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2002年06月26日(水) それから、私は。〜思い出を書いておこう・3

 それから、2ケ月間の間に、
 「お天気お兄さん」から連絡は5回。
 ひょっとしたら来月、札幌に出張かもしれないと。
 凄く嬉しそうにメールをくれた。
 それから2週間ほどして
 また、他の人が出張行くことになったと
 がっかりしたようなメールが届いた。


 また会える機会はあるよ。


 って、私がメールして、さらに2週間後。
 またメールが来た。
 来月の終わりの金曜日の予定を
 自分と会うために空けれないないかナァって。

 会おう、と、返事を打った。

 もともと、彼はすぐにHな事をいうような人だった。
 ついつい口から出てしまうタイプ。
 誰にでも言ってしまうタイプ。
 前に「している時が一番幸せな時間だ」と言っていた。
 でも、それが裏返しだって事や、
 笑っている裏側に寂しげな顔を
 持っていることも知っていた。
 その寂しい原因が何か、
 ついにわからなかったけれども。


  −ともちゃんといると、
   ムラムラするからなぁ(笑)
 
  =えー?そうかい?(笑)
   そうでもないと思うけどナァ。

  −ううん、ともちゃんはきっと
   男がムラムラするフェロモン出してるんだよ

  =したっけ、そばにいる男の人、
   みんなムラムラしちゃうじゃんよ(笑)

  −そっか
   俺だけで充分だよあんまり会えないけど


 そんなメールのやり取りをして、その夜を迎えた。
 私達は札幌駅地下で、また再会した。

 その場所は、私が一番愛した人と
 初めて会った場所だった。
 そんなもんだろうか、そう思った。
 この場所は、
 私にとって「そういう場所」
 そうなのかも知れないと思った。

 それから地下鉄に乗り込んで
 薄野へ。
 その夜を…
 私達は楽しい時間を過ごした。

 翌朝、国営放送の朝の連続テレビ小説を
 毎朝見ているんだというので 
 私はそのドラマをはじめてみる。
 ハワイからやってきた
 新米教師の主人公には
 地元ハワイに婚約者がいる。
 彼は、よく彼女に国際電話をかけてくる。
 そんな彼が
 彼女がハワイから日本へ行くその時から
 言い続けている言葉がある。
 どんなに遠く離れていたとしても…

 「1年会わないぐらいで壊れるようなら
  最初からだめなんだ。」

 そのシーンを見せたかったのかもしれない。
 うんうんと、うなずいていたようだったから。

 そうして、それから昼の札幌の空の下を歩いた。

 私は、朝の薄野が好きだった。
 喧噪。
 そして金と酒と女の匂いがする薄野。
 でも
 闇から抜けたら、
 その町は魔法が解けたように清清しい。
 大勢の人が掃除をして、
 店を開けるための準備をしている。
 
 「いやぁー汚いよなぁ」

 「でも、私は、けっこう好きだよ。
  いろんな人がこうして働いていて
  清清しい。
  私、朝の薄野が好きなのよ」

 そうして、
 あの人は同じ省庁に働く職員さんに会うため
 千歳へ。
 私は、仕事へ行くために。
 岩見沢へ。

 JR北海道札幌駅

   7番線「新千歳空港行き・快速エアポート」
   9番線「岩見沢行き普通列車」

 「また、会おうね」

 7番線へあがる階段の下で、
 私達はやや複雑そうな顔で、
 八の字の眉毛になった笑顔で
 別れた。

 それから、私は、彼に電車の中からメールを打つ。
 「長距離バスに乗って出発したらメールください」

 午後7時半、本当にメールをくれた。


 −機会があったら、また会いましょう。

 =機会があったら…かぁ・・・

 −機会が無ければ会えないでしょう?

「お天気お兄さん」が、
 私に言葉をくれたのは、それが最後。
 メールを打っても、返事が来ないから。
 だから、それが最後。

 それが最後なんだと思った。
 だから、
 私は、正直どうしていいか解らなくなった。
 前に進んでいいのか、このまま待っていていいのか
 全く解らなかった。

 悲しくて切なくて泣いた。

 でも、少なくても今の私は
 "あなた"以外と恋をしたいとは思わないし
 "あなた"以外と寝る気は無い。

 貴方にとって迷惑でも。
 あの夜「好き」といった事を、取り消さない。

 でも、人のココロは移ろいやすくて
 ゆらぎと多様性を持つものだから
 貴方が、あの日、好きだと言って
 今、好きではないという事実について
 裏切ったと、非難するつもりもない。

 私が貴方が好きだという気持ちが止まらないだけなんだ。

 すごく勝手な事を言っているかもしれないけど

 貴方が私の事を、
  もう忘れていても
 貴方が私の事を、
  ただの浮気相手にしかしていなかったとしても

 貴方が好きじゃなくなるまで、
 私があなたが好きだという事も、
 貴方を忘れられないと苦しむことも

 貴方には関係ない話なんだから。


 どうか祈らせてくださいな。

「貴方が幸せになる」ようにと。

 そう、今は願っている。


2002年06月25日(火) 心が泣いてるよ〜思い出を書いておこう・2

昨日の‘空から降る一億の星・最終話’に泣いたともです。

 原作者の北川さんの「本」には心に響く一言が必ずあって
 私の琴線は鳴り響いた挙句、号泣しました。
 いろいろなことも考えました。
 だから、泣いたのだけれども。

さて、昨日の続き

翌朝、目が醒めたら、となりに「お天気お兄さん」がいました。

別に、泥酔したとか、若さゆえの勢いでとかじゃなくて

「この人ならいい」という結論と

「私達はもう会えないかも知れない」という覚悟で

私は、あの夜、その人の隣で眠りに付いたのでした。

その日の朝、別れた後、
約1ケ月もの間、連絡がなくなりました。

正直寂しかったけれども
仕方がない
と、思っていたその時、

私の携帯に川の音が流れました

例えば、サクラの花で励ましてくれた人には
桜の花の歌を。

小さな恋に悩める人には小さな恋の歌を

私は携帯の着信音に割り当てる。

 一番安らげた人に
 一番安らげる着信音を割り当てたんです

それは、「お天気お兄さん」からのメールでした。

まず開口一番、
彼は連絡を入れなかった非礼と謝罪と理由を語りました。

北の海沿いの町に転勤になった。
だから、今、引っ越し作業で忙しいけど、
行く前に君に会いたい。

そういうメールがきたのでした。

 少しだけ迷いました。

「この人の心」は、
どちらのベクトルに向いているのか

一目瞭然
     なのか
         本当
            なのか

私は、決断して
休日だったその日に、
駅まで車を走らせました。

駅で、助手席に「お天気お兄さん」を乗せて
私は、町はずれにあるこの町にしてはやや大き目の
公園に向かいました。
途中、コンビニで飲み物を買って。

公園に着いたら、外は寒いので、車のヒーターを入れたまま
近況やくだらない話を、車中でしながら
建設中の巨大な温室を眺めていました。
手には缶コーヒーをもって。

そうして
名前を呼ばれた次の瞬間、唇に甘い感覚が走りました。
抱き寄せられていました。


「俺ずっと会いたかったんだ。
 でも仕事で嫌なことがあって、誰にも会いたくなくて。
 立ち直ったと思ったら、辞令が出たんだよ。
 こればっかりは、俺でもどうしようもなかったんだ。
 引っ越す前に、もう一度、会いたいよ…」


そうして約束したものも、
多忙だったその人は体調を崩して、
結局は会えないまま
ふたりは、引越しの日を迎え、
さよならもせずに
「お天気お兄さん」は
北の海沿いの町へ行ってしまったのでした。


つづく


2002年06月24日(月) 「思い出を書いておこう」

ある件をきっかけに
ある掲示板を見ることになり、
その掲示板で話題になっていた
exciteフレンズに半分冷やかしで登録して
どんなものかと、お試しでメル友募集して、
出会ったのが『お天気お兄さん』だった。

「お天気お兄さん」は私と同じ町に住んでいて
 札幌の庁舎に朝の5時半に起きて
 電車で通勤してました。
 電車の中から「おはよう」とかメールをくれた
 お天気お兄さん
 なんだか、優しそうな人だなぁと思いながら
 パケ代も考えずに、メールをしていたのです。

 ある日、私達は会う事になりました。

私達は私たちの町のバスターミナルで出会いました。
「こんなにカッコイイ人では…
 私では…とても吊りあえない」
そんな笑顔の人でした。

 そのまま、私が案内した居酒屋に行き
 海の幸をいただき
 至福の酒をいただいて
 すっかり酔った私とお天気お兄さんは
 その店をあとにして
 2件目に向かおうとしました。

 その少し前、
 天下の往来で愛しあう若者達について
 苦い顔で語り合ったものですが
 その店を出てすぐの交差点で
 「ふつう、絶対しないし、ありえない」
 といっていたのに
 お天気お兄さんは繁華街の往来で
 私の腕を引いて抱きしめてキスをしたのです。

 「好きだ」

 …を連発しながら
 抱きしめた腕を離そうとしませんでした

酔ったからだろう
と、自分の心に釘をさして
私は悲しみに飲まれないよう防波堤を作りました。

明日につづく


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