だだ争論

だだの日記

2002年09月05日(木) お金は負担する。一緒に海外へ旅に出よう」(前編)

事の発端は京都駅だった。
その時僕は、東北方面へチャリチャリな旅に出るべく輪行をしていた。
輪行とは自転車を電車に乗せられるように分解することである。
もうじき終わるという時、一人の男性が話し掛けてきた。
こういうことはよくある。
輪行しているときにはよくいろんな人に話し掛けられる。
「どこ行くの?」とか「何してるの?」といったように。
今回もそういう話から入って、いろいろな話をしていた。
大学の話とか、旅行の話とか、人生観の話とか。
そんな話をしているうちにそのおじさんに気に入られてしまい、
バイトを持ちかけられた。
なんでもそのおじさん、経営学を勉強していてそのうち本を書くらしい。
そのための原稿をワープロ打ちしてほしいとのこと。
悪い話じゃなさそうなので了解した。
原稿打ちながら(今までまったく興味がなかった)経営学について
かじってみるのもおもしろいかもしれない。そんなことを思った。
そうこうしているうちに電車の時間がきたので、
また会うことを約束してその日は別れた。

さて、それから10日ほどしておじさんから電話がかかってきた。
先日の件で打ち合わせをしたいとのこと。
こちらから電話するつもりだったので、ふたつ返事でオーケーした。
四条河原町の喫茶店で話していたが、なかなか本題に入らない。
最初は雑談なのかと思ってた。自分が大学生だった時のこと。
会社を辞めたわけ。現在の状況。旅行の話。
そして、彼は言った。
「自分は今まで旅行はしてきたけど旅というものはしたことがない
 先日君の話を聞いていてそういうことがしたくて会社を辞めたことを
 思い出した。辞めた頃はどたばたして行き損なったが今は時間がある。
 君は今までいろんなところに行ってきた。
 ぜひ君と一緒に旅をしたい。お金は全額負担する。君の好きなところ
 どこにでもいい。一ヶ月でも二ヶ月でも構わない」

話が唐突過ぎてびっくりした。こんなこともあるもんだな。
とりあえずおもしろそうだったので前向きに話を進めていった。

彼はこうも言っていた。
「これから一緒に仕事をするにあたって、お互いの気心を知っておきたい
 そういう意味でも一緒に行きたいんだ。
 とりあえず今日暇だったらうちに泊まりに来て欲しい。
 旅行の時の写真を見せてくれないか」

話はどんどんうさんくさくなっていく。
しかし、話している感じではどうも悪い人ではないらしい。
何より僕の生き様とかそういうのを高く評価してくれてる。
もうちょっと踏み込んで接してみてもいいかなと思った。

そこで、彼の家に遊びに行くことにした。


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