日記でもなく、手紙でもなく
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2001年05月10日(木) 奥さんの料理の腕

 深夜TVを見ていたら、フランス料理店の総料理長をやっていた人が、神田でテイクアウトのパイとスープの店 "Pas Mal" をやっているという30分のドキュメンタリー番組があった(TBS)。
 日比谷にある、なかなか有名なアピシウスというレストランで、15年間に亙り、総料理長を勤めた人。基本的には、奥さんと2人でその店をやっているのだが、今は再び自分で鍋洗いもしている、というようなシーンもあった。

 なぜそのような人が、神田でパイのテイクアウトの店を?というところが、関心をひくところ。以前勤めてたクラスの店だと、普通の人だと、料理長というのはせいぜい5年。それを15年も勤めてしまい、長くやりすぎたとのこと。あまりの激務で、とうとう心筋梗塞で倒れ、奥さんのほうも、ちょっと体を悪くしたので、そのリハビリを兼ねて、自分でこの店を始めたという。

 神田という土地柄、昼食などでは500円というところも多いが、ある程度の味を確保しようとすると、パイといえど、素材が悪いと美味しくないので、がんばって価格を考えても、パイ1つ、スープ1カップがそれぞれ600円。それでも、近くの会社に勤めている人なんかは、なかなか来ないとこぼしている。
 お金さえあれば、銀座に店を出したかったとも。
 それでも、日比谷の店に食べに行ったことのある人が、わざわざ遠方から、この店まで買いに来てくれる場合も多いという。

 料理長時代、この奥さんと一緒に、いろいろ美味しいものを食べに行ったという話を、その人がしていた。給料の半分はそれで消えたと。
 この人の場合、自宅では一切調理せず、調理は奥さんに任せる。美味しいと言って食べるかどうかはわからないが、絶対マズイというような話はしないそうだ。
 同時に、奥さんが作る食事が不味いという旦那がいるけど、それはその奥さんと一緒に、美味しいものを食べに連れて行っていない旦那の責任が大きいね、という話をしていたのが、とても印象に残っている。

 番組だと、ちょっとその住所が分からなかったので、今日思いついて、調べてみると1件だけだが、きちんとメモを残している人がいて、私自身はとても感激する。平日だけの営業、しかも11〜14時、17〜19時。番組の中ではなくなったら終了みたいなことも示されていて、少し遅くいくと、もう買えないこともありそうだ。


riviera70fm |MAIL