短い夢の話をしよう 叶えられなかった恋の話をしよう
強く思っていても 偶然知った誰かの思いに勝てなかったりしても 好きだったんだと 愛していたんだと 思いに嘘はなかったんだと 知ってほしいから
あなたと 誰かの 幸せの話をしよう
たとえ幾百の書物を そらんじていても
あなたをたとえる言葉は きっと口から出てこない
大粒の雨の中 一人たたずむ
雨音に掻き消されるまでもなく 声は形にならない
『愛』という 便利な言葉すらつかえない 空っぽな心は
ただ
『あなた』というもので満たされ そのまま朽ちていくのだとすれば
ぼくは 初めて この世界に在ったことを 受け入れ
全身を振り絞り祝福を送る
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