Story of love
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本当に大事にしたかったものを、失ってしまったことに気がついたのは、それが無くなってからだったのかもしれない。
誰かに構ってもらいたくて、でも独りにしておいて欲しくて。
反する両方の思いを抱えたまま、部屋にこもり始めた。
欲しい人からのメールが入らない携帯なんか要らない。壁に叩きつけて壊しておいた。
ほんの少しだけ安心した。
こうして、わたしは孤独を深めていった。
食欲がなくなって、面白いほど体重が減ってきた。
気がついた母親が心配をして、あれやこれやと聞いてきたが、機嫌をうかがうような態度がうっとおしくてシカトし続けた。
「どうしちゃったの?」と、泣いて取りすがってきた母の姿を見ても何も感じなかった。
妹は、はじめは「ざまあみろ」という感じでわたしを見ていた。けれどもだんだんと脅えた様子になっていった。
父親は相変わらず家のことには無関心。もちろんわたしたちのことにも。
(つづく)
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