だだの日記
2002年07月10日(水) |
春樹再考(→最高?) |
ここ一ヶ月、ごらんのような精神状態だったので、あまり本を読むことができなかった。本を開いたとしてもなかなか頭に入らない。次のページにめくることができない。読書というのはつくづく気分を選ぶ趣味だと思った。
それでもいくつかの本を読了した。
6/15『からくりからくさ』(梨木香歩、新潮文庫) 6/16『TUGUMI』(吉本ばなな、中公文庫) 6/21『封印再度』(森博嗣、講談社文庫) 7/6 『人類最古の哲学』(中沢新一、講談社選書メチエ)
どれもおもしろかったのだが、やはり余念があって本の世界にうまく入り込めなかった。別の時期に読んだらまた違ったことを感じられたんだろうけど。なんか本に悪い気がする。
しかし、春樹は違った。 今まで苦手意識が強かった村上春樹ではあるが、『ノルウェイの森』の勢いを借りて、『ダンス・ダンス・ダンス』にも手を出してみた。これがなんというか、もろボディーブローが入ったみたいに胸に響いてきた。この全編に漂う限りない喪失感。虚無と絶望の世界。あまりのヘビィさに50ページで音を上げた。とてもじゃないけど、今これを読むのは危険すぎる。今の状態よりさらに深い闇に追い込まれそうだった。自らにドクターストップをかけざるをえなかった。
きつかった。文章がおもしろいので早く次のページをめくりたいのだが、それと同時にどうしようもない孤独感に襲われる。この本を読み終えたときにどんな気分を味わっているのか。想像するのがすごく恐かった。 今でなかったらわからなかったかもしれない。痛いほど春樹の描く世界が理解できた。今の気分と合い過ぎる(それが好きかどうかはまた別の問題だけど)。今まで分からなかった世界を新たに知れたのはいいこと。でも、あまり嬉しくないかもしれない。分かりたくはなかった…。
というわけで、『ダンス・ダンス・ダンス』。しばらく封印です。
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