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2008年06月02日(月) 夢の中の父

父が去年の11月8日に亡くなって、もう半年が過ぎた。

かなり前から、一人では歩けなかったし、

家にいるときは、ほとんど寝たきりだった。

それを見て、




父の性格をよく知る私は、

「今、生きていることが父の意志ではない」と、いつも思っていた。

ほとんどを夢の中で過ごし、一人では何もできない。



延命などもっての外と言っていた父。

もう孫の事もわからなくなり、私のことも分かっていたかどうか・・・。

10年近くこんな感じを行ったり来りだった。

しっかりしているうちは、ずっと母の悪口を言っていた。

言われるような人なのだけどね。

亡くなる3日前、病室で正気の顔で、私にサヨナラの代わりに片手を上げた。

それが本当にサヨナラだった。



後は、意識もほとんどなく、病院から電話がきて駆けつけた時には、

もう顔にガーゼが掛けられていた。

声を出して泣く私に、母が「もりー、仕方ないよ」と何度も言った。

そこに遅れて入ってきた兄のお嫁さんが、

何故か父に覆いかぶさるように「おじいちゃん!」と大声で泣いたのを見て、

私はすっかり涙が止まった。

彼女は、一度だって父を病院に連れてきた事もないし、

何かをしてくれたことだってなかったからだ。



でも、彼女は看護師なので、父の顔のガーゼをとり、

口の中の詰め物を入れなおし、少しでもきれいに見えるようにした。

それを見た母が、感激して何度もお礼を言っていた。



私は、あれだけ「生きているのが可哀そうと思ってしまう」と言っていたのに、

いざ本当に死んでしまうと、体の半分が無くなった感覚で、

母とも血がつながっているのに、

「もう、私の血のつながった人は、子供たちしか居ないんだ」と

強く思ってしまった。



父が亡くなって、しばらく過ぎたころ、

本当に突然、思ってもみなかったのに(まぁ、予告があるなんてないけど・・・)、

父の夢を見た。

夢に出てきた父は、元気だった時の姿で、

みんなで父の話をしている実家のリビングにさっと来て座り、

靴下をはきながら「漬物たりないから、もっと上げてくれ」とだけ言った。

目が覚めて、大笑いしてしまった。

父は、糖尿病で食べ物を制限していた。

亡くなった後は、お膳を毎日あげていたけれど、

確かに、お膳の器は小さく漬物もほんの少ししかあげてなかった。

漬物は、父の大好物なのだ(笑)



夢なのに、元気な父を見て安心した。

心から良かったと思った。

そして、夢の通りに漬物を多めにあげて、

お参りしてます。



半年経ったら、もう元気な父しか思い出せない。

そのために父は夢に出てきたのかな?

半年かけて、もう最後の寝たきりの父を思い出すことはなくなった。

私も、元気になりました。






↑ だよね(笑)




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