月と散歩 )
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2003年04月10日(木) |
ツクババリバリ伝説 3 |
『20XX年、宇宙の旅』
なんだかSFみたいな話だけど、宇宙ステーションはもう造られている。
いま現在はロシアとアメリカの機体がいくつか繋がっているだけだけど この先、ヨーロッパやカナダなど世界各国がパーツを打ち上げて くっつけて、大規模な『宇宙港』が完成する。
さまざまな事情により遅れ気味だけど、計画は一歩一歩進んでる。
僕らが小さい頃思い描いた『未来』は、もうすぐそこまで近づいているんだ。
すげーや。
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その国際宇宙ステーションで、日本は実験区域の製造を担当している。
それがいま筑波宇宙センターにある、JEM〜通称『きぼう』ってヤツ。 これからアメリカへ送られて、スペースシャトルで打ち上げられる。 こないだの事故で多少遅れてはいるけど、思ったほどの影響はないようだ。
んで、僕らは何をしてるかっていうと、出荷前の最終点検と出荷の準備。 …の、手伝い。
名古屋の工場にあったときにちょっと触ったくらいだから、出来ることっていってもたかが知れてるもんで。
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いままではロケットを主にやってきたので、いろんな点で勝手が違う。
一番の大きな違いは、無人か 有人か ということ。
ロケットは『荷物』を運ぶだけの使い捨て。 一発勝負なので、欠陥は許されない。 …でも逆に言えば、打ち上げたらもう戻ってくることはないので 少々の融通が利く(ないしょ)。
対してJEMは 軌道に投入されてから先、10年は使い続ける。 失敗が許されないのはもちろん、中に人が乗るってことまで考えないといけないから ものすごーく気を遣う。
…いや。ロケットだって妥協のない完璧な製品を送り出してますよ。いやホント(汗)。
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やはり自分の命を預ける機体。 気になるのでしょう。 宇宙飛行士のひとたちが、たまに作業や機体を見に来ます。
今日なんて会話をしてしまいました。
「あのー、ハッチ閉めの作業って何時頃からやりますかねー?」
あ…えと…アレやってコレやってからだから…たぶん、3時頃っスかねー。
「そうですか、じゃ、またその頃…」
NASDAの監督員かと思ってたら、あとから聞くとその人、宇宙飛行士だった。 だって、フツーなんだもん(当たり前)。
かと思えば。
女性宇宙飛行士の角野サン。 とてもきれいだ、とか 子育てしながらだから大変だろうに、とか でもお子さんがいるようには見えないですよね(失礼?)、とかとか お噂は兼ねがね伺っておりました。 …僕らの会話のレベルがわかってしまいますが…(苦笑)。
その角野サンも今日、機体を見に来た。
現場に入るにはエアシャワーを浴びて、体のゴミを落とさなきゃならないんだけど。 僕が入ろうとしたとき、角野サンが出てきた。 以下、そのときの会話。
あ…。どうぞ!(お先に)
(出てきて)「すみません、ありがとうございます」
いえ!…あ…お、おつかれさまです!!
「あ、どうも…」
すげー。宇宙飛行士に道、ゆずっちゃった…!(笑)
…会話、か?
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こっちに長いこといる人の話だと、たまに宇宙飛行士の人と酒を呑みにいくこともあるらしい。
考えてみれば、すごい職場だ…(笑)。
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