米国発 金融危機関連情報

2009年06月30日(火) 米国住宅ローンの残高1300兆円

米国住宅ローンの残高の巨額さ(1300兆円)
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/d9d09f37f9c72c54668967937372dc12

その残高は、$13兆(1,300兆円)です。わが国の政府部門(国+地方)の総負債(1,100兆円)より大きい。(注)わが国の住宅ローン残高は約200兆円と、米国の約7分の1です。米国では、1世帯当たりで、日本の3倍の額になる住宅ローン(借金)を抱えています。

他方では、この1300兆円を貸した金融機関があるということです。これは、住宅ローンの債権(回収権)が「原資産」です。住宅ローンを払えない世帯が増えれば、金融機関は多額の損失を蒙ります。

日本で、政府財政がいよいよ困窮し、国債(国家の借金)の市場価格が暴落すればどうなるでしょう。国債を買っている金融機関(銀行、証券、日銀、郵政公社、年金基金等)は巨額損失を蒙り、即日に、金融危機が起こります。

世界最高の残高である日本の国債は、短期証券(102兆円)と政府借入(57兆円)を含むと、833兆円(07年9月末:財務省)です。この1.56倍もの住宅ローンですから、大きさが了解できるでしょう。

この住宅ローンは世帯の負債であり、同時に、金融機関の資産です。住宅価格が下がると、世帯は返済が困難になり、金融機関に不良債権が増える。そして金融が機能不全になってゆく。

日本での833兆円の国債価格の暴落(20%以上の下落)に似た事態が、07年8月以後の米国で起こっていると考えれば、その重大さが了解できるでしょう。



2009年06月29日(月) 米GDP、年率5.5%減 1〜3月確定値

米GDP、年率5.5%減 1〜3月確定値、0.2ポイント上方修正
                  2009年6月25日  日経
 【ワシントン=米山雄介】米商務省が25日発表した2009年1〜3月期の実質国内総生産(GDP)の確定値は、季節調整済みの年率換算で前期比5.5%減となった。改定値の5.7%減から0.2ポイントの上方修正で、08年7〜9月期から3四半期連続でのマイナス成長が確定した。 (21:43)
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米GDP、年率6.3%減 08年10―12月確定値
                    2009年3月25日 日経
 【ワシントン=米山雄介】米商務省が26日発表した2008年10―12月期の実質国内総生産(GDP)の確定値は、季節調整済みの年率換算で前期比6.3%減となった。改定値の6.2%減から0.1ポイントの下方修正で、7―9月期の0.5%減に続き2四半期連続のマイナス成長が確定。米経済は1982年1―3月期(6.4%減)以来、約27年ぶりの落ち込みだったことが確認された。
 金融不安や雇用情勢の悪化による内需低迷を背景に、米経済は09年1―3月期も3期連続のマイナス成長との見方が多い。
 実質GDPの前年比でみた08年暦年の成長率は1.1%。前年の2.0%から減速し、01年(0.8%)以来の低い伸びとなった。成長率が前年水準を下回ったのは4年連続。




2009年06月10日(水) クライスラー破産手続き難航



1、クライスラー破産手続き難航、GM再建に影響も
                      2009年6月9日  日経
2 、クライスラー資産譲渡、米最高裁が判断先送り
                      2009年6月9日  日経

 破産手続きがスムースの進まないのは当然だろう。最高裁判所が8日、クライスラーの資産譲渡を巡る判断を先送りしたことで、クライスラーの破産法手続きに不透明感が出始めているようだ。クライスラー再建を巡っては債権者から政府の関与を問題視する声も上がっており、より強力に政府主導で進めようとしているゼネラル・モーターズ(GM)の再建手続きにも影響が出る気配である。

 米政府は自由経済のメカニズムに任せておけば、昨年12月でGM. クライスラー共に破産していただろう。この場合は累計で8兆円もの資金を出さなくても良かったのだ。政府が民間企業の後押しをするなどは、共産主義国家がやることである・・・と思うのは私だけだろうか。
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クライスラー破産手続き難航、GM再建に影響も
                      2009年6月9日  日経
 【ニューヨーク=小高航】米最高裁判所が8日、クライスラーの資産譲渡を巡る判断を先送りしたことで、順調だったクライスラーの破産法手続きに不透明感が漂い始めた。資産譲渡が難航すれば、伊フィアットとの提携による再建策そのものが無効になる可能性がある。クライスラー再建を巡っては債権者から政府の関与を問題視する声も上がっており、より強力に政府主導で進めようとしているゼネラル・モーターズ(GM)の再建手続きにも影響が出そうだ。
 クライスラーの破産法手続きを巡っては、米インディアナ州の年金基金などのグループが異議を申し立てていた。グループが問題視しているのは、主に(1)有担保債務にもかかわらず弁済率が低すぎる(2)政府が不当に介入した――の2点だ。
 同グループはクライスラー向けに計4200万ドル(約41億円)の債権を抱える。政府とクライスラーは債権者に29%の返済を提示。すでに大半の債権者は合意したが、同グループは「担保付きの債権への返済を優先すべきだ」と主張している。 (11:29)
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クライスラー資産譲渡、米最高裁が判断先送り
                   2009年6月9日  日経
 【ワシントン=大隅隆】米最高裁判所は8日午後、連邦破産法11条に基づきクライスラーの資産をフィアットが主導する新会社に譲渡する再建手続きに関する判断を先送りすると決めた。インディアナ州の年金基金などはクライスラーの破産手続きで、債権者への弁済率が低いなどと反発し最高裁に上告。最高裁の決定期限は8日午後になっていた。最高裁の最終決定の時期は明らかになっていない。 (05:52)



2009年06月09日(火) 米政権の雇用創出の努力


報道
1、米、100日で雇用60万人創出 オバマ大統領表明
                      2009年6月9日 日経
2、米、景気対策の執行加速へ 副大統領「雇用統計は希望の兆し」
                      2009年6月9日 日経
オバマ米大統領は8日、今年2月に成立した総額8000億ドル(約79兆円)規模の景気対策法の執行加速で、今夏に60万人以上の雇用を創出・維持する方針を表明した。失業率が9.4%まで上昇したのを踏まえ、政権として雇用創出に全力を挙げる姿勢を鮮明にしたものだ。

自動車関連で更に失業者が増えるので、失業者の増加が止めることが出来るかどうかがテーマで、「100日で雇用60万人創出」は不可能の印象を受ける。

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1、米、100日で雇用60万人創出 オバマ大統領表明
                      2009年6月9日  日経
 【ワシントン=米山雄介】オバマ米大統領は8日、今年2月に成立した総額8000億ドル(約79兆円)規模の景気対策法の執行加速で、今夏に60万人以上の雇用を創出・維持する方針を表明した。失業率が9.4%まで上昇したのを踏まえ、政権として雇用創出に全力を挙げる姿勢を鮮明にした。
 米ホワイトハウスの発表によると、大統領は同日の閣議で空港や高速道路の修復・整備など10の主要プロジェクトの早期執行を指示。この結果、景気対策法成立後、100日で創出した15万人の4倍規模の雇用を次の100日で生み出すと説明した。
 大統領は「景気回復までにはまだ長い道のりがあるが、われわれは正しい道を歩んでいる」と表明。景気対策に引き続き取り組む考えを強調した。 (01:20)
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2、米、景気対策の執行加速へ 副大統領「雇用統計は希望の兆し」
                       2009年6月9日 日経
 【ワシントン=米山雄介】バイデン米副大統領は5日、ホワイトハウスで記者団に総額8000億ドル規模の景気対策の執行加速について週明け8日にオバマ大統領と協議し、同日中にも計画を発表すると述べた。ダウ・ジョーンズ通信などが伝えた。副大統領は具体的な内容についてはコメントしなかった。
 副大統領は失業率が9.4%まで悪化する一方、雇用者数の減少ペースが緩やかになった5月の雇用統計について「希望の兆しがみられる」と評価。ただ「私も大統領も満足していない。回復までにはまだ長い道のりがある」と先行きに慎重な見方を示した。 (01:27)



2009年06月08日(月) 1―3月の米国の企業倒産2万251件


報 道
米企業倒産1.5倍に、1―3月米社調べ 資金調達難しく
                     2009年6月7日  日経
 米国で企業倒産が急増している。米調査会社によると、2009年1―3月は合計で2万251件と前年同期に比べ約52%増えたという。長引く信用収縮で運転資金の調達や借り入れ返済原資の手当てが難しくなっており、IT(情報技術)や素材、病院など幅広い業種で経営破綻が起きている。景気低迷はなお続いており、失業率は後1~2月で10%を越える勢いである。 大きく捕らえれば、米国流資本主義の行き詰まりとも言える。

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米企業倒産1.5倍に、1―3月米社調べ 資金調達難しく
                      2009年6月7日  日経
 米国で企業倒産が急増している。米調査会社によると、2009年1―3月は合計で2万251件と前年同期に比べ約52%増えた。長引く信用収縮で運転資金の調達や借り入れ返済原資の手当てが難しくなっており、IT(情報技術)や素材、病院など幅広い業種で経営破綻が起きている。景気低迷はなお続いており、企業倒産は今後も高水準で推移しそうだ。
 米調査会社のAACERによると、企業が米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)などの適用を裁判所に申請した倒産件数は3月は前年同月比65%増の7843件。破産法は05年10月中旬の法改正で活用の要件が厳しくなった。改正直前の駆け込みによる特殊要因の影響を除くと、法改正以降では最高水準となったもようだ。(シカゴ=毛利靖子) (16:36)



2009年06月07日(日) 破綻したGMに未来があるか 

報道
破綻したGMに未来はあるか 
               米評論家、ウィリアム・ホルスタイン氏
                  6月6日14時9分配信 産経新聞

 破綻したGMに未来があるだろうか・・・私はないと思う。このテーマに関心のある方は、米評論家、ウィリアム・ホルスタイン氏見解を読むことを薦めます。
 

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破綻したGMに未来はあるか 
米評論家、ウィリアム・ホルスタイン氏
6月6日14時9分配信 産経新聞

 米国自動車産業の象徴だったゼネラル・モーターズ(GM)がついに破産申請に追い込まれた。果たしてGMの再建は可能なのか。著書「GMの言い分−何が巨大組織を追いつめたのか」(PHP研究所)が日本で発売されたばかりの米評論家、ウィリアム・ホルスタイン氏はインタビューで、悲観的な見通しを示した。(ニューヨーク 松尾理也)

  [フォト] 「不本意な株主として行動…ありがたくない」オバマ大統領の表情厳しく

 ――破産申請したGMの今後をどう予測するか

 「自動車産業は、信頼の上に成り立っている。販売店が急になくなったり、保証が無効になってしまったり、修理用の部品が手に入らなくなってしまうかもしれないと思った瞬間、顧客は離れていってしまう。今年の第1四半期にGMの販売台数は半減したが、これは単に景気後退のためだけでなく、破産の可能性が絶えずニュースになり、顧客の信頼を揺るがせ続けていたためだ。とすれば、実際に破産した後、さらに顧客が減少するのは目に見えている」

 「もうひとつの悲観材料は、部品供給網が受けるダメージだ。GMに部品を供給する中小の部品メーカーは、ただでさえ経営が苦しい。この上に破産によって債権が回収できなかったり、債権に伴う工場の一時停止などで注文がストップしたりしたら、中小業者は持ちこたえられない。GM再建後に工場を再開しても、かんじんの部品がどこにもないという事態もありうる」

 ――ということは、GM再生は厳しいということか

 「おそらくクライスラーは最終的に清算されてしまうだろうし、GMの破産(および再生)がうまくいく確率は5%といったところだろう。この見立てが間違っていれば、私は喜んで間違いを認めよう。しかし、おそらく待ち受けているのはどうしようもない混乱だ」

 ――どこに原因があるのか

 「さまざまな要因が複合している。経営は80年代からずっと間違った判断を続けていた。福利厚生をあまりにも求めすぎた全米自動車労組(UAW)の責任も大きい。国民健康保険の設立に失敗し、会社に医療保険の負担を押しつけてきた連邦政府にも責任がある。各地の州政府も、ディーラーに対する保護を優先するあまり、不採算の販売網にGM本社が手を付けることを不可能にしてきた」

 ――日本が演じた役割をどうみるか

 「日本はいい意味でも悪い意味でも、きわめて重要な役割を演じた。米国は日本、および欧州や韓国の自動車メーカーに門戸を開き、米国の製造業を改善し、競争しようとした。しかし実際に起きたことは、中西部を中心にした従来の自動車産業とは別の、(労働コストの安い)南部を中心にした第2の自動車産業の出現だった。米国の自動車産業は、2階建ての構造になってしまった」

 ――日本に対する批判は今のところ、あまり感じられないが

 「それはたぶん、自虐的に言うなら、米国人が愚かだからだ。一般の米国人は経済にいったい何が起きているのか知りもしないし、日本が果たしてきた役割もすっかり忘れている。しかし、ビッグスリー(GM、フォード、クライスラー)が実質的に日本市場から閉め出される一方で、米国は完璧なまでに市場を開放したことは明白であり、そしてそれがGMの失敗の一因であることは事実だ」

 ――今後の米自動車市場で、日本勢の果たす役割は

 「もしGMが消え、クライスラーが消えることになれば、日本製が代わって米国市場のリーダーになるだろう。しかしその場合、米国市場は今よりも購買力が低下し、縮小したものになる。日本は米国市場を信頼し、巨額の投資を行っているが、その市場そのものが低落に向かう可能性があることは留意すべき点だろう」

【関連記事】
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・ 自動車部品、上場メーカーの6割赤字 縮む市場 業界再編に発展か




2009年06月05日(金) 米失業率、9.4%に悪化まもなく10%へ



1、米失業率、9.4%に悪化 5月、非農業雇用の減少幅は縮小
                       2009年6月5日 日経
2、米国の凄まじい失業者の増加
                   2009年5月10日 日々の映像

 資料2の続きを加筆しよう
1月の米失業率、7.6%に悪化            失業者 1253万人
2月の米失業率、8.1%に悪化            失業者 1335万人
3月の失業率  8.5%に悪化            失業者 1401万人
4月の失業者  8.9%に悪化            失業者 1468万人
5月の失業者  9.4%に悪化            失業者 1549万人
今後の予想   10.3%               失業者 1698万人
(失業率0.1%あたり164.860人の計算になっています)

雇用減のペースは鈍化したというものの。失業率は前月より0.5ポイント高い9.4%となった。GM関連で更に失業者が増加するので、まもなく失業率は10%に達する。失業者の増加が止まって時が、経済の底に当たるのであるが、一体何時になったら失業者の増加が止まるのだろう。

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1、米失業率、9.4%に悪化 5月、非農業雇用の減少幅は縮小
                       2009年6月5日 日経

 【ワシントン=米山雄介】米労働省が5日発表した5月の雇用統計(季節調整済み)によると、景気動向を反映する非農業部門の雇用者数は前月から34万5千人減少した。建設業のほか、小売り・輸送などサービス部門で減少幅が縮小し、雇用減のペースは鈍化した。一方、失業率(軍人を除く)は前月より0.5ポイント高い9.4%となり、1983年8月(9.5%)以来、25年9カ月ぶりの水準に悪化した。
 雇用者数の減少は17カ月連続。2007年12月以降の今回の景気後退局面での雇用者数の減少は合計で約600万人に達した。今年4月の減少幅は当初発表の53万9千人から50万4千人に下方修正された。
 過去半年の雇用者数の減少幅は月間平均で約64万人。減少ペースが5月に緩やかになったのは、建設業の減少幅が5万9千人と過去半年平均の約半分になるなど、民間部門での落ち込みが縮小してきたためだ。 (21:46)

4月の米失業率、8.9%に悪化 雇用は53万9000人減(5/8)
3月の米失業率8.5%に悪化 雇用、15カ月で510万人減
2月の米失業率、8.1%に悪化 25年ぶり水準、雇用は65万人減(3/6)
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2009年05月10日(日) 米国の凄まじい失業者の増加
報 道
1、4月の米雇用53万人減、減少ペースやや鈍化 失業率は8.9%
                    2009年5月¥8日  日経
2、米雇用統計:失業率、8.9%に 25年7カ月ぶり高水準−−4月
毎日新聞 2009年5月9日 東京朝刊
3、米雇用統計:4 月の失業率は8.9% 3月から大幅悪化
毎日新聞 2009年5月8日 
4、3月の失業率8.5%に悪化、15ヵ月で510万人失業
                2009年4月5日 金融危機情報から

米国は凄まじい失業者の増加が続いている。
1月の米失業率、7.6%に悪化           失業者 1253万人
2月の米失業率、8.1%に悪化            失業者 1335万人
3月の失業率  8.5%に悪化            失業者 1401万人
4月の失業者  8.9%に悪化            失業者 1468万人
今後の予想   10.3%              失業者 1698万人

 上記のうち1−4月に失業した人は、報道3のとおり266万人で、第二次世界大戦後では最悪の雇用悪化が続いている。就業者数の減少は16カ月連続となり昨年1月からの減少数は計573万8000人に達している。数ヶ月まえの予想の通り最終的に失業率が10%を超えると思う。
http://www.enpitu.ne.jp/usr3/bin/day?id=30290&pg=20090510



2009年06月03日(水) GMと取引の日本企業、債権回収不能の恐れ

1、GMと取引の日本企業、債権回収不能の恐れ相次ぐ
                  2009年6月2日  日経
2、GM向け売り掛け債権、一部回収不能の恐れ…国内3社 
  2009年6月2日 読売新聞
3、米政府、周到なシナリオ…GM破綻ショック緩和に全力
2009年6月2日  読売新聞

 GMが米連邦破産法11条の適用を申請したことを受け、取引先のスズキとタカタは2日、GMグループ向け債権に回収不能の恐れがあると発表した。スズキはGMグループ向けに294億円の債権を保有。タカタもGM本体に約7億円の売掛債権を持つという。

 報道2の通りスズキは、売掛け債権のほか、GM子会社とのカナダの合弁会社への出資金や債務保証など計612億円の回収ができない恐れがあるという。日を追ってGMの影響が明らかになってくるようだ。

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1、GMと取引の日本企業、債権回収不能の恐れ相次ぐ
              2009年6月2日  日経
 GMが米連邦破産法11条の適用を申請したことを受け、取引先のスズキとタカタは2日、GMグループ向け債権に回収不能の恐れがあると発表した。スズキはGMグループ向けに294億円の債権を保有。タカタもGM本体に約7億円の売掛債権を持つ。
 スズキはカナダにあるGM子会社との合弁会社やGMの関連会社に、貸付金や車両などの売掛債権が294億円ある。合弁会社への出資金や債務保証額を合わせると総額は716億円に及ぶ。破産法を申請したGM本体への債権はない。
 同日記者会見したスズキの鈴木修会長兼社長はGMグループ向け債権について「現時点では売掛金の遅延もない。全体としても債権確保の面で心配はしていない」と述べ、業績や事業への影響は限定的と強調した。(20:33)
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2、GM向け売り掛け債権、一部回収不能の恐れ…国内3社 
  2009年6月2日19時43分 読売新聞
 米ゼネラル・モーターズ(GM)の経営破綻(はたん)の影響が、国内企業に出始めた。
 自動車大手のスズキといすゞ自動車、シートベルト大手のタカタは2日、GMグループ向け取引で、売り掛け債権などの一部が回収不能になる恐れがあると発表した。
 回収不能の恐れがある売り掛け債権は、スズキが約104億円、いすゞは約16億円、タカタは約26億円となっている。いすゞとタカタは債権のうち、GM本体との取引分について米政府の債権保証制度の利用を申請している。
 また、スズキは、売り掛け債権のほか、GM子会社とのカナダの合弁会社への出資金や債務保証など計612億円の回収ができない恐れがあるという。
 帝国データバンクによると、GMと取引がある国内102社に売り掛け債権が回収できない可能性があるという。アイシン精機やブリヂストンなど20社超の部品・素材メーカーは米政府の債権保証制度の利用を申請した。だが、全額が保証されない可能性もあり、中小企業に悪影響が広がる懸念もある。
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3、米政府、周到なシナリオ…GM破綻ショック緩和に全力
2009年6月2日03時09分 読売新聞
 約80年にわたり世界一の販売台数を誇った米ゼネラル・モーターズ(GM)が1日、経営破綻(はたん)に追い込まれた。今後は米連邦破産法の適用を受け、さらに米、カナダ両政府の支援のもとで再建を目指す。4月末に同法の適用を受けた米クライスラーはこの日、1か月という短期間で裁判所の管理から抜け出したが、規模が大きく多様な事業を展開するGMの再建は、平坦(へいたん)な道のりではなさそうだ。
 ◆「実験台」◆
 オバマ米大統領は30日に放映された米テレビインタビューで「(GM再建に)できれば政府は関与したくなかった」と述べた。
 米政府の自動車業界への支援は、時を追うごとに膨れあがってきた。GM本体への支援額は計約500億ドル(約4兆7500億円)に達し、クライスラーや関連金融会社、部品業界への支援もある。
 加えて米議会では、環境技術開発への支援強化、新車買い替え促進の助成などが議論されており、すべて合わせると1500億ドルを超える可能性が出てきた。
 海外からは一部で「特定業界への保護政策だ」との批判もあがりそうだ。それでも、オバマ政権がGMの一時国有化に踏み切らざるを得なかったのは、米経済への影響が大きいからだ。
 GMは北米事業の売上高が約861億ドルに上り、米国内の工場従業員だけで約6万1000人もの雇用の受け皿になっている。再建への道が開けずに清算となれば、回復の兆しが出ている米経済を再び奈落の底に落としかねず、オバマ政権にとって致命傷となる懸念もあった。
 米政府は、GM破綻の衝撃を和らげるために「周到なシナリオ」(関係者)を練った節がある。
 債権者の数が限られ、破綻処理が比較的単純と見られたクライスラーを1か月前に「実験台」として破綻させ、混乱の程度やGM破綻の際に必要な措置を見定めた。さらにGMが破綻する当日にクライスラーの「出口」を公に示す――。市場では、これらを米政府の必死の演出、とする見方がささやかれている。
 オバマ大統領は1日、裁判所の管理から事実上脱したクライスラーについて、「何万もの雇用が救われるだろう」と評価し、破産法適用の利点を強調した。

 ◆技術力◆
 GMは、販売台数で3分の2以下にまで、経営の身の丈を縮める。
 「新GM」は「シボレー」「キャデラック」「ビュイック」「GMC」の4ブランドや、採算の取れる事業、資産だけを引き継ぐ。生産拠点や販売網は大幅に減り、6万1000人の工場従業員は、10年末までに4万人に減らす計画だ。
 政府の支援もあり、新GMの負債は170億ドル程度と、現在の5分の1程度の規模に圧縮される。財務の健全性は、海外の競合メーカーをやや上回る水準だ。
 ただ、再建の行方には影もさす。一つは、米政府とGMが「事前準備」のとりまとめを急ぐあまり、全米自動車労働組合(UAW)に譲歩を重ねたことだ。
 例えば、小型車は当初、生産コストの安い中国や韓国からの輸入を目指していたが、31日発表の再建計画では、米国内の休止工場で生産することに変更され、閉鎖工場の数は16から14に減った。人件費に関しても、手当などが削られた一方、基本給や年金支給額などはほとんど手つかずだ。
 「雇用維持を迫るUAWの圧力に屈した」との見方が出ており、GMを破綻に追い込んだ一因ともされる高コスト体質が解消されるか疑問符が付く。
 また、自動車メーカーの競争力回復には商品力を高めることが不可欠だ。現時点で、GMが魅力ある小型車や環境対応車の開発技術をどこから導入するのかは不透明で、再建への道筋は十分に描き切れていない。(ニューヨーク 池松洋、ワシントン 矢田俊彦)
          ◇
 二階経済産業相は1日、GMの破綻に伴い日本の中小企業などの経営が悪化した場合には、政府系金融機関を通じた資金繰り支援を検討する考えを示した。
 帝国データバンクによると、GM破綻により日本の102社が売掛金の回収ができないなど不良債権を抱える可能性がある。このうち年間売上高が100億円未満の中小企業が52社ある。
 経産省は「早い段階から(GM破綻が)起こりうることを承知していただけに、大きな混乱はない」(二階経産相)との基本認識だが、今後、中小企業への影響の広がりを注視する考えだ。
 日本の自動車業界には、GMの再建過程で失業者が一時的に増えたり消費者心理が悪化したりすることの悪影響を心配する声がある。米国では日米の複数のブランドを扱う販売会社が多い。GMやクライスラーは不採算店舗との契約打ち切りを進めており、米販売会社の倒産が相次げば、日本車の販売にも影響が及びかねない。
 また、トヨタ自動車は、取引のある米系部品会社が連鎖破綻した場合に備え、北米工場で約2か月分の自動車部品を積み増した。特に経営が厳しいとされる米部品会社約40社の動向も点検し、「必要があれば資金支援などを行うため、数百億円を準備した」という。ホンダも北米工場で部品在庫を増やした。



2009年06月02日(火) ラビ・バトラの予測「大企業の倒産が続出する」

ラビ・バトラの『資本主義大爆裂』という本がある
http://blogs.dion.ne.jp/bodhisattva/archives/6793548.html
近未来10の予測として、次を掲げていた

・原油価格は100ドルを越えて高騰し続ける
・サブプライム住宅ローン危機は再三爆発する
・2008年、米国大統領選挙は民主党の勝利
・アメリカの大企業の破綻が続発する
・日本の好況は2008年半ばか末まで
・2009年にイランが新たな中東の火種となる
・アメリカの資本主義は数年内に終焉する
・2009年後半から2010年前半に世界的な重大危機
・中国にも2010年に危機到来
・日本で新たな経済システムの胎動が起こる

「アメリカの大企業の破綻が続発する」これはラビ・バトラの予測の通りになっている。リーマンプラザーズ、保険ではGAI、製造業ではクライスラー・GMである。アメリカの資本主義は数年内に終焉していくのか・・・いや、そうではないと言う人も多いだろう。時代をどう認識するか実に難しいテーマである。それにしてもGMの負債が1728億ドル(約16兆4000億円)というから、巨大な泥舟であったのだ。規模を3割圧縮して国営「GM」が誕生するが、前途は多難といわねばならない。
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GM「3割縮小」で再出発 破産法申請、負債16兆円
                 2009年6月2日  日経
 【ニューヨーク=小高航】米ゼネラル・モーターズ(GM)は1日、米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用をニューヨーク市の破産裁判所に正式に申請した。GMは8月末を目標に新会社への資産譲渡など破産法手続きを完了。販売規模を今の約7割にあたる600万台程度に縮小した「新生GM」として再起を図る。米自動車大手3社(ビッグスリー)のうちクライスラーに続く法的整理は世界の自動車業界の勢力図を塗り替え、日本メーカーも含めた各社に戦略の練り直しを迫る可能性がある。
 GMの破産法申請を受けてオバマ米大統領は1日、声明を発表し、「GMの利害関係者は信頼に足る達成可能なプランをまとめた。米政府は(再建を)支援する」と表明。GMのヘンダーソンCEOは同日、「(法的整理の活用により)GMは身軽でよりコスト競争力のある企業に再生する」とコメントした。
 ニューヨーク証券取引所は1日、GM株を上場廃止にすると発表した。GMの負債総額(同)は1728億ドル(約16兆4000億円)だった。(02:16)



2009年06月01日(月) GM破産法申請関連のニュースの収録



1、GM「破産法を1日に申請へ」 米政府発表、3.8兆円追加支援(01日 11:01)
2、GM、11工場閉鎖へ 損益分岐点、1000万台に引き下げ(01日 11:12)
3、米政府、1日にGM再建支援表明へ 財政出動、8兆円に膨張も (01日 07:27)
4、オバマ大統領、GM再建で2日未明に演説 (01日 08:12)
5、GM日本法人は事業継続、資金も確保 (01日 16:00)
6、GM、全米自動車労組から妥協引き出す 報酬や退職者医療保険で (01日 14:09)
7、GM、一時国有化で再建 破産法1日にも申請 (31日 23:06)

 GMは破産法を申請することになった。今日はニュースの目次の収録のみに留めてたい。
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1、GM「破産法を1日に申請へ」 米政府発表、3.8兆円追加支援
 【ワシントン=大隅隆】米政府は31日、米自動車最大手のゼネラル・モーターズ(GM)が連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)を1日に申請すると発表した。同社の事業を引き継ぐ新生GMに米・カナダ両政府が計396億ドル(約3兆8000億円)の追加金融支援を実施。GMは両政府が72%を出資する政府管理企業として再出発する。昨秋の金融危機で深刻化した米GMの経営危機は実質的な一時国有化という節目を迎えるが、中長期的な競争力回復は今後の課題となる。
 GMは1日朝にも破産法を申請する。オバマ米大統領が1日午前11時55分(日本時間2日午前0時55分)に演説し、一時国有化に理解を求める。ほぼ同時にGMのヘンダーソン最高経営責任者(CEO)も記者会見を開く見通し。
 GMの連結ベースの資産規模は三月末時点で約823億ドル(約7兆8000億円)。米製造業の破産法申請では過去最大、金融業を含む米企業全体でも過去4番目の規模となる。
2、GM、11工場閉鎖へ 損益分岐点、1000万台に引き下げ
 【ニューヨーク=清水石珠実】米ゼネラル・モーターズ(GM)は、経営再建を通じて事業規模を大幅に縮小する。収支がトントンとなる損益分岐点を、現在の年間販売台数(米市場)1600万台から、1000万台に引き下げる。リストラ策として、11工場の閉鎖と3工場の一時休止に踏み切る。米政府高官が明らかにした。 (11:12)
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3、GM「破産法を1日に申請へ」 米政府発表、3.8兆円追加支援
 【ワシントン=大隅隆】米政府は31日、米自動車最大手のゼネラル・モーターズ(GM)が連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)を1日に申請すると発表した。同社の事業を引き継ぐ新生GMに米・カナダ両政府が計396億ドル(約3兆8000億円)の追加金融支援を実施。GMは両政府が72%を出資する政府管理企業として再出発する。昨秋の金融危機で深刻化した米GMの経営危機は実質的な一時国有化という節目を迎えるが、中長期的な競争力回復は今後の課題となる。


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石田ふたみ [MAIL]

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