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『きょうのできごと』柴崎友香 2011年11月23日(水) 連作短編集。飲み帰りの男女、飲み最中の男女、飲み前の男…など、それぞれの場面を、違う人物を語り手にして描いたもの。 あらすじを書けないような話が書きたいと語っているだけあって、あらすじを書くのは難しい一冊です(笑) デビュー作なんですね。 ものすごくなんてことない場面が淡々と描かれていて、特に大きな事件があるわけでもなく、なんなんだろう、この本は…と思いながら読みましたが。不思議に退屈しませんでした。 ★★★ |
『木暮荘物語』三浦しをん 2011年11月20日(日) 連作短編集。古い安アパートに暮らす人々。数年音沙汰のなかった元彼が突然現れた女性。階下の女子大生の生活を覗き見る男性。友だちから赤ちゃんを押し付けられた女子大生。アパートの住人と、彼らの周りの人々の物語。 三浦しをんを読むのは3作目なのですが、こんなにうまかったんだ、と驚きました。なにせ、読んだのがデビュー作の『格闘する者に○』と、『ロマンス小説の七日間』ですからね(笑) すごくおもしろかったし、こんな風にまとめるなんてうまいなあと感心させられました。 特によかったのが、『柱の実り』という一編。 全編通して、エロがテーマになってるのか?という感じの一冊なんですが、この「柱の実り」がなんなのかというと…いや、読んでみてください(笑) 駅の柱に謎の突起が現れて成長していくのだけど、自分ともう一人にしか見えないらしい?という話です。 まさかこんな着地をするとは、思いも寄らなかった。泣いてしまった。 犬の名前が女の子と同じというのも、最後に効いてますね。 女子大生の部屋を覗き見する『穴』も好きです。 予想外の終わり方でした。これもなんだか泣ける。 おじいちゃんの話は笑ったしなあ。 うーん、三浦しをん、これから読んでみなくては。 余談。漫画化されているようですが、全話? 漫画化できるのかな、『柱の実り』とか(笑) ★★★★☆ |
『東京ルームシェア生活』きのしたきのこ 2011年11月15日(火) コミックエッセイです。女性三人のルームシェアの様子を描いたもの。 一人暮らしにも興味があるのですが、ルームシェアにも興味がありまして。 料理の幅が広がるというのが楽しそうですねー。 絵も見やすいし、おもしろかった。 まあ、私はたぶんルームシェアには向きません(笑) |
『百鬼夜行抄 12』今市子/『天地明察 1』漫画・槇えびし/原作・冲方丁/『チャンネルはそのまま! 4』佐々木倫子 2011年11月14日(月) 『百鬼夜行抄 12』今市子これ、漫画ではさらりと描かれているけど、映像化されたらすごく怖いだろうなあ…。 ============================= 『天地明察 1』漫画・槇えびし/原作・冲方丁 本屋大賞受賞作『天地明察』の漫画化です。 絵、というか線の感じかな?が、雰囲気あって好きですね。 あまり絵が映えるようなタイプの物語ではないと思いますが…。でもまあ、続巻は買うかなあ。 ============================= 『チャンネルはそのまま! 4』佐々木倫子 この人の漫画は主人公が巻き込まれ型と巻き込み型とありますが、私はそもそも熱血で人に迷惑かけまくるタイプのキャラクターが嫌いなのですよね…。 そんなわけで、ちょっとイラっとしてきました。って、前巻でも書いたっけ?(読み返すの面倒なので確認はしません) やっぱり、この人の漫画は無表情で人の迷惑に耐える人が主人公の方がいいと思うよー。 |
『姉の結婚 2』西炯子/『坂道のアポロン 8』小玉ユキ/『カナシカナシカ』紺野キタ 2011年11月13日(日) 『姉の結婚 2』西炯子真木と、割り切ったつきあいをすることにしたヨリだが、同窓会で訪れた島で思いがけず小屋に閉じ込められて…。 ----------------------------- 真木もヨリもなにをどうしたいのかよくわからず。まったく共感できないのですが…。 ============================= 『坂道のアポロン 8』小玉ユキ うわー、ものすごく死亡フラグが…と思いながら読んでいたら、こんな展開に…。(死んでません) 物語はこれからどうなっていくのでしょう。またしあわせな時間が訪れるといいのですが。 ============================= 『カナシカナシカ』紺野キタ すごく目つきの悪い、かわいくない男の子が主人公というのが珍しい(笑) 今まで私は血のつながりがないとかいうことが悲しいということを、どんな物語を読んでも共感できずにいました。 でも、この漫画で、それはとてもせつなく悲しいことなのかもしれないなあ…と初めて思いました。 |
『マリアビートル』伊坂幸太郎 2011年11月06日(日) 殺し屋たちの物語、『グラスホッパー』の続編。息子に大怪我を負わせた少年を殺すため、北へ向かう新幹線に乗り込んだ、元殺し屋の木村だが、相手の狡猾な中学生、王子に逆に囚われてしまう。 その新幹線には、腕利きの殺し屋である、蜜柑と檸檬の二人組が、誘拐された依頼主の息子を救い出して乗っていた。 一方、超絶に運の悪い殺し屋七尾も、その息子の身代金を奪うようにとの依頼を受けて新幹線に乗り込んだのだが…。 ----------------------------- 『グラスホッパー』はちょっと苦手だったのですが、これはおもしろかった。 特に蜜柑と檸檬の二人組がいい味出してますね。 七尾は、眼鏡くんですこぶる運が悪いけど実は腕利きという、ものすごいモテ要素抜群なキャラですね(笑) かわいそう萌えする人多発に違いない(笑) 伊坂幸太郎の小説は、なんといっても伏線の回収の楽しさだと思います。 今回も、七尾が新幹線の座席のあちこちに仕掛けた仕掛けが、どういう風に回収されていくかがとてもおもしろかった。なんだかピタゴラ装置みたいですよね。(ルーブ・ゴールドバーグ・マシンというそうです。棒が倒れてボールがころがっていってそのボールが板を倒して…みたいなやつです) 読んでてとても楽しかった。 『グラスホッパー』の登場人物もちょっと出てきます。事件もちょっと関連がある。ほとんど内容忘れているので、もう一度読みたくなりました。 ★★★★ |
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