吉原のお祭り。
1kmにも満たないアーケードのある商店街は車両通行止めになり、 山車がでている。歩道には露店がずらりと並ぶ。もう街の人は 全員参加という雰囲気で一杯である。
夕方、M君と喫茶店に入り、メシでも食おうということになった。 焼肉セットを注文したら、店のマスターが、「いやあ、今日はね セットは出来ないんだよ。祭りでさあ、それどころじゃないから」 というような内容のことを吉原弁で言った。これで全員参加を ますます確信したのだった。
仕方ないので他の店を探し、ラーメン屋に入った。席は7,8しか ない狭い店だった。たまたま昼もラーメンだったので、ギョウザ・ ライスを頼んだ。店主は斎藤晴彦のような顔をして、フツーの 服装だった。ギョウザには肉が入っていなかった。店主はゆでタマゴ のカラをむくとカラをスープの入ったずん胴に入れ、黄身を捨て、 白身だけを食べていた。M君とは一言も話さず、店を出たらみそ ラーメンの味はどうだったか訊ねようと考えていた。 不思議な感じにつつまれた店だった。
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