ことばのかけら
桜子



 月光

どうでもいい
消えてなくなったって構わない
どうでもいい
願わくば滅茶苦茶になってしまいたい

・・・思えば思うほど
私は私を守って 逃げる
闇を求めて
独りを求めて

逃れられない
走っても 走っても
月は遠のかないように

いつだって
この醜さを照らされる
思うより強い光によって
私は私を見せ付けられるのだ

2006年04月23日(日)



 てのひら

たしかめる

このてのひらにあるモノを

じっと たしかめる


ああ

それは

こんなにも・・・ 思うよりも ずっとずっと

脆くて

優しくて

弱くて

柔らかい


ゆっくり 大切に

あたためてゆこう

私は 両手で それを包み込んだ

2006年04月13日(木)



 春雨

打ってくれ

そんなに優しく降り注ぐだけじゃ

また懲りずに居てしまうから


春雨がにじむ

全ての若草の輪郭に

春雨はにじむ

ただ 絹糸がかすっただけのように

記憶にも残らないくらい 柔らかく・・・

2006年04月12日(水)
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