小野瀬 遥の日記
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いのちやはなにぞは露のあだものをあふにしかへばをしからなくに
初めて、断ることが出来た。
もういいかな。
やっともう、大丈夫かなって思える。
沢山たくさん、足踏みして、何度も出ようとして出れなくて 進もうとおもって進めなくて、あけようとした扉、いつまでも あけれなくて、後ろが気になって、どうしても先に進むことが 出来なかった。 本当の温かさは何もない場所だったのに、どうしてもそこから 離れることが出来なかった。 苦しかったのに、少しだけ存在した偽者のあたたかさに惑わされた。 こんなに簡単な一歩がいつもどうしてこんなに踏み出せなかったんだろう。 いつもそう思う。この人が私の中にいる大きさを。 怖くて一人が寂しくて、決してその人といても満たされることはなかったのにどうしてこんなに求めていたんだろう。
でも、もういいかな。手を離せるかもしれない。
一人で歩き出せるかもしれない。
後ろを振り返らない勇気、怖いという気持ちに立ち向かう勇気、 泣いてもいいやっていう勇気、そんなものが私にもちゃんとあったんだって 思っている。
小野瀬 遥
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