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「PLUTO 7」浦沢直樹・手塚治虫
2009年02月28日(土)
地上最強のロボット七体のうち、六体までがすでにプルートゥに破壊されていた。残るはエプシロンだけ。
戦災孤児たちを養育する心優しきエプシロン。
一方、アトムを目覚めさせるべく、天馬博士は……。

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美形のエプシロンが主役をはっている一冊でした。
ちょっと物足りなく思ってしまうのは、エプシロンが、あまりにもロボットくささ・ロボットの悲哀を感じさせないからでしょうか。
早くアトムの活躍が見たい!
「魔法使いの娘 7」那州雪絵
2009年02月27日(金)
陰陽師を父(血はつながっていない)にもつ初音。知り合いのジュニアさんに頼まれて、消えた花嫁探しをするはめに…。

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無山に、人生を操られていることに気づき始めた初音。
うわぁ、話の核心に近づいて、俄然おもしろくなってきました!
気づいていたのに気づかないフリをしていた、足元に開いた大きな穴。ぞっとする感覚の描き方がほんとにうまい。

ジュニアさんの話もよかった。全自動お祓い機のジュニアさん。自分では見えないのに神もお化けも信じるんですね、と初音に尋ねられての答えがすごく深かった。
久しぶりに、さすが那州雪絵と思える一冊でした。
「つづきはまた明日」紺野キタ
2009年02月24日(火)
小学5年生の兄・杳(はるか)と幼い妹・清(さや)。母を亡くしたばかりで、父と三人暮らし。叔母がよく訪ねてきてくれる。
そんな藤沢家の隣家に、家族が越してきた。娘の佐保は、杳と同級生。亡くなった母に似ていると、驚く藤沢家……。

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本領発揮というべきでしょうか。
こういうあたたかくほんのりせつない日常、みたいなのが、ほんとにうまいですね。
子どもの手の丸さとか、お尻の弾み具合とか(笑)、子どもたちみんなかわいいなあ……。見ているだけでなごむ。

ちょこちょこ出てくる、お隣さんとお母さんが似ているという設定は、後々どう活きてくるんでしょうか。
時々非現実的な世界が混じる(バランスが崩れた混じり方で)のは、なんなのかなー…。
「京都ゲイタン物語」大原由軌子
2009年02月21日(土)
京都の美大に入学したユキコ。個性的な同級生、寮生活、美大の授業など…。
「大原さんち」のシリーズでおなじみの作者が、自身の美大での思い出を描いたもの。
美大ってこんな授業するのかーとおもしろかったです。
「GANTZ 25」奥浩哉
2009年02月20日(金)
とうとう、大阪編が終了!
一気に読んだ頃と違って、やけに長く感じた大阪編ですが、終わってほっとしました。そして、新たな展開に入るようです。

私の感想としては…西くんて何者?ってことと、私なら生き返りたくねーな…ってことですね(笑)
そして、しゃべれないパンダが100点とったらどうするのかが気になる!(どうでもいいか)
「いらつく二人」清水ミチコ・三谷幸喜
2009年02月19日(木)
J-WAVEで放送中のラジオ番組を書籍化したもの。
二人の軽快な(?)トークおもしろいです。
ほほう、と思うような話題があれこれ。でもすぐ忘れちゃうような話ばかりですけどね(笑)


余談ですが、今回は、ここのブログを書いていてよかったなと思いました。なぜかというと、読み始めたら、読んだことあるような気がしたんです。知ってる知ってるって数ページ読んで…。でも、読んでないはずなんだけど…。わからなくなり、ブログを遡ったところ、やっぱり感想が書かれていないので、読んでないはず!という結論にたどりつくことができました。
たぶん、本屋さんとかで最初の方ちらっと立ち読みしたんじゃないかな。憶えてないけど。
この年になると、自分の記憶が夢なのか夢じゃなかったのかも曖昧になりますからね! こういうものを書いておくのは大切。もっと早く書いておくべきだったなー。たぶん、私がいちばん本を読んでいた時期は高校時代なので、その頃からつけておきたかったね…。

ただ、ブログは遡るのがちょっと面倒ですね。ノートの方が見やすいような…。うん、でも、書くのが面倒よね。無理しないのが一番。
「荒野」桜庭一樹
2009年02月15日(日)
人気の恋愛小説家を父に持つ、山野内荒野。中学に入学したばかりの荒野は、一人の少年と出会う。
中学生から高校生という、少女が女になっていく時間を描いた作品。

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メッタ斬りを読んで、「私の男」を読んでみたいと思ったんですが、なかったのでとりあえず他の作品を。初・桜庭一樹です。
どうかなーと思ったんですが、好きですね。うん、たぶん、全作読みたくなる勢いで好きな気がする。
(ちなみに、男名ですが、女性作家です)

なんかもう、すごく少女漫画の世界だったんですよ。入学したばかりで一人の男の子に出会って、とか、その場面も、その後の展開も。
小説って、今まで読んだことないような、よくわからないけどおもしろい話、というものと、これこれ、これを待ってたよーという話と、あるじゃないですか。これは、後者なんですよ。すごく馴染んだ世界がそこに待っていた。たぶんね、吉田秋生好きな人は、好きですよ。そういう空気感。
でも、意外に、そういう小説ってなかなか出会えないものですよね。そんなことないですか。漫画は、定番をうまく見せてくれる作家ってけっこういる気がするんだけど、小説って定番があんまりない気がするんですよねー。そんなことないですか。

というわけで、とてもしあわせな時間を過ごしました。
この子、とても恵まれているんですよ。父親が小説家で、母親はいないけど、理解者が近くにいて。男の子にもてもてというわけではないけど、自分の特別な人たちはちゃんと自分のことを愛してくれて。コンプレックスもあるけど、それはスパイス程度。
そして、いろんなことに揺れ動くけれど、そんなに大きな事件はなく…。そして、大きな決断(選択)もない。
読者は、この子の目を通して、その時間を体感する。大きな選択をしない、というのは、読者と主人公を乖離させないためですよね。
こんな人生、うらやましいよ、ほんとに(笑)

ちょっと物足りなかったのは、悠也はあれだけなの?ってことですよ(笑)
そんな、都合のいいだけの男で、君はいいのか!っていう。もっと活躍して欲しかったですねー。もうちょっと生身であって欲しかったというべきか。この作品で描かれているのが「女性」だからしょうがないのか。男性も、全員あくまで少女漫画的でしたね。
あと、さらに欲を言うと、もっと強い感情が欲しかった。
私は、ハートをぎゅっとつかまれるような瞬間を、待っているんだよなあ。本を読んでいても、ライブに行っても。


余談ですが、タイトルなんて読むのかなーと読み始める前に悩んでいたんですが、「こうや」が正解です。
なんで悩んでいたかというと、井上荒野(あれの)さんて作家さんがいらっしゃるじゃないですか。だから、「あれの」かなーって思ってたんですよね。(帯を見て、女の子の名前だということはわかってたので)
女の子に「荒野」って名前をつけるって、なんか高尚な感じがします(笑) 高尚っていうか…深いなあって。ロマンを感じます。
★★★★
「狂気な作家のつくり方」平山夢明・吉野朔実
2009年02月08日(日)
作家・平山夢明と、漫画家・吉野朔実の対談集。今年発売されたばかりです。
吉野朔実の漫画は読まないけれど、書評関係の本は好きでよく読んでいます。平山夢明氏は私はまだ読んだことないんですが、「異常快楽殺人」とか書いてらっしゃる方だそうです。

途中で、「黒いヴェール」の話が出てきて、あ、これ読んだことあると思いました。「本を読む兄、読まぬ兄」(吉野朔実)に収録されてる対談ですよ。このときもおもしろいと思って読んだので、たっぷり読めてよかった。
テーマはなにかな…「ちょっと怖い記憶」?
おもしろかったです。興味深いといった方が正しいか。
秋田の火葬場の火力が弱くて、骨が……っていう話とか、ぞっとしますよね。でも、誰でもいつ遭遇しないとも限らないことなわけですよねー。怖ろしい。

大友克洋の「童夢」って評判はよく聞くけど読んだことないんですよね。読んでみたいと思いつつ…。

いい編集者、悪い編集者の話もおもしろかった。なるほどねーと思います。やっぱりなにごとも誉めて伸ばさないとね!(笑)

どうして、人間て怖いものにふれたがるんでしょうね。ホラーとか、喜んで怖がってるのっておかしいよね。私はホラー映画はほとんどみないし、小説とか漫画もあまり読む方ではないけど、猟奇なニュースとか聞くと、思わずええって聞いちゃいますよね。なんでだろう。
私は異常心理に興味があるんですけど。(異常に限らず、心の動きというものに?)
非日常にふれたいということなのかなー。
「BAKUMAN 1」小畑健・大場つぐみ/「いのちのパレード」恩田陸
2009年02月07日(土)
「BAKUMAN 1」小畑健・大場つぐみ
叔父が漫画家だった真城最高(もりたか)は、絵が上手。クラスメートの亜豆(あずき)美保に片思い中。
秀才の高木秋人に、二人で組んで漫画家になろうともちかけられる。漫画家なんてばくち打ちと同じだと思う最高は、最初は断るのだが、亜豆が声優を目指していると知り、自分たちの漫画がアニメ化したら声優をやってもらう(のと結婚の)約束をし、漫画家を目指すことを決意する。

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デスノートコンビの新作。
なんだか絵がちょっと変わったような…。(前の方が好きだった…)

で、話ですが。なんだか恵まれすぎているような…。気がしませんか。
とりあえず、あんまりおもしろくないです!(笑) でも2巻は読んでみる。それでおもしろくなかったらやめるかも…。



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「いのちのパレード」恩田陸
Jノベルに奇想短編シリーズとして連載された短編集と書き下ろし1編をまとめたもの。

「観光旅行」
謎の観光地の話。奇妙な現象が、恩田陸っぽい。

「スペインの苔」
不幸な女性の話。スペインの苔の意味がさっぱりわからないんですが。まあ、そういうもんかなと…。
女性の話自体は、けっこうおもしろかった。

「蝶遣いと春、そして夏」
蝶遣いとその弟子の話。叙情的。ラストあたりの一文が哀切さを漂わせていていい。

「橋」
東西に分けられた国境には橋がかけられ、両端をそれぞれ見張る人たち。
なんだか下町ちっく。こういうのも書くんだなー。石鹸がいいね。

「蛇と虹」
姉妹の夕暮れの記憶。語り口といい、恩田陸っぽい。でもこういうのあんまり好きじゃない。
でも、書く方はこういうの楽しいと思う。

「夕飯は七時」
知らない奇妙な言葉を聞くとそれが自然に具現化してしまう三兄弟の話。
梶尾真治っぽいコミカルな短編。

「隙間」
隙間を恐れる男の話。隙間って怖いですよね。私も、ふすまとかドアの隙間怖い。

「当籤者」
高額の籤の当選通知が届いた男の話。ホラー。当選した人は襲われることを警戒しないといけないという怖ろしい籤です。いやいや、そんな怖ろしい籤ありえないよーと思ったり。
これはいろんなパターンが考えられる話ですよね。ふーん、こういう風に終わらせるのか…と。

「かたつむり注意報」
とある町で起きるかたつむりの大移動の話。これも叙情的。うーん…かたつむり…嫌だな(笑)

「あなたの善良なる教え子より」
一人の男が先生に当てた手紙。綺麗にまとまってて一番わかりやすい話かも。

「エンドマークまでご一緒に」
ミュージカル風に一人の男が朝起きてからを描いた話。ブラックユーモア? なんじゃこりゃと思いつつ、ちょっとおもしろかったかも。

「走り続けよ、ひとすじの煙となるまで」
走り続ける王国の成り立ちから衰退までの話。オチがあるのかと思ったけどやっぱりなかった(笑)

「SUGOROKU」
すごろくのコマのように毎日進めるコマを告げられる少女たちの話。すごくドキドキしつつ読んだんですが、やっぱりオチはなかった(笑) そうか…オチは…ないか…。でもやっぱりこの盛り上げ方はすごい。

「いのちのパレード」
あらゆる動物たちがどこかへ向かって歩いていく…。
一番よくわからなかった話。うん、まあいいけど。

「夜想曲」
とある屋敷を訪れた彼ら三人は、書斎で一人の青年を見つける。彼らの正体は実は…。
うちにも来ないですかね(笑)


私、恩田陸大好きなんですけど、短編集はいつもイマイチなんですよねー…。それでも読むんですけど。
★★☆
「BAROQUE 3」小川彌生
2009年02月05日(木)
こちらの世界にやってきたミーア(エーリアス)は、司・翼と三つ子の兄弟として温と同じ学校に通い始める。温は、幼なじみの緋陽子にミーアの面倒を頼むが、ミーアたちの正体がばれてしまう。
そして、トランスたちを狙う謎の女教師が現れ…。

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なんか、少年漫画っぽいですね! うん、なんとなくだけど。
だんだん読みやすくなっている気がします。最初の方は異世界の場面が多かったのと、設定がイマイチわからなかったので。
「でかい月だな」水森サトリ
2009年02月04日(水)
同級生の友人に崖から蹴り落とされたぼくは、足に大怪我を負い、バスケのできない身体になってしまう。友人を憎む言葉を口にしないぼくに、家族や周りの人間はとまどいを感じているようだ。しかし、蹴り落とされた理由もわからず、友人とはあれ以来会えないまま。どんな風に思っていいかわからないでいた。
長い入院とリハビリ生活を終え、1年遅れで高校二年生に進級したぼくは、インチキ錬金術の研究をする中川、片目に眼帯をし、邪眼を持っているということでクラスで浮いている少女・かごめと知り合う。
そのうち、ぼくは空に泳ぐ魚といった不思議な光景を目にし始める。世界がなにか変だ…。

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小説すばる新人賞受賞作。メッタ斬りで紹介されていて興味を持ったので読んでみました。

文章は素直で読みやすいです。やけに若々しいなあ…と思ったけど、それほど若い方ではなかったです。あ、女性なんですか? へー。
途中で、なんとなく不思議な世界が入ってきて、どこへ向かっているんだこれは?とちらっと思いましたが、それはあまり気にせず読み進んでよさそう。

家族の態度だとか言葉とか…そういう「当たり前の日常」の場面が、ものすごくこそばゆい(笑) わー、照れるからやめてーみたいな。
でも、主人公の感覚とかが、すごくわかるなあ…と思いながら読みました。周りがやんや言うわけだけど、それに対して思うことっていうのが、共感できるんですよ。自分が怪我したことで家族が怒ったり泣いたり、それって自分が加害者?って考えてみたりとか、怒っていいのは俺だけだ!とか、怪我を口実にわがまま言ってる!って非難されたりとか。
そうそう、世間ってそういうイライラするものなんだぜ、と思いますよね。でもこの感覚ってそれほど一般的ではないような気もします。やっぱり、家族は怒るのが一般的だし、本人にそんなつもりはなくても、怪我を口実にわがまま言って!とか思われたりするものなんですよ。こういう感覚が理解できるのって、もしかして年代的なものなのかなあ……と思ったりします。
私は、そうそうそうなんだよ!って思いながら読みました。

そういう、嫌な現実がありつつ、この物語には、怪我をした(進級が1年遅れた)せいで新しく知り合う同級生がいて、彼らは主人公にとって癒しの存在となるわけだけど、彼らが都合のいい存在すぎる気もしました。やっぱりねえ、こういう人たちは現実にはいないですよ。と思っちゃうんだなあ。
ラストの加害者の少年も、そうです。彼の動機も書かれてますが、美しすぎるでしょー。
いろんな意味で、癒しが理想的すぎるんですよ。(花火とバーベキューは別に理想ではないですが…)
その分、まとまりはよかったですが。
★★★
「三千世界の鴉を殺し 14」津守時生
2009年02月02日(月)
爆弾の仕掛けられた装甲車を降りるニコルの前に、ルシファの仇敵、アルジャハル教授が現れた。銃弾に倒れたニコル……。

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時間の進み方がものすごく遅い本作。なにせ赴任してまだ二ヶ月ですからね…(笑)
今回は、変態アルジャハル教授が初登場ということで。もろに変態でしたね(笑)

ルシファの愛の言葉(?)に対してのサラディンの言葉がちょっと意外でした。
って、あれをよしとする私は破滅的なんですかね。喜んで、そうして!って思っちゃった(笑)
いや、その続きを聞いたら、なるほどと思いましたが。


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