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MONSTER 18/20世紀少年 8/浦沢直樹(小学館)|YASHA 11/吉田秋生
2002年02月28日(木)
「MONSTER」、とうとう最終巻です。2,3日前にめざましテレビで紹介されてたのを思い出して、本屋に寄りました。(新聞にもカラーの一面広告が載ってた。すごいね) そしたら、「20世紀少年」の方も出てたのね。
「MONSTER」おもしろかったです。やっぱり泣かされました。
ラストのページがいまいちわからないんですけど…。
やっぱりね、スケールの大きな話だから、1巻ずつ読んでたんじゃ、忘れてた部分とかあるから、もう一度ちゃんと読み返したいですね。(雑誌で読んでたらもっとわからないでしょう…)
「20世紀少年」の方も、巻ごとに、違う展開を読ませてくれて、ほんとに飽きさせないお話づくりがうまい。今後も期待です。
なにやらMONSTERの副読本も出るそうで。それも期待。

「YASHA」も新刊が出てました。この巻の最後の方の展開(凛と尊の)が、せつないですね。。
スキップ/北村薫(新潮文庫)
2002年02月17日(日)
17歳の少女だった私が、ある時目を覚ますと、42歳の自分になっていた、という話。彼女は、いきなり、夫も娘(しかも17歳)もいる女性になっていた。

なんというかね。いい話なんだけど、どうにも文章が私は馴染みません。さらりと読めないんだよね…。違和感がある。なんでだろう。
あともう一冊「リセット」(時と人三部作らしい)は読むつもりだけど。

読書感想文についてのくだりがちょっとおもしろかった。
読んでも書きたいことない時が多い、感じてももわっとした思いの時が多い。でも、書けって言われたら心からの感想がなくても文章をでっちあげられるかを試してる、それは大人の力だよねっていう。
その通りなんだよね。私は、本はよく読んでいたけど、読書感想文っていうのがほんとに苦手だった。文章でっちあげられなかったんだよね。今でもあんまりそういうことできないなあ。私がでっちあげた文章って、いかにもおざなりに書いたな、ってわかるでしょ?(笑)
数奇にして模型/森博嗣(講談社NOVELS)
2002年02月12日(火)
三連休中で地道に読みました。
なかなかおもしろかった。なにがおもしろかったかっていうと、会話が(笑)<それが推理小説のあるべき姿かどうかは疑問だ。
この人の話、いつもパズルみたいなんだよね。そして動機が妙に哲学的で理解できるようなできないような…って感じなのよね。この話もまさにそんな感じで。
でも会話がおもしろかったです!(笑) シリーズを追う事に、おもしろくなっていくね。作家の筆が乗ってきたからなのか、読み手である私の気持ちが乗ってきたからなのか、それは定かではありません。

でもこのシリーズもあと一冊だね。
ところでこのシリーズ、犀川と萌絵のイニシャルをとって、SMシリーズっていうらしいんだけど。初めてこのシリーズ名見たとき、びっくりしたね(笑) 正式にはS&Mなのかな?

なんというか、この人の読んでると思考の仕方とか文章の持って行き方とか似てきそうなんだけど…(笑)
でも、多かれ少なかれ、みんな誰かの影響を受けて生きてんだ。一人の影響が顕著だとマネしてるとか言われるけど、いろんな人からの影響を自分で適当にブレンドしたら、それはオリジナルって言われるんだ。
誰からの影響を受けたいかっていうのも、自分の選択で生きてるんだ。
不可視の断絶
2002年02月05日(火)
この間読んだ「夏のレプリカ」に、萌絵と友だちの杜萌は、数字の憶え方が違うって描写が出てきた。萌絵は数字を映像で憶える、杜萌は音で憶えるって。

私はどうかなあって、いろいろ考えてみた。
読書する時に、(心の中で)音読しながら読むと、時間がかかるんだそうだ。読書し慣れてる人は、文字を音として読んでいないから早いんだって。
私は、小説を読んでいても人の名前を音として読まないので、なんて呼ぶのかちゃんとわからないままに読んでたりすることがある。あと、名前がカタカナだと、頭文字とかで憶えてたりするので、アルスリーアだのアルザールだの、同じ文字ばかり頭につけられると憶えにくい(笑) だからかな、漢字の名前が好きなの。
でも、電話番号とかを憶えるときは音。…あんまり憶えるの得意じゃないんだけど…。人の誕生日は、数字に対するイメージで憶えてる。…あんまり憶えてないんだけど(笑)

ライブに行って私はいつもレポを書くんだけど、ライブって、聴覚と視覚と…あと何かな、気分?(笑) …なんだよね。
ライブ見ながら、けっこう文章を頭で考えてたりする。文章を思考する時には、映像ではできないね。やっぱり音でだね。
…その状況を文字に変換するって、どういう行為なんだろうなあって思う。
文字って文章って、すごい共同幻想だ。アナログとデジタルほどの次元の違いじゃない。もっともっとひどい。すべての事象と文章の間には、途轍もなく広い河が流れてる。
なのに、同じ言葉を使って、同じものを見ている気になって、その断絶になんの気も留めないんだ。私の頭の中と、実際の事象と、私の文章の間には、そしてこれを書く私と、これを読むあなたの間にも、眼にすることすらかなわない闇が広がっているんだね。
女王の百年密室/スズキユカ(原作・森博嗣)(幻冬舎コミックス)
2002年02月04日(月)
小説の方を読み終わったんで、コミックスを購入。けっこうかっこいい絵です。私は好き。
そして、芸が細かい(笑)←ちょっとネタバレだけど、主人公が片目義眼なのね。

話はコンパクトにまとめられちゃってるので、あの世界観があまり堪能できないかなとは思うんだけど、絵ならではの違う世界観がある気がする。物語に忠実でありながら、独特の雰囲気も持ってる。かなり成功したコミックじゃないでしょうか。
夏のレプリカ/女王の百年密室/森博嗣
2002年02月03日(日)
昨日読みかけだった「夏のレプリカ」、今朝読み終わった。そして、午後からは、さらに前から読みかけだった「女王の百年密室」を読んだ。

「夏のレプリカ」の方、なかなかドラマティックでおもしろかった。いつもパズルを解いてるような感じだったけど、これはなかなか人間ドラマですね(笑) 犀川先生と萌絵はあんまり出てこなくて、萌絵の友だちの杜萌の物語。

解決を知ってから読み返すと、うーむ、とうなる(笑) なんというか、この人の話は、小説ならではの文章のレトリックを使った話が多いから、映像化はできないですよね。
ここヒントなんだろうなって思うようなセリフとか場面がけっこうあるのね。(それがフェイクだったりもする)
でも私は、なぞなぞの本を読んでいるわけではないから、謎解きしようと思って読んだことはない。だから、ここがどういう風に活きてくるのかなあなんて思いながら読んでる。普通、推理小説ってそういう伏線はさり気なく気付かれないように張るものだと思うんだけど、すごくこれみよがしにヒントを出すよね(笑)

「女王の百年密室」の方は、一応殺人事件が起きて謎を解こうとしてるんだけど、ミステリというよりはSF。
近未来。砂漠にある、女王が統治する、小さな国。その国には、死も、罪も罰もなかった。

最後に謎がするりと解ける心地よさっていうのがあまり感じられなかったんで、読後感は期待していたほどではなかった。でも、世界観はすごく気に入った。綺麗な話。
この作家は、この話に限らずとても哲学的なことを書くから。漫画で読んだらもっとわかりやすいかもね。
殺人鬼の放課後/恩田陸・小林泰三・新津きよみ・乙一
2002年02月02日(土)
スニーカー文庫から出ている、ミステリー・アンソロジー。四編入ってるけど、割と薄め。

「水晶の夜、翡翠の朝」(恩田陸)
これは、「麦の海に沈む果実」と同じ舞台。登場人物も一部同じ。この作品の短編、よく書いてますね。
童謡を使った見立て怪事件。短いながらも、すごくスタンダードな推理もの。

「攫われて」(小林泰三)
少女が誘拐された経験を話す…という話なんだけど。
私、読んでて気持ち悪くなって倒れそうになりました(笑)
病院の待合室(付き添い)で読んでたんだけど、座ってたからよかったけど、立ってたらやばかったかも。血の気がすーっと引く感じで、やばい、と思ったのでちょうど最高潮のところで読むのを中断。昔、「殺人鬼」(綾辻行人)を立ち読みしていて、足折られるシーンで、血の気が引いて倒れそうになったことがあるんだけど。それ以来ですね。私、ホラーも読むし、一般よりはかなり恐がりではないと思うんだけど、痛いのはダメなのー。いやもう、ほんとに痛かった。
ちょうど、気持ち悪くなって読むのを中断したところで、母親が戻ってきて、私がジュース買って飲んでしゃがみこんでしまったので、どうしたの?と訊かれ。「本読んで気持ち悪くなった」と答えたら、「どうして、○○(兄)とあんたはそんな本読むのかねー」と笑われた。いえ、別に私は痛い本を読みたいわけではないんですが。読んだら、そういう話だったんです!(笑) 痛くなければ、ミステリはスリリングでおもしろいのよ。
その後、電車の中でつづきを読んだけど、あとはそんなに痛い描写がなかったんで大丈夫だった。
読み終わってみて、話自体はすごくインパクトがあったと思う。いろんな意味でね。かなり強烈に忘れられない話になった。ちょっと読み返したい衝動もあるんだけど、また気持ち悪くなるとイヤだから、我慢してる…。
それにしても、母が「どうしてそんな本を読むの?」と訊いたけど、私は「どうしてそんな話を書くの?」と思う。読んだだけで気持ち悪くなるほど痛い描写が書けるっていうのは、筆力があるってことなんだろうけど、どうして、痛くしなければいけないのかな…。それとも、読んで痛いと想像してしまう感覚が、麻痺してるの?

「還って来た少女」(新津きよみ)
自分にそっくりな少女が現れるという…。
さらりとしたホラーというか。私、こういうの全然怖くないんだけど…。怖いのかな? いや、怖がりたいわけじゃないんだけど。でも怖くなかったらホラーの意味がないよね。

「SEVEN ROOMS」(乙一)
姉弟が、誘拐されて監禁される話。その部屋は7つあって、小さな溝でつながっている。そして、一部屋に一人ずつ女性が入れられていた。
なかなか、凄まじい話でした。設定がすごい。かなりスプラッタなんだけど、痛くはない。(痛いと思う人もいるかも?)
泣かなかったけど、読み終わった後思わず沈黙して立ち上がれなくなってしまうような…。スプラッタのくせに、いい話でした。スニーカーの彼の話は、どれも好きだ。


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