかったので、
「ちょうどいいよ」なんて答えた。

やすくんが話を続ける。
「来週の水曜日から仕事なんだけど、
 向こうへは火曜日に行くんだ。
 火曜日、休みだから」

「あ、そう。天気がいいといいね。
 ちょっとしたドライブだね」

「いや、火曜日の朝早く行くんだ。
 一緒に行く奴が、火曜日の午後から仕事だから。」

…ん? 一緒に?

「それ、○○さん?それとも△△さん?」

調理場のスタッフの名前を挙げて聞く。

「ううん、同じ会社の違う職場の奴。
 彼女、運転苦手だって言うし、俺ちょうど休みだし
 一緒に行こうってことになってさ。」

…か・・・彼女?

「彼女って言った今?女の人と一緒に行くの?」

「うん。でも、大丈夫だって。」

大丈夫って何?


仕事のことで口出しする気はない。
やすくんの職場では、
結構そうやって乗り合わせて移動することが普通みたいだし、
やすくんが、その女の人と何かしようとしてるなんて、
そんなこと考えたこともない。

そういう心配はしてない。

だけど、その女の人はどう思ってるかワカラナイ。
会ったことのある人だったら、
まだ少し安心できるけど。

なんて、頭の中がグルグル回り出す。

さらに。

「会社の近所の寮でしばらく住むことになるよ。
 たぶん他の会社から来た奴と一緒の部屋になるんじゃないかな」

だって。

じゃ、今までみたいに、
朝起きたときや夜寝る前ゆっくり電話で話ができない。
辛いなあ。

…え?会社の寮?

思わず、
「え?じゃ、その女の人はどうやって通勤するの?」
と、聞いてしまう。

「ま、一緒に行くことになると思うよ」



「…」
「ふ…ふーん」

「なに?怒ってる?」

怒ってない。
ジェラシー感じちゃっただけ。

その女の人がやすくんのことをどう思ってるか
分からない。
もしかしたら、何とも思ってないかも知れない。

でも、
2週間の間、毎日一緒の車で会社に行くなんて。
来週の火曜日は、2時間もドライブ(じゃないけど)するなんて。
帰ってくる日も、一緒に帰ってくるなんて。

私でも、そんなに長く一緒にいられたことないのに。
うらやましいよ。

口から出そうになるその言葉たち。
仕事のこととはいえ、そんなこと言って、
やすくんに「子供じみたこと言うなよ」なんて
いわれるのがイヤだから、
一生懸命ガマンする。


はあ・・・・・・


2001年10月10日(水) 手を。

夜、何度も何度も目を覚まして、
隣にやすくんが寝てるのを確認して、
安心して、また眠りにつく。

そんなふうに迎えた朝。
いや、早朝。
もう眠れない気がして、ベッドを抜け出した。
部屋の中が明るくならないように、
カーテンと窓の間に入り込む。
ここのホテルは、高台にあるから街が一望できる。
あいにくの雨。
でも、霧に包まれた景色もなかなかきれいだった。
窓枠に腰掛けて、外だけ見ていると
なんだか、体が浮かんでるみたいな感じ。
思考も何もかもが停止して、ただ、外だけ見てた。


気づいたら、腕も足も冷たくなってて。
少しふるえてた。
急いで、ベッドに戻ったら
こんどはやすくんが驚く番(苦笑)
すやすや寝てたら、いきなり冷たい私が隣に。

「何してたの?こんなになるまで?」
                「外が、きれいだったから。でも、雨。」
「そっか。でも、ふるえてる。風邪ひくよ」
                「うん、ちょっとボーっとしすぎちゃった」
「なんだ、それ(苦笑)」
                「にゃははは。」
でも、
ここはあったかい。
一人じゃないなあ・・・って思う瞬間。


ホテルの温泉に行って、
それからやすくんの両親と一緒に朝食へ。
私といる時とはちょっと違う雰囲気。
新しいやすくんを発見して楽しい気分になる。

支度をして、ホテルを出る。
午前中は一緒にいられる。
雨の中、
朝市に行ってみたり、観光してみたり
お団子食べたり。
やすくんの家族に混じって、写真を撮ったり。
いつもみたいに、手をつなげないのが淋しいけど
そこは、ぐっと我慢。

楽しい時間はあっという間。
お昼を一緒に食べて、私の部屋に送ってもらったら
やすくん達は、また帰ってしまう。

私の部屋の前で、荷物を積み直すやすくん達。
お世話になったお礼や挨拶をした私に、
「またあそびに来てね」って言って
車に乗り込む、やすくんの両親。
やすくんも助手席に向かう。

「じゃ、行くから」

「うん。気をつけて」

やすくんは1人なのに、今回の寂しさは
いつもの3倍。
急にひとりぼっちになるような気がする。

車に乗り込む直前。
やすくんが不意に手を伸ばしてきた。

「じゃね」

私の手をぎゅっと握ってくれる。
心と心をつないでくれたみたい。



さみしい。


2001年10月09日(火) 両親。

やすくんがやすくんの両親を連れてやってきた。

以前2人で泊まって、ご優待券を頂いていたホテルに部屋を取る。

部屋は2つ。
やすくんの両親の部屋と
やすくんと私の部屋。
私も、一緒に泊まる。

朝4時過ぎにやすくんの家を出て、
車で約8時間。
昼頃ついたやすくん達は、
市内観光をした後チェックイン。
私も仕事を早めに切り上げ、合流することになった。
ホテルについて、部屋を教えてもらう。
15階の部屋。
15階までのエレベーターの長いこと。

言われた部屋のチャイムを押し、
いつもと違う、ネクタイ姿のやすくんと再会。
部屋に荷物を置いて、すぐ隣の部屋へ。
そして、いつもと違う正装のやすくんの両親に挨拶。
そして、車で移動。


今日、私の両親とやすくんの両親が対面する。


急に怒鳴りだしちゃったらどうしよう・・・
そんな不安と一緒に待ち合わせた店へ。

料理を食べながら、意外に和気藹々と話が進む。
そして、

「ほんとに、こいつはバカですから、
 期待しないで下さい」

そういって、日本酒を飲み干す父。
いつもより早くお酒が進んでる。








+++++++++++++++++++++++++++++++++

夜、やすくんと話しをしてた。
そしたら、急に
うまく説明できないけど
この前、両親に向かってたくさんひどいことを言った自分を
すごく情けなく思った。
そして私のことを大切にしてくれてる両親の気持ちが
初めて分かったような気がして
勝手に涙が溢れてきた。

涙の理由は聞かなくても分かるよ、って
ずっと側にいてくれるやすくん。

両親と
やすくんと
周りの人の
大きな思いやりに包まれて、
今私がここにいる。


2001年10月08日(月) 心がくすぐったい

今日は、何だかたくさんカウンタがまわってる。
うれしいです。ありがとう。

+++++++++++++++++++++++++++++++

実はここのところ、やすくんの体の調子が悪い。
3日ほど前、朝はいつもと変わらなかったやすくんだったのに
帰りの電話では、「背中がゾクゾクする」って。

やっぱり、こういうときすぐ駆けつけられない自分が
もどかしくてたまらない。
「…どう?その後調子は?」

                「大丈夫だよ。全然平気(ゴホ)」

「咳出てるじゃん!」
                 
                「平気だってば。」
 
「風邪薬飲んだ?」

                「… 飲んでない」

「喉いたくない?」

                「… 痛いかな…」

「だったらマスクして寝ると少し楽だよ」

                「わかった。」

「熱は?」     

                「うーん…ちょっとある」

「この前買っといたレモンと、はちみつまだある?」

                「ある。」

「お湯に溶かして飲んで布団かぶってさっさと寝るっ!」




                「… はい(笑)」


毎日、こんな調子の夜の電話だった。
私の様子が、
いつもとかなり違って迫力があったらしく
その迫力に圧倒されたやすくんが、
つい「はい」って返事しちゃうほどだった。

心配だから、仕方ない。

今朝の電話は、いつもと様子が違った。
「今日は元気です!」
なんだか、学校の朝の会みたいな挨拶につい吹き出してしまう。


よかった。
「でもね、まだ、風邪菌がうようよしてるから
 気を抜いちゃダメだよ。
 仕事中もあったかくして、うがいと手洗い忘れないでね。
 風邪薬まだある?一応飲んでおいた方がいい…」
「大丈夫だって。ほんっと、元気になったから」
私の怒濤の指示を遮って、やすくんが笑いながら言う。

「だけどさあ」

と、続けるやすくん。

「精神的にはまだまだ風邪だから」

って、照れたように言う。

「ん?」

「会えるまでは風邪ひいちゃってるから!
 じゃね。仕事行ってくる」

言い逃げだ・・・(笑)
でも、嬉しい。
何だか、心の下の方がくすぐったい。

明日。
明日会える。


2001年10月07日(日) 髪ヲ切ル

2連休初日。
午前中は仕事だったけど、午後からは暇。
この忙しい毎日で、たまりにたまった家のことを
一気に片づける。

日記も書きたいなあ、なんてPCを立ち上げたけど、
結局、myエンピツに登録している方々のを読むだけで
時間がたってしまう。
ま、これが目的でこの日記を作っちゃったんだし。
まったりとした、休みの午後。


急に髪を切りに行きたい、っておもった。
やすくんと、やすくんの両親がもうすぐこっちにやって来る。
せめて、髪の毛くらい・・・なんて。
いつものお店に電話すると、閉店間際だがOKという返事。
申し訳ないので、大急ぎでお店に向かう。
長年のつきあいと言うことで、
髪型は完全におまかせ。
私自身にあまりこだわりのないせいかも(^^;

髪を切ってもらいながら、
いろんなことを考える。
そして。

向こうに行ったら、また新しいお店を探さなきゃ

なんて、少し不安になる。
くせ毛というか、とにかく縦ロールな私の髪。
天然パーマというのがピッタリな私の髪。
友人達にうらやましがられるほど、
天然とは思えないほど絶妙なパーマ(苦笑)
私はこの髪が好き。

ところが、あたらしいお店に行くと必ず
「ストレートパーマしてみませんか?」
って言われる。
髪の毛が長い頃もあったが、
そのころは、ブローで無理矢理ストレートにされた。
そうやって整えられた髪は、時間がたつと
髪の毛を切る前以上にあちこちはねて大変。
京都に住んでいた何年間は、
私の望むお店がなくて、
結局たまに実家に帰ったときに、昔からのつきあいの
床屋さん(笑)で、髪を軽くしてた。

今のお店は、初めての時から私の望み通りの髪型にしてくれたから
それから5年以上、浮気もせずにお世話になってる。


++++++++++++++++++++++++++

やすくんより、髪が短いときもある。
でも、やすくんはそれでもいいって言う。
クリクリの私の髪の毛を触るのが好きだって言ってくれる。
今度の髪型、やすくん気に入ってくれるかなあ。

もうすぐ、会える。


2001年10月06日(土) ついに告白。

年下彼氏さんとつきあってる、年上の友人と会った。
先日、ついに彼女の秘密(彼氏のこと)が
私の年上の仲間たちの知れるところとなった。
その後、緊急召集がかかり、みんなでお祝いするはずだったが、
結局彼女は仕事の都合でキャンセル。
主役がいないのに、それでも盛り上がった話を
2人で飲みながら、私が彼女に伝えた。

色々ハプニングもあるらしいが、
やっぱり幸せな日々が続いてるみたい。
よかった。


「…で、あなたの大切な話って言うのは何?」

と、彼女。
8月、彼女が初めて彼を紹介してくれた日、
実は、私はやすくんのことを彼女に告白しようとした。
結局それはできなくて、
「また今度、私の話も聞いて下さい」
と、メールしていた。
そのことを、彼女が尋ねてきたのだ。
「…大したこと、ないんですよ。」
ワインを飲みながら、また他愛のない話をする。
その店の料理は安くておいしいから、ついお酒も進んでしまう。
「…で?」
彼女が、グラスを片手に話を戻す。

「…この3月で辞めることにしました」

ワイングラスを落としそうになる彼女。

+++++++++++++++++++++++++++++

それからは、出会ったきっかけとか、
これからどうするのかとか、
仕事は続けないのか、などなど…
質問責め。

空く予定のなかったボトルが空いてしまった。

話をしていくうちに、
やっぱり具体的な話が何も決まっていない
自分の将来が、また少し不安になったが、
「そこまで決まっていたら、全部決まったのと同じだよ」
という、彼女の言葉が少し嬉しかった。

なんだか、また大きく動き始めるような気がする。


2001年10月04日(木)

私の日記を読んで下さってる方々。

いつもありがとう。
気づけば、もうカウンタが800をまわってます。
うーんビックリ。

今、本業が忙しくって、なかなか日記を更新できませんが、
このカウンタの数を励みに、また頑張りたいと思います。
メールを下さった方、本当にありがとう。

今日は、とりあえず9/23分をアップしました。
ごめんなさい。
ここも、早く日記を書きたいなあとは思ってます。


きき MAIL

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++優しいココロの おすそわけ++