だだ争論

だだの日記

2007年05月04日(金) 九州GWツーリング◆雨のち、心は晴れ pt1

昨日の18時50分に南港を出発したフェリーは、
約11時間かけて、無事、大分の別府港に着いた。
上空は曇り空。天気予報によれば午前中には雨が降り出すのだとか。
明日も、明後日も、今のところ雨の予報。
毎日60〜80%の降水確率。
今回の旅は、どうあがいても雨からは逃れられないようだ。

荷物をザックカバーで包んで防水対策はバッチリ。
フェリーのゲートが開いたのと同時に、
アクセルを全開に回して飛び出した。


最初に目指すのは久住山。
途中、湯布院のコンビニでご飯を食べてから長者原へ向かう。
実は今回のツーリングでは、
長者原を北から南へ抜けるコースだけは譲れなかった。
ここは目の前に九重連山をドカンと望む、一直線の快走路。
以前、南から自転車で走り抜けたことがあったが、
下りながら後ろを振り返った瞬間、
圧倒的な山容に思わず息を呑んだのを
昨日のことのように覚えている。
その頃からいつか逆ルートで来たいと思っていた。
実際のところ、想像以上に道は気持ちいいし、
久しぶりに眺める九重連山にテンション上がりまくり!
雨が降る前に走ることができてよかった。

ひとまず牧の戸峠にバイクを止めて、頂上を目指す。
霧がひどく、雨もぽつぽつ降り出してきたが、なんなく登頂。
時間もたっぷりあったのでのんびりしたいところだったが、
雨がやみそうになかったので、そそくさと下山する。

駐車場に戻る頃には、雨が本降りになっていた。
ご飯を作る気分ではなかったので、
雨宿りがてら、レストハウスで肉うどんとご飯を食べる。
たいして期待していなかったが、
雨による体の冷えや、登頂後の疲労、空腹感もあって、
むちゃくちゃおいしく感じられた!
うー、これも雨のおかげか。
調子に乗って、ソフトクリームも注文。
これがまた、絶品!
久しぶりにこんなおいしいソフトクリームを食べた。


その後もしばらく待ったが、雨はまったくやむ気配を見せない。
雨の中を走るのは気にしてないけど、
濡れた体でキャンプするのはしんどいな。
しかも、今回は新調したテントのデビュー戦になる予定だし!
そう思って、どこかに泊まることを決断する。
GWだけに、見つからないかもとの不安がよぎるが、
2ヵ所目に電話した阿蘇YHが空いてるとのこと。
安心して出発する。
泊まる場所が確保された旅は、気が楽だ。

ひとまず、やまなみハイウェイを南に向かって走る。
本来なら見渡す限りの草原が広がっているはずなのだが、
霧のため視界は5mほど。
道の脇に緑の草がわずかに見えるだけ。
それでも、過去の記憶を頼りに
なんとなく晴れた日の風景が想像できて
気持ちよく走ることができた。雨もいったんやんだみたいだし。

大観峰まで来たものの、
宿のチェックインまで時間があるようなので、
温泉に行くことにする。
この辺りだったら黒川温泉が全国的に有名だが、
僕はあまり好きではないので、満願寺温泉を目指す。

ここの温泉は、以前にもサークルの合宿で来たことがあり、
密かなお気に入り。
川沿いに湯が湧き出ていて、
地元の人が川の脇で野菜を洗ったり洗濯をしたりするような
生活感溢れた温泉地。

露天風呂はその洗い場の隣にあり、
川を挟んだ道路から丸見え!
一人で浸かるのはちょっとだけ恥ずかしかったが、
体が温まって気持ちよかった。

風呂上がりに、昔泊まった旅館に行ってみた。
当時、サークルのみんなで色紙を書いていて、
それを見たかったのだ。
玄関で声をかけると高校生くらいの女の子が出てきたが、
事情を説明すると快く見せてくれた。
しかし、僕らが書いたものが見当たらない。
僕らの2年前に先輩が書いたのは飾ってあるのだけど。。。
尋ねてみると、「色紙がたまってるから
早く飾ろうとは思ってる」とのこと。
・・・もう7年経ってるんですけど!(笑)


まぁ、そんないろいろなことがあった後、無事に宿に到着。
昔ながらの、典型的なユースホステルだった。
しかも、ペアレントさんが元気のいいおばあちゃんで強烈。
そんでもって、ユース会員じゃなくても2450円と安い!

食料は持ってたけど、せっかくだしスーパーで買い出し。
からし入りのナスの天ぷらを買ってみたけど、
熊本ならではなのかな。
宿に戻って、キッチンで食事の準備。
ガスコンロがあったので使おうとしたら、火がつかない。
不思議に思ってガスのホースを辿ってみると
“瓦斯自動販売機”と書いてある変な機械につながっていた。
「!?」
どういうことなのか頭を高速回転させて、
ようやく“瓦斯”が“ガス”の漢字であることを思い出した。
「ガスの自動販売機」なんて初めてみたよ。

食堂では、チェックイン時に見かけた女性と、
同部屋の男性ら3、4人が話をしていて
せっかくなので、仲間に入れてもらう。
旅の情報交換に始まり、いろんな話題で盛り上がり
むちゃくちゃおもしろかった。
初めて会ったとは思えないほどボケとツッコミが見事!
みんな一人旅で、こうした語らいがとても楽しいし、うれしい。
僕も雨が降らなければ、ここには来てなかった。
今日が雨でよかった。本当によかった。

いつまでも話していたかったが、
消灯時間になったので名残惜しくも解散。

部屋に戻った時に、再び雨が降っていることに気付いた。
しかも土砂降り。遠くで雷鳴も聞こえていた。
語らいの余韻から一瞬だけ現実に引き戻されたが、
明日も雨なのは天気予報で分かっていたし、
あまり気にならなかった。
それよりも、雨でも旅は楽しいものだと、
今さらながらに思ったし、
雨だからこそのおもしろさを今日一日で感じていた。

明日はどんな一日になるだろう。
雨の音を聞きながらも、
ベッドの上では不思議と高揚感に満ちていた。


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