だだの日記
日野啓三の訃報を伝えるニュースで、毎日新聞は彼をこう評していた。 「現代人の意識の深層を明快で硬質な文体でとらえた作家」
あるいは、読売新聞。 「科学文明と人間存在の深層を見つめ続けた」
僕が日野さんに対して持ってる印象はまさにこれだ。 初めて著書を読んだ時の感動は忘れられない。 掛け値なしにおもしろかった。
池澤さんのデビュー作を読んだ時とほとんど同じ読後感。 強烈な印象だった。 だから、僕は一冊読んだだけでこの作家は好きだろうなと感じてしまった。 果たしてその通りであった。
彼を語るキーワードで、「文明批判」とか「都市幻想」もあるみたいだが、 そちらはピンとこない。僕が読んだのは後期の作品だけ。 腫瘍の手術をさかいに作風が少し違うのかもしれない。 そこのところはもうちょっと読んでみないとわからない。
昨日の夕刊を各紙読み比べてみたが、やはり読売の扱いが一番いい。 池澤さんの追悼文まであるところはさすがです。 (それにしてもやけに対応が早過ぎ。確か今フランスだよね?) それに比べ、朝日の記事はいまいちだった。
以前、新潮社の編集者と話す機会があった時、好きな作家として挙げたら、 「若いのに渋いねー、周りにそんな人いないんじゃない?」 と言われたことを思い出しました。 渋いかどうかは知らないけど、確かにそのとおりです。 読んだことがあるという人なんか聞いたこともありません。 ちょっと寂しいです。
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『ポストコロニアル』(小森陽一、岩波書店、★★☆☆☆) この本の主題を要約すると、 「日本が欧米列強なみに「近代化」することができた国家的政策としての 「文明開化」の過程を、「自己植民地化」の過程として、とらえなおす」 ということなのでしょうか。
基本的に何が言いたいのかわかりませんでした。 一節ごとの話は読めるんだけど、 それが全体としてどうまとまっているのかさっぱりです。 点と点が線にならない。
ちょっと難しかった。いや、だいぶ難しかった。 (ところどころおもしろかった)
もうちょっと「ポストコロニアル」な話題について、 わかりやすい本が読みたいです。
【200時間ヒアリングマラソン】 ・映画「巌窟の野獣(JAMAICA INN)」 (100min) 一般的に駄作の部類に入るらしいが、 ストーリーに関して言えば、思ったよりおもしろかった。 ・映画「ラスト・オブ・モヒカン(THE LAST OF THE MOHICANS)」 (110min) イメージしてたものとは違っていたが、かなりよかった。 ↑のヒッチ作品と比べると、音楽も映像も実に雄大で気持ちいい。 でも、時代背景と人間関係がなかなかわかりずらかった (最後まで主人公はモヒカン族だと思ってた。 米大陸で英仏が戦争してたこと知らなかった)。 (イメージしてたもの→「ゴーストダンス」(『楽しい終末』より)) ・ENGLISH JOURNAL 11月号 (30min) 図書館で借りれる。安上がり。 じっくり読むと有益な雑誌かもしれない。 ・NHK News(15min) MDに録音したので明日繰り返し聞こうと思う。
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