白月亭通信別記
老い先短い残照の日々、
おりふしの所懐を、
とりとめもなく書き留めて…

2009年09月20日(日) 熊が人を食う

20日付の朝日新聞西部版に衝撃的な写真が掲載されている。
19日岐阜県でおきた熊の襲撃事件の現場写真である。いままさに巨大な熊が人間に襲いかかって食いちぎろうとしている瞬間をとらえている。見ているとゾクゾクとしてくる。現場にいあわせた(朝日新聞)読者のひとりがとっさに撮影した写真とキャプションにあるから千載一遇のチャンスに恵まれたスクープ映像として朝日新聞は紹介したものだと思われる。だがしかしこの写真はそういう特殊性からだけで掲載していいものだろうか。いままさに熊に食われんとしている人をカメラごしに見つめている人がいたことを証明している。その人は写真に撮るまえに襲われている人を救おうとする気持ちにはならなかったものだろうか。現実的には難しかったと思われるけれど現場にいあわせてしなければならないことは写真に記録することではなかったのではないか。そしてこういう写真を見ることも私は希望しない。ケータイ、デジカメと多くの人がカメラを携帯してことあるごとにシャツターチャンスをねらっている世相があり珍しい写真、衝撃的な写真が読者の投稿で新聞に掲載されるけれど熊が人を食うような写真掲載はすこし行き過ぎだと思う。



2009年09月06日(日) オペラのたのしみ

「カルメン」「椿姫」などの名作オペラを隔週で全曲を聴かせるというDVDの刊行が始まった。創刊号は半額の特別価格だというので購入した。若いころからクラシック音楽に親しみ主にラジオで名曲を聴いてきたがオペラは序曲やアリアを断片的に聞くだけでオペラの舞台を見る機会はなかったのでDVDに収録された「カルメン」のウィーン国立歌劇場の舞台映像には満足させられた。あらすじや出演者紹介はたまたオペラを聴くにはタキシード、ドレスの正装でなければならないなどの一口知識の載った解説書もついていてたちまちにオペラ通になれるところも楽しい。ただ手持ちのDVDブレーヤーでは映像が起動できずあせったがパソコンではきれいに出力したのでフルスクリーンにして堪能した。ドン・ホセ役のプラシド・ドミンゴの若かりし日も貴重な映像だ。昔、並4の真空管ラジオで弱い電波を追いながら(地方都市では電波事情が悪かった)クラシック音楽を聴いていたころに比べれはいまは様々な音楽媒体があって素晴らしい環境に恵まれていることはうれしいことだ。だが映像機器などがハイクォリティな機種は高価格で簡単には買えないのが年金ぐらしにはつらい。くだんの名作オペラシリーズも2号からは2千円になるというから継続して購入するかどうか悩んでいる。


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