ここんとこの円高のおかげで薔薇が安いのはありがたい
先月の28日から昨日までの約一月の間、 毎日毎日、歌舞伎座に出演するおっしょさんの付き人をしていた。 ことの起こりは、稽古中に歌舞伎座出演の話を聞き、 「付き人させてください!」と好奇心満々でお願いし、 おっしょさんが「いてくれたら助かるかも」と快諾してくれたから。 右も左も分からない新しい世界での新しい仕事、 しかもそれが歌舞伎の世界のはしっこって。 弥が上にも期待が高まる。
基本的には、おっしょさんの傍にいる。 おっしょさんに同行してに舞台の行き帰りに三味線と裃を運んだり、 演奏中はぞうりを預かっていたり。 時々頼まれてお使いに行ったり、荷物を運んだり、壁に時計を掛けたり。
時に奈落で迷子になり、出会った富十郎さんの貫禄に圧されて道を尋ねられず、 さまよった末に、スタッフとめぐり会い無事に使いを果たして帰ることが出来たり、 時にばったりと入り口にいた菊之助の綺麗さにどぎまぎしたり、 なぜか笛のおじさんと仲良くなったり、 舞台裏で芝居の真似をしていたところを狂言方さんに見られて、以後からかわれたり、 とにかく、毎日特等席で長唄を聴いて舞台裏を観察している環境だったので、 これが仕事だなんて思えないくらい楽しい毎日だった。
楽屋で他の長唄社中の出演者と出番を待つ間、おっしょさんと色々な話をして楽しんだ。 イラストデザインの仕事やらの相談をしたり、 次々と届けられる楽屋見舞いに舌鼓を打ったり、 大人数の楽屋は終始にぎやかで和やかでくつろいだ雰囲気だった。
午前中に事務仕事をして、夕方から歌舞伎座に数時間勤めて、 帰ってきてまた色々仕事をしていたから、体がきついこともあったのだけど、 気持ちに張りがあり、三味線の扱い方やメンテナンスについて教えてもらったり、毎日何かしらの発見があるので、本当に楽しかった。
そして、付き人稼業をしている間に、新しい仕事(商売?)に目覚めて、 4月からはそれを充実させることにした。 その商売は、オーダーメイドご祝儀袋(ぽち袋)の作成。 心づけやご祝儀、お礼など使うあれ。 自分だけのオリジナルのデザイン(大概は名前を連想させるもの)を考案して、 一枚一枚手作り。 この業界、結構需要があるらしく、すでに受注あり。
なんだか、昨日が卒業式な様な感じで、今日は腑抜けた感じ。 そんな場合じゃないんだけど、今日ぐらいはいっかな。
春の嵐のような怒涛の生活も、来週末の宴会が過ぎれば落ち着く予定。 そうしたら、本格的にしたいこと新しい仕事始めることにする。
実弟の徳松にメールでおねだり。 拍子抜けするほどに快諾。
いっつ届くっかな〜。
食事会に行った。 大人しくしていようと努力はしたのだけど、アタクシの杯だけ穴が開いていたようで、すぐに空になる。
おかしいね?
でもすぐに注いで下さるので、あなうれしや。
おっしょさんの許可をいただいて、同席の皆様に新しい名刺をお渡しいたしたり。 仕事が来るとは思わないけど、このまま名前も知らずにいられるのは惜しいようなきがしたりして。 というより、何かしらどこかで繋がればいいなと思ったり。
今何をしているのかとか何とかはまた落ち着いてから。
どこぞのセンセは「好奇心は身を滅ぼす」とおっしゃったりしていましたが、 己の好奇心のお陰の今の現状、なかなかどうして。 いつかひょっこりこの体験が活きてくるようなことがありますように。
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