★ 夏海の日記 ★

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2001年09月27日(木) 鏡を見ると

今朝、どきっとした。
鏡を見て、不愉快になる。
そこには母が映っていた。
母の実家の周辺で、伯父の漁師仲間に会うと、
誰もが笑って、私が母にそっくりだと言う。
確かにそうなんだろうけれど、若い時には自分では そう思わなかった。

月曜日に荷物を届けに母の会社へ行った。
会社に到着後、「外に着いた」と、携帯に連絡したら、母は家にいて、会社を休んだんだと言った。
母以外にも、母の仕事仲間にも用事があったので、彼女を呼んで貰い、用事を済ませ、母のご機嫌伺いにと、実家まで顔を見に行った。
案の定、サボったらしい。

ここ数ヶ月、人間関係でトラブっていて、部署を変わらされたり、母だけ連絡されなかったり、むしゃくしゃすることが多い上に、家に帰っても妹や孫の世話で気が休まる状況ではなく、連休で妹が夫の実家へ行っているすきに、骨休めをしていた。

母も妹も甥も、私の訪問を待ち望んでいる。
同じメンバーでの生活で、閉塞感があるらしく、私のもたらす新しい話題や、自分のストレスを『外部』の私に話してストレス解消をしたいらしい。
実家へ行くと、みんなが小学1年生の甥と同じレベルで私を取り合い、
愚痴や寂しさのはけ口にされたりして、かえって疲れる。

案の定言われた。
「ずいぶん長い間、構ってくれへんかったやんか〜!」
この言葉を聞きたくなくて、どんどん実家への足が遠のくのを、母は知らない。

結婚するまでの私たちって、そんなに仲良かったっけ?
一緒にどこかへ出掛けるなんて、なかったでしょ?
父も妹も母を労らない家庭で、唯一母を旅行や食事に連れだして、深呼吸させる、私の存在を心待ちにしている母を、私は知っているので、思いを全部飲み込んで、母のはけ口になってやる。

最近できたばかりのフランス料理のお店で、ランチを食べた。
美味しい料理を、ゆったりしたテンポで食べながら、母はどんどん毒を吐く。

最近の あまりの生活の疲れの為に、顔が醜くなってきている。
解消できないストレスと疲れのせいで、眉間にしわを寄せたままで眠る母。
そして、私を独り占めできた嬉しさで、童女のように笑う。

母が大変な人生を歩んできて、
最愛の息子を事故で亡くして
母に、幸せな時間をあげたいと、私は思っている。
その思いは、強迫観念のように、ずっしりと重い。

夫には内緒にしているが、『何か』の時(回忌や妹の出産や入院、母の病気で会社を休んだとき等)に母にまとまったお金を渡している。ロクデナシの父が、家にお金を入れないから、生活が苦しいのを知っているから。
その時の為に、毎月お金を別の口座で貯金している。
お小遣いを貰ったと、素直に喜ぶ母を見て、心がもやもやする。
そのお金を大切に使わず、あるだけ気前よく使うのを見て、(あげた以上、そのお金は私のお金ではないのだけれど)ストレスが溜まる。
イベントがあると(孫の初節句やら)カードで高価な買い物をする。
お金があったら、豪快に使い、無くても別に辛くない。それは、それで良い。
ただ、後先考えずにカードで買い物をするのは....。

どうやらそのしわ寄せが来て、今 苦しいらしい。
それを話されて、私はどうすれば良いの?
お金の無心をしているんだろうか?
ただ、愚痴として話をしているんだろうか?
誰に話すことも、相談することも出来ず、私のもやもやは消えない。

親子としての『普通』というのが解らないから
『普通』に接する加減が、よく解らない。

鏡を見ると、母が映っている。
避けたいのに、避けられない。
それは親子だから


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