★★☆ 想 う ☆★★
目次|過去|未来
この先生は、見た目は勝新太郎にそっくりで、かなり怖い先生だった。
きびしいことはきびしいのだが、ある夏のプールの授業の日。
授業開始のチャイムがなったので、学級委員が「整列」をかけて先生を待っていた。
だが、何分か待ってもやってこない。
どうしたんだろうと列をくずしてだらだらとしていたときに先生がやってきた。
よほど機嫌が悪かったのか、なぜ整列していない!とながながと説教が始まった。
学級委員が、「最初は並んでいました」と言い訳したのが悪かった。
なら、何故列をくずした! たるんでる!と、今度は全員その場で正座させられた。
小学校のプールサイドは正方形のコンクリート板を並べたものだったので、数分間もするとむこうずねがむちゃくちゃ痛くなってきた。
もぞもぞ動くと、「反省の色がない!」と30分ほど説教が続き、結局授業時間のほとんどがコンクリートに正座。
翌週、きっちり整列していると、今度は、「準備体操ぐらいしてろ!」とぶつぶついいながら、教室から椅子を一脚持ってきた。
そしてコースの飛び込み台の1段高くなっているところにその椅子をのせると、「今日はこの机の上から飛び込みの練習だ!」という。
4人がかりで椅子が動かないように固定して、順番に椅子の上にたたされた。
「頭から飛び込め! 飛び込めなかったやつはもう一度やれ! それでもだめならオレが突き落とす!」
今考えればおそろしい先生だった。プール水深は深くても1mそこそこ。
飛込みが得意なやつでも頭を打ちつけそうで怖気づいた。
ほとんどの生徒は、頭と腹が同時ぐらいだったので、底にぶつかるケガはなかったが、数人は飛び込めず先生に放り投げられていた。
よくぞケガをしなかったものだ。
私が教わった一番のスパルタ先生だった。
|