Story of love
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2004年02月12日(木) ソ・ラ・マ・メ 7

本当に大事にしたかったものを、失ってしまったことに気がついたのは、それが無くなってからだったのかもしれない。



誰かに構ってもらいたくて、でも独りにしておいて欲しくて。


反する両方の思いを抱えたまま、部屋にこもり始めた。


欲しい人からのメールが入らない携帯なんか要らない。壁に叩きつけて壊しておいた。

ほんの少しだけ安心した。



こうして、わたしは孤独を深めていった。



食欲がなくなって、面白いほど体重が減ってきた。

気がついた母親が心配をして、あれやこれやと聞いてきたが、機嫌をうかがうような態度がうっとおしくてシカトし続けた。

「どうしちゃったの?」と、泣いて取りすがってきた母の姿を見ても何も感じなかった。


妹は、はじめは「ざまあみろ」という感じでわたしを見ていた。けれどもだんだんと脅えた様子になっていった。


父親は相変わらず家のことには無関心。もちろんわたしたちのことにも。


(つづく)


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