2004年07月09日(金) |
デジカメ騒動、その後 |
オット「実はですね。デジカメを無くしてしまったようなのです」 ツマ『それは何故ですか』 「仕事でお店の撮影に使ってから、見当たらないのですよ」 『それは変ですね』 「最近、地べたに直接落っことして充電池のフタが閉まらなくなったり、サイズのでかいのが鬱陶しくなったりして、新しいのが欲しいなあなどと思ったのがいけなかったのでしょうか」 『猫みたいに、死に際は飼い主から離れるってやつですかね』 「訳のわからないことを」 『それにしても困りましたね。ツマは今度の旅行にオットのデジカメを借りようと思っていたのに』 「そうですか」 『そうです』 「旅行はもうすぐですね。ならばいっそのこと新しいのを購入してしまいますか。オットもお金を出すので」 『オット“が”お金を出すのですね』 「オット“も”お金を出しますから」 『オット“が”お金を出すのですね』 「……オット“が”、です」
よく理由もわからぬままデジカメを紛失する、というオットの失態をツマは激しく糾弾するかと思っていたのだが、元来このテのデジタルものにはめっきり弱いツマはそれほど驚く事もなく、2代目デジカメの新規購入案をあっさり了承してくれた。 しかし、オットは鳥取にいて、ツマは埼玉にいる。目処をつけている機種はあるから、鳥取で購入してすぐにそちらへ送ろうか、と提案したが、 『でも、鳥取で買うよりこっちで買ったほうが安いよ』という。言われて見ればその通りである。この辺りの経済観念はものすごくしっかりしているのがツマだった。 仕事帰りのツマにビックカメラのデジカメ売場に寄ってもらい、そこから連絡をもらった。ツマの声の向こう側には売場の活気ある声が聞こえていた。 「カシオの○○○っていうやつとか、ミノルタの×××ってやつとか、あるでしょう?」 『どれもおんなじに見えるんですけど……』 「(そんなワケねーだろう)」 『ええと、どれかなあ』 「小さくて、液晶画面が比較的大きい機種なんだけどね」 『エキショウってなに?」』 「…………。撮影した後に、画像を確認するでしょう? その画面のこと」 『──ああ、ありましたよ』 「それなんかいいと思ってるんだけど」 『──っていうか、ツマはこの売場の人だかりに疲れました。もう帰りたい』 「……」 『デジカメも、なんだかよく分かんないし』 ここまでデジタルに弱いツマにその購入を任せて大丈夫だろうか。 実のところ俺は初代デジカメを紛失してしまってから、カタログを集め、雑誌のデジカメ特集を拾い読み、インターネットで使用感を調べ、大型家電店で実際の機種を触るなどして一気に情報収集を開始した。とは言っても、ツマが旅行でデジカメを使うのはこの週末なので、じっくり検討する時間は無い。はっきり言って、ほぼ一日、仕事をサボってデジカメ新規購入に時間を費やしました。 で。 なんとか機種選定を終え、仕事帰りのツマに指定したデジカメをSDカードを購入してもらいました。その日俺は仕事で夜もバタバタしていたのだが、ツマからは『なんだか分からないけれど言われるままにデジカメ買いました』と、すこしこちらを不安にさせるようなメールが届いた。
「どう? デジカメは使いこなせそう?」 次の夜、ツマに電話をしてみる。 『……まだ箱から出してないのよねえ』 「おいおいおいおいおい。せっかく旅行に間に合うように買ったんだから、ちゃんと使いこなしてくれよ」 『ツマには到底使いこなせるとは思えないのですが……』 「大丈夫。とにかく『写真を撮るぞ』って時には赤いボタンを押して、『写真を見るぞ』って時には緑色のボタンを押せば、とりあえずは大丈夫だから(実際、そういう安心設計なのである)」 『そんな、おばあちゃんに言って聞かせるような説明をしなくても……』 「ちゃんと使ってね」 『最悪の場合、使い捨てカメラを10個くらい持っていくかも』
頼むからちゃんと使ってくれ。2代目デジカメ。
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