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秘密(清水玲子)/不思議な少年(山下和美)/西洋骨董洋菓子店(よしながふみ)
2002年04月28日(日)
サイト制作が昨日で終わったので、今日はたまりにたまっていた漫画を読みました。

□秘密/清水玲子(白泉社 JET COMICS)
発売してから数ヶ月間探し求めてたんですけど見つからなくて(笑)
でも、重版できたんですね。山積みになってました。買ったら安心しちゃって、読むまでにだいぶ経ちましたけどね(笑)
これは、生前の脳が見た映像を再現できるようになった近未来の話で、それにより、事件の捜査が行われてるわけです。
その設定の話が二本収録されていて、最初の話は99年のものなんで、私も読んでいたもの。設定がハードな割に、物語のテーマはすごく…なんていうかなあ…デリケートな…っていうか。こういう感情を、こんなにうまく一本の話として見せられるのって、すごいなあと、いつもながら感心。大統領の物語と、語り手の男性の物語と、どちらも丁寧に描いてるわけですよ。しかも、それはオープンな感情ではなく、こういう感情、理解されるだろうか…というタイプの感情なわけです。読み直してみて、あらためてすごいと思った。「秘密」って簡単なタイトルだけど、この話を読み終わると、ああ…って思う。
もう一つの方は、私は初めて読んだけど、本格的なサスペンスって感じでおもしろかったです。

あらためて、私のいちばん好きな漫画家さんだと思いました。絵は、私としては完璧に好みというわけではないんですけど。こういう漫画が読みたかった、と思う漫画を描いてくれる。特に私は短編が好きです。短編こそ、本領発揮だと思う。
ちなみに私はジャックとエレナが大好きなんで…また彼らの話が読みたい。輝夜姫も好きだけど。←余談だけど、碧にはいらいら!(笑) 自分の大切な人を守るためだったら、私ならどんなことでもする。世間体なんか考えるの、そういうのを偽善っていうんだよ。一人の人間にとって、どの命も平等であるはずなんかない。

□不思議な少年 1/山下和美(講談社 モーニング)
このタイトル見て、マーク・トゥエイン原作か?と思ったんだけど、オリジナルな様子。でも、意識はしてるでしょうね。
一話ずつ、時代も場所も変えた読み切りの体裁をとっているけど、必ず不思議な少年(容姿は白人の男の子)が狂言回しを務めている。人間の光と闇…。ちょっと闇の方が多いような気もしますが。人間だからしょうがないか。おもしろかったです。
ちなみに、マーク・トゥエインの「不思議な少年」(岩波文庫)もオススメ。私は小学生の頃に読んで、ショックを受けました。私の世界観に大きく影響を与えた一冊。

□西洋骨董洋菓子店 1〜3/よしながふみ(新書館 WINGS COMICS)
ずっと読みたかったんだけど、ようやく読めました。おもしろかったー。特に、2巻の雨の中で回ってるやつとか、ケーキに飴がけしてるやつとか、大ウケ。こういう真剣っぽく妙なノリで笑わせてくれるやつって、なかなかない気がする。すごいおもしろかった。
ところで、ドラマとはいろいろ違うんですね(笑) 小野さんがF木N人じゃあわないけど、設定が違うんだからいいのか。月9で原作通りにはできないね(笑)
ところで、ドラマより漫画の方が千影さんがいいですね!(笑) 「何にも無くはなかったですよね」っていうのが、ちょっとほろりときました。私は、純粋な人、けっこう好きなんです(笑)(でも、不器用な人はいらいらするかも…)

でも、こんかい読んでもまだ20冊くらい読んでないのが積んである…。

そうそう、久しぶりに「八雲立つ」がおもしろかったです。最近、話もつまんないし、絵も全然魅力的じゃないし…もうだめかな、と思ってたけど。時々、はっとするほど魅力的な絵を描いたりするんですよね、この人。話もよかった。大切な人の命、数ヶ月でもいいから戻して欲しい、って…。
マイ・セレクション
2002年04月26日(金)
久しぶりに会った友だちが、なんでもいいから本を貸して欲しいと言う。結婚したばかりで、新居にあまり本を持っていってないらしい。本が読みたくなったら実家に行って読んでくるんだと言っていた。
高校・短大時代は、しょっちゅう本を貸し借りしていたものだけど、最近はあまり会う機会がなかったので、貸し借りもしなくなっていた。でも、本の趣味はわかっているしね。

というわけで、ここ数年で私がこれぞと思うものを選んで貸してあげた。
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乙一「石ノ目」「きみにしか聞こえない」「失踪HOLIDAY」
恩田陸「光の帝国」「三月は深き紅の淵」
北村薫「ターン」
服部まゆみ「この闇と光」
金蓮花「舞姫打鈴」「水の都の物語」
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紙袋をのぞいて、これで連休中読む本ができたー、と喜んでくれた。(新婚なのに出かけないのね…)
よく図書館には行ってるらしいから、知ってる本もあったかもしれないけど。
暗いところで待ち合わせ/乙一(幻冬舎文庫)
2002年04月20日(土)
「警察に追われている男が目の見えない女性の家にだまって勝手に隠れ潜んでしまう」という話です。
おもしろかったです。ラストの盛り上がりには多少欠けますが、暖かいものが残る。
特に、第二章の終わりのところが、よかった、ほろりとさせられました。「大変だ、それに返事をしなくてはならない」というところが好きです。言葉を交わさずに、互いの存在を認め合うところが…。シチューの温かさが私にも伝わってくる。
異常なシチュエーションで、ごく当たり前の状況が、暖かくて泣かせられるという描き方がうまいです。

「必要だったのは、自分の存在を許す人間」。それを最後に言葉で説明してしまってるところはまだ拙いですが、ちゃんと物語の過程でそれを感じさせてくれてるから、私は彼の作品が好きです。
うーん、早くまた次作が読みたいなあ。
やさしい悪魔の物語 4/川口まどか(ボニータコミックス)
2002年04月18日(木)
新しいサイト制作に勤しんでいるため、なかなか本を読めずにいます。でも、漫画はぼちぼち読んでます。
今日は、「やさしい悪魔の物語」の新刊を読みました。今回は小品という感じでした。でも、随所随所に、忘れかけてるものを思い出させてくれるような部分があります。
この間、「HUNTER×HUNTER」の新刊も読みましたが、今あんまりおもしろくないです(笑) あんなゲームあっても、ややこしくてやりたくない。私はとにかく、アイテムが集められればいいんで、こちらを立てればあちらが立たず、というルールは嫌いです(笑)

一昨日、乙一の新刊を買ってきたので、土曜日に読むのが楽しみ。
気持ちを並べること
2002年04月09日(火)
十二国記のアニメ今日からだったのに、見忘れた〜。直前まで憶えてたのに、終わる時間に思い出した(笑)

ダ・ヴィンチを購入。本棚の特集だったの。つい羨ましくなって買ってしまったのです(笑)
やっぱり作家さんの本棚はすごいですね。あいうえお順に並んでて、しかも増えていくためのスペースがちゃんと空けて取ってあるの、理想じゃないですか。でも現実はそんなスペース空けてなんて収納できないよね。詰め込まないと。…大きな本棚が欲しい。
ああでも、書庫はやだな。私は自分の部屋が王国なんで、自分の目の届くところに置きたいです。囲まれていたい(笑) …大きな部屋が必要ね。
私の部屋は、文句を言うと怒られそうなくらい、けっこう広いんですけどね。でも物がありすぎて狭く見えると言われます。本棚すごいたくさんあるんだけど…まだ足りないです。これでも、古本屋に売ってるんだけどねえ。。

私は以前古本屋でバイトをしてたんですが、分類して仕舞うのって、楽しいですよねえ(笑) しかも、自分の部屋じゃないから、明確に並べる法則があるわけですよ。(自分の部屋だと、自分の好みを入れたくなってしまうじゃない?)
楽しいですねえ。。
ダ・ヴィンチに、我孫子氏の書庫は、マンガ家の喜国氏が遠征して片づけに来てくれたんだ、という話が載ってますが。人んちのでもやりたい気持ちは、わかります。
この間、中古CD店に行ったんですよ。そこが、すっごい狭い店内で、まったく乱雑に雑誌やらCDやらが置かれてるわけです。探すのも一苦労。っていうか、乱雑すぎて、すべてに目を通すのは不可能。
バイト代は安くていいから(でももらう)、一日ここを私に貸し切らせてくれ、整理させてくれ〜と思いました(笑)(一日じゃ無理かも)

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「好きな作家」というのをあげる時に、みんなどうやって選んでいるのかなあ。私の基準としては、「すべての著作を読んでみようという気になっている作家」です。
まあ、必ずしも全部読んでるわけじゃないんだけど。ハードカバーとか買わないし、手に入りにくいものやアンソロジーの短編も、無理して手に入れようとはしない。
あと、栗本薫は、著作が多すぎて追いつかないし、ジャンルがかなり幅広いので、読む気のないものも1/5くらい(←すごい適当)あります。それでも好きな作家にあげる。

最近、私は森博嗣の話題が多いですが、好きな作家にはあげてません。何故なら、ひとつのシリーズしか読んでないから。シリーズ以外のも読もうと思ってるけど、全部の著作を読もうとはしていないから。同様に、島田荘司も、御手洗ものしか主に読んでいないので、あげていない。ミステリで好きな作家は、と訊かれたら、この二人をあげるけど。


…作家って、オンリー志向ってあんまりないよね…(笑)
作家は、いろんな人を好きなのが当たり前じゃないですか。
本読まない人だったらいるかもしれないけど、ある程度の読書量の人だったら、私はこの作家しか好きじゃないーとか、あんまりない気がするんですが。

最近、音楽というジャンルにおいて、そのことを考えます。
音楽は、独裁的じゃないですか?
作家に対してとミュージシャンに対してと、まったく違うから、較べるのもおかしいけれど。
私はそういうものを求めてる。
なのに。一途でありたいのに、理想と現実のギャップに悩まされます。
なんでかなあ。どうして私は、それを理想と思ってしまうんだろう。どうして私は、一途じゃいられないのよ。

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私は小さい頃から、自分の好きなものの順番を決めるのが好きだった。
いちばんを決めたがるのは、それの延長かもしれない。
自分の気持ちの順番が決まってれば、安心していられる。分類通りに棚に並べて、安心していられる。
でも、ほんとうは決める必要なんて、ないんだよね…。決まってると自分が楽だから、決めたいだけなんだ。でも決めるのが大変なんだ(笑) むずかしー…のは、私だけなのかなあ。わからない。
葬儀の日/松浦理英子(河出文庫)
2002年04月06日(土)
どうにもイヤな気分です。
初期作品集だそうですが。
「葬儀の日」は、まあいいとしよう。私の好みではないけれど、なんとなく伝わってくるものは、決してイヤではない。
「乾く夏」は以前読んだ「ナチュラルウーマン」と印象がかぶるので、特に新しい感想はなく。
…最後の「肥満体恐怖症」が、イヤでした。見たくないものを見せられた。それを直視することによって、自分の中で新しい世界が開かれたとかの作用があるならともかく、私にはそういう作用はなかったようで。ただ、見たくないものを見せられただけかい、ってことで。イヤな気分になりました。
「親指P」が予想外におもしろかったので他のも読んでみてたけど、たぶんこの人のはもう読まない。(だいたい、あんまり見かけないしね…)


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