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「PLUTO 1」浦沢直樹・手塚治虫 2004年09月30日(木) 手塚治虫の「鉄腕アトム」の「地上最大のロボット」を原作とした漫画。物語は、スイスの最強ロボット・モンブランが何物かに破壊された事件を発端に始まります。その同じ頃起きた、ロボット保護団体幹部の人間の殺害事件。ロボットは人間に危害を加えることができないはずなのに…?という、原作にはない話も絡んできています。 主人公はロボット刑事のゲジヒト…と思ったら、1巻は彼を主として描かれてますが、あくまでも主人公はアトムなんですね。いや、主人公はロボットたちというべきかな。 この世界では、ロボットたちも結婚生活を送っているんですね。破壊された巡査ロボットの奥さんとゲジヒトとの対話のあたり、表情は変わらない(変えられない)のに、気持ちが伝わってくる。 それに、ノース2号の話で大泣きしてしまいました…。最後のページで。 ブラウ1589は、原作には出てこないロボット。シチュエーションは「羊たちの沈黙」だけど、ヴィジュアルはどう見てもナウシカの巨神兵ですよね。いや、ラピュタ? あらためて、浦沢直樹はすごい…と思いました。あらすじはもう読んでしまったけど、それがどういう風に描かれていくのかが、とても楽しみです。 装丁も凝っててかっこいいです。 通常版を購入した後に、豪華版が出てることを知ったんですが。豪華版はサイズが大きい上にすごく高かったので、通常版でよかったかな。豪華版見たら買っちゃってたかもしれないし(笑) 豪華版には手塚治虫の「地上最大のロボット」がついてきたようなんですが。私は文庫版で購入しました。ちなみに7巻。 ★★★★★ |
「生まれる森」島本理生 2004年09月17日(金) 恋愛小説ですね。あまりこういう類の本は読まないんですが、こういうジャンルに共通する空気感というのがありますよね。さらりとした空気のような水のような。そんな感じ。どこらへんがいいのか、いまいちわからないんです。読み慣れないせいでしょうか…。 ★★☆☆☆ |
「物語の体操」大塚英志 2004年09月16日(木) 「みるみる小説が書ける6つのレッスン」というサブタイトルがついています。「キャラクター小説の作り方」よりももっと実践的な、小説を書くためのレッスン法が紹介されています。「作家」というのは特別な人間なのか?という疑問を覆すための、様々なレッスン法。 うーん、とてもおもしろい。これ、やってみたいなあ。 ★★★★☆ |
「緋色の椅子 3」緑川ゆき 2004年09月07日(火) 完結です。王になったはずの少年、彼に会いに来た幼馴染の少女、身代わりの少年。三者それぞれ魅力的。 最後に明かされる今までのことの理由というのが、少し弱いのですが、泣かせる。 終わりの方はちょっと散漫な空気になってしまった気もしつつ、作品全体はとても好きだったので、3冊分あわせて、★4つ。 ★★★★☆ |
「キャラクター小説の作り方」大塚英志 2004年09月06日(月) キャラクター小説とか、ライトノベルとか呼ばれているジャンルがあります。そういうジャンルの社会的な位置や役割、将来などを考えた本。 作り方と書かれているので、ライトノベル作家になりたい人のためのマニュアル本みたいなものだと思われがちだと思いますが、それ以外の人が読んでもとてもおもしろいと思います。小説というものは、どういうものなのか。ライトノベルにとどまらず、考えてみることができる本です。 ★★★☆☆ |
「精神道入門」小栗左多里/「舞踏会の華麗なる終演」茅田砂胡 2004年09月05日(日) 「精神道入門」小栗左多里漫画も交えた精神修行体験記といったところ。 読んでみて、やっぱりうさんくさいところが多いなーと(笑) うん…ある意味押し付けというか思い込みというか。そういう部分がないと、成り立たない部分てあるんだよね。精神修行って。 小栗さん、文章もうまいですね。あと、怒り方が、いい(笑) ストレートでいいなあって思います。 中に入ってみないとわからない部分ていうのがあるから、けっこうおもしろかったです。ダーリン〜の方がいいけど…。 「舞踏会の華麗なる終演」茅田砂胡 シリーズ外伝。…というか、後始末というか、完結編というか。 収まるところに収まったという感じで、特に感想はありません。 |
「DEATH NOTE 3」他漫画いろいろ 2004年09月04日(土) 「DEATH NOTE 3」大場つぐみ・小畑健どんどん新しい展開になっていきますね。よく考えるなあ。もう全部詰め込んじゃおうって感じなんでしょうか。 おもしろい。続きが楽しみです。 対面しない方がクールでスリリングだった気もするんだけど…。テニスシーンはなんかのパロディなんですか?(笑) 「小さなお茶会 完全版・2・3・4」猫十字社 猫の夫婦もっぷとぷりんのお話。心温まる。時に詩的。 「しましまえぶりでぃ 4」TONO・うぐいすみつる 懐かしいです。猫かわいいよねぇ。それに笑えて好きです。 「グーグーだって猫である 1・2」大島弓子 かわいくも泣かせる、猫との生活。 2巻では闘病記のようになってますが…。全快されることを祈っております。 |
「失はれる物語」乙一 2004年09月03日(金) 「マリアの指」以外は再読。好きな話が多いので、全部もう一度読んでみました。「Calling You」 確か、これが私が初めて読んだ乙一でした。これではまった。すごく好きです。 もう一回読んで、やっぱり泣いてしまった。すべてがぴたりとはまってる感じとか、テーマとか、(私的には)完璧です。 この読書日記で評価の★をつけ始めるようになってから、まだ5つはつけてないと思うのですが、これは5つつけてもいい。 「失はれる物語」 この堕ちていく感じが好きです。 手を振り払う行為は、自虐的でありながら自己満足にしか過ぎないとも思うのです。でも、それでカタルシスが得られるので、好きです(笑) 「傷」 この少年も、自虐的で自己満足だと思わないこともないんですが、でもいいよね(笑) 父親の身体に傷がなかったとか。お姉さんが帰ってこなかったとか。泣かせる。 「手を握る泥棒の物語」 泣かせる度は低いですが、ほんわりするよね。 でもどちらかと言えば、私は「未来予報」を入れて欲しかった気がする。あれ、味わい深くて好きなんですよね。 「しあわせは子猫のかたち」 これも好きです。人気のある作品ですよね。 最後の方にいきなり推理小説っぽい展開になるのは、違和感があるんですけどね…。それを差し引いても、やっぱりすごく好き。意志を感じられていい。 「マリアの指」 この本の中では異色な感じがしますよね。やっぱり、いきなり推理小説っぽい展開になるのが違和感感じる。 まー…私はそんなに好きじゃないですが…。 なにはともあれ、装丁も美しいし、これで読者が増える(買いにくかった人でも買いやすくなる)のは、いいことなんじゃないでしょうか? あとがきで、三部作(?)がどーのと語っていたのが、ほう、と思いました。 |
「アラビアの夜の種族」古川日出男 2004年09月02日(木) アラビアンナイトの世界ですね。作者不詳の本を訳したという設定のようですが、ほんとは違う(自分で書いた)んですよね? 訳注とかもついてるけど、それもお芝居なんですよね?入れ子構造になっているのですが(作者不詳とかなんとかいう本だという設定を考えたら、三重?)、作中で語られる物語が語られる経緯というのが、ナポレオンの進軍がどうのという話で、これはイマイチよくわからず。流し読みしてしまいました。終わり方はおもしろかったですが。 作中で語られる物語がとても魅力的。文体とかが時々ちょっとおかしいのですが、確かに「翻訳」っぽい感じになってて、そういう意味でもおかしい。 長くて読み慣れない世界なのでちょっと疲れたけど、おもしろかったです。 ★★★☆☆ |
「少子」酒井順子 2004年09月01日(水) 日本では少子化が問題になってますね。酒井順子さんは最近「負け犬の遠吠え」という本で注目されている方ですね。私は、けっこうな年の未婚女性だったりします。 そんなわけで、ちょっと興味があって読んでみたのが本書。30過ぎても子供を産まない女性は、なぜ産まないのかを、ご自身の体験や意見を交えて考察しているもの。 「痛いから」「結婚したくないから」「うらやましくないから」「愛せないかもしれないから」「面倒臭いから」「シャクだから」「男が情けないから」と項目だてて様々な理由が書かれています。 んー…まあ、どれも当たっているんだろうし、どれかがなくなれば解決するというものでもないだろうし、人それぞれだろうなあ…。結婚する人が、出産する人が、明確な理由なんて持たずになんとなくそういう成り行きになったように(どうしてもしたくしてしてる人もいるでしょうが)、しない人だって、なんとなくそういう成り行きになっちゃったんですよ。意図してしないというよりは、やっぱりできなかったというのが本当のところかもしれません。「したいと思えないこと」はやっぱり「できないこと」なんですよ。 だからって、それを人格の欠落とは思って欲しくないんですが…。既婚の方は往々にしてそういう風に思ってらっしゃる。なんにだって向き不向きってあるでしょう。人間がこんなにたくさんいて、生活環境や思想などが変わっていけば、役割のパーセンテージなんかも変わってくるものなんだと思います。 一応、今の世は、人それぞれの価値観だとか生き方を、それなりに認めてくれてるから。結婚しなくても生きていけるんだよね。私も、これっぽっちも子供を産みたいとか思ったことないです。どうしてなんだろうと何度か考えてみたけど、あんまりおおっぴらに書けるようなことじゃないので、書きません。。 ★★☆☆☆ |
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