ことばのかけら
桜子



 誇らしく

騙すくらいなら
騙されるほうを選んでやる
そのくらいの覚悟がなくちゃ
何も信じることなんて出来ない

けれど
頭から騙されることが分かってるモン位
見通して排除する
潔さと愚かしさの区別くらいつけてやる
もう無駄足など踏まない

誇りを持って生きていく
誇りを持って生きていく
自分を大事にするならば
取り巻く全ての物事
選び
見切って
時には……捨てて

けれど笑顔で騙されてやるよ
自分の信じきったモノならば

2003年11月26日(水)



 傷跡

いまだに疼く
深い深い傷跡を
顔を歪めて私に見せてくれた
痛々しくて 掛ける言葉も無い
阿呆のように 溜め息つくだけ

「昔の話だから平気」と言う
その口調が”嘘だ”と告げる

隣に居られるなら
抱きしめて守れるのに……

2003年11月25日(火)



 イヤだもん

おやすみ前は

あなたの声聞かなきゃ

イヤなんだもん

2003年11月23日(日)



 ポリシー

悲しみ

それは
降り積もったり
時には
ぶちあたるような痛いものだったり
対峙できないもどかしく辛いものであったり
間違った自分への後悔の念であったり

けれど

どんなに涙を流そうと
きっと次には笑おう
笑える為の悲しみであって欲しい

決して
その弱さで心を曲げてしまいたくない

泣いた分だけ
喜びを噛みしめよう
しっかりと

味わうように

2003年11月18日(火)



 瞬くものすべて

二人で見ていた星空は
まだ時間も早くて
このゴミゴミとした空で冴え冴えとしていたのは
半月だけでした

それから
幾つもの時が過ぎて
思い出が積もり
ひとり見上げた夜空は澄み渡り
満天の星が…

数え切れない 沢山の星達に
見守られているような気がしました

2003年11月13日(木)



 風向き

音を立て
扉が開き
何かが走り始めたその時

確実に何かが終わりゆきました

けれども
それは形をかえて
ゆっくりとまた
私のほうへと流れてきたのでした

2003年11月12日(水)



 雨を見ていた

雨を見ていた
雨を見ていた
窓を開けたら風吹きつけた

つめたいのなら もっとよかった

雨を見ていた
雨を見ていた
悲しくもなく嬉しくもなく

ただ降りしきる 雨を見ていた

雨を見ていた
雨を見ていた
生暖かい風に油断し

気付けば素足が冷え切っていた

雨を見ていた
外はもう夜
そっと窓閉め熱い紅茶を

ひとりでただ ただ 雨を見ていた

2003年11月02日(日)
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