今日のつぶやき@日々暮らはおもしろ
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☆この日記は昨日からの続きです。 昨日から読んでいただけると話が繋がると思います。 引っ張るような話じゃないんだけれど 長くなったので2日に分けてしまいました。 ちゃっちゃと続きにいっちゃいましょー☆
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「いやぁ、もう。まいっちゃったよー」
開口一番、主任はぼやきだした。
とにかくNさんが何にでも口を出してきてうるさいとか、 どこへ行くのか何時頃帰るのか、あげくは今日はまっすぐ家に帰るのか とかプライベートなことまで まるで監視するように詮索するとか、 図面のミスが多くて現場から苦情が何度もきていて もう自分もかばいきれない、とかとかとか
私はまずは聞き役と へえへえと頷きながら 主任の愚痴話に耳を傾けていたところ
「実はこの前ね」と口調をあらためて 「さとうやさんが、電話口で 『事務員は私ひとりですから』 って 言ったことあったでしょう?」 と主任が言うので、は?と私は首をかしげた。
「それを聞いてさ、Nさんが夜遅く携帯に電話してきて 『私だって事務員やってるのに、私の存在を無視している』って 電話口でおいおい泣くんだよ」
はぁ!?
一瞬なんのことやら事態が飲み込めない私。
主任にしっかり話を聞いて、よくよく思い出してみると・・・・
Nさんは、私が出勤の日でも結局 図面の仕事やら何やらで、会社へ出てくることが多い。 そんな日は事務員として来ているわけではないから もちろん一切私の仕事を手伝ったりはしないんだけど…。
で、たしかその日 私は取引先に電話をして何かを依頼したのだ。 細かいことまでは憶えていないけれど 折り返し電話をすると言う。 名前を聞かれたので 「事務員は私ひとりですからわかります」 と答えたように思う。
もしそれが翌日に返事がずれこむような電話であったなら 私はそういう言い方はしない。 常勤ではないので「明日は私はいませんので」と必ず付け加える。
以前から、事務員は二人いてもどちらか一人しか出勤しないわけなので 翌日に連絡がくるような用件は必ず「連絡ノート」に書いて伝言し、 自分が「担当者」のような名乗り方はしないようにしていたのだ。
折り返しかかってくる電話ならば 十中八九、私が取る。 そういう意味での「事務員は私ひとりですから」であって もちろん他意はなかった。
そう、たしかにその日 Nさんは事務所にいたかもしれない。 けれど私はむしろ 私が出勤の日には彼女に極力「事務員の仕事」をさせないように、 今までどおり、自分の出勤日は事務員は私ひとりだと思って 彼女に気を使っているつもりだったんだけど
それがそんなにNさんを傷つけていたとは・・・・・
でも。 これでも私、日記にはこんなふうに書いているが 彼女とは波風立てないように けっこうNさんを立てているつもり。 先月の帰省の折にも 主任に頼まれたおみやげは忘れちゃったのに 彼女へはちゃんと別に買ってきたし お昼のお茶も、工場長や主任には冷蔵庫の麦茶を出しているのに Nさんは日本茶党だからいつも彼女には別に急須で淹れているのだ。
「とにかく俺が電話に出たとたん堰を切ったように泣き出してねぇ、 もうなんと慰めていいやら困っちゃったよ」 と主任は笑いながら言った。
そうだったんだ・・・・ いつも強気でズバズバ物を言う人だって 裏を返せばいたって小心者、というのはあり得るだろう。
人はみな、そんなに強くない。
そう考えるとなんだか なんとなく彼女が憎めない気もしないでもなく 私ったらそんなに無神経な言い方をしてしまったんだろうかと こちらも少々泣きたい気分になってきた。
すると、そんな私を見て主任が 「あんまり気にしなくてもいいんだよ。 そんなにめずらしいことでもないんだから」
今までも、社長のひと言とか、会社への不満とか 涙声で電話してくることは一度や二度ではないと言うのだ。
「まあ、さとうやさんが彼女を「事務員」呼ばわりでもしたらしたで どっちにしても俺に愚痴ったあげくに泣くのは目に見えているんだから」
と、主任はこともなげに言ってちょっと苦笑した。
いや、誤解ないよう付け加えておくと 別に主任とNさんは、深い関係・・・でもなんでもない。 Nさんはかなり猛烈にアタック(?)しているようだが 主任は娘と息子を溺愛するマイホーム・パパでもあるのだ。
それなのに、そんなことで夜遅くに電話して泣くのか? もうすぐ30歳にもなる息子がいる人が。 3回も離婚して、私よりずっと豊富な人生経験を持つ大人の女性が。
いや。 泣くのかもしれない。
なんたって 「涙は女の武器」って どっかの首相も言ってたではないか。
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